元帽子屋の店舗で営業しているハッター生花店。  
今日もそこで店番をしていたソフィーに、とある来客が訪れました。  
「ソフィー!久しぶりね」  
「あら、モリー!久しぶり!どうしたの?」  
モリーと呼ばれたその女性はソフィーより一つ年上で、ハッター家から4軒ほど先にある靴屋の娘です。  
二人は小さい頃からの顔なじみで、引っ込み思案なソフィーをよく外に引っ張り出したのが  
このモリーでした。ソフィーが呪いを受けてから今に至るまでしばらく会っていなかったのですが、  
この日突然訪れたモリーは、その腕にタオルケットに包まれた何かを抱いていました。  
「見てソフィー、赤ちゃんが産まれたの!私の娘よ」  
「ええっ!?…あら!」  
モリーの腕には生まれたばかりの赤ん坊が抱かれていました。ほっぺがぷくぷくしていて、  
柔らかい髪の毛がふわふわとそよいでいます。  
そう言えば、恋人とうまく行っているという話を聞いた気がしますが、幼馴染の突然の出産報告に  
ソフィーは驚くばかりです。  
 
子供の事についてモリーから色々な話を聞いたり、抱かせてもらったりしているうちに、  
ソフィーは心の中に暖かいものを感じて、同時に愛しさがこみ上げてきました。  
(赤ちゃん可愛い…いいな)  
彼女はその小さな命を目の当たりにして、ほわーんとするような、心を微かにくすぐられるような  
感覚を覚え、無意識のうちに子供が欲しいなと考えていました。  
隣りではマルクルと元荒地の魔女のあばあちゃんが  
「僕も兄弟がほしいよ」  
「早く孫の顔がみたいねぇ…」  
などとこぼしています。  
 
しかしソフィーは肝心な事を知りませんでした。そう、子供の作り方を。  
小さい頃から家の帽子屋で手伝いをしたり、自由奔放な母の代わりに  
家事をしていたソフィーは遊びに行くことも少なく、そういった話を聞く事が  
あまりありませんでした。  
年頃になってからも、父親が亡くなって帽子屋の仕事が更に忙しくなり、  
余計そちらの話とは縁遠くなってしまったのです。  
ですからソフィーの子作りの知識は、それこそコウノトリの話で止まっているのでした。  
 
しばらくしてモリーとその娘が帰った後、ソフィーは家族の夕食を作りながら考えていました。  
(赤ちゃん可愛かったな…私もあんな可愛い子供が欲しい)  
「ソフィー?どうしたの?」  
知らず顔が綻んでいる彼女に、何時の間にか帰って来た恋人の魔法使いが声をかけます。  
「あ…ハウルお帰りなさい」  
「ただいまソフィー」  
ハウルと呼ばれた黒髪の美青年は、ちゅっとソフィーの頬に「ただいま」のキスを落としました。  
これくらいのキスはいつもの事なのですが、いまだに彼女は顔を真っ赤にしてしまいます。  
(やれやれ、まだ慣れてくれないのかな。こんなソフィーも可愛いけど…先に進めるのはいつの事やら)  
微笑みながら、でも僅かに苦笑を浮かべてハウルはそう考えていましたが、  
(でも…いつまでも待つさ。今までだってずっと待っていたんだから)  
愛しい彼女の心の準備が出来るまで、自分の理性が続く限り待とうと思ったハウルなのでした。  
 
 
家族で夕食をとっている時に今日の友人とその赤ん坊の話になり、  
ソフィーはとても楽しそうにその話をします。それを見ていたハウルは、  
(そのうち僕達もなぁ…)  
と一人考えていました。まあ、当分先になるだろうとは思いつつ。  
 
しかし、意外な所で突破口が開くことになろうとは。  
 
一家の食事が終わり、後片付けをするソフィーの横でハウルもそれを手伝っていました。  
洗物をしている最中もソフィーは今日のことを思い出しては、あの心がほわっとする  
なんとも言えない感覚に浸っています。それと同時に、ある事についての疑問も、  
彼女の中で膨らんでいきました。  
やはり分からない事は聞くのが一番です。隣に立つ物知りな彼に。  
「ねえハウル」  
「何だい?」  
「子供ってどうしたら出来るの?」  
「えっ!?………」  
彼女はいくら若いとはいえ、もうそういった知識があってもおかしく無い年頃です。  
あの恥ずかしがりなソフィーがこれだけストレートに聞いてくるという事は、  
彼女は本当に何も知らないのでしょう。  
今度はハウルが慌ててしまいました。  
こんな家族団欒な場所で、マルクルもおばあちゃんも居るのに良くまぁ。  
世の親が経験する気まずさを早くも経験したハウルなのでした。  
 
ハウルは慌ててマルクルやおばあちゃんに聞こえないように声のトーンを落として言います。  
「ソフィー、君何も知らないの?」  
「子供の頃両親に聞いたんだけど…お父さんには大人になったらわかるって言われて、  
 お母さんにはコウノトリが運んで来てくれるって言われたきりなの」  
ハウルは内心頭を抱えました。18歳でコウノトリって…。  
「ね?ハウル、教えて」  
そんな考え込んだ彼をよそに、ソフィーは無邪気に聞いてきます。  
「わ、分かったよ。じゃあ今夜僕の部屋においで。色々話そう」  
さすがにここで話して聞かせるのはためらわれました。  
 
片付けも終わり、一人お風呂に入ったハウルは、どうやってうまく説明しようか悩んでいました。  
しかし、  
良く考えてみれば、別に話して聞かせる事だけが教える方法では無いと。  
 実 践 を交えれば自分も教えやすいし彼女にも分かりやすいと、気付いたのです。  
(これはある意味チャンスなんじゃないか…?)  
大変な事に気付いてしまったハウルは、情けないと思いつつも、これまで我慢していた感情に  
逆らえなくなってくる気がしました。  
 
ハウルがお風呂から上がり、部屋に戻ってからしばらくすると、  
コンコン…  
「ハウル?」  
控えめなノックの後に、夜着姿のソフィーがドアの隙間から顔を覗かせました。  
「どうぞソフィー。こっちにおいでよ」  
ハウルは笑顔で自分が腰掛けているベッドの隣をポンポンと叩いてソフィーを誘います。  
彼に言われるままに、ソフィーはゆっくりとした足取りでベッドに近づき腰掛けました。  
隣同士で座る二人の間には、数十センチの微妙な隙間が。それに気付いたハウルがソフィーの  
顔を覗き込むと、案の定彼女は顔を赤くして少し緊張した面持ちでいました。  
(うーん…話を聞きたいって言い出したのはソフィーなんだけどなぁ)  
余りにも慣れてくれない恋人に、さすがのハウルも苦笑するしかありません。  
 
こんな時は、自分から距離を縮めた方が早い。  
ハウルは、自ら数十センチの隙間を埋めて座り直し、そっとソフィーの肩を抱いて優しく言いました。  
「ソフィー…そんなに緊張しなくていいのに。ねえ…僕と二人で居るのは嫌い?」  
はっと顔を上げたソフィーは、ぶんぶんと首を横に振り、  
「そんな事ないの!ただ…その…ハウルと二人きりでこんなに近くに居ると、  
 すごくドキドキしちゃって…。胸がきゅうって苦しくなって……。  
 でも嫌じゃないの。とても不思議な感覚だけど、少しも嫌な感じはしないし、  
 一緒に嬉しい気持ちも湧いてきて……」  
一生懸命自分の気持ちを伝えようと、涙目になりながらも話します。  
 
そんな彼女を見て、ハウルは愛しさがこみ上げてきました。  
懸命に話すソフィーをぎゅっと抱き締め、  
「うん、わかったよ。そんなに気負わなくていいから、二人で居る時くらい  
 リラックスして、ね?僕の大好きなソフィー…」  
ちゅっ…  
優しく囁いた後、彼女の唇に軽いキスを落としました。  
やはりまだ慣れないのか、ソフィーは顔を真っ赤にしつつも、  
花が咲くような笑顔をハウルに向けました。  
(ソフィーっ…それは反則だよ…)  
可愛らしい彼女の仕草に、理性にヒビが入るのを感じたハウル。  
しかしこれで恥ずかしがっているソフィーに、臆病な彼が何を出来るわけでもなく、  
(まだ子供なのかなぁ…)  
と思いつつ今夜も我慢する筈 で し た が 。  
 
やがて落ち着いたソフィーは、今夜ここに来た目的を思い出しました。  
「ねえハウル、昼間の話なんだけど…」  
「あ゛!?そ、そうだったね」  
実 践 を交えて…などと考えていたハウルは、とてもそうは行かない様子を  
目の当たりにして焦りました。言葉だけで説明するのはかなり恥ずかしいものがあります。  
取りあえず徐々に話を進めようと考えて話を切り出しました。  
「そう言えば今日友達が子供を連れて来たって言ってたね?それで?」  
「うん…。あのね、その子を見た時になんて言うか…心がほわーって暖かくなって、  
 それと一緒に心がくすぐられるみたいな感じがしたの。それで可愛いって  
 だけじゃなくて、いとおしいな…私も赤ちゃん欲しいなって思ったの」  
 
子供がどうやって出来るのか知らなくても、どんな行為があるのか知らなくても、  
ソフィーの母性本能は目覚めていて、子供が欲しいと自覚させています。  
彼女は出産時の痛みやら大変さは聞いているようで、それを考えたとしても  
子供を産むという事はとても嬉しくて、素晴らしい事なんだと言いました。  
そんなソフィーの中に母になる強さと優しさを垣間見たハウルは、  
彼女を大事にしようずっと守って行こうと、再び心に決めたのでした。  
 
「ソフィーは子供が大好きなんだね。マルクルじゃダメなの?」  
などと、ハウルはほんの少し意地悪をしてみようとしてソフィーに聞きましたが、  
「マルクルも大切な家族よ、息子同然ですもの。でもやっぱり私は…あなたとの…  
 ハウルと私の子供が欲しいの」  
意地悪をするどころか、ある意味ストレートな愛の告白に今度は彼が顔を赤くする番でした。  
「あなたの子供だったら、きっと男の子でも女の子でも可愛いわよ。それにハウルと  
 同じ綺麗な黒髪だったらいいな」  
ソフィーの頭の中に、ハウル以外の男性が子供の父親、という想定は全く無いようです。  
恥ずかしがって慣れないながらも、ソフィーはここまでハウルを想っています。  
そう、一つだけ問題なのは、彼女が子供を作るための行為を知らない事…。  
 
こんな純粋なソフィーに重要とはいえ色々を教える事に、  
何故かハウルは後ろめたさを感じてしまうのでした。  
(僕としたことが… 実 践 なんて言ってる場合じゃないよな…)  
 
教えるにあたって、まずは刺激の少ないところから。という事で、  
「えっと…そうだね…まず新しい生命が誕生する仕組みっていうのは―――――」  
まるで理科のような説明から入ります。  
月経の意味から受精卵についてまで、妊娠についての話はソフィーも理解したようです。  
しかし…一番の問題はここからでした。  
「それで卵子と精子が出会うためには、女の人の体内に精子が入って来なくちゃ  
 いけないんでしょ?それはどうやって?………まさかキスじゃないわよね?」  
ちょっとズレた事を言いつつ、途端に顔を赤くしたソフィーを可愛いと思ったハウルですが、  
(さて…どうしたものか)  
いかに一から語って聞かせるのが難しいか実感します。しかも相手は恋人です。  
 
「キスじゃ子供はできないよ。ソフィーはその……犬とか猫とか動物の交尾は見たことある?」  
「交尾?春になると近所の猫とかが……」  
「そうそう。交尾は子供を作るための行為だから。その…結局人間も動物なわけで……  
 子供を作るのに行う事は、あれと殆ど同じなんだよ」  
数秒後、やっと今の説明を咀嚼出来たのか、再びソフィーの顔は赤く染まり俯いてしまいました。  
(ん?今の話でどんな事するのか分かったのかな?)  
なんとなくぼかしたので説明不足な感じがしたのですが、  
何も知らないはずのソフィーは予想以上の反応を見せました。  
 
しかし次の彼女の発言に、ハウルは仰天してしまいます。  
「それって……お父さんとお母さんもしていたのかしら?」  
「そりゃあソフィーも妹さんも居るんだから当然だね」  
「……私見ちゃった事…あるかも……」  
「えええっ!?」  
「小さい頃、夜トイレに行こうとして…ドアの隙間から声が聞こえたから、  
 こっそり覗いたら……お父さんとお母さんが…その…裸で……。  
 あの頃は何だろうなって思ってたんだけど…」  
途切れ途切れに話すソフィーは本当に恥ずかしそうで、  
彼女はまさかあれが子供を作る行為だとは知らなかったようです。  
 
ですがハウルは、彼女が誤解をしないようにここでしっかりと言っておかなければなりません。  
「あれはね、新しい生命をこの世に生み出すための大切な行為なんだよ。  
 決して忌むべきものでは無いんだ。まぁさらけ出すものでも無いけど。  
 好きな人の前以外ではね」  
そう言ってハウルは微笑みました。  
 
これだけの美青年に優しい笑顔を向けられれば、女性は誰だってイチコロです。  
しかもその笑顔はソフィーだけに向けられています。  
それが嬉しくて愛しくてソフィーの胸はいっぱいになりました。  
 
そして彼女はここである事に気がつきました。  
「ねぇハウル…。あなたは子供欲しいって思う?」  
子供を作る事について彼は何も言っていなかったので、急に不安になったのです。  
するとハウルは、  
「当たり前じゃないか!可愛いソフィーとの子供なら、僕は絶対にかわいがるよ!」  
と力いっぱい答えました。  
「じゃあ……そういう事したいって…思う?」  
結局はそこに辿り着いてしまうわけですが、ソフィーに嘘はつきたくありません。  
ハウルは崩れそうになる理性を繋ぎとめつつ、正直に言いました。  
「そりゃあ僕だって男だし…好きな子とそういう事したいってのは当然思うよ」  
「男の人はああいう事したいって思うの?」  
「一般的には男のほうが性欲強いって言われてるからね。健康な男はだいたいそうだよ。  
 でも…僕は急にとは言わない。ソフィーがもっと僕に慣れてくれたら…だね…うん」  
 
そう言って微笑むハウルの顔に、僅かですが辛そうな雰囲気を感じた取ったソフィーは、  
彼が自分のために我慢をしているのではないか、と考えたのです。  
それがハウルの優しさなのだと分かっていても、自分のためにそんな我慢は  
させたくありません。それに彼も子供が欲しいと言ってくれました。  
「あの…ハウルは我慢してるんでしょう?いいのよ…我慢しなくても」  
「えっと…それはそうだけど、ソフィーももう分かったよね?どういう事をするのか。  
 その…君がうっかり見たっていう事をさ…」  
「あれはハウルは気持ち良くなれるの?」  
「そ、そりゃ僕は気持ちいいよ…。ソフィーだって段々気持ち良くなれるだろうけど、  
 最初はどうしたって恥ずかしいだろうし…多分痛い思いさせちゃうだろうから…」  
 
(ここまで来てよく耐えられるな…僕)  
などと考えつつも、やはり一歩が踏み出せない臆病なハウルなのでした。しかし、  
 
「ハウルとだったら…私平気よ。ううん…ハウルじゃなきゃ嫌」  
恥ずかしくないわけではありません。怖くないわけではありません。  
それでもソフィーは、彼が求めてくれるなら心と体の両方で  
愛し合いたかったのです。そして他の誰でもない、愛する彼の子供が欲しいと。  
 
顔を真っ赤にしてそれでも強い意思を持って言う彼女に、  
ハウルは自分の情けなさを感じました。  
(僕としたことが…さっきまで何も知らなかったソフィーにここまで言わせちゃうなんて…)  
ソフィーはもう覚悟が出来ています。後は自分自身。一歩を踏み出すことに躊躇っている、  
結局は自分が傷つきたくないという、己の弱さです。  
 
ここまで来てハウルはようやく決断しました。  
「それじゃあ…後は実践で教えていくけど、いい?」  
「……うん」  
「ゆっくり丁寧に…優しく教えるから…」  
「……はい」  
ハウルは愛しいソフィーをぎゅうっと抱き締め、ゆっくりと押し倒しました。  
 
背中には柔らかいベッドの感触、視線の先には星の飾りがちりばめられている天井。  
そして胸には自分を抱き締める黒髪の恋人。  
 
ソフィーはハウルにしっかりと抱き締められ、その重みと暖かさにとても満たされていました。  
耳元で聞こえるのは、僅かに荒い彼の呼吸音。そして自分と彼のうるさいくらいの心臓の鼓動。  
やがてハウルは顔を上げ、ソフィー額に軽いキスを落としました。  
「もし嫌だったり怖かったりしたら言うんだよ…」  
そう言って彼が指を一振りすると部屋の明りは落とされ、残された光は窓から挿し込む  
僅かな月明かりだけになります。  
ちゅっ…ちゅっ…  
ハウルは始まりの合図のようにソフィーの唇に口付け、それを何度も繰り返しながら  
彼女の夜着を脱がせていきました。  
 
淡い月明かりに照らされたソフィーの体はまだ幼さが残るものの、充分に女性としての  
色気を感じさせます。  
さっきは彼女をまるで子供のようだと思ったハウルですが、  
ソフィーの幼い心の部分と、美しい体のギャップに、一気に体が熱くなるのを感じました。  
 
ハウルは自分の急く気持ちそのままに、慌しく服を脱ぎ捨てると、もう一度ソフィーを  
抱き締めて口付けます。最初は浅く、段々と深く。  
 
裸にされてしまったのは恥ずかしいけれど、彼と素肌で触れ合うのはとても心地良いものでした。  
最初はついばむようだった口付けも、段々と呼吸を絡めとるようなものに変わってきます。  
するとハウルはいったん唇を離し、  
「これから少し深いキスをするけど…息は止めなくていいからね」  
そう言って再び唇を合わせます。そして僅かに開いた唇から彼の舌が入り込み、  
ソフィーの舌を絡めとりました。  
「んっ!」  
熱い彼の舌がソフィーのそれに触れた瞬間、彼女はびくっと体をすくませ、  
舌も奥の方に引っ込めてしまいました。  
 
予想通りのソフィーの反応に、ハウルは再び顔を離して優しく言います。  
「大丈夫、怖くないから。ソフィーも僕と同じようにしてごらん」  
そしてさっきと同じように彼女の口内に舌を挿し入れました。  
ちゅっ…ちゅく…  
ソフィーは慣れなくて息苦しさを感じながらも、  
言われた通り恐る恐る舌を伸ばし、彼の熱いビロードのような舌に  
絡めとられた瞬間、彼女の背筋をぞくぞくとしたものが走りました。  
初めての感覚ですがそれに嫌悪感は無く、むしろ快感と近い感じがします。  
 
ぎこちないながらも応えてくれるソフィーを目の当たりにし、  
ハウルは本能のままに彼女を滅茶苦茶にしてしまいたい衝動に駆られました。  
しかしそれをぐっと堪え、理性で固めます。勇気を出して体を預けてくれた、  
彼女の信頼と愛情を裏切るわけにはいきません。  
 
やがて彼がソフィーの体に手を這わせ首筋に口付けると、  
びくっとした反応が返ってきました。その後も慣らすようにじっくりと手を滑らせ、  
首筋から鎖骨へと口付けを繰り返します。  
顔と同じく赤く色づいている耳たぶも咥えて舐めると、  
「あ…んっ!……いや…耳だめぇ…」  
彼女はぞくぞくする感覚に流されそうになりながら抗議しますが、  
当のハウルは止めるどころか、  
「声、我慢しなくていいんだよ。ソフィーの声が聞きたい」  
耳元で普段と違うかすれた低い声で囁きます。  
ソフィーは耳への愛撫を受けて、体の奥が熱く切なくなりました。  
 
一方、ソフィーの体を滑っていたハウルの手が、徐々に上がって来て  
彼女の胸を包み込み、  
「胸さわるけど、痛かったら言って…」  
ほんの少し硬さを残した胸を、優しく揉み解して行きます。  
するとさっきよりもはっきりとした快感が押し寄せ、  
「あっ…あっ…」  
ソフィーは控えめながらも素直に声を上げて応えました。  
そして、赤く立ち上がった胸の頂きに指をかすめてみると、  
ソフィーの体はびくっと大きく反応します。  
それに気を良くしたハウルは、頂きを指で摘み、口に含んで舐め上げました。  
「んっ!あっ…ふぅっ!…やぁっ!」  
今まで経験したことの無い感覚に、ソフィーは身をよじって悶えます。  
しばらくそれを続けていると、ソフィーは体の奥から切ない熱が溢れてきて、  
何かがとろりと零れるのを感じました。  
 
「あ…いや…なんか変っ…ハウルっ」  
秘部から溢れ出たそれが内腿を伝う感覚を、ソフィーは涙目で訴えます。  
「大丈夫だよ、おしっこじゃないから。気持ち良くなるとこうなるんだ。  
 それにこれはソフィーの体が僕を受け入れてくれるって証拠なんだよ。」  
「……ハウルを…?」  
「そうさ、何も恥ずかしい事じゃない。ちゃんと濡れた方が  
 ソフィーの負担も少ないし、それに……」  
「…??」  
「その……僕もソフィーも気持ち良くなれるんだよ…」  
今度は自分で言ったハウルが赤くなっていました。  
そして気を取りなおして、  
「いっぱい濡れていた方が痛みも少なくできるだろうし…  
 もっと気持ち良くなろうか…ソフィー」  
そう言って彼はソフィーの下腹部よりもっと下、  
まだ誰も触れたことの無いそこに顔をうずめました。  
「!?だめっ、そんなとこ!ハウルっ…あっ…ふあっ!」  
ちゅう…ぴちゃっ…  
ソフィーの制止の声も聞かず、ハウルは濡れそぼったそこに  
口付けて舌を這わせました。  
「そんなところ…いやっ…汚い…ああっ!」  
ソフィーの頬を涙が伝います。  
「僕は君のここが汚いなんて思わないよ。怖がらないで…」  
そう言いきったハウルは、今度はゆっくりとソフィーの中に  
指をさし入れました。そして最初は緩慢な動きでかき回します。  
「痛くない?」  
「変な…感じ…。んっ!でも…大丈夫」  
徐々に指の動きを大きく激しくしていくと、ソフィーは体内から  
湧き上がってくる新たな快感に声を上げ始めました。  
するとハウルは指の攻めを続けつつ、秘部にある蕾を口に含んで転がすと、  
「ふっ…あっあっ…んんーっ!!」  
ソフィーは強烈な快感に包まれ、初めての絶頂に上り詰めました。  
 
明らかに自分は余裕が無くなってきている。  
ハウルはそう感じていました。愛しい彼女が自分が与えた快感に  
身悶え声をあげていて、そんな姿を見れば当然理性は崩れていきます。  
(でもここからが一番大事なんだ…なるべくソフィーが辛くないようにっ…)  
 
彼は、大きな波にさらわれてぐったりとしているソフィーの両脚を開いて持ち上げ、  
そっと額にキスを落としました。  
「ここからが本番なんだ…。僕とソフィーが繋がるんだけど…君は初めてだから、  
 多分痛い思いをさせてしまう…。慣れれば痛みはなくなると思うけど、  
 最初は許して欲しい。それに…ごめん…僕がもう我慢出来そうに無い…」  
「いいのよ…私はもう気持ち良くなったもの。後はハウルが…ね?…子供…つくろ…」  
彼がが今まで自分を抑えて我慢していたのを察知していたソフィーは、  
素直に身を委ねました。  
「ソフィーっ!大好きだよ…」  
 
彼は丁寧な愛撫によってひくついたそこに、猛りきった自分自身を添えて、  
「無理はしなくてもいいから…辛かったら言うんだよ。  
 息をゆっくりはいて力を抜いて…」  
最後の理性を振り絞り、徐々に侵入して行きます。  
不可侵の領域だったそこは彼自身をきつく締め付けて、進ませようとしません。  
ソフィーは裂かれるような痛みに必死に耐えています。  
(やっぱり今日は無理かもしれない…)  
ハウルとて辛いですが、大事なソフィーにこれ以上無理をさせる事は  
出来ませんでした。しかし、  
「大丈夫かいソフィー?今日はここまでにしよう。焦ることは無いから、  
 段々と進めばいいよ」  
「!?……いやっ!」  
「え??だって…ソフィー痛くて辛いだろう?まだ最初だし徐々に……」  
「ハウルは全然気持ち良くなってないじゃない…。それに今止めたら、  
 この次だって同じ事よ…。私は大丈夫だから、今度はハウルが勇気を出して」  
ソフィーはこのまま終わることを良しとしませんでした。  
 
なんてこの子は強いんだろう。なんて自分は臆病なんだろう。  
そう思ったハウルはいよいよ覚悟を決めました。  
「分かった……それじゃあ最後まで行くよ?僕の背中に腕を回して。  
 辛かったら爪を立てても構わないから」  
もう一度ソフィーと口付けをして舌を絡め、彼女の力が抜けたところで  
自身を挿入すると、さっきより深くまで入りこめました。もう少しです。  
「もうちょっとで入りきるからね…ソフィー…」  
そこからはゆっくり進んで行き、ようやく奥まで到達しました。  
「はっ…全部入ったよ…。大丈夫?」  
「うん…大丈夫よ。なんか…とっても嬉しいの…」  
自分の中をいっぱいに満たす熱い彼に、たまらない愛しさと充足を感じて、  
ソフィーは涙を零しながら微笑みました。  
 
そんな可愛らしい恋人を見てしまっては、もうハウルの堪えもききません。  
ゆっくりと腰を動かすと、彼女の中がきゅっと締め付けてくる感触に、  
一気に快感が高まります。最初のうちはソフィーを気遣ってゆっくりとした  
動きが出来ましたが、段々と抑えがきかなくなり、激しく突き上げてしまいます。  
「ご…めんソフィー!もう止まれないっ!」  
「んっ…ふっ…私は…大丈夫よ…あっ…ハウルっ気持ち良くなって…」  
ソフィーもまだ痛みは消えませんが、少しずつ痛みに快感が  
混ざり始めていました。  
 
何より、愛しい彼が自分の中で気持ち良くなってくれて、  
しかもこれが子供を作る大切な行為だと教えてもらったから、  
ソフィーはとても幸せでした。  
 
そんな彼女の気持ちが伝わったのか、ハウル自身を包み込んでいる部分が  
更に暖かく濡れて絡みつき、そこで彼には限界が訪れます。  
「くっ…うっ…!ソフィーっ……!!」  
次の瞬間、ソフィーの奥深くでハウルの熱が弾けて、彼女の中にどくどくと  
精が注がれました。体の中に感じる確かな熱に、ソフィーは体と心の  
両方を満たされる感じがしました。力尽きて覆い被さってきたハウルの重みも、  
とても愛しく思えます。  
やがて落ち着いたハウルは、ソフィーの中から自身を抜き、  
一緒に横になって彼女を抱き締めました。  
 
「ごめんソフィー…」  
「どうして謝るの…?」  
「君は痛かっただろうに僕とした事が……抑えがきかなく  
 なってしまって…」  
「確かに痛かったけど平気よ。あなたが私に夢中になって、  
 気持ちよくなってくれただけで嬉しいもの…それに…」  
「…それに?」  
「あなたの精を受けた時、本当に愛しくて嬉しかったの…。  
 ねえ…?赤ちゃん…できると思う?」  
「どうだろう?ソフィーの体のサイクルと合わないとね。  
 でもそのうち必ずできるよ。君の可愛い子供が」  
「あら、ハウルの子供でもあるのよ?」  
「僕はソフィーに似た娘がいいなぁ。絶対にかわいい」  
「私はハウルに似た息子でもいいわ。きっとモテて大変ね」  
 
二人が子供を授かるのはもう少し先の話になりますが、  
 
「そう言えば妊娠する例えにコウノトリって…  
 子供を納得させるために大人が作った話なのかしらね?」  
「どうだろうね?でも、もしかしたら嘘じゃないかもしれないよ?」  
「??」  
「赤ん坊の体は母親の体内でできるけど、心はコウノトリに運ばれてくるのかも?」  
 
幸せを運ぶ鳥は、この仲睦まじい二人にできた子供に、きっと綺麗な心を運んでくれる事でしょう。  
 
 
 
 
 
END  
 

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