*******  
どうかしている  
 
普段なら気にもとめない雑草に手が伸びるなんて  
いつだって踏みつけて来たじゃないか  
 
地位を得るために役に立たない心和ますものなど必要ない  
 
必要なのは自分を飾り立てる為の豪華な華だ  
 
それが造花でも構わない  
飾りなのだから  
 
******  
部屋から見える夜景は好きだった。  
上から見下ろす摩天楼は権威の象徴のような気がした。下に広がる無数の光は自分がいつか手に入れる駒だ。  
何億、  
何千、  
その光を自分が操る。  
素敵な話じゃないか。  
 
 
『一条様、コーヒーが入りました』  
背後から遠慮がちに声がした。振り向かずに、礼を言う。  
 
『ありがとう...君はこの景色をどう思う?』  
声の主は、え?と言う小さな反応をして言葉を選ぶように言った。  
『綺麗...だと、思います。夢のよう』  
 
 
ふふっと笑いながら言った。  
『夢ではないんですよ。現実です。』  
『一条様...』  
『いや...ありがとう。頂くよ。』  
 
(こんな日に限ってどうかしてるだろう?)  
帝愛グループ裏カジノ店長の一条はふふふと自嘲した。  
 
その三時間前----  
『Club Luxury』  
高級なラウンジに、今や帝愛グループの実質権力No2である黒崎は一条と  
訪れていた。  
『カイジくんは一筋縄じゃないぞ一条。』  
黒崎の思いもよらず言葉に、一条は一瞬戸惑った。  
 
『ご安心をご期待を裏切るような事には決してなりません。』  
自分を高く買ってくれている上司から、まさか自分よりそいつの評価が先に出るなんて。  
 
『もちろん、私はお前には大いに期待している。だが足元をすくわれぬようにな。やつは野良犬は野良犬でも地獄より這い上がった猛獣だ。ひとたび牙を見せれば相手が誰であろうと躊躇はしない。捨て身で来るぞ。あの利根川を食い殺しおった』  
 
クククと笑った黒崎に、一条は何も言う術がなかった。  
(あの汚ならしい野良犬が?馬鹿な...そんなことがあるわけがない)  
それは一条にとってはいかんとも面白くない話だった。  
 
『失礼いたします、黒崎様』  
奥から店のママが挨拶に来た。そのまま黒崎と他愛のない挨拶をしながら談笑している。  
一条は新たに酒をオーダーして悶々としていた。きらびやかな格好をしたホステスが黒崎の灰皿を新しいものに交換して、横にいる一条に『失礼いたします』とライターを差し向けた。  
 
『いや、僕は煙草は吸わないんですよ』  
『あ...失礼いたしました。ではお飲みものは...』『さっき頼みましたよ』『し...失礼いたしました!!!』  
『美奈ちゃん、ちゃんとお客様のご注文を覚えておかないと』  
ママに一瞥されて、そのホステスは萎縮してしまう。  
『も、申し訳ございま...あ!!!』  
 
ガシャン  
 
水が入ったボトルに引っ掛かり倒してしまい、横にいた一条にかかってしまった。  
『美奈さん!!』  
『ひっ..も、申し訳ありません一条様っ!!!すぐに拭くものを...!!きゃあ!!』  
今度は氷でつまづいて後ろに尻餅をつく。  
『申し訳ありません!!...美奈さん、もういいから下がりなさい。一条様、大変申し訳ございません!!すぐに手配いたします....美奈さん早く!!』  
がくがくと震えて、そのホステスは立ち上がれない。  
近くにいたボーイに持ち上げられてやっと立ち上がり、お辞儀を深くするとそそくさと奥に引っ込んだ。  
『本当に申し訳ありません一条様、新しいスーツのお支払いはこちらで...後で美奈にも謝罪に向かわせます』  
 
一条は唖然とした。  
 
『はっはっはっ!!水がかかるとは益々もって不吉だぞ一条!!』  
黒崎が茶化すようにそう言った。  
『申し訳ございません...一条様、上着を』  
『あ...ああ、お願いします。』  
はぁ...とため息をついてママは頭を抱えた。得意先も得意先、あの帝愛グループの上客に水をかけるなどあってはならぬ事態だ。  
 
『ママ、あの子は..』  
『みっ...美奈でございますか?申し訳ありません何故新人の上に不器用な者でして...責任は充二分に..!』  
『なぁに構わんよ、こいつには良い忠告かもわからん』  
黒崎が軽く笑った。  
 
(尻餅をつくホステスなんか初めて見た..)  
思い出した様子がやけにおかしくて、一条もふっと吹き出す。  
 
『ママ、後で美奈さんにご同伴いただきたいのですが...』  
 
一条の言葉にママが青ざめる。  
断る術はない。  
深く謝罪を繰り返し、約束を取り付けた。  
(美奈は帰って来ないかもしれない...全く困った事を...)  
 
 
数十分後  
支払いを済ませようとしたが店の意向で免除された。帝愛グループの力は巨大だった  
 
 
 
『一条...様...この、たびは..度重なる失礼を...お詫び...いたします』  
ママに付き添われて来た先ほどのホステスは、涙で腫れた目をして顔面蒼白で意気消沈していた。『では一条様、美奈をよろしくお願いいたします』  
ママは美奈を押し出して一条に預けると、もう一度深くお辞儀をした。  
 
黒崎と別れた後、一条は車に美奈を乗せて走り出す。なぜか知らない。  
この時、無性にこの女に興味が沸く。  
隣に俯き怯える美奈を、一条は柔らか物腰で尋ねた。  
 
『美奈さんと言いましたね、先ほどはよい忠告をありがとう』  
びくっとして美奈は顔を上げた。  
『怯えなくてもいい、何も殺そうって訳じゃないんだから』  
にこっと笑い  
 
『いや、今日少し気になった事がありましてね。それで鬱々としていたところなんです。あなたの姿がコミカルで...つい、アフターを申し入れてしまいました。もう少しお付き合いいただきたいのですよ』  
『....』  
美奈の目から再び涙が溢れた。  
『...美奈さん』  
『....はぃ』  
『マスカラが、落ちてますよ』  
『!!!!』  
ふふふとまた笑いが込み上げてきた  
 
着いたのは上品なホテルだった。  
一条が家とは別に個別で借りている一室がある。地上31階建ての最上階にそれはある。  
車から降りて、一条が黒服にチップを渡すとそのまま車は走り去って行った。  
 
『ご案内します。私の部屋へ』  
美奈の手を取り、紳士的に誘導する。  
『あの...一条様...』  
『大丈夫、さぁ』  
美奈は黙って一条の後についた。  
 
『ホステスと言う職業は昇り詰めてこそ、その価値があるのだと漠然と思っています。その下に何人もの犠牲があったとしても、頂上にいけば華は枯れる事がない....素晴らしいとは思いませんか?』  
エレベーターの中で一条は雄弁に語った。  
いつもより酒が多目に入っているせいだろうか。言葉がつらつらと出てくる。  
『いえ...私などではとても...一条様はそう思われるのですね』  
『勿論です』  
『...まだお若いのにご立派だと思います』  
『ふふ...生意気に見えますか?』  
『い、いえ...そう言う意味では...失礼いたしました』  
『良いのですよ...私もそう思っていますから』  
『...え?』  
最上階につくと、一条は美奈を促した。  
『お入り下さい。私のプライベートルームです』  
 
『さぁ、どうぞこちらに座って。ワインはお好きですか?』  
一条が丁寧に美奈をエスコートする。  
言われるままに近くのソファーに腰かけた。  
『美奈さん』  
急に呼び掛けられてびくっと反応する。  
 
『あなたは、なんの為にホステスをしているのですか?』  
いきなり投げられた質問に戸惑った。  
この人にとって適切、かつ求める様な応え....失礼のないように....  
 
『...お...お金の為に....生きていく..為に..』  
我ながら気の効かない応えにがっかりする。  
また失敗した...落ち込む  
 
パチ..パチパチパチ  
 
『え...?』  
『素晴らしい。実に』  
 
一条が満面の笑みで拍手を送った。  
訳が解らずに疑問符を顔に出す美奈に向かって一条は饒舌に喋り出した。  
『お金はとても尊い。なぜならそれは権威の証だから...』  
『あなたはこの仕事でその美貌と才能を生かしながら、これからいくらでも昇りつめられる。』  
ワインのコルクを抜いてグラスに注ぎ、美奈に手渡す。  
 
 
『最も...そこに優秀なパトロンがいれば、その力はもっと巨大になるでしょうが』  
乾杯、とグラスを合わせて喉を少し麗した。  
 
 
美奈は戸惑うばかりだった。  
アルバイトで入ったばかりの自分には身に余る程の豪勢な接待。  
 
部屋一面には大きな窓。家具類はどれもシックな色合いで統一されていた(この人はとても慣れてるんだな...)  
水商売に入った時に覚悟はしていたものの、居心地がとても悪い。  
自分には合わないのかも...と何度も思った。  
 
今日もママから、特別なお客様だから粗相のないようにと注意されていたのに。大失態。  
なのにその水をぶっかけた客に招待を受けるなど奇想天外だ。  
 
 
『自信を持って下さい。』  
『...え?』  
『あなたの未来に』  
 
ニコっと笑って  
 
 
『い...一条様』  
『はい?』  
『なぜ本日は私をご指名していただけたのですか....?』  
一条はニコっと笑った  
 
『あなたの髪が...美しいと思ったので』  
 
(やっぱりこの人よく解らないわ...)  
 
『髪が綺麗な女性はね、自己プロデュースが行き届いている方だと思います』  
そう言って一条は美奈の髪をすぅっと撫でる。美奈の髪は長くて、真っ直ぐだ。脱色もしていないし、ゴワゴワとしたパーマもあたっていない。  
 
『あ、ありがとうございます。で...でも、やっぱり華やかさがないかなと思って...キャバ嬢するならもっと...』  
『とんでもない、私はこの方が好みですよ』  
一条は何度もその手触りを楽しんだ。  
(それに...)  
(黒髪と言うのになぜか異様にひかれた...憎たらしいあいつのデジャヴュか?)  
ふふふと笑みを崩さずに触り続けた。  
 
 
怖い...  
美奈は直感的にそう思った。この一条という男は何を考えているか解らない。いつも柔らかい表情をしているが、  
ざわっとした...何か得体の知れない不安がいつも近くにいて感じる。  
 
 
一条は美奈の髪を少したくしあげて耳のピアスをパチンと外した。  
ビクッと反射的に反応する。  
そのまま耳元で一条が囁く。  
『少し...化粧を直した方がいいみたいだ。美奈さん、バスルームへどうぞ』  
 
 
ざわざわざわっ....  
 
来た....もう...逃げられない...  
 
 
美奈は無言でバスルームへ向かった。  
後ろを振り向かずに、胸にある不安がどうか一条にばれませんように....  
 
 
何から何まで一級品。  
 
 
酔いしれる様な香りのシャンプー。柔らかなタオル。髪の毛一本落ちていないバスルームにドレッサーには一通りの化粧品が揃っていた。一体、何人の女性がここに来たのか容易に想像がつく。  
 
ほんのり上機した肌に化粧水を染み渡らせる。  
ひんやりとした感触が心地好い。軽く化粧を済ますと、美奈はぎゅっと固く目を閉じた。  
 
(しっかりして...これはチャンスなの!)  
かの帝愛グループの一任者。しかもとびきりのハンサムで。これはチャンスだ...  
 
 
ガクガクと震える。  
美奈は既婚者だった。  
 
 
夫が失業し、少しでも良い給料を得るために高級クラブに求人を出した。夫はそんな美奈を理解してくれて、今までした事のない水商売に足を踏み入れた。  
 
一条の言うような野心などあるはずもなく、何のために働いているかと聞かれれば生活の為とそれ以外にない。  
庶民...圧倒的庶民。  
 
(ダメよ..逃げられない!!)  
美奈は混沌としていた。夫に後ろめたく、涙が出てくる。  
 
 
置いてあるバスローブに袖を通すと、その肌触りにまた酔いしれた。  
 
 
 
『一条様...お待たせいたしました。』  
バスルームを出ると、一条は夜景を見ながら穏やかな表情で静かに立っていた。  
 
 
『ありがとう、美奈さんお好きな飲み物をどうぞ』  
 
そう言ってバスルームの方へと歩いて行った。  
 
....!!  
美奈は残っていたワインを一気に煽り、沸々とした時間に耐えた  
 
 
ザザー....  
 
ぬるい湯をかけて一条は頭にある熱を冷ました。  
全くもって面白くない。鬱々とした気分は今も続いていた。  
(伊藤カイジか...)  
どうも気になる。  
普段なら気にも止めない野良犬に、あの黒崎の買いかぶり様が。  
噂では聞いていた。  
あの上層幹部の利根川を失脚させたとか...信じられない話だが。  
 
 
キュキュッ  
 
美奈を誘ったのはほんの気紛れだった。  
たどたどしいあの女がやけに気になった。  
華やかな女など他にいくらでもいる。もっと気軽に抱ける女も...  
 
 
美奈は特別美人という訳でもないし。  
ただ、今日はなんとなく惹かれた。それだけだ。軽く体を洗い早々に出て来た。  
 
 
美奈はソファーにもたれ掛かってかなり酔っているようだった。先程のワインのボトルが空になっていたのに少し驚いた。  
『美奈さん?』  
『ぅ.....』  
『大丈夫ですか?あなたがこんなにワインをお好きだとはね...次からお店ではワインを頼むとしましょう』  
『一...条さま、』  
『体を冷やすといけない....さぁ』  
 
一条は美奈を抱き抱えるとそのままベッドに運んだ。美奈からは甘いワインの香りがした。  
(参ったな...こんなに警戒されては)  
 
むしゃくしゃしていたから、一夜だけの相手のつもりで誘った。  
いつもなら女は喜んで尻尾を振りついて来るのに、この女は先程から一向に警戒を解かない。  
(女など、抱きたい時に抱けば良い...思いのままに操ればいい)  
 
 
『ぃ...ちじょ..ま』  
『大丈夫です。怖がらなくても』  
 
一条はバスローブを脱いで美奈にもたれた  
 
美奈のバスローブの前をほどくと、そこには見かけによらずたわわな肢体があった。  
母性的な体。  
一条は身体のラインをなぞるように愛撫を続けた。  
『ん....』  
美奈が身じろいで応えた  
(そうだ...女など抱いてしまえばみな同じなんだ)上機した顔で一条を見る美奈の顔は焦点が合っていない。  
 
 
なんだか面白くない。  
一条の中に急に怒りが込み上げてきた。  
乱暴に口を塞ぎ、美奈の唇を噛んだ。  
 
『....痛っ!!!』  
はぁ...はぁ...  
『一条..さま...?』  
美奈の唇から赤い血が滲んだ。  
そのまま髪を掴んで無理矢理顔を上に持ち上げた  
 
『い...いや!!痛...』  
再び口を塞ぐと乱暴に中を犯した。息苦しいぐらいの口付けだった。  
 
『美奈さん...痛いのはお嫌いですか?』  
ハァ...ハァ...  
ニコっと笑顔を作り、一条は美奈を抱き締め、そのまま首筋を強く吸った『あっ....!!首は!!』  
『いけませんか?』  
『うっ....ごめんなさい....あなた』  
 
!!!  
一条は理解した。  
『ふふ....ふふふふ。美奈さんあなたは』  
『ご、ごめんなさい...』『良いのですよ、今宵はどうぞその背徳感に溺れて下さい...存分に!!!』  
乱暴に体を倒して美奈の足を開いた。  
突然の事に美奈は混乱しながら必死に一条に応えた。  
『あぁ!!...あっ』  
いきなり貫く痛みに思わず気が飛びそうになる。  
『ククク...良いですよとても。その声も、顔も』『一条さまっ...どうか』ガクガクと振動があてがわれ、頭が真っ白になる。涙が止まらなくなった  
『ごめんなさい...!ごめんなさい!!』  
『ククク...』  
 
(なぜこんなに不安になる?なぜ、なぜ...)  
 
『ハハハハハっ!!』  
『...ジョウさま』  
 
!  
美奈の体が一条を包み込んだ。お互いの体がつながったまま...  
『はぁ..はぁ、私は...大丈夫です...一条様は..』『....』  
『とても、不安でいらっしゃいますか?』  
『.....』  
 
一条はそのまま美奈の体にもたれかかった。  
 
....  
まどろみの中で目を覚ました。どうやら眠っていたらしい。一条の頭は美奈の豊かな胸の中にいた  
『あ...』  
『お気づきになられましたか?』  
『俺は...眠っていたのか』  
『ええ...』  
『どのくらい』  
『ほんの...20分ほど』  
甘い匂いがする。  
一条はまだぼーっとした頭を起こせずにいた。  
 
『いくつだ?』  
『え?』  
『年は...』  
(馬鹿だな...俺は何を話しているんだ)  
『27です。』  
『...俺より...年上なんだな』  
『おかしいですよね。この年でキャバ嬢なんて...年増です』  
ふふふと笑ったが美奈はそのままの体制を崩さずにいた。  
『撫でてくれないか?』『はい...』  
美奈の手が一条の柔らかい髪に触れた。  
今まで女に要求された事はあってもした事はない。(動揺しているのか...俺は...)  
 
『一条様、本日は申し訳ありませんでした』  
(そんな事...今更忘れていたが...。)  
『私からのお詫びです』  
 
そう言うと美奈は一度身体を離すと、一条の体を唇を這わせて下った。  
『うっ...』  
思わず声が出る。  
美奈はそのまま一条の腰まで落ちて、舌を出し優しく口の中にそれを含んだ。  
『はぁ...ん...ん』  
美奈の口内で弄ばれると急に熱を持った。  
『..っお前...相手がいるんじゃないのか?』  
『さぁ..それを聞かれるのは野暮ではございませんか?』  
 
クチュクチュと強弱をつけられると一条からは熱い声が漏れる。  
『ぅっ...あぁっ』  
『んぁぁ....うぅ』  
 
一条はただ襲い来る快楽に身を任せた。  
『ぅ....ダメだ...!!』  
 
快楽を放出してしまい、そのまままた眠りについた。  
起き上がるまでにまた少し時間がかかったが、一条の頭はスッキリとしていた。  
 
 
(どうかしているだろう....本当に。どうかしている)  
 
外の光は相変わらず不夜城に放ち続けていた  
 
*******  
 
 
やめろぉぉぉ!!!  
 
 
沼は咆哮を上げていまにも開落しそうだった。  
 
 
やめろ...  
やめろ!!!!  
やめてくれ!!!!  
 
幾多の妨害の末、また奴らの姑息な手管の前にすでに策は尽き。  
一条はその場に倒れ込んだ。  
最終クルーンには無数の玉が溢れ、いまにもこぼれ落ちていきそうな絶望の淵。  
うわぁぁぁぁぁ!!!!!  
沼は数多の玉を放出。  
陥落した  
 
 
『確保のご命令です』  
 
そして全てが終わった....レールは切れてしまった。修復が不可能な程に  
 
車の中で一条は茫然と外を見ていた。  
club Laxuryの前を通った。就職して7年、黒崎に連れられて入った。以来ずっと贔屓にしていた店だ。その栄光も、希世も今や遠くに去って行く。主任の村上が最後まで付き添うと、断固として言ってきたが却下した。余分な心の余裕など...もう、無い。  
 
その隣のスーパーマーケット。新人の頃によく買い出しに行かされた。両手に沢山の袋を下げて、雑用をこなし...そう、あの様に....  
『あ.....』  
 
スーパーから出てくる二人組が目についた。  
同じように袋をいくつも下げて、楽しそうにカートに乗せる姿は...  
 
『そうか...』  
(そうだったな...)  
摘んだ花はまだ生きていた。  
 
『ククク...はは』  
『一条さん...』  
涙が流れたが、無視をした。  
 
『ククク....』  
『.....お悔やみお察しします...』  
 
雑草は根をはる。例え踏みつけられようと...  
 
 
『沢山買っちゃったね』『まぁ、今日はお祝いだからいいさ』  
『そうね...あなたの新しい仕事見つかって良かった』  
『しかし美奈子がワイン派だったとは知らなかったよ』  
『そう?一度美味しいワインを飲んだからかな』『前の店で?』  
 
『それは内緒よ....』  
 
END  
 

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