カイジが目を覚ますと・・・横に、真理亜が寝かされていた・・・。  
肘と両足の鎖はすでに外されているが・・・首輪と手足の枷はそのまま・・・  
 
「おはよう・・・負け犬君。」  
真理亜の後ろに・・・何事も無かったかのようにソファに座り・・・  
接客用の張り付いた笑みを浮かべる一条が居た・・・。  
カイジは・・・一条の頬を全力で殴り飛ばしたかったが・・・  
痛みで体を起こすことすらできなかった・・・。  
 
「お前の鳴き声は・・・とても・・・美味でしたよ・・・。  
 ご褒美に・・・そこのメス猫をあげましょう・・・。  
 それから・・・あと一時間だけ・・・この部屋にいることを・・・許可します・・・。  
 置いてある道具も・・・ご自由に。   
 その後は・・・野良同士、路地裏ででも・・・仲良く傷を舐めあえばいい・・・  
 ククク・・・。」  
 
「・・・どういうことだ・・・?」  
一条に疑問を呈したカイジの頬に・・・柔らかな手が触れた・・・  
「・・・えて・・・あげ・・・から・・・さんに・・・ちゃ・・・メ・・・。」  
真理亜が・・・囁いた・・・。  
『教えてあげるから一条さんに聞いちゃダメ』  
と・・・一条には・・・届かないように・・・かすかな声で・・・  
 
それを聞いた直後、カイジの目から零れた涙・・・  
真理亜は・・・指でそっと拭いた・・・  
 
「ん・・・?  
 短い時間で・・・随分と仲良しになったじゃないですか・・・。  
 では・・・リミットは60分きっかり・・・延長ナシ、です・・・。」  
一条は・・・カイジに見えるようにタイマーをセットした。  
焼き土下座の時の・・・利根川の姿を思い出す・・・嫌なタイマー・・・  
 
「では・・・私は・・・これで・・・。」  
パタン。  
開けるときは随分と派手な音を立てたが・・・閉まるときは・・・静かだった・・・。  
(・・・一条のヤツ・・・自分が満足しやがった、からっ・・・!)  
 
「うあ゛・・・あああ・・・」  
(ボロ・・・ボロ・・・)  
「ごめんね・・・一条さん・・・今日は少し・・・荒れてた・・・みたい・・・。」  
「あ゛れで・・・だっで・・・れべる・・・がよう・・・。」  
ようやく・・・半身を起こすことができたカイジ・・・  
視線の先には・・・  
今にも端から雫が滴り落ちそうな・・・じっとりとした血染めのシーツがあった・・・  
 
「一条さんには・・・もう何も言っちゃダメよ・・・  
 でね・・・私・・・わかりやすく言うと・・・一条さんに・・・捨てられたのね?  
 時間がきたら・・・このまま・・・カイジ君と一緒に・・・外に出されるの・・・  
 さっき切っちゃった服は・・・返せない・・・ごめんね・・・。」  
 
「捨てっ・・・」  
カイジの声は・・・柔らかな唇で・・・遮られた・・・。  
 
「カイジ君・・・好きなように・・・していいから、ね・・・。  
 かばおうとしてくれて・・・ありがとうね・・・。」  
先ほどまでは・・・カイジの背中に当たっていた真理亜の乳房・・・今は・・・・・・カイジの・・・胸に・・・  
 
「〜〜〜〜〜〜っ・・・!」  
背中に回された真理亜の手を乱暴に解き・・・しゃくりあげながら・・・膝を突いて・・・  
血まみれのシーツの上の・・・真理亜の秘所を・・・カイジは・・・舐めた・・・。  
飼い主の怪我を案じる犬のように・・・  
 
「ごべ・・・ばりあさ・・・おれ・・・ごんなごど・・・しが・・・。  
 いだ・・・いだくないが・・・?  
 ぐずり・・・ごご・・・ないがなあ・・・。いだみどめ・・・でぼ・・・。」  
(ホントに・・・犬並みじゃねえかよ・・・俺・・・俺よう・・・。)  
 
「大丈夫・・・気持ちいい・・・。」  
小さな手で・・・頭を・・・撫でられた・・・。  
 
「塗り薬とか・・・痛み止めなら・・・あるから・・・  
 あとで・・・持ってきてあげる・・・奥に・・・」  
 
「・・・!」  
(・・・ある!薬が・・・ある!手当てができるっ・・・!)  
カイジは・・・涙をぬぐい、気力を振り絞って起き上がり・・・真理亜を抱えて・・・部屋の奥へと・・・進んだ!  
「きゃ・・・カイジくっ・・・?」  
「その薬は・・・何処にある・・・?教えてくれよ・・・真理亜さん・・・。」  
 
真理亜は・・・カイジの行動に戸惑いつつも・・・薬のある場所を示した・・・。  
ただし・・・あくまで・・・応急処置・・・気休め程度のものしかなかったが・・・。  
消毒液・・・血止め・・・痛み止め・・・塗り薬・・・  
互いに気遣いながら・・・出来る限りのことをした・・・  
 
だが・・・破壊された真理亜の膣に関しては・・・どうしようもなかった・・・。  
 
一通りの処置が終了し・・・二人は・・・分厚い絨毯の上に横たわった・・・  
血染めのベッドには・・・戻りたくなかった・・・  
真理亜は・・・唯一無事だった・・・カイジのペニスを撫でながら・・・  
・・・言った・・・。  
 
「挿れて・・・いいのよ・・・?」  
「できるわけないだろっ・・・!?」  
カイジの答えを聞いた真理亜は・・・どこか遠くを見つめながら・・・呟いた・・・  
 
「カイジ君は・・・いい子ねえ・・・。  
 私みたいな卑しい女のことはいいから・・・これから出会う女の子達に・・・優しく・・・してあげて・・・。  
 時間をかけて・・・気持ちよく・・・してあげて・・・  
 傷・・・早く・・・治ると・・・いいわね・・・。」  
・・・赤子に言い聞かせるような・・・優しい声色・・・。  
聖母マリアの・・・子守唄・・・。  
 
頭を・・・頬を・・・性器を・・・カイジの全身をくまなく撫でながら・・・  
やわらかな歌を・・・旋律を・・・奏でる・・・  
 
「私はいいの・・・。  
 
 私は・・・沢山の男たちに・・・血を流させた・・・だからきっと私は・・・血を流しながら死んでゆく・・・  
 このあたりには・・・誰でもいいから・・・ヤりたいって・・・ どんな女でもいいっていう子たちが・・・たくさんいるから・・・  
 彼らに犯されて・・・そのまま・・・出血多量で死ぬ・・・それで・・・いい・・・。」  
 
「死ぬとか言うな・・・!簡単に・・・そんなこと・・・口に出すなっ・・・!」  
(ボロ・・・ボロ・・・)  
真理亜の手が・・・止まり・・・しばしの沈黙の後・・・  
 
「だってもう・・・私・・・女の武器も・・・ダメになっちゃったんだもの・・・!!」  
・・・涙声だった。  
 
「違う・・・違うっ・・・!  
 こんなに・・・痛めつけられても・・・  
 ついさっき知り合ったばかりの俺を・・・ 心から案ずることのできたあんたは・・・  
 人として・・・上等だっ・・・!  
 
 聖母マリアの名は・・・汚れちゃいねえんだよっ・・・!」  
(ボロ・・・ボロ・・・)  
 
カイジは・・・あの日のことを思い出していた・・・。  
人として・・・立派に生きた・・・矜持を示した人間に・・・  
そのことを伝えられなかった・・・あの夜を・・・。  
 
「言えた・・・  
 今度は・・・ちゃんと・・・伝えられた・・・!言えた・・・!」  
(ボロ・・・ボロ・・・ボロ・・・ボロ・・・)  
 
その思いが・・・カイジに力を与えた・・・。  
まだ・・・出来ることがある・・・道は・・・・・・ある!  
カイジは・・・今までかいくぐってきた・・・!  
数々の修羅場をっ・・・!!  
 
地獄から這い上がる唯一の方法を・・・カイジは・・・知っているっ!  
カイジ、覚醒・・・!  
 
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