薄暗い会議室に男が三人。
口を開いたのは奥の椅子に腰掛けた銀髪の若い男。
「今回、君たちに与える指令は半分私用、まあ組織のためにもなるだろう。」
直立不動で頷く二人、片方は筋肉質の兵士風。もう片方は長髪で眼鏡をかけた科学者風であった。
「例の実験体を引き取って軟禁してある。アレを調教してやって欲しい。」
「はっ。テレサ・テスタロッサをですね。」
「ロイ?そのファミリーネームを口にする意味があるかい。」
微笑みを浮かべ窘められロイと呼ばれた兵士風の男は冷や汗をかきつつ押し黙る。
「調教と言われましても色々ありますが・・・」
科学社風の男がおずおずと口を挟む。
「うん、いい質問だ。カイン。実はかなり特殊なことをしてもらうつもりでね。」
カインは、その言葉に下卑た表情を一瞬だけ浮かべる。
「説明するよ。まずアレの中に第二の人格を作ってもらいたい。ツールは僕が用意してある。どんな人格かは君たちを人選したことで理解しているだろう。お任せする。次にその第二人格に自分自身を調教するための機器を開発させる。内容は任せる。
最後にアレのメインの人格を第二人格に吸収統合させる。それで終了。」
「完全な洗脳の手法ですね・・・まずもとには戻らない。」
感服したようにカインがつぶやく。
「楽しんでやってくれ。」
言い放つとすでに興味を失ったように目を閉じる。
「では、さっそく」
主に向かい一礼し退出する二人の股間が彼女のこれからを物語っていた。
「・・・堕ちるところまで堕ちてごらん。どうせ、つまらない存在なんだから・・・」