まだ肌寒いとある日のことです。
ハウルは、ウェールズの自室からかろうじて取り戻した蔵書を丹念に見ていました。
ソフィーが受けた荒地の魔女の呪いも解け、近隣諸国との戦争も一時中断しましたが、
今のハウルには気がかりな事が2つありました。
ひとつは言わずとしれたこと、晩生なソフィーとの仲がキスどまりで中々進展しないことです。
もうひとつは、ソフィーがやたらとくだらぬ魔法を使いたがるので閉口していました。
ソフィーは意外と負けん気が強かったのです。
ハウルに口で負かされそうになると、すぐお婆さんの姿になってしまうのです。
そして、ハウルのだらしなさなどをこれでもかとばかり挙げ連ねて口応えしてくるのです。
ハウルは元々年上の女性が大層苦手でした。いや本当は、年上女性のふくよかな胸も
なだらかな腰も大好きなのですが。そんなことはソフィーには絶対言えません。
彼女達がハウルの頭を膝に乗せて甘やかしてくれたり、服の上から胸の膨らみをなぞると
ハウルの金色の髪にキスしてくれるような、そんな優しさをハウルは好んでいました。
これは、ガミガミ屋の姉のミーガンのせいかもしれません。しかし、どうなのでしょう。
あのお固いソフィーに
「膝枕させてよ」 「胸をさわらせて」
などとは、口が裂けても言えっこありません。そこで、ハウルは本を閉じて一計を案じました。
(まず、無邪気なあいつらをどうにかしないとね……)
ふたりで散歩、ふたりで食事、ふたりだけで……の機会がこないのは、城に居着いてしまった
彼らがいるからなのです。そこでマルクルには宿題をたくさん出しました。マルクルが泣いても
逆立ちしても解けそうにない、とても難しい新たな呪文に挑戦させたのです。
呪文が解けた暁には、真新しいビロードの魔法のマントをこしらえてやるともいいました。
そして、元荒地の魔女のマダムには、美と健康にいいと評判の温泉地に保養に行かせました。
普段だったら、ソフィーともども全員で行けばいいのですが、今回は、自分たち以外は家にいて
もらってはいけないのです。さてカルシファーには、常々自分の男の悩みがバレて…
いや、ハウル自らがもうヤケクソになってソフィーがさせてくれないんだっ! と打ち明けて
しまっていたので問題はありません。
「……という塩梅なんだよ。どう? いい案だろ。」
誰もいなくなった居間で、ハウルはここぞとばかりに今夜の最終プランを述べています。
「ソフィーにはね、今夜から呪いを解くって言ってあるんだよ。」
カルシファーは怪訝な顔をしました。
「ソフィーの婆ちゃん病はもう解けただろ? 何を言ってるんだ。おいらを騙そうったって。」
そうはいかない、のですが違うのです。ソフィーには今後新たな呪いが掛かる予定なのです。
「だから、おいらにゃどういうコトかよくわからないってば。」
カルシファーはわめいて火の粉をあちこちに飛ばしました。
「もういいよ、カルシファーは城の戸締りをしておいで。おまえにも覗き見させてやるから。」
さて、ソフィーが風呂場から戻ってきました。ハウルはあとでぼくの部屋においで、と
言っておいたのです。ソフィーは湯上りで慌てて服を来てきたのか、まだ髪の毛先が少し濡れています。
そんな姿を見て、ハウルはやっぱりソフィーは真面目だよなぁと笑みを漏らしました。
「なぁに! ハウルは何がおかしいって言うの。笑うなんて酷いじゃない。
これから二人で呪い避けの練習をするっていうから、支度に酷く焦ったのよ。」
「ううん。……ねえソフィー。キスしてよ。」
「えぇっ。何故? そっ、それも……魔法が関係しているのよね?」
「うん、そうだよ。ソフィーはよくしゃべるだろ? 君は守りの呪文で体中を固めていないから、
口や他の開いてる部分からいい気が出ていっちゃうんだよ。城にいる時は、ぼくの魔法で
何も心配いらないけどね。でもどこで変な奴に、悪い魔法使いに出会うとも限らないからね。
まず、一番よく」
「あ…ン。」
使う唇から浄めていくんだ、と説明するのももどかしく、ハウルからくちづけしてしまいました。
ゆっくりと舌を這わせてソフィーの唇をこじあけていきます。
しばらくすると、ソフィーのふたつの眼がけだるさを称えてきたので、ハウルは両腕を
肩から腰に回して彼女をそっと抱きかかえました。寝室の暖炉の炎が少しゆらめきました。
カルシファーは成り行きを見守ろうと大人しくこちらを伺っていました。
ハウルはカルシファーに目配せしました。しかし、ソフィーにはとびきりの笑顔で言いました。
「いいかい? これは守りと同時に攻撃でもあるんだ。ソフィーの気持ちが悪い奴らに
負けないことが重要なんだよ。じゃぼくたちの聖なる儀式を始めよう。」
ソフィーはこの儀式について、まだ何をしていいのかも全くぴんと来ていません。
すると突然、ハウルが靴を脱ぎ始めました。ばさっとハウルはどんどん衣服を脱いでいくのです。
あっけにとられたソフィーの目の前で、ハウルは大真面目な顔を作ってこう言いました。
「儀式はね、もっと上等な衣服が必要なんだけど、力を高めるためには、生まれたままの姿じゃなくちゃ
いけないんだ。こっちのが効率がいいんだよ!」
え? 何の効率だとか魔法の力の配分かしら、などとソフィーの頭に疑問符が浮かぶまでもなく
即座に靴が脱がされ、羽織っていたショールがはぎとられました。ソフィーは崇高な儀式だと
聞かされていたので、彼女は特別上等なレースが沢山ついている衣服を着ていましたが、
複雑なホックもハウルのしなやかな指にかかって、すぐ外されていきました。
「自分で脱げるわ……」
恥ずかしいのか、少し顔を赤らめたままソフィーがこう言っても、ハウルは聞き入れません。
上着もスカートもペチコートもすべてとってしまいました……ソフィーは裸を隠そうとうずくまりながら、
ですが目はしっかりとハウルを見据えて、けなげにもこう言い返しました。
「多分、あたしはもう自分の身は自分で守れるわ。あなたが私を守りたいといってくれたようにね。
私だってあなたやみんなを守りたいんだし。だから私は悪い魔法使いが来たとしても負けないわ。」
なんて立派なんだろう! パチパチパチ。ハウルは一瞬たじろぎました。
儀式と名づけて、これからソフィーといちゃいちゃしようとした己を恥じました。
が、しかし、ソフィーの瞳が不思議な色にきらめいて見えたのです。ソフィーも儀式を心待ちに
していたんだ! と自分に都合のいいように解釈して、次に進むことにしました。
「ソフィー……。ぼくは今から【 儀 式 】にのっとって、その悪い魔法使い役をやる。
これは、ラグビーやクリケットと同じさ。守る側と攻める側に分かれるんだ。ソフィーはやり方を
しらないからしばらくは守る側だよ? で、悪い魔法使いっていうのは、その…教会でいうところの
淫魔だけれど……わかる? イ ン マ! ソフィーみたいな清純な子はすぐ堕落してしまうような
ほんっとうに悪くてずる賢い魔法使いなんだよ! さあ、ベッドに横たわって。ほらほら、守りを固めて。」
ソフィーはなんだか変な儀式だなぁとは思いましたが、ハウルの真剣さと、
ふたりともすっ裸の気まずさがあったので言うとおりにしました。
死者のように両手を胸の上で交差させてハウルを待ちます。
いんま……いんまねえ、なんだろう、とソフィーは思いました。
ソフィーは、ハウルのように大学を出ていなかったので、ハウルが難しい言葉や
早口でまくしたてられると、もう右から左でどうでもいい気分になっていたのです。
これは、ソフィーなりのハウルの御し方だったのです。
「はじめるよソフィー。まず、もう一度唇から。」
「ええ、どうぞ。よろしくね。」
ハウルの儀式とやらがはじまりました。ハウルの唇からソフィーの唇へ、ねっとりと舌が絡まって
熱が伝わっていきます。次第にハウルの右手がソフィーの肩や鎖骨から胸の頂きに到達する頃には
ソフィーの目は爛々と輝き、反対に体中の力はすっかり抜けきっていました。
「おやおや、ソフィーったらどうしちゃったんだい。まだまだこれからだよ、儀式は!」
「う……ん。ぃっ…」
「ここはどう? ちょっとくすぐったいかい?」
ハウルはソフィーの耳たぶを甘く噛みながら、柔らかい頂きをゆっくりと弄んでいきます。
そのたびにソフィーの意識は少しずつ遠ざかっていきます。
ハウルの手があたしの胸にあったり、髪にあったりするのは変だわ、とソフィーが思っても
もう体が火照ってしまって、どんどん身動きがとれなくなってきました。
ハウルは目を閉じてしまったソフィーをベッドの中央に座らせてやり、自分は後ろにまわりました。
ソフィーを後ろから抱きかかえる格好になったのです。人指し指と中指でツンとしてきた乳首を
まろやかにこねてみたり。ハウルは、ソフィーの背中にぴったりと自分の体をくっつけて、
両方の手の平でソフィーの円い胸をもみ始めました。
次第に力をこめ、激しさを増して胸をこねくりまわすとソフィーがいやいやと首を振りました。
「いやらしいなぁソフィーは。」
ハウルは耳元でささやきます。すごく……いやらしいねソフィー…、と。
「なっ…あぁ…何がぃやらし…のよ……んぅー…。」
「淫魔に負けてくると女の人は此処がそそり立ってくるからね。ソフィー…すごくやらしいじゃないか。
こんなにツンとしてる。さぁソフィーから淫魔が出てきたぞ。」
ハウルは尚もしつこく後ろから桃色の頂きを、小ぶりでも張りのある乳房を揉んでささやきました。
何度も、ソフィー…ハァハァ…いやらしいよソフィー、すごく……すごーくぃやらしいよ…
ぼくのソフィーハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア
(そろそろいいよな、うん…)
ハウルはソフィーをもう一度横たえ乳房に口付けし始めました。舌を使い、右に回したり左に回したり。
右胸が終わると左も同じように口に含みます。
ソフィーは自分の息が荒く、声がかすれているのにきづいていませんでした。
それよりも、ハウルがさりげなく言ったい や ら し いに少なからずショックを受けていたのです。
悪い魔法使いってこんなことをするの? とか、確かにこれなら若い女の子の心臓を喰らう噂もうなづけるわ、
とか心の中で大パニックを起こしていました。でも、ハウルは目敏かったのです。
全神経をソフィーだけに集中していたのですから。ソフィーの顔色が蒼ざめてきたのに気づいたので、
フォローを入れつつ続きを進めていきました。
「ソフィーはちっともいやらしくなんかないよ。ほら、大丈夫。ぼくがずっとついてるからね。」
今はハウルが何を言っても、ソフィーにはなんの慰めにも説明にもならないのですが、
ハウルが上手くコトを運ぶには、頭が混乱しているぐらいのソフィーが丁度いいのです。
「でもさっきはいやらしい…って、あっ! はぁっ……だめっ。そこ……。」
その頃、カルシファーは相変わらず暖炉からふたりの様子を伺っていました。
(こいつはすげぇ。この分だとハウルの奴、すぐいっちまいそうだけどなぁ。)
でも懸命なカルシファーは何も言いませんでした。今余計なひとことを言って、ハウルの一大事を
おしゃかにしたら、もう一生外へ遊びに行けなくなるからです。
(そこだー! いけ、ハウル。男になれ! いっちまえ、いけってんだ!)
いつのまにか、寝室の暖炉の火も轟々と燃え盛っていました。
「はっ、…ハウル。体が熱いわ……あぁ…」
「言っただろ? 守りが薄い子が狙われるって。」
(ちぇ、カルシファーか。興奮しやがって。これからがいいトコなのにな。)
ハウルは水差しから枕元のコップにブランデーを注ぐと、少し口に含みました。
ぷはーっ、と暖炉に吹きかけると炎が少し青くなり、また元の赤い色に変わりました。
「…それで、普通の体のままだとあちこちの入り口から淫魔が忍びこむんだ。
だからさ、ぼくはまずソフィーの体中に湧き出てきた淫魔をやっつけないといけないんだ。」
「や…ハァはァ…ねぇーやっつけるってどうや…ぁあぁぁ〜んっ、そこ…ぃやっ。」
それにはブランデーに含まれたアルコールも一役買ってくれる、だからぼくはいつも戸棚に
ブランデーを一瓶かくしておくんだ、とかいつものソフィーが聞いたら咎められるような事を
ハウルはしゃべりつづけました。その間もハウルの綺麗な指はソフィーのあちらこちらを
ひらひらと飛び交い続け、執拗にまさぐっていました。
「あいつらをやっつけたら、聖なる刻印が浮かびあがるからソフィーでもわかるよ。」
宣言どおり、ハウルはソフィーの全身をくまなく舐めあげていきました。
ハウルが緋色のゼラニウムのようなキスマークをつけるたびに、ソフィーの体は程よくしなって、
口からはとめどなく声ともつかぬ喘ぎが漏れて、ハウルの方も準備がすっかりできあがっていました。
もうソフィーには自分がどうなっているのか、さっぱり理解できませんでした。
ハウル…おっ、お願い。ぅ…やめ……あーっ!」
ハウルがソフィーの茂みに舌を這わせたのです。さすがにコレはソフィーも涙が出てきました。
「どうしてやめるんだい? 君のここ、こんなに濡れちゃってるじゃないか。もうぐっちょりだよ。」
ハウルの言葉も、指も舌もヒートアップしてしまい、止まる気配は微塵もありません。
「さぁ、ここに淫魔を追い込まないとね。こいつらを一人残らず指で追い立ててやる!」
ハウルは、ソフィーのまぱらな茂みの中で2本の指を出し入れしはじめました。
「あぁっ、…あんっ…はぁっ、……ハ…ぅ…」
ソフィーは気持ちいいからやめて、とかいんまには負けたわ、とつい叫んでしまいました。
もうこらえきれなくなったのです。ソフィーが足を閉じようとしても力が抜けてしまうのです。
ハウルはソフィーの疼きを感じ取ると、ハウルは複雑な指の動きを止めました。
「やめるのソフィー…」
ハァハァ…コレやめていいの? …気持ちいいんだろソフィー……いやらしいよソフィー…
ソフィー……ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア
耳元でささやくと、ソフィーは涙目でハウルを見つめるのです。
…やめないで、なのかやめてなのか、ハウルにもどっちなのかわかりません。
でもここまできたらハウルはもうやめられないのです。
ハウルはソフィーににっこりと笑いかけました。体中のけだものの血が逆流していました。
(いよいよだな…)
「さて本番だ! あっ、儀式だよ。ぎーしーきー! ここからが肝心な儀式の要だからね。」
そうです、ハウルは理性がふっとび、悪い魔法使いの役どころか、そのものになりかかっていました。
ハウルは深く呼吸をし、これは聖なる儀式だともう一度自分にもソフィーにも言い聞かせました。
「ソフィーから出てきた淫魔は全部ここに追い詰めた。後はぼくが!」
よせばいいのに、調子に乗ったハウルはすっくと立ち上がりました。
「見てよソフィー。すごいだろ? ぼくはソフィーのために聖なる剣を作ったんだ。」
ハウルは自分自身をおっ勃てながら、なおも演説をぶちかまします。
「この、強大で猛々しい立派な剣なら、どんな淫魔だってコロせるよ。」
だからね…、と。
ハウルは、唇や指の愛撫でソフィーを喘がせ、気持ち良くしてしまったのですが、
それは愛の営みでやましいことなどのないぼくの真剣な気持ちなんだと、ここで真面目に
告白しようと思っていたのです。しかし、実は、ソフィーには何も見えていませんでした。
いえ絶対に見たはずですが、ソフィーは途中から頭がぼうっとしてしまって、本当に何がなんだか
わからない状態だったのです。剣、剣かぁやっぱり痛いのかしら、とソフィーは思うぐらいだったのです。
さて、ハウルはソフィーの入り口もしっとりと濡れそぼっているか、再び指で確認してから、
最後の重要な儀式を始めていきました。
「ソフィー、い、いいいいいっ、いいかい?」
ハウルは思わずどもってしまいました。コレが本当に最終決戦なのです。
これまでうわごとのように、悪い魔法使いだとか淫だ魔とかソフィーに言い聞かせていたのです。
ソフィーのおなかの中に追い込んだ架空の悪者を、自分の大事な大事な魔法の剣を突き刺すことに
よって消滅させるのです。ゆっくりとおもむろに、ソフィーをぼくが……ぼくのアレが…
淫魔を……ハァハァ
(いや落ち着け。ぼくはできる! できるんだ、ぼくは臆病じゃないぞ。)
ソフィーはまたぎゅっと目をつぶっていました。最初の時のように固くちぢこまろうとしても
できません。すっかり体はほどけきっていました。ハウルがかなりしつこく追い立てたせいでしょうか。
足の間がとても濡れているのが自分でもわかってきました。
ソフィーはハウルの絹のシーツを汚しているような気がしました。
「ハウルあたし……」
ハウルもハッとしました。
「ソフィーごめん。守る側も怖いよね、でも大丈夫だよ。ぼくがあいつらを」
ズバッと突き刺してやっつけてやるからね、とハウルはそういって呪文を何やら唱えました。
「……………………うまし糧を。」
糧? 本当に変な呪文ばかりね、とソフィーは思いましたが、次の瞬間ソフィーの両足が
ハウルの肩に乗せられて体が折り畳まれてしまうと、ああ、いよいよ悪い奴がいなくなると思って、
ソフィーは思わず叫んでしまいました。
「ハウル、愛してる!」
「ええっ!? ぼっ、ぼぼっぼくももちろんさ。ソフィー、愛してるっ! えー…その、なんだ。
気を取り直して、さぁいくぞ。」
(ソフィー…ああ、ぼくのソフィー…ハァハァ、もう我慢できないよ。)
「ええ。いやらしい奴は全部やっつけてちょうだい。」
ハウルはゆっくりと己の剣を導いてソフィーの中に入れていきます。痛くないかい? とか
大丈夫だよ、とか愛してる、とか何かの本で読んだはずの言葉はハウルからもう出てきませんでした。
ハウルもソフィーもいつしか儀式を忘れていました。ハウルは最初はゆっくりと、でも小刻みに
剣を振るいました。2本の指の時よりも断然キツイはずですが、ハウルは固くなった剣を何度も
出し入れしてソフィーの喘ぐリズムをつかんでいきました。
ハウルは自分の体の下で、恍惚の表情をしているソフィーが、自分にしがみついて爪を立ててる
ソフィーが愛しくてたまらず、最後には必死になって腰を振り続けました。そして、ソフィーが
あられのない悦びの声をあげて泣き叫ぶまで、ハウルはソフィーから見事な剣を抜きませんでした。
一昼夜経ち、恋人同士の狂乱を見るのもいい加減馬鹿らしくなってきたのか、カルシファーも
居間に戻りました。ハウルのベッドにはまだ愛しいひとが眠っていました。
昨晩からソフィーは自分だけのものなのです。ハウルは自分のたくらみが上手くいって幸せでした。
これからは、ハウルが望めばあの儀式を毎晩でもできるのです。ソフィーも喜んでくれたのですから。
少なくともハウルはそう確信していました。
「あっごめんよソフィー。こっちのランプが眩しくて起こしちゃった?」
「違うの、あたしは……」
ソフィーはよっぽどあのい ん まが心配になったのでしょう。
その晩からソフィーはハウルの剣をずっと離さずに眠るようになりました。
手でぎゅっと握って……朝までだよ、ソフィーったら! 絶対に手を離してくれないんだよ!!
とハウルが再び違う悩みをこぼし始めると、カルシファーは炎を天井まで吹き上げました。
豪快な笑いでした。カルシファーは密かにこう思いました。
(このバカップルにはおいらが一生ついててやらないとなぁ。)
お・し・ま・い。