若い連中とやりあい・・・致命傷を負った黒沢・・・  
薄れゆく意識の中、その耳にかすかに届いた声・・・  
 
「黒沢しゃん、黒沢しゃん・・・」  
「茜・・・ばーちゃん・・・?」  
あたたかかった・・・。  
手だけではない・・・頭も・・・頬も・・・!  
 
「黒沢しゃん・・・勃っとるよ・・・ほしたらまだ・・・大丈夫やけん・・・  
 元気にしちゃるから・・・な・・・じっとしててな・・・」  
「俺らも手伝いますっ・・・!手当て・・・一緒にやらしてくださいっ・・・!」  
手のぬくもりは全身に広がった・・・  
 
黒沢の意識が遠のく・・・そして・・・  
走馬灯の中に・・・若かりしころの茜の姿がちらついた・・・  
きっとこんな人生を送ってきたのだろうと・・・黒沢が想像した茜の姿・・・  
 
「あんた・・・帰ってきてね、きっと、帰ってきてね・・・」  
もんぺ姿で、黒沢に抱きつく10代の茜・・・黒沢の新妻・・・  
「ああ・・・帰ってくるさ・・・!!あ・か・ね・・・!」  
 
ちゅっ・・・  
ちゅう・・・  
 
「あんた・・・あたしの惚れちょう人・・・たった一人・・・  
 欲しいのは・・・『おかね』じゃないって・・・言うてくれた人・・・!  
 欲しいのは・・・『あかね』だって・・・!!」  
 
薄い布団の中で愛し合う二人・・・  
 
じゅう・・・じゅう・・・ちゅるっ・・・  
 
茜の乳房を吸う黒沢・・・処女の茜の身を気遣いながらも・・・  
体の芯からこみ上げる衝動は抑えきれないっ・・・!  
 
「い、痛くない・・・?大丈夫・・・?」  
目を潤ませながら微笑む茜・・・  
「だいじょぶやけん、気にせんといて・・・嬉しい。  
 約束な・・・絶対帰ってきてな・・・!また、あたしの乳、吸ってな・・・!」  
 
「うん・・・!」  
 
暗がりの中、茜の秘所を探りあて・・・いきりたった巨根をそっとあてがう黒沢・・・  
(こ・・・これっ・・・!この・・・指一本も入らなそうな穴に・・・!?入れちゃうの・・・?俺・・・!)  
 
「こ、壊れちゃうっ・・・!茜が・・・俺の大事な茜が・・・壊れちゃうよっ・・・!?」  
「うふふ・・・今さら何じゃね・・・あたしのオメコは・・・あんたの為にあるんじゃけん・・・。」  
 
茜の小さな手が、巨大なサオを握っている黒沢の手と・・・重なった・・・  
 
「あうっ・・・あああっ・・・!」  
茜が苦しそうな顔をする度に、動きを止める黒沢・・・  
「あ、あの、ちょっと・・・休憩・・・しよっか・・・?」  
「嫌じゃ!ほんとに・・・夜が明けたら・・・あんた・・・居なくなるじゃろっ・・・!?」  
赤紙の届いた黒沢の出陣は・・・明日に迫っていた・・・!  
婚礼の儀もそこそこに・・・黒沢は戦地へ向かわなければならない・・。  
二人に許された・・・たった一夜の契り・・・!  
 
「もっと・・・もっといっぱいこすってっ・・・!ああ・・・!この感覚・・・一生忘れん・・・!  
 帰ってきたら・・・また・・・してな・・・!でないと・・・股がうずいてどうにもならんよ・・・!」  
 
そう・・・犯しているわけではなく・・・!  
愛を注ぐ・・・そのための行為っ・・・!  
 
「うん、うんっ・・・待ってろっ・・・!  
 相手が鬼畜米英だろうが・・・なんだろうが・・・お前は俺が、必ず守ってみせる・・・!  
 それで・・・必ず・・・お前のところに帰ってくるっ・・・!」  
 
『黒沢万歳!』『大日本帝国万歳!』『立派にお役目を果たして来い!』  
 
(帰ってこよう・・・必ず、必ず・・・!)  
他の兵士達と共に汽車に乗り込んだ黒沢は・・・  
泣きながら旗を振る茜が見えなくなるまで、じっと・・・笑顔で手を振りつづけた・・・。  
 
「黒沢しゃあん!!」  
「・・・・・・・・・・・・?」  
(茜・・・そんな他人みたいな呼び方しなくてもいいじゃん・・・夫婦なんだ・・・か・・・?)  
 
自らの血でふさがれた視界に映ったのは、星空と・・・ほとんど髪の無い老婆の姿・・・  
懸命に・・・黒沢の股を両手でこすっていた・・・  
「・・・茜・・・ばぁちゃん・・・?」  
「黒沢しゃんっ・・・!」  
 
周りには・・・やはり、黒沢の全身を温めようと必死になっている男たち・・・  
若者の集団に立ち向かい、追い返したは良いものの・・・命の灯が消えかけている自分・・・  
(あ・・・そうか・・・さっきのは・・・夢・・・そうだよなあ、俺にあんな・・・いい思い出あるわけ・・・)  
だが・・・  
 
「兄貴ィィィ!!!」  
「あ・・・。」  
 
全身を包む人の温もり・・・雨の様に降り注ぐ涙・・・  
黒沢は、それを感じて・・・あることを・・・確信した・・・!  
前言撤回っ・・・!  
(・・・あれは、夢なんかじゃないっ・・・!・・・俺は、特攻したんだ・・・世の中ってヤツに・・・!みんなと、一緒に・・・!)  
 
「あったけえなあ・・・・・・・・・ホントに・・・あったけえ・・・!」  
(うん、そうだ・・・。やっぱり・・・俺は、お金なんかいらない・・・本当に欲しかったのは・・・)  
 
「ただいま・・・『あかね』・・・。ありがとう、みんな・・・。」  
(守るべき者・・・大好きな人、それから・・・勇者であろうとする全ての者・・・戦友っ・・・!!)  
 
ぶわっ・・・  
ぼろ・・・ぼろ・・・ぼろ・・・ぼろ・・・  
 
黒沢自身も・・・喜びのあまり、溢れる涙を止めることができない・・・。  
 
「なんで・・・泣いてんの・・・?帰ってきたよ、俺・・・ちゃんと・・・。」  
「うれし泣きじゃ・・・ばかっ・・・!」  
 ぽこぽこ自分の体を殴る小さな手が・・・愛おしかった・・・。  
「そっか・・・なら・・・良かった・・・」  
(かわいいなあ・・・今まで会った、どの女の子より・・・かわいいなあ・・・うん・・・!決めた!)  
 
ニコッと笑って・・・泥と血にまみれた手で、茜の涙をぬぐった・・・。  
「これからは・・・ずっと一緒・・・置いていったりしないよ・・・!  
 茜ばーちゃ・・・『あかね』ちゃん、俺の、お嫁さんに・・・なってくれる・・・?」  
 
「え・・・」  
「うまく言えねえなあ、俺・・・なにせ・・・プロポーズなんてしたこと無いから・・・」  
えへへ、と、舌を出しながら、照れ笑いを浮かべた・・・。  
「・・・黒沢しゃん・・・!」  
黒沢に抱きつく茜・・・それを受け止めて、大きな手で包む黒沢・・・  
 
パチ・・・  
 
パチ・・・パチ・・・  
 
パチ・・・パチ・・・パチ・・・パチ・・・パチ・・・  
 
・・・黒沢の耳に拍手の音が届いた・・・それは段々と大きくなり・・・  
 
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・!  
 
「おめでとう・・・!」  
「結婚おめでとうございます、兄貴っ・・・!」  
「サイッコーの嫁さんじゃないスか、兄貴!」  
「茜ちゃん、よかったのう・・・!よかったのう・・・!」  
「さっそく、二人の結婚式だっ・・・!!」  
 
上には満天の星空・・・  
下には沢山の笑顔の花・・・  
皆が見守る中で・・・二人はキスを交わした・・・。  
 

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