「はぁ、はぁ、ついに、やったぜ!」  
 自慢のリーゼントを乱ながらも、ナックルは辛うじて持ちこたえた。  
「……ん? あれ? 力が出ないニャー」  
 地面に跪きながら、大きな目に戸惑いの色を浮かべているのは、ネフェルピトー。  
 隣には、極大にまで膨れ上がった目つきの悪い具現化生物が、ふわりふわりと浮いている。  
「いいか、よく聞けよコラァ!」  
 ナックルはどすの利いた声で説明した。  
「貸し入れオーラが、残っている潜在総オーラを超えた時《ポットクリン》は《トリタテン》に変身する。お前の傍にいるそいつのことだ! そして《トリタテン》に憑かれた奴は、三〇日の間、完全に念が使えなくなる。強制的に《絶》の状態にするわけだ!」  
「……」  
 ネフェルの猫耳がぴくりと動いた。   
 確かに力が入らない。もともと強靭な肉体を持って生まれてきたとはいえ、この状態は非常に頼りなかった。  
 ナックルはポケットに両手を突っ込み、腰を曲げ、威圧するかのようにネフェルを見下ろした。  
「さんざん手こずらせやがって。しかしまさか、潜在オーラが一〇万を超えるとはな。化けモンだぜ、お前はヨ」  
「……ニャ!」  
 隙を突いてネフェルが拳を繰り出す。  
 完全に無防備な状態でヒットしたが、ナックルは一歩も下がらない。  
 それどころかにやりと笑って、ネフェルの首根っこをつかんだ。  
「オレァ、動物を傷つける趣味はねーがな。ちっとはお仕置きが必要だぜ」  
「ニャ?」  
 やはり元は猫である。ネフェルは本能的に丸くなり、大人しくなった。  
「……ン!」  
「へっ。お前、やっぱりメスじゃねーか」  
「ぼ、僕に……何を……ニャンッ!」  
 ネフェルを四つん這いにさせ、背後から秘部をまさぐっていくナックル。  
 ネフェルはしっぽをピンと立てて、たまらず身体を震わせた。  
 
「こ、これは……しびれる! あ……あ!」  
「オラオラ、いまさらじたばたするんじゃねーよ。しっかりと身体を支えな!」  
「く……ううっ」  
 やがて――ナックルの指とネフェルの結合部から、卑猥な音が立て始めた。  
 ぬちゃ、ぬちゃ……。  
「おおっ、すげーじゃねーか。もう、こんなに濡れて」  
「ニャ、ニャーン!」  
 地面に爪を立てながら、ネフェルは激しく頭を振った。  
 絶え間なく耳がぴくぴく動き、感じるままに鳴き声を上げる。  
「お、おかしい。僕の身体……はぁ。熱い、熱いニャン! これも、ね、念能力?」  
「馬鹿言ってんじゃねーよ。こいつはテクニックだ。……そろそろ、いくゼ」  
 ――ずん!  
「ギニャー!」  
 念によって強化されたナックルの性器が、ネフェルの背後から突き刺さった。  
「ああっ! あっう、あうっ! ぐう!」  
「オラ、オラァ! さっきまでの威勢はどうした!」  
「ニャ、ニャーン!」  
 ネフェルは抵抗できない。どうしてもできない。  
(それどころか、僕の身体が――求めている?)  
 快楽の海に溺れそうになりながらも、ネフェルは学術的好奇心から、自分の身体の状態を分析していたが、間もなく思考能力さえなくなった。  
 肌と肌が打ちつけられる甲高い音と、結合部から漏れる卑猥な音。  
 ネフェルの愛液は絶え間なく流れ続け、太股を伝い地面を濡らしていく。  
 それこそ獣のように、声のあらん限りを振り絞って、呻く、喘ぐ、泣き叫ぶ。  
「オラ! オラ! オラ!」  
「ニャン! ニャン! ニャン!」  
 やがて全身を突き抜けるような衝撃が走り、  
「ニャ――ンッ!」  
 生まれて初めて、ネフェルは絶頂を迎えるのであった。  
 
 
 

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