「キス、して、い?」  
 
自分でも耳まで熱く、赤くなるのを感じた。  
今、自分はどうしようも無いくらいに恥ずかしい事をゆっている。  
こんな状況に、何をゆっているのだろうか。  
穴があったら入りたい…。  
そんな事を考えているウチに、宗介が言葉を返す。  
「千鳥、今オレには人工呼吸は必要ではないぞ」  
思わずハァ?と聞き返してしまいそうな返答だが、  
かなめは宗介ならそうゆうであろうと思っていた。  
「ばか!そうじゃなくて!」  
「どうゆう事だ」  
「つまり…今、必要じゃなくても私はっ、アンタとしたいの…ょ」  
あまりの恥ずかしさに声が上ずる。  
「よく、意味が理解できないのだが」  
むっつり顔は何処までも顔色代えずに聞き返してくる。  
かなめは、なんだか恥ずかしさと情けなさで悲しくなって来た。  
 
思わず涙腺が潤む。  
そんな状態のかなめを見て、焦ったように宗介は言葉を付け足す。  
「何だかよくわからないが、君は、それで納得するのか?」  
無言でかなめは頷き、でも鼻は摘まないで、と一言囁いた。  
そのまま下を向き動かなくなる。  
宗介はしばらく様子を見ていたが、  
やがて小さい声で了解した、と言うと、かなめの身長に合わせてかがみ、  
おずおずかなめの顎を右手で引き寄せ軽く自分の唇を重ねた。  
 
(…ソースケ…)  
 
胸が、熱い。  
どうしようもないくらい、自分の心臓が高鳴っているのを感じた。  
今、自分は宗介とキスをしている。その事実だけが体のあらゆる器官を支配していた。  
 
キス、と言えども宗介にとっては人工呼吸な為、  
口からは熱い息が送り込まれてくるのだが、  
今のかなめにはソレさえも心地よいものであった。  
 
10秒くらいたっただろうか、宗介は時間を見計らったように、  
息を止めると唇を離そうと、した。  
「んっ」  
が、その時かなめ唇が吸い付くような仕草をし、  
そのまま宗介の首に両手を絡み付け、体自体を寄せてきた。  
あまりの唐突な出来事に完璧に頭が真っ白にフリーズし、  
宗介は思わず後ろに一歩、二歩と後退する。  
そして次の瞬間壁ぎわにどすん、とぶつかると  
そのまま壁伝いに座り込んでいった。  
「…ん、ちゅ、んん……ちゅ、ちゅ」  
それでもかなめは猛烈にキスの嵐をした。  
否、宗介にとっては人工呼吸の嵐だろうか。  
「ちど、ん、ん!」  
千鳥、と声を発しようとてもかなめの唇によって  
尽く言葉を塞がれてしまう。  
 
(む…、緊急、事態…だ!!)  
額にだらだら脂汗をかき対処を考えるが、  
それよりも思考が朦朧としてしまいそうだった。  
体全体が今までに経験したことが無いくらい熱くなるのを感じて、  
宗介はかなめを引き剥がそうとする。  
「…むぅ、ふ…!」  
「ん…っ、ちゅく、そ、すけ…」  
しかしかなめは、更に言葉を発するため口を開いた  
宗介の口内に自分の舌を送り込み、中を強引に掻き回す。  
「くちゅ、ちゅ…ッ」  
かなめのか、宗介のかわからない唾液がお互いの口端から溢れた。  
 
しばらく口内への攻撃が続き、  
あまりの刺激に目を伏せていた宗介の腕に  
一層引き剥がそうとする力が籠もった。  
が、途端、淡い銀色の糸を引いてかなめの唇が離れた。  
「はぁ…っ、ち、どり…!?」  
即座に荒くなった息を整え言葉を発するが、  
どこか上ずった声になってしまった。  
 
「…ばかっ、ばかソースケ!ソースケ、のばかぁ…っ…」  
かなめは目に涙をいっぱいに浮かべ、抱きつき、  
首を振りながら胸の中で何度も同じ言葉を繰り返す。  
 
「…千鳥、すまない…」  
気のきいた言葉を言えるはずもなく、謝ることしか出来ない。  
掴んでいた腕を離す。  
 
いつもあんなに強い彼女が、泣いている。  
そしてその強い彼女を、今自分が泣かせているのが事実。  
 
宗介はもう一度すまない、と消え入りそうな声で  
言う。そしてかなめの涙を自分の服の袖で拭った。  
 
「…ひぐっ、謝るなら、どうにかしてよぉ…この気持ち…っ」  
「どう、すれば良…」  
 
言葉が言いおわらないウチに、  
一瞬で宗介の視界が目の前のかなめから天井に移った。  

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