美心の「練習」に励む様子を偶然目にしてしまう坂崎  
悶々とする日々…  
悩みに悩むが、ある日ついに決心した  
「カイジのような汚いクズ男に娘をやるくらいなら…!  
いっそ生物の禁忌を超え獣以下に成り下がろうとも…!  
みここを汚さぬためならワシの魂なぞ魔にくれてやるわ…っ!」  
 
真っ暗な廊下に息をつめ潜む  
その形相は獲物を狙う獅子のごとく  
全神経が意思とは関係なく研ぎ澄まされていくのを感じる  
目線は暗闇に差す一筋の光の先の、天女の遊戯…  
 
「…んっ…んっ…」  
みここの唇から漏れいづる吐息  
我慢できない声を必死に押し殺そうと努力する姿はいじらしく、初々しく…  
そして溢れる快感の大きさが推し量れる…  
 
いつのまにか坂崎は涙を流していた  
 
目の神経よ、耳の神経よ、鎮まれいよ…っ!  
ワシは…ワシの心はそんな命令出してはいないはずだ…っ!馬鹿野郎…っ!  
見たくない…っ!本来なら見たくないハズでなくてはならないのに…っ!  
今からすることは…!下衆男の汚らわしい欲望からみここを守るための聖なる儀式であるはずなのに…っ  
ワシは…っワシという男は…っ!  
情けない…  
あまりにも情けないがこれは動かざる事実…!真実…!  
 
美心は…うつくしい…っ!  
少女として…人間として…そして…女としても…っ!  
そしてワシは女としてのみここを欲しているっ…!  
下衆…っ!下衆以下…っ!獣以下…っ!カイジ以下…っ!  
 
すまないみここ…ワシは…っ!ワシは…っ!  
「美心ーーーーーーーーっ!」  
 
ドアを叩き開け、みここに向かって飛び掛かる  
みここの時が瞬間止まる  
その瞳に映る獣一匹  
獣の、跳躍…  
 
「痛っ」  
みここが我に帰った頃にはすでに欲情した獣がのしかかり、ネグリジェのボタンに手を掛けていた  
ブチッ…ブチッ…  
ネグリジェが、下着が、空を舞う  
「…っ?!」  
ありえない状況を理解できず身じろぐこともできない  
固唾を呑みただただ、父親だったはずの獣の所業を見つめるみここ  
 
「みここっ…!みここっ…!」  
坂崎ももはや自分が何をしているのかわからなくなっていた  
ただひたすら己の欲望にまかせ、聖地を暴き出すことに夢中である  
 
たおやかな肢体を割り、茂みをかきわけ、ついにたどり着いたサンクチュアリ…!母なる道…!観音様・・・!  
「おお…おお…美しい…美しい…!」  
 
「いっ、いやっ……パ…パ…っ!?」  
みここがようやく足掻きはじめるが、坂崎の意識にはもう届かない  
「もっとよく見せておくれ…お前の純潔を…」  
枕もとのスタンドを強引にたぐりよせ照らし出す…  
「おお…っ!おお…っ!」  
「っ?!…パパッ…!なんで……!?なんで……!?」  
「や…やめてぇっ!」  
「愛しているよワシのみここ…永遠にワシのみここ…」  
「まさか…みこことカイジくんを引き離すため…なの…?」  
「みここ…ワシの可愛いみここ…」  
「ひどいっ…いくらカイジくんが気に入らないからって、こんなことっ…!」  
「今お前の清らかさを永遠にしてやるからな…」  
「………っ!!!」  
「……私はね、もうパパだけのかわいいお人形さんじゃないんだからっ!」  
「わたしっわたしっ…!」  
 
………  
 
坂先は絶望した  
美心の乙女は既に散らされていたのだ…!  
 
唇を噛みしめ、涙をいっぱいに溜めた目で精一杯の抵抗するみここ  
有り得ない事態に呆然とする坂崎…  
どうすることもできない異様な空気と、若い娘の裸体の刺激に、  
坂崎の精神は得体の知れないドス黒いものにのまれていった…  
 
 

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