東ゴルトー共和国の城内。自らが名付けた「肉樹園」を見渡せる高みで、王は1人思案に耽っていた。  
初めは、あのアカズの女−コムギに軍儀で勝つ手を、あらゆるパターンで考えていた。  
だが、あの女が駒を打つ華奢な手、勝負が始まると開かれる何も映さない瞳、それらを思い出す内に自然と思考はコムギ自身について導かれていく。  
王はその不自然に気付かなかった。  
常に周囲に気を張ることは怠らず、しかし頭の半分では少女のことを考えていた。  
 
あの女は、人間だ。しかも外見は阿呆そのものだ。しかし、何かが…違うのか?  
余と対局している時のあの空気。彼奴は「レアモノ」の人間とはまた違うオーラがあるのかもしれぬ。  
だとすれば殺して喰えば余の糧になるのか?  
いや、しかし…  
 
惜しい。  
王の頭にその思いがよぎった。それは、今まで人間を殺すときには決して持ち得なかった感情だった。  
王にとって人間は只の家畜同然に過ぎない。殺しても腐るほどいるのだ。  
王は、自分の内に不意に訪れた感情に戸惑った。それが「惜しむ」という感情だとはわからなかった。  
ただ、コムギによって感情が動かされたことに驚愕した。  
 
その時、王の鋭い聴覚は物音を聞き取った。廊下を誰かが歩き回っている。  
 
シャウアプフらの物ではない。それよりも軽く、何より固い杖のような物で床を確かめながらゆっくり歩いている。  
 
「…彼奴か」  
王は、ドアを自らの手で開き廊下に出る。やはりいた。  
だが、いつもと様子が違う。  
普段頭の左右で2つに結んでいる髪の右側が縛られておらず、肩辺りに垂れ下がっている。  
コムギは持っている杖で床をくまなく探りながら、王のいる方へと歩いてきている。  
床を探るのに集中していて、王が自分を見つめている視線にも気付かないようだ。  
 
「何をしておるのだ?」  
王が呼びかけると、コムギはビクッと反応した。杖が手から滑り落ちる。  
「そっ、総帥様…すみません。勝手に歩き回ってすまいますて…」  
おろおろと手を動かしながらも、無礼があってはならないと考えたのかコムギは声のした方にお辞儀をした。  
王はコムギに歩み寄り、その足元に落ちた杖を拾い上げてコムギの手に触れさせる。  
コムギはそれに気付き、はっと頭を下げてから杖を握り直した。  
「そんな事はよい。何をしているのかと訊いている」  
コムギを見下ろしながら再び王が尋ねる。  
「あ、あの…髪をくくっていた紐を落とすてすまいますて…このあたり通った時にほどけたんじゃないかと思って、探すていますた…」  
困ったように眉を下げながら答える。  
 
「紐…か。そのような細かい物を其方が探すのは無理があろう。髪など下ろしておけば良いではないか」  
王が事も無げに言う。と、コムギは俯いてしまった。  
「はあ…ですけども、軍儀を打つときに邪魔になります…それに、大事な紐なんす」  
失礼すます、と頭を下げてコムギは今来た道を戻っていった。  
大事…。その言葉を、コムギの後ろ姿を見ながら王は思い返した。  
探してやろうと思ったわけではない。無意識に廊下を見渡すと、隅の方に隠れるようにして紐が落ちていた。  
 
コムギが見つけられるとは到底思えない。王は自分の尾で器用に紐を絡めとり、自分の手の中に落とした。  
コムギの姿はまだそう遠くない。呼び止めるか追いかけるかして、紐を渡すのは簡単な事だ。  
だが何故か、そうするのは躊躇われた。王は近くに控えていたシャウアプフに紐を渡し、コムギに渡しておけと命じた。  
 
 
コムギは、延々と続く長い廊下を杖一本で探し続けていた。  
見つからなかったらどうしようという悲しさで泣きそうになるが、泣いても見付からない。唇を噛みながら探していると、背後から呼ぶ声がした。  
いつも「総帥様」の側に仕えている、シャウアプフの声だった。  
 
「紐を探しているのでしょう?」  
「あ、は、はい…どうすてそれを?」  
「王様から聞きました。紐ならここにあります」  
シャウアプフはコムギの空いている手を取り、紐を握らせた。コムギの顔がぱっと明るくなる。  
「あっ…ありがとうございます!本当に、ご迷惑おかけすて…」  
 
コムギの言葉を遮るように、シャウアプフは口を開いた。  
「見つけたのは王様ですよ。お礼なら、後程にでも王になされて下さい。…では」  
シャウアプフが去っていく。コムギは、その言葉を反芻していた。  
 
総帥様が見つけてくれた…わだすなんかの落とすた物を。  
申し訳なさと感謝の気持ちで胸がいっぱいになり、今すぐにでもお礼に伺わなくてはと思った。  
コムギは、王といつも軍儀を打つ部屋に向かって、地面を確かめながら歩き始めた。  
 
 
王は部屋で、山のように積んだ書物の一つを読んでいた。  
いや、頁を開き、文字を目で追ってはいるものの、少しも頭に入ってはいなかった。  
考えるのは軍儀の事ばかりだった。  
 
どうすればコムギに勝てるのか?どうすればあの女に勝てる?  
 
思考はやはりいつの間にか、コムギに行き着く。  
大事な紐だと言っていた。あの、軍儀しか無いような女に大事だと言わしめる…一体何があろうか。  
 
王は、何かが不満だった。だが明瞭な不満は見えず、それが更に気分を悪くさせる。  
 
再び、小さな足音がした。真っ直ぐにこちらに向かってくる。王は、部屋の入り口に目を据えてそれを待った。  
やがて、コムギが現れた。  
 
「あ、あの…総帥様……失礼すます」  
最初は室内に王がいるか解らなかったようだが、王が手に持っていた本をばさりと置く音で、その存在を確認したコムギがぺこりと頭を下げる。  
 
「何の用だ。軍儀を打つ時は余の方から呼ぶと言っているであろう」  
王が冷たく言い放つ。まだ機嫌は直っていなかった。  
「いえ…わだすの紐を、総帥様が見つけて下すったと聞いて、お礼を言いに来ますた。ありがとうございます!」  
言い終えて、深々と頭を下げる。  
「本当に、ありがとうございますた!探すても見付からなくて、どうすようかと…」  
「もうよい、黙れ」  
王の静かな一言で、コムギはさっと口を閉じた。  
「…呼吸はしろ」  
「はいっ!…あ」  
言葉を発してしまい、コムギは慌てた。その慌て方が滑稽で、王は少しだけ口元を緩めた。  
「其方に死なれると困る」  
「は…いっ?」  
コムギは王の言葉を聞き間違いかと思いつい聞き返した。だが、当の王自身も、自らの口からこぼれ落ちた言葉に耳を疑うようだった。  
王はコムギに答えず、コムギも再度王に訊く事は出来ずに、暫し静寂が流れた。  
 
その静寂を破ったのは、王だった。  
「いつまでそんな所に突っ立っている。中に入れ」  
コムギはまだ室内にも入っていなかった。  
「あ、はい…」  
おずおずと歩みを進め、コムギがいつも軍儀の際に座る座布団を杖で探り当てるとその上にちょこんと座った。  
「其方に訊きたいことがある」  
王もいつものようにコムギに向かい合って腰を下ろし、言葉をかける。  
「はい!わだすに答えられることなら何でも」  
「先程落とした紐。あれは何故、大事だと言うのだ」  
何を意図して訊いているのか、王自身にも解らなかった。  
「この紐ですか…これは、もうずっと昔、大事な人にもらったんす」  
何処か嬉しそうに、昔を懐かしむように話すコムギを見て、王は胸の内が熱くなるのを感じた。  
 
「男か」  
ふと思い付いた言葉を口に出してみる。すると予想外に、コムギは「何故わかりましたか?」とでも言うように王に顔向けたのだ。  
かっと、頭が熱くなった。普段ならこの瞬間、コムギの命はここに無かっただろう。だが王は、殺さなかった。  
代わりにコムギの手首を握っていた。大事そうにただの紐を握りしめるその手が、酷く癇に障った。  
突然王に触れられたコムギは、びくんと身体を震わせる。その様子は、王の加虐心を擽った。  
 
「そ、総帥さま?…痛いす…」  
王が軽く握りしめただけで、華奢な手首は折れそうに軋む。痛みにコムギは顔を歪めた。  
「貴様も、ただの人間だと言うことか…」  
少しでも感情を動かされた自分にも腹が立った。その腹立たしさに任せて、コムギを押し倒す。  
 
「だば?!そ、そそ総帥様?」  
目の見えないコムギには切迫した状況は掴めずとも身体の上に掛かる体重で、自分が倒された事がわかった。  
 
「貴様…その男に逢いたいか?」  
何故こんな事を訊くのか。どうでも良い事だ…頭の何処かではそう思っている。だが、訊かずにはいられなかった。  
「い、いえ…もう、会えません。じっちゃ…祖父は、だいぶ昔に亡くなりますた…」  
「…………祖父だと?」  
「はい。祖父です」  
祖父…祖父だと。…男には違いない。  
 
その言葉を理解した瞬間、王の頭が急に冷えてきた。  
(余は…何故腹が立ったのだ)  
 
「総帥様…」  
コムギの小さな声が下から聞こえてくる。まだ組み敷いたままだったのだ。握りしめていた手首を離すと、赤く痕が付いていた。  
「あの…わだす、何か気に障ること言いますたですか?」  
恐る恐る、コムギが尋ねる。王はそれに応えて首を振るが、しかしコムギには見えないのだと思い出し、口を開く。  
「いや。気にするな」  
王の返事を聞き、ほっとした様子でコムギが息をつく。  
ふと、王の目にコムギの白い首筋が映った。何とはなしに指を這わしてみる。  
「ひゃ!!」  
コムギは突然の感触に小さな身体を震わせた。その反応に王は興味を抱いたのか、指でつーっと首筋を撫で下ろした。  
 
「あ…っそ、総帥様…くすぐったいす…」  
その感触から逃れようとコムギが身体を動かす。だが王にとっては些細な抵抗に過ぎなく、容易く抑えられてしまった。  
「不快か?」  
どういう感情の流れからか、もっと触れていたいと感じた。指先から肌の温もりが伝わる。  
「い、え…」  
「ならば黙っていろ」  
 
王の手が、服越しにコムギの肩を撫でる。その身体は痩せて、とても女らしいとは言えない。  
だが王は、だからこそ、慈しむ様に触れていた。  
小さな身体で呼吸している。その上下する胸に、自然と手は伸びた。  
「っ…そ、総帥様…」  
コムギは再び反応する。顔が途端に赤く染まり、反射的に手で王の手を抑えた。  
 
「…どうした?嫌なのか」  
王には、コムギが赤面した理由がわからない。羞恥などでは無く、単に触れられたく無い部位なのかと考えた。  
そうならば、無理に触れようとまでは思わなかった。元より深い意味は無く、手をそこに移動させただけなのだから。  
「い、いえ…あの…わだす…の、無い…ので…」  
コムギはたどたどしく言葉を繋ぐ。自分で自分を頭が悪いと思っているコムギも、そこが女性にとって深い意味を持つ事は知っていた。  
だから尚更、尊敬する「総帥様」に触れられる事に恥ずかしさを感じた。  
 
「……有るか無いかなどが問題なのか?」  
要領を得ない返事に、王は首を傾げる。  
「お、おなごは胸があってなんぼだって、男の人が話すてるのを聞きますた!」  
コムギは更に顔を真っ赤にして言う。  
 
「……ふむ。人間らしい下らぬ価値観だ」  
王は制するコムギの手を易々と退け、組み敷いた身体を纏う上着の中に手を突っ込む。  
「!!…ぁ…っ」  
コムギが小さく声を上げる。王の大きな手が、小さな乳房をやんわりと包み込んだ。  
「十分に有るではないか。…其方も女だと云うことだな」  
その柔らかな感触を楽しむように、指を動かしながらコムギの耳元で囁く。  
「……っ、…」  
耳にかかる吐息に震えながら、コムギは素直にその言葉を受け取った。  
そうしている内にも王の手は小さな突起を見つけ、指で転がし始める。  
「…これは何だ?」  
王の問いにもコムギは答えない。  
ふと顔を見ると、いつも閉じた目を更にぎゅっと固く閉ざしている。  
「…耳まで聞こえなくなったのか?」  
王の言葉がコムギの耳に届いた次の瞬間、上半身が急に寒くなった。次に、胸に何か滑った感触が這う。  
「ひゃ!?そ、そ、う、すいさま!?なな何を…」  
「舐めている。貴様が答えないから直に見てやろうと思ったのだが」  
服を捲り、コムギのふたつの乳房が露わになっている。王にとっては、人間の身体になど何の感慨も無い筈であった。  
 
だが、その真っ白な肌を飾るように浮かぶ薄桃色の突起を見、王は自然に己の唇を近付けていた。  
「…美味そうだったのでな」  
「え…ぁ、ゃっ…」  
言葉を終えると、王は舌でそれを弄ぶ。唾液で濡れていくごとに固くなっていく。  
「ぁ…はぁっ、ん…総帥様…だめで…す…」  
暫くの間、自分の舌に応えるコムギの身体を楽しんだ王はふと顔を上げる。コムギは目にうっすらと涙を浮かべていた。  
 
「…どうした。何処か痛むのか?」  
王はほんの少し狼狽した。明らかに、自分のせいに思えた。  
「あ…痛くは…ないす……」  
首を横に小さく振るコムギの息は心なしか荒く、王の愛撫による刺激を受けて変化する自分自身の身体に戸惑っているようだった。  
「ならば何故泣いているのだ?」  
王はじっとコムギの顔を見下ろす。  
 
「…わからないす…なんか…変な感じが…」  
もじもじと言いながら、僅かにコムギの両足が閉じたのを王は見逃さなかった。  
すっと手を下ろし、細い脚を足首から撫で上げる。  
「!!」  
「ここか?」  
びくっ、とコムギの全身が硬直する。膝を固く閉じようとするが、王の片手の力だけでそれは簡単に開かれた。  
「ゃ…だめです…総帥さま…っ」  
 
王の手は既に、コムギのスカートの中に入り込んでしまっている。  
か細い内股を手のひらで撫でて行くと、一際熱い体温を感じる場所に行き着いた。  
 
「…お前、熱でもあるのか」  
「ぅ…だ、だいじょぶっすから!」  
コムギは力一杯に首を振る。恥ずかしさで頭が変になりそうだった。  
だが王の耳にはその言葉が聞こえていないのか興味深そうにコムギの、未だ誰にも触れられた事のない其処を指の先で下着越しに撫でていく。  
やがて、くちゅりと濡れた音が小さく二人の耳に響いた。コムギはそれを敏感に聞き取り、自分の身体から発せられたと気付くと顔が更に熱くなるのを感じた。  
王の指が、下着の隙間から入り込む。直に触れる其処は熱く、蜜でとろけるように濡れていた。  
 
「…濡れているな」  
「……っう……」  
コムギの閉じた目から、一筋の涙が流れてこめかみを濡らした。  
 
王は突然、コムギのスカートの中から手を退けた。  
コムギはようやく去った手の感触に、ほっと息を吐く。  
やっとこの耐え難い羞恥の時間が終わりを迎えるかと思った。  
が、次の瞬間それは間違いだったことを悟る。  
先程と同じように、今度は脚が外気に晒されるのを感じたのだ。  
「へばっ!?」  
慌ててスカートを押さえようと両手を下げるが、もうそれは腰の辺りでくしゃくしゃにたくし上げられていた。  
 
「そうす、総帥様!あの、あのあの軍儀!軍儀すませんか!?」  
コムギは何とかしてこの状況から脱しようと、自分がこの場所に呼ばれたそもそもの理由である軍儀を持ち出した。  
「…軍儀か。そうだな、打つか」  
王の言葉に再び安心しかけるが、捲られたスカートが元に戻される気配は無い。  
自分の手で直そうにも、それが失礼に当たるのではないかと思ってしまうとどうにも出来ず、コムギはスカートを握りしめて王の行動を待つしかなかった。  
王の目には灯の下に晒されたコムギの白く細い脚が映っている。  
寒いのか、はたまた別の感情からかは解らないが小さく震えているのが見て取れた。  
「…後でな。今はお前の方が面白そうだ」  
「へっ…そで、それは、どういう意味で…」  
王はその疑問には答えず、代わりにコムギの右足の膝頭に口付けを落とした。  
意識してそうしようと思ったのでは無かった。  
ただふと、目の前の震える白い脚がどのような感触で、どのような味をしているのかが気になった、それだけだった。  
 
「総帥様!わだす…わだすなんか全然面白く無いです!早く軍儀を」  
「少し黙っていろ」  
いつもの様に冷たく、だが何処か穏やかな声で王が言う。  
「………っ」  
王の唇が、王の舌が、コムギの脚を這う。  
満足に食べていないのか、太股にも肉はあまり無かった。  
キメラアントの食事としては、あまり魅力は無い。だが今の王の頭にはそんな事は露一つも浮かばなかった。  
ふと思い付き、太股の付け根辺りに唇を寄せて吸い付いてみる。  
すると白い肌に赤い痕が浮かび上がる。それは、さながら血を落としたように見えた。  
「ふ…これは良い。印だな」  
「…………」  
コムギは、両手で自分の口を押さえていた。  
黙れと命令されたし、そうでもしないと妙な声…自分に似合わない、喘ぎが洩れてしまいそうだったからだ。  
王はコムギの太股に三つ程自分の付けた印を残した。  
そして満足したのか、興味は他に移る。  
 
コムギの片脚を持ち上げて、下半身を唯一隠している白い下着の上から舌を這わす。  
「ぁっ…あ!す、すいませ…総帥様!」  
急にコムギは声をうわずらせ、それに不意を突かれた王は顔を上げる。  
 
「どうした?何を謝る」  
脚を持ち上げていた手を下ろし、コムギと向き合う形で覆い被さる。  
「え あの…黙っていれなくて…声出すて…」  
コムギは眉を下げて謝る。  
その様子に王は苦笑し、コムギの頬を片手で撫でた。  
「謝らずとも良い」  
コムギの頭の横に肘をつき、自らの身体を支える。  
空いた片手を下げ、先程コムギが声を上げた其処に指を伸ばした。  
王の下にある小さな身体が少しだけ強張る。  
「此処は、其方にとっては声を上げる程何かを感じるのか?」  
頭に浮かんだ疑問を投げかけながら、下着の上から割れ目に沿うようにしてゆっくりと指を動かす。  
「ぁ、あっ…ん…わ、わかりませ…ぅ…んんっ」  
弱々しく首を降りながら要領を得ない返事をするコムギの閉じた瞼に、王はその唇をそっと触れさせる。  
「…まぁ良い。其方がわからずとも、余が解るようになれば問題は無いのだからな」  
「はぁっ…ぁ…は、い?」  
「この布は邪魔だな」  
王はそう呟くと、コムギの穿いている下着を片手で破ってしまった。  
それはいとも簡単にただの布となり、コムギの下半身を隠す物は無くなる。  
 
「…震えは止まったようだな」  
コムギの瞼から頬へと唇を移動させつつ王が呟く。  
「あ…、っひゃ!?」  
王の指が露わにされた花弁に触れる。ぬるりと指が滑るほどに其処は濡れていた。  
「んぁっ…ゃ、総帥さ…ま…っっ」  
指を動かすとくちゅくちゅと水音が聞こえる。  
性知識の浅い王にも、それは酷く卑猥な音に聞こえた。  
「…先程より更に濡れているんじゃないか?」  
「…っんん…ちが、ます……っぁあ…っ」  
王の指が、花弁に隠れた小さな突起に触れた時だった。  
びくんとコムギの身体が跳ね、反射的に脚を閉じかけた。  
だが王がそれを許すわけもなく、コムギの脚に自らの尾を絡ませて開かせる。  
 
「今の声は良かったぞ。もっと聞かせよ」  
「ぇ…っあ、あっ…!そ…すい、さまぁっ…」  
見つけた突起をコムギの愛液にまみれた指の腹で転がす。  
「ク…そうしていると、軍儀を打つお前とは別人の様だぞ」  
「はぁっ、ぁ…ごめ、なさ……んっ」  
謝りの言葉を言いかけるコムギの唇を、王は同じく唇で塞いだ。  
「…っ……」  
暫く唇と唇を重ね合わせて、離れる。  
「余は誉めているのだ。素直に受け取っておけ」  
「…は…はい…」  
コムギは赤面した。今自分の唇に触れたのは「総帥様」の…?と、思い至る前に思考は吹き飛んだ。  
再び、身体に強い刺激が走ったのだ。  
「ひぁ…っあ…総帥様っ!?」  
「暴れるな。…舐めにくい」  
王は、コムギの濡れて敏感になった箇所に舌を這わしていた。  
其処は薄く桃のような色で、今まで喰らったどの人間の肉よりも美しい色をしているように感じた。  
「ゃ…な、なめ!?だめっす!そんなとこっ!」  
「何故だ?」  
舌で、小さいながらもぷっくりと硬さを帯びた突起を転がす合間に問い返す。  
「ぁあ…んっ…だっ、だって、…きたない…す…、ぁ…っ」  
コムギは真っ赤になった顔を両手で隠しながら消え入るような声で言う。  
自分には王の顔すら見えないが、王には自分の全てが見られている。  
それが、恥ずかしくて仕方が無かった。  
 
「…何を言うか。汚くなどない」  
今までの王ならば人間を喰うことはあっても、傷付けぬようにして舌で味わうことなど考えもしなかっただろう。  
だが今は、コムギの声や反応が見たかった。対局とはまた違う、美しさがそこにはあるように感じた。  
「そ…総帥様…?あの、でも」  
「素直に受け取っておけと言っただろう。二度言わすな」  
コムギはそう言われると、口を閉じざるを得なかった。  
時を置かずして、何度目かの快感が王によってもたらされる。  
「は、ぁあ…んっん…総帥さまぁ…わだす…おかすく…はぁっ…なって、すまいます…っ」  
王の舌が、蛇のように動くにつれコムギは腰の辺りに疼くものを感じていた。  
「なれば良い。見ているのは、余だけだ」  
ちゅく、と音を立てて舐めながら上目遣いにコムギの痴態を眺める。  
「っあ、あ…総帥様、総帥さま…っっあ……!」  
上り詰めるコムギは抑えきれず、一際高い声を上げる。  
白魚が跳ねるようにコムギの脚が揺れ、ヒクヒクと花弁が痙攣するのを王は舌で感じた。  
 
 
「…なかなか良い声であったぞ」  
 
コムギに声をかけるも、くたっと身体の力が抜け、はぁはぁと息をしているのみだった。  
王は熱に浮かされたように火照ったコムギの身体を抱え上げ、乱れた衣服を乱暴に直してやる。  
ふと、解けたままの髪が目につく。  
床に落ちていた、先程見付けてやった紐を拾い上げて王は何秒か思案した。  
室内に元から置いてあったチェストの引き出しを開け、金糸が編み込まれた紐を取り上げる。  
 
「あ…総帥様…?」  
意識がはっきりしたのか、コムギはキョロキョロと音のする方を探した。王はそんなコムギの手を取り、金糸の紐をその手のひらに握らせる。  
「……これは、…紐ですか?」  
コムギは両手でその物を確かめるように撫でる。指だけでも、その紐の美しい網目がわかるようだった。  
「其方にやる。…付けるか付けないかはお前次第だ」  
告げると同時にコムギの顔が明るく輝く。  
「あ…ありがとうございます!ぜひ、ぜひ付けさせて貰います!」  
言い終わらない内に、コムギはいそいそと慣れた手つきで髪を編んでいく。最後に王から貰った紐で結び上げ、嬉しそうに笑った。  
よく似合う、と王は思ったがそれは言葉にはせずに、少女の頭を撫でるに留めておいた。  
 
「わだすの大事な物が、一つ増えますた!」  
 
 

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