女は、銀次との濃密な時間にすっかり満足した様子だった。
銀次の腹部を愛おしそうに撫でると、「平井さんのお腹、ハリウッド俳優みたいでセクシーですね」とほほ笑んだ。
煙草に火を点けた銀次は、ふっ……と笑うと、「何て言うか知ってるかい?」と女に尋ねた。
女は「ギャランドゥ、ですか?」と上目遣いで答えた。
銀次は上を向き、一筋の煙を吐いた。
「西城秀樹という歌手がへそを出して歌っていたからそう呼ばれるようになったんだがね。
元々はGal and Doって歌詞の歌だったのさ」
女はプッと吹き出し、「意味が全然分かりませんね」と応えた。
銀次は女に向き直った。
「作詞者の意図では、行動的な女の子ということさ……お嬢さんのようにね」
表情は柔らかだが眼光の鋭い銀次に見つめられ、女は顔を真っ赤にした。