「む」
昼休み。
いつものように味気ない食事を採っていた宗介は、携帯の着信に気付いた。
少し離れた席では、かなめが眠っている。
「・・・クルツからか」
着信表示はクルツ。
また何か良からぬことを企んでいるのでは、と思いつつも、電話をとる辺りは彼らしいと言えた。
「なんだクルツ。まだ授業が残っているんだが」『安心しろよ?手短に済ませるからな』
クルツ特有のおちゃらけた声ではない。
・・ミスリルの事かと、宗介ははっきり解った。
『テッサからの厳命だ。千鳥かなめの護衛を、お前からマオ姐さんに切り替える。本日イチナナマルマルに姐さんがそっちに行くからな』
「・・・なにを言ってる?」
宗介は呟いた。
折角親密になれたのに、今更別れなんて。
『で、お前はテッサの護衛だ』
「・・・了解した」
彼らしくもない。
自失呆然としながら、宗介は電話を切った