「――この変態!!離せ!」  
 
ヨークシンに着いた矢先のことだった。  
留守番に残ったノブナガの代わりとして、マチはヒソカとペアを組むことになり、行動を共にしていた二人。  
高層ビルが立ち並ぶ街中を人の波を縫うようにして歩いていると、不意にグイと腕を引かれ、マチは路地裏に引きずり込まれてしまった。  
誰だと問う前に唇を塞がれ、舌を取られ、存分に呼吸を乱された後、目の焦点を定めると――。  
 
「君の唇は柔らかいねえ、マチ」  
 
連れの奇術師が微笑んでいた。  
そして、冒頭の彼女の台詞に繋がる次第である。  
 
「此処なら道が狭くて人気も無いし、表通りの人間に気付かれにくいし、丁度良いと思わない?」  
「はぁ!?まさかこんな所で――」  
「ん〜、ちょっとムラムラきちゃってね」  
 
否定してもらいたかった事柄を肯定されてしまい、マチは頬を引き攣らせる。  
彼女は既に両手首を頭上に束ねられ、背を壁に張付けられ、内股に膝を挟み込まれ、ヒソカからすると準備万端といった状態。  
案の定、筋肉隆々なヒソカの腕はビクともせず、マチの焦りは募るばかり。  
ビルとビルの狭間の暗がりは、事に及びたいヒソカにとっては好都合だが、逆の立場にいるマチにとっては不都合にも程がある。  
建物の裏口やゴミ箱等が見当たらないため、人が通る場所では無いのだろう。  
その上、声を荒げても表の騒音に紛れてしまい、誰かが来る望みは薄い。  
 
目の前の男を鋭く睨み、罵詈雑言を浴びせようと口を開いたマチに、ヒソカは容赦なく接吻を降らせる。  
絶対に人が来ないという保証は無いし、場所が場所なだけにマチはいつもに増して苛立っている様子。  
早く済ましてしまったほうが懸命だ、と判断したヒソカは、いそいそと彼女に愛撫を加え始めた。  
 
騒がれないよう、マチの唇を自分の唇で塞いだまま、彼女の胸を揉みしだくヒソカ。  
着物越しに頂の辺りを爪で弾けば、マチの身が強張り、嬲っていた舌が怯む。  
 
「敏感だね。あ、こんな状況だから余計に興奮しちゃってる?」  
「誰がっ……!!あんたと一緒にするな!!」  
 
口を外して尋ねるヒソカに、マチは喘ぎを堪えて反論する。  
 
「そお?ボクはゾクゾクするけどなぁ……」  
 
チロリと舌先を伸ばしてマチの耳朶を舐り、ヒソカは楽しげに囁いた。  
 
ヒソカの手を振り解こうとマチは両腕に力を込めるが、絶え間ないヒソカの愛撫にたびたび脱力してしまう。  
肌を食まれる感触に嫌気が差しつつも、心境とは無関係に身体は熱を帯びている。  
ただの生理現象だ、とマチは歯を食いしばって、漏れそうになる喘ぎを飲み込んでいた。  
 
「湿ってきてるね。もうイイ感じ?」  
「ぅあっ!?」  
 
着物の襟を盛大に肌蹴させ、下着を除けて直に胸を弄っていたヒソカの手が、ついにマチの脚の付け根へと移された。  
スパッツを摺り下ろされ、ショーツの上から指先で窪みを擦られ、マチはより強く歯を食い縛る。  
薄い布をずらし、彼の長い指がマチの内側へ侵入する。続け様に秘部を弄られても、マチは声を零さずにいた。  
しかし彼女の意地とは裏腹に、そんなマチの姿が余計にヒソカの欲望を煽り、彼の興奮を強くする。  
切れ長の目が余計に細く吊り上り、ヒソカは自身の昂りを露わにして、マチの片脚を持ち上げる。  
 
「苦しそうだね?マチ。ボクが楽にしてあげるよ」  
「やめっ、入れるな――ひぅっ!!」  
 
濡れた柔肉の隙間に熱を宿した物体が割って入り、卑猥な音と共により深く飲み込まれていく。  
ヒソカが身を揺する度に、マチは耐え切れず熱い息を漏らし、その羞恥ゆえ目に涙を溜めていた。  
 
「今誰かが此処に来ても、ボクを止めたりしないだろうね。だってマチの表情、すっごく気持ち良さそう」  
「ふ……くぅ、あっ……」  
「でも、君のこと見せつけてやるのもいいなぁ……誰か来たりしないかなあ」  
「なっ!?ばか言うな……ん、んあぁ!」  
「ああ、ごめん。激しくするよって声かけた方が良かったかな?」  
 
前後運動が強さを増し、危機感ゆえ過敏になったマチの身体の中で快感が募っていく。  
蕩けた表情で嬌声を殺すマチを見て、ヒソカは一層息を荒くし、乱暴に腰を動かす。  
 
「ねえっ、マチ、中に出してもいい?」  
「ひっ……ぁんっ、あ、くっ……」  
「……聞こえてないみたいだね。じゃ、遠慮なく――!」  
 
ヒソカから精を受けると同時にマチの視野が白み、細い体が一気に崩れた。  
注ぎ切った余韻に浸りながら、ヒソカは彼女を抱きとめ、緩んだ紅い唇に喰らい付く。  
終いに額に軽く口付けをして、彼が顔を離すと、マチは呂律がまわらない調子で「あんたなんかだいっきらい」と呟いた。  
 
「……最っ低。中に出すとか最悪。どうすんのよ、こんな状態で外歩けるわけないじゃない」  
「そうだねえ。じゃ、とりあえずホテルに行こうか」  
「――待って。もしかしてあんた、ここまで見越して……!?」  
「ククク。一緒にシャワーを浴びようね、マチ」  
 
賑やかな街の気配を傍らに、喜色満面のヒソカを殴る体力も無く、マチは溜息と共に項垂れるしかなかった。  
 

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