魔法使いハウルはとても臆病です。ですがとても優しい人です。  
彼の愛情はひたすらに星色の髪の少女にそそがれています。  
彼女と初めて結ばれてしばらく経ちますが、まだ彼女は慣れてくれなくて  
恥ずかしがって嫌がる素振りを見せるので、臆病で優しいハウルは中々手を出せません。  
ですから、半年の間に愛し合ったのは僅か数回ほど。本当に良く耐えているものです。  
 
 
今日も今日とて、夜になっても帰らない城の主。  
新年を迎えたこの日も、ハウルは朝出掛けたままなかなか帰って来ません。  
そう言えば仕事の依頼主の所で新年を祝うパーティーがあるとか言っていたような…。  
何日か前にそんな事を聞いた気がしたソフィーは、大人しく待っていることにしました。  
マルクルやおばあちゃん達との食事が済んだ頃、  
カシャン!  
と音を立ててドアの印が切り替わり、扉の向こうから恋人の魔法使いが姿を現しました。  
「ハウル!どこに行ってたの!?」  
ゆっくりとした足取りで階段を上り近づいてきた彼は、がばっとソフィーに抱きつきました。  
「えっ!?ハウル?どうしたの!?」  
彼の身になにかあったのかと心配しますが、  
「ハウル……お酒くさいわ…酔ってるのね」  
そう言ってハウルの顔を覗いてみますが、顔はさほど赤くありません。  
むしろ普通なくらいです。元々彼はソフィーと違ってお酒には強い方なので、  
この酔い具合から見ると、どうやら仕事先でしこたま飲まされてきたようです。  
 
「ソフィー…」  
彼はソフィーのおとがいを捕まえて口付けてきました。  
いつもなら、最初は浅いキスから始まるのに、  
今日はいきなり深く口付けられ舌が絡まってきます。  
すぐそこにマルクルもあばあちゃんも、勿論カルシファーも居るのにです。  
「んんっ…!ちょっとハウル!!」  
こんな皆の面前で濃厚なキスをされたソフィーは真っ赤になって怒りました。  
しかし当のハウルは我関せず。素早くソフィーを抱き上げると、  
そのまま階段を登って行きます。  
 
「マルクル……」  
「は、はい!?」  
見下ろすハウルの目は完全に座っています。  
「後は…頼んだ…」  
「あ…は、はい!」  
「ちょっと!ハウル降ろして!」  
「ほっほっほ、手加減してやるんだよハウル」  
楽しそうに言う元荒地の魔女の声を背に、二人は寝室へと消えて行きました。  
 
ハウルは寝室に入るとソフィーをドサッとベッドに降ろし、  
覆い被さって動けないように押さえてしまいました。  
いつもはとても優しくしてくれる彼なのに、いくら酔っているとはいえ、  
今日はやけに強引です。  
「ハウルってば!離して!」  
「…いやだ」  
「!?」  
「ソフィーは僕を拒絶してばっかり…。だけどもう我慢出来ない…。  
 今日は僕だけのものにするんだ」  
「ハ、ハウル!?」  
「嫌だって言っても許さない…」  
そう言って彼はソフィーの唇を奪います。いつものように軽いものからでは無く、  
最初から貪るように口付け、舌を絡ませました。  
「んんっ!ふあっ…ハウル…や…だ…」  
 
ソフィーは抵抗して彼の胸をドンドンと叩きますが、びくともしません。  
「言っただろう…嫌だって言っても止めないって…」  
耳元で囁くハウルの声は低くかすれていて、欲望にけぶる男の声でした。  
彼はそのままソフィーの耳を攻め、首筋から鎖骨にかけて口付けて、  
紅い痕を残していきます。  
弱い部分を攻められ、ソフィーはじわりと溢れてくるものを感じてしまいました。  
(こんな無理矢理なのになんでっ…)  
数回とは言え、快楽を覚え始めた体は正直なのです。  
 
ハウルは彼女の服を剥ぎ取るように脱がせ、自分の服も脱ぎ捨てると、  
我慢出来ないといった風にソフィーの胸にむしゃぶりつきました。  
「あっ!やっ…ああっ!!」  
片方は手で揉み解し蕾を摘み、もう片方は口に含んで舌で転がします。  
性急で激しい愛撫に、ソフィーは怖さと快楽の波両方に襲われ、  
翻弄されっぱなしで、秘部からはもう蜜が滴り落ちています。  
 
やがてそこにもハウルの手が伸びてきて、花弁に触れたり敏感な核を  
指で転がしたりと、ソフィーの弱いところばかりを攻めました。  
彼女はその内に、激しい愛撫にどこか物足りなさを感じ始め、  
そんな自分に羞恥心が湧き上がってきます。  
(物足りないなんて…私いやらしい)  
その直後、彼はソフィーのぬめる内部に一本だけ指を入れ、かき回しました。  
「ああんっ!んっ!はぁっ…!」  
その愛撫もしばらく続けられると、段々と物足りないと感じ始めますが、  
ハウルは指を増やそうとはせず、ソフィーの中をかき回しながら  
胸を揉み解します。  
 
快楽はあってもその部分が満たされない感覚に我慢が出来なくなり、  
ソフィーは無意識の内に両膝をこすり合わせ、僅かに腰も動いてしまいました。  
そんな彼女の様子に気がついたハウルは、  
「どうしたの?我慢できなくなった?」  
やや無表情で意地悪するように聞いてきて、愛撫をわざとゆっくりにします。  
「どうしてほしい?言ってごらんよ…」  
ソフィーの内圧はどんどん高まってきますが、恥ずかしくてとても自分からは言えません。  
ですがハウルはその愛撫を止めようともせず、ずっと肝心な所には辿り着けない  
もどかしい快楽を彼女に与え続けます。  
「君が正直に言ってくれなきゃ僕はこれ以上進まないよ…」  
 
それから快楽の責め苦がどれくらい続いたでしょうか。  
ハウルが昂ぶりきった自身を掴んでソフィーの花弁に擦り付けると、  
その部分は無意識の内に彼を欲して収縮します。  
「君の体はこんなに僕の事求めてるのに…」  
 
ずいぶん長く耐えていましたが、とうとうソフィーの理性と羞恥心は  
本能の前に敗れ去りました。  
「ふっ…う…もうっだめ…来て…」  
彼女が折れた瞬間に、ハウルは勝ち誇ったように意地悪な笑顔を浮かべ、  
「ふうん、そんなに欲しいんだ?いやらしいねソフィー…」  
「いやっ…ちが…!」  
ソフィーの耳元で囁きました。  
 
「いやらしいけど正直なソフィーにはご褒美をあげなくちゃね…」  
彼はソフィーの両脚を肩にかけると、自身を一気に奥まで挿入しました。  
「あああっ!!あっあっ!ふぁっ!」  
奥まで満たして欲しくて疼いていたそこに、熱い彼が侵入して来て  
中をかき回します。  
いつもはゆっくりとしたペースで始まるのに、今日は最初から激しく  
奥まで突かれ、その動きの激しさと絶え間ない快感にソフィーは  
一種の恐怖を覚えました。  
「んっ!んっ!ハ…ウルっ!あんっ!だめっ…こわれ…ちゃうっ!」  
「…いっぺん壊れてみたら?壊して欲しい?  
 ああ…自分で腰振っちゃって…いやらしいねソフィーは…」  
無意識のうちに動いていた腰を指摘され、ソフィーは恥ずかしくてたまりません。  
 
なおも彼の意地悪な言葉が続きます。  
「いつもあんなに恥ずかしがりで純情なのにね…こんなに淫らに腰を振って  
 僕の事求めてる。ねえ知ってる?情事の時に人間は本性が出るんだって…。  
 だとしたらこれがソフィーの本性だね。いやらしいな…」  
彼の言葉にさえ感じ始めてしまった自分が恥ずかしくてたまりませんでしたが、  
ソフィーはもう快楽に逆らえませんでした。そんな中、  
「本当の君はこんなに僕の事求めてくれるのに…。  
 普段の君は純情で…無垢だから…僕は手出しが出来ないんだっ」  
ハウルは彼女の腰を持ち上げ、さらに奥まで突き上げます。  
彼も限界が近いのでしょう。腰の動きがどんどん早くなって、  
それと同時にソフィーの中もキツク締まっていきます。  
「くっ!ソフィーっソフィーっ!!」  
「あっあっ!いっちゃ…ハウルっ!!ああーっ!!」  
彼女の中できゅうっと締めつけられたハウルは、  
一番深いところに熱い白濁を注ぎ込み、  
同時に高みに押し上げられたソフィーは、ゆっくりと下りてきながら  
意識を手放しました。  
 
闇も白々明ける頃。ようやく目を覚まして隣を見ると、  
あどけない顔で眠る彼の姿がありました。  
ソフィーは昨晩の事を思い出し、顔が真っ赤になって  
恥ずかしさがこみ上げてきましたが、ぐずぐずしている暇も無いので  
服を着てしまおうと立ち上がります。しかし、  
「う…いた…」  
昨夜あれほど激しくされたせいか、腰に鈍痛が走り顔をしかめました。  
(何でハウルったら突然あんな強引に…)  
当然酔っ払っていたせいなのですが、そんな事は忘れて憤慨します。  
 
「んん……あれ?ソフィー?」  
彼女が起き出した気配を感じたのか、ハウルも目を覚ましました。  
「うっ…いててて。酷い頭痛だ…」  
そしてそこで自分が裸だという事に気付き、  
「あ、あれ?僕たち昨夜……」  
「!?あなた覚えて無いの!?」  
「えっ!?ぼ、僕何かした?」  
「何かしたって……あんな無理矢理したのに!?恥ずかしい事させたのに!?」  
「えええー!?」  
「もう忘れてるの!?……ハウルのバカ!!もう知らない!!」  
ハウルの記憶がすっかり飛んでいる事にショックを受けたソフィーは、  
怒って部屋を出ていってしまいました。  
「ぼ、僕…そんなに凄い事した??」  
一人取り残されたハウルは必死になって思い出そうとしますが、  
飲み過ぎたせいか昨夜の記憶はなかなか戻って来ません。  
 
(こうなったらあのまじないを!)  
ハウルは思い出しのまじないを自らにかけました。  
すると、酒を大量に飲まされ記憶が飛んでいる部分が  
鮮明に甦ってきます。  
 
城に帰って来て、皆の面前でソフィーに濃厚なキスをして、  
そのまま抱えて強引に部屋まで運んで、彼女の体を強引に貪って、  
焦らして、壊れるほど激しく抱いて。  
 
「………………」  
ハウルは顔面蒼白になり、声も出ませんでした。  
「ごめんよソフィーーーー!!!」  
部屋の中で一人叫ぶ、臆病で優しい魔法使いの姿がありましたとさ。  
 
怒ってハウルの部屋を飛び出したソフィーは、痛む腰をさすりながら  
朝食の仕度をするべく一階に下りました。  
そこにはすでにおばあちゃんが起き出していて、  
ソフィーの姿を見るとまた楽しそうに笑います。  
「ほっほっほ。そうとう激しかったようだね」  
「お、おばあちゃん!!」  
「人間酔うと一番正直だからね。ハウルもそうだったんだろうさ。  
 こりゃ今までの我慢が爆発したねぇー」  
「……………」  
 
改めて考えると、確かに自分の我侭で彼にずいぶんと我慢をさせていたのかも知れません。  
(そんなにしたかったのなら、少し強引にでもそう言ってくれればいいのに…)  
しかしそこは臆病で優しいハウルの事です。我慢して本能を抑え続けた結果、  
酔った勢いでそれが一気に解放されてしまったのでしょう。  
そう考えると、何となく怒りも収まってしまいます。  
「でも…あの人覚えてないんだもの…」  
「思い出す方法なんて、いくらでもあるさねぇ。  
 今頃何かまじないでも使って思い出して、  
 自己嫌悪で緑のねばねばを出してるんじゃないのかい?」  
ありえます、彼なら大いにありえます。普段の彼ならあんな事絶対に出来ませんから。  
急に彼の事が心配になったソフィーは、二階の彼の部屋に向かって駆け出しました。  
 
「ハウル!!」  
ノックもそこそこに部屋の扉を開けた先には、今にもねばねばを出しかねない状態の  
ハウルが頭を抱えて項垂れていました。  
「ソ、ソフィー!?………ごめんなさい!!」  
その場で土下座したハウルを見て、ソフィーも驚きます。  
「まじないを使って昨夜の事を思い出して……あんなに強引にしちゃって…  
 本当にごめん!!もうしないから僕の事嫌わないで!」  
 
泣きそうな目で許しを乞う彼を見て、ソフィーはもう怒りは感じず、  
愛しささえ湧いてきました。  
「もういいから……もうあんな強引なのはやめてね?  
 それに…私が嫌がっていたせいで、あなたにはずいぶん我慢を  
 させてたみたいで…ごめんなさい。だから…あの…いつもみたいに  
 優しくしてくれるなら…もう嫌がったりしないから…」  
ハウルは、顔を真っ赤にして言う彼女をぎゅうっと抱き締め、  
「ソフィー……。ありがとう!大好きだよ!!」  
城中に響くほどの声で叫びました。  
 
後に、元荒地の魔女談  
「ほっほっほ、人間我慢のし過ぎはよくないよ」  
 
実はこの時に出来た子供がモーガン……というのはまた別の話。  
 
 
 
END  
 

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