「キル兄・・・いるの?」
カルトの声が独房に響いた。
「・・・カルトか?」
キルアの目が暗い独房で動く。壁に鎖につながれたまま
つられているキルアを見つけて、カルトは近くに寄る。
「また、何かしたの?」
「別に。ちょっとお袋とケンカしただけ」
「そう・・・」
キルアがこの独房に入るのは珍しいことではない。
しょっちゅうこの家を抜けてはお仕置きと称して
ここに入れられていた。しかし、このお仕置きが
キルアにとって意味をなしていないことも
皆わかっていることだった。
「鎖、はずさないの?痛くない?」
「痛かねーけど。まぁしばらくはここにいてやるよ。
どうせオレは家から出れねーみたいだし」
二人はポツポツと途切れながらも会話を続けた。
独房の中は酷く静かで、二人の呼吸や少しの
動作が発する音が部屋中に響く。
「何、今日もオレを気持ちよくさせてくれんの?」
キルアがニヤリと笑うと、唇から除いた歯が光って見えた。
キルアはこの家の中でも特別だった。
カルトはキルアの放つ鋭い視線、まぶしいほどの
存在感にその特別を感じていた。
キルアの言葉にコクリとうなずくと、カルトはキルアの
ズボンを膝まで下げて、いつも通りキルアのものを口に含んだ。
「ん。もっと奥までくわえろ。よし・・・そうだ・・・」
カルトは少し苦しそうな顔をしながら、一生懸命キルアのもの
を喉の奥へと運ぶ。
「んんっ。・・・ぅん」
カルトは舌を動かし、うまく先端を刺激する。
手で根本をつかんでしごきながら、慣れた舌使いで
れろれろとキルアのものを弄ぶようにする。
「っあ・・・はっ・・・」
キルアは必死に声を殺そうとするが、こらえきれずに
漏れた声をきいてカルトは少し嬉しくなる。
「ボク、上手になった?」
そう言ってキルアを見上げると、キルアを吊っている鎖
が音を立てるほどキルアは身を震わせていた。
「ん・・。っはぁ・・・ああ、うまくなった。
っあ・・じゃぁ今日は褒美をやるよ」
そう言ってキルアはパーーーンッと手についた鎖を
いとも簡単にはずした。
「すごい。そんな簡単に」
カルトはそのすばやい動きに全く反応できていなかった。
気がつくとカルトは床に転がり、キルアの手中に転がり込んでいた。
その時、カルトの胸にキルアの腕がぶつかり
小さな弾力が伝わってきた。
「え・・・おまっ・・女の体?!」
キルアはそのふくらみにもう一度触れる。
今度はつかむように手で覆い、ゆっくり揉んでみる。
「ん・・ボクが男だなんて、いつ言った?」
そう言ってカルトは再び嬉しそうな顔を見せる。
口角がキュッとあがって上目遣いでキルアを見る表情は
確かに女のものだった。キルアはくやしそうに
「ちっ。敵をだますにはなんとやらってやつか」
とボソボソとつぶやくと、今度はカルトの着物をはだけさせて
乳首を指先で弄ぶ。真っ白な雪に花びらが舞い落ちたかのような
きれいなピンク色の乳首は、キルアが口でくわえたので
キラキラ光っている。
「んぁ・・」
わざと音を立てるように乳首を吸い上げると、その音の合間に
カルトの濡れた声が聞こえてくる。
キルアは雪に指を滑らせるようにして着物に包まれた下半身へと
進んでいく。
その花弁へと指がのばされた時にカルトが発した声。
進入した指先を拒むほどの締め付け。
白い太股に流れ出るほどの愛液。
カルトが見せた痛みと快感の混ざり合う表情。
そのすべてが、キルアを狂わせた。
幼い頃に植えつけられた、愛しいものをめちゃくちゃにしたい、
愛しいものが壊れていく姿を見たい、そんなゆがんだ愛情が
キルアの中で再び芽生えた瞬間だった。