「サガラさん、今すぐズボンを脱いでください。これは命令です」  
「た、大佐殿。いきなりなにを……」  
〈ミスリル〉軍曹相良宗介は激しく困惑した。  
メールによる突然の命令。  
 
 
――相良宗介軍曹。本日23:00分に〈トゥアハー・デ・ダナン〉の艦長室にくること。  
なお、この命令は内密のものとする。また命令に従わない場合、千鳥かなめ護衛の任務を解くこととする。  
                                   テレサ=テスタロッサ  
 
 
宗介はズボンを脱ごうとベルトに手をかけて逡巡した。  
いくら大佐の命令とはいえ、他人の前に素肌を晒していいものだろうか……。  
イスラム教的な価値観がある宗介にしてみれば素直に従えたものではない。  
「もう一度いいます。相良宗介軍曹、いますぐズボンを脱ぎなさい」  
『軍曹』と軍隊上の命令をテッサが振りかざす。  
宗介は観念してズボンを下ろす。  
テッサは何かに期待しているかのように艶かしく宗介を見つめ、それでいて何度も何度も目を離したりしていた。  
視線の先は宗介の腹の下……。  
何かとんでもないことがおきる……。  
戦場でも感じたことのない戦慄を相良宗介は感じていた。  
 
 
テッサが物欲しげな視線を向けてにじり寄ってくる。  
宗介は戦場でも感じたことのない殺気――のようなものを感じて後ろに下がった。  
「サガラさん、命令です。そこから下がらないで下さい」  
命令と言われれば従うしかなかった。  
「いい子ですね。しばらくじっとしていてくださいね」  
テッサの吐息、テッサの体臭、テッサの熱、宗介に感じられる場所――目の前にいた。  
見上げられたテッサの灰色の瞳が目の前にある。  
潤んでいて、なにかを期待するような目つき。宗介はその瞳に恐怖した。  
「サガラさんがいけないんですよ。私がいくら頑張っても答えてくれないんですもの」  
そういっていきなり宗介の足元に跪く。  
「た、大佐殿……なにを」  
テッサは宗介のパンツを引き摺り下ろした。  
 
 
 
 
テッサは何かにとりつかれたように宗介の股間を見つめていた。  
1分ほどだろうか、しばらく宗介のペニスを見つめ続けていた。  
そのモノには、血液が流入しておらず、ぶらりと垂れ下がっていたが。  
男の性器をはじめてみるテッサにしてみれば、何をしていいかわかるものではなかった。  
ゴクッと生唾を飲み込む。  
そしておずおずと宗介のペニスに手を伸ばした。  
「た、大佐殿!!」  
宗介はテッサを思わず押しのけようとした。  
「サガラさん……、命令ですから動かないで下さいね……、すぐに終わりますから……」  
熱病に魘されたかのような声で命令する。  
「サガラさん、これに触りますからね。これは命令ですよ・・・・・」  
テッサの右手が、赤みがかかったペニスに触れる。  
「あっ、サガラさんのオチンチンあたたかーい……」  
しばらくペニスに触れていたが、テッサは意を決したか右手を前後に動かす。  
たどたどしい手つきであったが、この刺激に経験がなかった宗介は顔をしかめた。  
 
 
「あっ、サガラさんのオチンチンこんなに大きくなりました。ビクッときて……、あったかい」  
宗介の先走り液がテッサの右手の中でベチョついている。それをテッサは舐めとった。  
「……なんかしょっぱいですね」  
宗介は悪寒を感じた。  
「た、大佐殿。これでよろしいでしょうか」  
「だめです。まだこれからなんですから」  
「サガラさん。あなた……ココを他の女の人に見せたことありますか? ……かなめさんとか」  
宗介の脳裏に疑問符が浮かぶ。――どうして千鳥の名前を出す……。  
「あの何か」  
「質問に答えてください!」  
テッサの荒らげた語気に、思わず宗介は答えてしまう。  
「い、いえ。ここは誰にも見せていませんが」  
「そうですか……、ならいただきますから」  
 
 
 
 
宗介の陰茎にテッサの小さい舌が這わせられる。  
舌は根元から、茎の胴体、亀頭の付け根、そして亀頭へと、蜜を求める虫のように舌が登っていく。  
テッサの息は荒く、頬は高潮し、アッシュブロンドの髪は汗でへばりついていた。  
「た、大佐殿」  
テッサは宗介の睾丸を掴んだ、同時に尿道へと舌を伸ばす。  
なでるように。すくい取るように。球を掴むように。尿道をこじ開けるかのように。  
宗介は目を閉じて刺激から離れようとした。しかし逆に刺激が強くなる。  
尿道への口つけを終えると、脈打つ裏筋へと舌を這わせる。  
宗介のペニスが持ち上げられて、腹に触れる。  
テッサはそれには構わず、裏スジに下をのばす。脈打つ血管から宗介の鼓動を感じとるように。  
「サガラさん……。大きいんですね……」  
テッサが頃合いとペニスから手を離す。  
「大佐殿、これは何の訓練でしょうか」  
呼吸を乱した宗介がテッサに声をかける。テッサはキョトンとした。  
しかし、  
「サガラさんは、何の訓練だと思います」  
我ながら意地悪な質問だと思いつつ、テッサは質問返しをする。  
「……拷問の耐性訓練でしょうか」  
「そうですね。……じゃあ、拷問の続きをやりましょうか」  
 
 
 
 
テッサは宗介のペニスの目の前に跪いている。  
両手でペニスの根元を掴んで、上目使いに瞳を潤ませて言う。  
「練習したんですよ。一杯」  
――大佐殿何を!?  
テッサは宗介のペニスを飲み込んだ。  
口蓋で肉棒が包まれる。テッサは呼吸の苦しさから逃れるかのように一心不乱に首を前後に振る。  
ペニスが数多くの刺激を受ける。  
テッサの唇が前後に動く、  
舌がペニスに這わせされる、  
口蓋の熱が伝わってくる、  
舌と歯に挟まれる、  
ペニスが飲み込まれて喉の中へと吸い込まれていく。  
艦長室はその主の激しい息使い、唾液をすする音、肉棒を舐める音に包まれていた。  
しばらくたったろうか。  
 
 
宗介に限界が来た。  
 
 
宗介はテッサを押しのける。  
テッサの小さな体が押しのけられる。  
その瞬間、レールガンが発射された。  
目標は……テッサの顔。  
ドビュッ! ドピュドピュドピュウ!!  
 
 
宗介から発射された白濁液がテッサを汚していく。  
顔面、アッシュブロンドの髪、そして軍服と階級章……。  
テッサは床にへたり込んで咳き込んだ。  
「だ、大丈夫ですか!? 大佐殿!!」  
「大丈夫ですけど、非道いです……」  
そういって顔に付着した精液を舐め取った。  
「サガラさんのセーエキ……。苦いけどおいしいです……」  
「大佐殿。それでは……」  
そういって、その場を去ろうとした宗介だったが、  
「サガラさん、拷問はまだこれからですよ」  
テッサは精液がこびりついたまま、満面の笑顔を浮かべて言った。  
 
 
「サガラさん、ここからが本番ですよ……」  
白濁液が付着した軍服を脱ぎ始める。  
「大佐殿。一体何を……」  
宗介はいたたまれなくなりテッサから目を逸らした。  
衣擦れの音か聞こえてくる。  
――いかん、非常に良くない――。  
「ダメですよぉ、わたしが脱ぐとこ、ちゃんと見てくれないと」  
テッサが甘い声音で囁いてくる。  
「それは……、命令ですか……」  
「もちろんです。サガラさん」  
怪しい笑みを浮かべて答えてきた。  
 
 
パラッ  
テッサのミスリルの大佐服が床へと舞い降りた。  
軍務用のタイトスカートに手をかけて、すりおろす。  
ワイシャツのボタンを一つ一つ外していった。  
宗介の心拍数は上昇した。なにもなければ見なかったこととしてここから逃亡すべきだと思っていたが、  
命令ではどうしようもない。  
宗介の目の前には下着姿のテッサがいる。  
 
 
 
 
表情は紅潮、体温が上昇しており発汗が激しい。こちらを獲物の蛙を食べようと狙う蛇のような視線を送っている。  
さきほど大佐殿にぶつけてしまった液体が頬の顔の一部と髪の毛に付着、凝固化しており早急に洗浄を要する。  
胸は千鳥より小ぶりのお椀型。レースの白い下着は発汗で透けており、ビンと張ったピンク色の乳頭が見えてしまう。  
腹には無駄肉はなく、もちろん出産経験はなし。  
腰に巻かれた下着は、胸と同じ色の白いレース、発汗で大佐殿の髪の毛と同色の体毛が小さく茂っているのが透けて見える。  
下着の下部は汗にしては以上に濡れており、女性器の割部までが透けて見えている。  
早急の下着の交換を要する。  
「サガラさーん、見てください」  
テッサは自分の下着の中に手を入れて、自らの股間をまさぐる。  
アッ・・・・・・・・・・  
吐息を発した後、その弄ってすくい取った愛液を宗介の目の前にさらけだす。  
「サガラさんのオチンチン咥えてたらこんなに濡れちゃいました……。命令です、これを舐めてください」  
宗介は一瞬ためらった後に、テッサの手のひらを舐めだした。  
ビチョ……、ビチョ……、  
宗介がテッサの愛液をすする音、唾液の音が二人だけの船内に響き渡る。  
「あっ、サガラさんが私の恥ずかしい液をなめてる。あっ、あっ、あっ。手のひらを舐めているだけで感じちゃいます」  
「いいです。サガラさん、あっ! ああっ!」  
テッサは感極まると、宗介の唾液で濡れた右手を自分の股間へと持ってくる。  
「見てください、サガラさん。私のアソコこんなに濡れちゃいました」  
右手でパンティを右にズラす。性器に爪が当たったのか、「キャン」と甘い声を上げた。  
宗介の目の前にあったのは汗でベトツイタ薄い翳り。閉ざされているはずの女性器は汗とは別の液体で口をぽっかりと開いている。  
そこからはみ出しているテッサの尿道。さきほど舐めさせられた液体と同様のものが次から次へと溢れてくる。  
――ゴクッ。  
宗介は思わず息を呑んだ。  
「サガラさん、興奮しているんですね。……見てくださいねワタシのオナニー」  
そしてテッサは自らの股間を弄りだす。  
 
 
テッサの中指が自らの秘裂に触れる。  
クニュ……。  
ビクンッ。  
「んっ……」  
激しい快感がテッサの全身を襲った。  
――いつもよりすごい気持ちいいっ……  
毎日就寝前に宗介を思い浮かべて自慰をしているが、触れただけでここまでの快感は初めてだった。  
――ああっ……。サガラさんがワタシのオナニーをみてるぅ。  
宗介の視線がテッサを興奮の渦に飲み込もうとしている。  
テッサは中指を自らの秘唇に触れさせた、ナメクジが這いずり回るように。  
自らの愛液をすくい上げるように、こすり付けるように指を動かしていく。  
グチュ、グチュ、グチュ。  
「あくっ! ああっ、サガラさん見てください! わたしのアソコどうなっています!? ううん」  
宗介は冷静を装った口調で言う。  
「濡れています……。透明の液体が大佐殿の女性器をどうしようもなく濡らしています」  
その言葉がテッサをますます興奮させる。  
空いている左手を右胸にあてがっていく。汗で濡れたブラを上にずらした。  
封印されていた胸のつぼみが解放される。赤い苺はツンッと屹立していた。  
「かなめさんより小さいですけど我慢してくださいね」  
手のひらで胸全体を包み込んで力を入れる。マシュマロのように形が歪んだ。  
ムニュ、ムニュ、ムニュゥゥッ。  
「はくぅぅっ」  
刺激を堪えていたが、我慢できずに嬌声が漏れる。  
テッサの左手は胸全体から、張り立った乳首を刺激する。  
人差し指と中指で蕾を乱暴に擦り付けた。空いた指と手全体で右胸を刺激する。  
自分の胸が変形してしまうほどの力で揉み下す。その変わり具合に宗介は目を潜めたが、  
テッサにとっていたみも快楽の一つになっていた。  
もちろん、右指を動かすのもやめてはいない。指の動きはますます激しくなっていく。  
「はあぁ〜、……サガラさん〜、んはあぁぁ……」  
艶かしく熱い吐息が船室に響き渡る。  
 
 
 
 
宗介の視線を感じるたびに、テッサの奥底から熱いものが湧き上がってくる。  
宗介に愛撫されている。宗介に弄ってもらっている。自慰でありながら、テッサは宗介に抱かれている気分になった。  
秘裂に入れた中指の動きが大きくなる。  
クチュ、クチュ、クチュ……。  
「ああっ……サガラさん、いいっ……」  
熱い粘液が、指に絡みつく。  
指は膣内に入ったり、どうしようもなく膨らんで包皮から芽を出したクリトリスにも触れていく。  
しかし、テッサのなかで一つの思いが鎌首をもたげてきた。  
――欲しい。……サガラさんの太くて硬いので……膣内を擦って欲しい。  
テッサは手を緩めて宗介の方に目をやる。  
一度射精したとは思えないほど屹立したペニスはすぐにでも挿入できる。  
それを見て生唾を飲んだ、テッサは命令を下す。  
「あっ、サガラさん。サガラさんの太くて硬いのを。ワタシのグジュグジュになったアソコに突っ込んで下さい!!」  
 
 
宗介はその命令に逡巡した。下卑た話は今までの生活でなれてはいるが実際になにをやっていいのかはまったくわからなかった。  
「サガラさん、あなたのソレをわたしのこの中につっこんでください……」  
宗介はテッサの上にのしかかるように近づいていく。  
屹立したペニスを挿入しようとするがなかなか狙いが定まらない。  
「あっ、そこは違いますぅ」  
――尻の穴に入れるってどんな感じなんでしょうか……。  
そんな思いに、テッサが捕らわれる。宗介の体温が感じられる場所にいる。  
そうやく、テッサの膣口に宗介の亀頭があてがわれる。  
「ここでよろしいでしょうか。大佐殿」  
「あの、サガラさん。『テッサ』って呼んで抱きしめてくれませんか……」  
宗介がテッサの肩に両手を伸ばす。一瞬躊躇したが……、  
「テッサ」  
宗介自身がテッサの中に入ってきた。  
 
 
 
 
スブ……。  
「イタッ!!」  
何かに引き裂かれるような感覚にテッサは悲鳴を上げる。  
「大丈夫ですか!! 大佐殿!!」  
「いいんです。このまま入れてください。」  
「しかし」  
「大丈夫です。私嬉しいんですから。……あ、また『大佐殿』って言いましたね」  
「申し訳ありません」  
「サガラさん。もっと奥まで挿入て下さい。サガラさんのこともっと感じたいんです」  
テッサは涙を浮かべて言う。その言葉に意を決したように宗介は腰を前に押し出す。  
ズブズブズブ……。  
なにかが引きちぎれる感覚をテッサは歯を食いしばって耐える。  
太腿が処女血で濡れていく。  
灰色の瞳から涙がこぼれてくる。  
宗介の陰茎がテッサのなかに収まり、二人の腰は密着した。  
「あ……あ……」  
テッサは処女を失った痛みで声を出せずにいた。宗介がテッサの唇に軽く口づけする。  
しばらく二人は繋がったまま口づけを交わした。  
「サガラさん、もう大丈夫です……。動いてください」  
その言葉に答えて宗介はゆっくりと腰を動かし始めた。  
ズリュ、ズリュ、ズリュ……。  
「うぐっ……、あっ……、イタッ……」  
肉が引っ張られて、押し戻される。なんともいえない感覚に襲われていく。  
が、もともと十分に濡れていたので、すぐにテッサの胎内から甘い感覚が広がっていった。  
宗介の腰の動きがスムーズになり、挿入口のまわりは白い泡が生まれていく。肉棒と膣壁の摩擦がテッサに新しい感覚を与えていく。  
「あふっ……、イイ……、サガラさん……、あっ、あっ、ふやぁぁっ……」  
テッサの声は甘いものになっていく。  
宗介は一心不乱に腰を振っている、拙いが今のテッサにとって十分な刺激であった。  
テッサはどんどん昇りつめていく。  
「ああ、サガラさん! なんか変です! ああっ!」  
自慰では感じきれなかった巨大な絶頂感へと登りつめていく。  
宗介の腰の動きが激しくなる。呼吸が荒くなる。  
「サガラさん! サガラさん! わたし! わたしぃ!」  
「ううっ!」  
「ああっ……、いっ……いっちゃうぅぅぅぅぅぅっつっ!!」  
テッサの視界が白濁した。  
何かに吸い込まれていくのをテッサは胎内で感じていた。  
 
 
 
 
エクスタシーからテッサの意識が浮かび上がってきた。  
目の前に誰かがいる。  
……サガラさんですね。……だって今まで抱いていてくれてたんですから。  
「サガラさーん。気持ちよかったですぅ……。よかったらもう一回抱いてくださいぃー」  
甘えた声で囁く。手を伸ばそうと……  
――?  
「……よっぽどいい夢見てたみたいじゃない……」  
怒りを押し殺した声。そのなかに優越感を含んだ声。テッサはこの声を知っている。  
――千鳥かなめ。  
同時に自分が置かれた状況を理解する。  
右足と右手、左足と左手を拘束された状態で、壁にくくりつかられている。  
そしてなぜか紺色のスクール水着「2−4てっさ」とかかれていた、違うのは胸の部分と、股間の部分が引き裂かれていた。  
そして胸や腰を荒縄で縛り付けられて、自らの性器をかなめにさらしていた。  
さっきまで宗介に抱かれていたのは、……夢で……。  
そして目の前のかなめは……、全裸。  
幼さを残したテッサの肢体とは対照的に、ピンと張った形と大きさをそなえた胸。  
モデル並みの腰のくびれと、細い足。  
股間の翳りは黒く濃い。  
だが、今のテッサに他人の裸体を賞賛する余裕はなかった。  
「なにをしているんですか!! かなめさん!! 〈ダーナ〉!! 誰か呼んでください!!」  
その声に潜水艦のAIは反応しない。  
「〈ダーナ〉?」  
「無駄よ」  
かなめがテッサを哀れむようにそして見下すようにいう。笑みはいやらしく妖しい。  
「船にはハッキングをかけといたし、他の人は催眠ガスで眠ってもらったから誰も来ないよ」  
「そんな……、どうやってって、まさか!!」  
『囁かれたもの』  
 
 
 
 
「それで、かなめさん。私をどうするつもりなんですか」  
テッサは艦長としての矜持をもってかなめに言い放つ。  
「そうねぇ。泥棒猫に罰を与えないとね」  
そういってなにかのスイッチを押す。  
ウィーーーンと、どこかで機械音がなる。  
かなめが「それ」を手にとってテッサの前に見せ付けた。  
犬だ。  
犬のぬいぐるみ。  
いつも寝ているときに一緒のぬいぐるみ。  
いつもと違うのは、人のペニスを模した機械を腰につけていることであった。  
人間ではありえない、蛇のようにのたくっている。かなめはそれを口の中に飲み込んで唾液で浸す。  
「ヒッ!!」  
テッサは息を呑んだ。かなめの意図はもう明らかだった。  
「ほんと、いい夢みてたよね……。『サガラさんのセーエキ……。苦いけどおいしいです……』。『あっ、あっ、あっ。手のひらを舐めているだけで感じちゃいます』。あっ、このとき舐めてたの私なんだ。ごめんねーっ」  
かなめさんに聞かれていた……。恥ずかしい……。  
かなめが近づいてくる。なぜか股間が疼いてくる。  
「あっ、そうそうちょっと強い媚薬打っといたから」  
かなめの明るい声と妖しい笑みにテッサは恐怖する。  
膣口から液が流れてくる。モーター音が死刑宣告のように響いてくる。  
目の前にかなめの裸体と雄犬がいた。  
テッサは歯をかち鳴らし、恐怖に震えている。  
「か、かなめさん。やめて、やめてください」  
「『サガラさんの太くて硬いのを。ワタシのグジュグジュになったアソコに突っ込んで下さい』残念。テッサが処女を捧げるのは宗介じゃなくてこの犬」  
「いや、助けて……、かなめさん……」  
機械性の蛇がテッサの膣口に触れる。  
上下左右に擦れる頭がテッサに刺激を与える。  
「やめてほしい?」  
かなめがテッサの耳元で囁きかける。  
思わず首を思いっきり振る。  
「駄目」  
テッサは絶叫を上げた。  
 

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