「大好きだよ、ソフィー。僕の愛しい恋人さん」
額にキスを受けて、優しく抱きしめられて。
いつものように、眠りにつく。そう、毎晩のように。
でも、何ででしょうか?その日、ソフィーは抱きしめられているのにとても哀しい気分になりました。
とめなきゃ、と思っても頬を涙が伝います。
ハウルに気付かれないように、そう思うのに、切なさが溢れて止まりません。
「どうしたんだい、ソフィー」
声を殺していても、気配でハウルに気付かれ、心配そうな声をかけられました。
「ううん、何でもないの。ただ、幸せで幸せで・・・本当に、このまま明日も幸せなのかしらって
明日も、あなたの腕の中で目を醒ます事が出来るのかって不安になっただけ・・・」
呟くように言うと、ハウルの胸に顔をうずめました。
ヒヤシンスの香りが、ソフィーの沈んだ気持ちを落ち着かせます。
ハウルが、ただ自分の名前を優しく言いながら髪の毛を梳いてくれるので、もっと落ち着きました。
そのまま眠ったソフィーが見た夢は、白いドレスを身にまとって家族達に祝福される自分とハウルの姿でした。