ある春の晴れた日、ソフィーは朝からウキウキしていました。  
今日の五月祭にハウルと行く約束をしていたのです。  
知らず、洗濯をする手も踊りだしそうな勢いになります。  
 
そんなソフィーを微笑ましく見ていた荒地の魔女のあばあちゃんは、突然閃きました。  
「ソフィーや、あんたハウルに貰ったお化粧の道具箱があっただろう?仕度が終わったら持っておいで」  
「お化粧道具?わかったわ。もうすぐ終わるから待ってて」  
ソフィーはそう言ってテキパキと仕事をこなして行きました。  
 
10分ほどたって家事が終わるとソフィーは自室に戻り、着替え始めました。  
今日着て行くのは、ハウルがプレゼントした白いワンピースです。着替え終わったソフィーは鏡の前で  
くるりと一回転してみました。彼が選んでくれた服はソフィーの星色の髪に良く似合います。  
以前は鏡に映る自分を見て卑屈になる事もありましたが、今ではもっと前向きに変わった自分が居ました。  
準備が済むと、言いつけ通り化粧道具を持っておばあちゃんの所に行きました。  
 
「おばあちゃん?持って来たわよ」  
「やっと来たねソフィー。そこにお座りよ」  
そう言って自分の前に座らせます。てっきりおばあちゃん自身が使うと思っていたソフィーは首をかしげ  
「おばあちゃんが使うんじゃなかったの?」  
「これはハウルがあんたに使って欲しくて買ってきたんだろうがね。せっかくのデートなんだから可愛くお化粧くらいして行きな」  
そう言うと、目の前に座ったソフィーの顔に手際よくお化粧を施して行きます。  
 
やがて、  
「ソフィー!準備は出来たかい?出掛けるよー!」  
久しぶりに金髪に染めたハウルが下りて来てソフィーを呼びました。  
「ちょうどいいね、今準備が済んだところだよ。さぁ行っておいで」  
おばあちゃんが促します。  
 
そこには…  
お化粧をしてもらい、何時もより大人びたソフィーが佇んでいました。  
ハウルはそれに見惚れてしまいました。それもそうでしょう。自分が道具一式をプレゼントしても  
ソフィーが今までそれを使った事は無かったのですから。  
しかも彼女は、お化粧のおかげでいつもより一層可愛くなっています。  
 
ソフィーは、自分を見つめて立ち尽くしている彼に恐る恐るたずねます。  
「ハウル?あの…そんなにおかしいかしら?」  
その声にはっと我にかえったハウルは満面の笑みで答えました。  
「全然おかしくなんか無い。とても綺麗だよソフィー」  
彼のストレートな言葉にソフィーは顔を赤らめました。  
「さあ、行こうか。僕の可愛いソフィー」  
そう言って差し出された手をとり、二人は魔法のドアへ向かいます。  
 
表向きは爽やかに振舞っているハウルですが、その裏側では理性と本能が戦いの真っ最中です。  
女性はお化粧をすると変わると言うけれど、初めてお化粧をしたソフィーはまさにそれでした。  
何時もの自然なソフィーも可愛いですが、お化粧をするとぐっと色気が出て大人っぽく見えます。  
ハウルは彼女をこのまま自室に連れ込みたい衝動を何とか押さえ、ソフィーと腕を組んで  
五月祭へと出掛けて行きました。  
 
 
魔法のドアをくぐった先。街は華やかな飾りつけと、賑やかで楽しそうな雰囲気に包まれていました。  
二人もその中へ歩き出します。  
金髪で美青年のハウルは混みあった街中でも目立っていて、通り過ぎる女性達の注目の的です。  
その彼と腕を組んで寄り添っているのは、少女から大人へ、そのちょうど境目で可愛らしさと  
色気とを持ち合わせた、星色の髪の女性でした。  
 
ソフィーはハウルと街に行く度に彼にご婦人方の注目が集まるのを見て、面白くないと思っていました。  
それと同時に、彼は自分だけを見ていてくれるというのも分かっていますから、遠巻きに見つめる女性達に  
対して少し優越感を持っていたのも事実です。  
こんな素敵な彼に、自分のようなぱっとしない女が似合うのだろうか。と悩んでいたのは  
いくらか前の話になります。  
 
しかし、なんと今日はハウルが面白くない思いをする番でした。  
すれ違う男性が皆ソフィーを見ていて、その中にはあからさまに鼻の下を伸ばした不届き者も居ます。  
今日のソフィーが綺麗なのは認めますが、大事な恋人が男共にそんな目で見られるのは面白くありません。  
ですが、ソフィーの方がいつもそういう思いをしている事には気づかないハウルなのでした。  
 
そんな事を考えてさり気なくソフィーの肩を抱き、注目している男共に睨みを聞かせていましたが、  
ふと隣にいる彼女をみると、いつもとはまた違った美しさがあるその横顔に見惚れてしまいます。  
(普段のソフィーも可愛いけど、化粧したソフィーも綺麗だな…)  
「どうしたのハウル?」  
彼の視線に気が付いてソフィーが尋ねます。  
「ソフィー綺麗だなと思ってね」  
と言ってハウルは彼女の頬にキスをひとつ。  
 
街中でそんな事を言われ、しかもキスまでされたソフィーは顔を真っ赤にしてしまいました。  
「……ハウルっ!こんな人ごみで…」  
「だってさ、普段のソフィーも可愛くて大好きだけど、今日の君は綺麗なんだもの。  
 本当に食べちゃいたいくらいなんだよ」  
「ハ、ハウル!?もう、変な事言ってないで行くわよ!」  
更に真っ赤になったソフィーは先に歩いて行ってしまいました。  
彼にとって、さっきした話は本当の事でこれでも我慢しているのですが。  
 
二人は、お店を覗いてみたり買い物をしたりしながら街を散策していました。  
しかし、日が傾き始めた頃ハウルが飲み物を買いに行ってソフィーが一人になった時に  
事件は起こりました。  
 
お祭りのせいでしょうか、酔っ払いも珍しくはありませんが、明らかにたちが悪そうな酔っ払いの男達が  
3人ほどソフィーを見つけて絡んできたのです。  
「お嬢ちゃぁん〜かわいいねぇ〜」  
「銀色の髪で綺麗だなぁ。どう?オレたちと遊ばないー?」  
「結構です。人を待っていますから!」  
ソフィーは凛として答えます。  
「そんなつれないこと言うんじゃねぇよ〜!そんなツレ放っといてオレたちといいコトしようぜー」  
そう言って男はソフィーの腕を掴みました  
「やめてください!」  
「この仔ねずみちゃんみたいな所がたまんねぇなぁ…」  
びくっ!  
ソフィーは前にも同じように言われ、怖い思いをした記憶がよみがえって来ました。  
そう、あの時はここで……。  
 
「やあ、ごめんごめん」  
いつの間にか彼女の背後に金髪の青年が立っていて、そっとソフィーの肩を抱きます。  
ぞぞぞっ……!  
男達は少女の後ろに立つ男から、猛烈な殺気と自分たちの背に走る寒気を感じ取りました。  
気圧されながらも粋がってみせます。  
「な、なんだてめぇは!?」  
「この子のツレさ」  
男共は酔いも手伝ってか、よせばいいのに彼に絡みます。  
「ああ?なんだぁ?若造はひっこんでやがれ」  
「オレたちゃこれから可愛い仔ねずみちゃんといいコトすんだよ。邪魔すんじゃねぇ!」  
「………ん?なんだって?」  
青年はさらに恐ろしい殺気と冷たい目を男共に向け、腕を振り上げて何かを遠くに  
投げるような仕草をしました。  
 
ドボーン!!  
よせばよかったのに、素直に逃げれば良かったものを。男共は青年に逆らったばかりに、  
彼の腕の動きに合わせて飛ばされ放り投げられて数十メートル先の用水路に落ちました。  
あっぷあっぷした声が聞こえますが、そんな事は最早お構いなしです。  
 
「ソフィー!?大丈夫かい!?」  
ハウルは俯いて震えているソフィーを覗き込みます。  
「ハウル……」  
やはり怖かったのでしょう、彼女は目に涙を溜めて抱きついてきました。  
ハウルはしっかりと優しく抱き締め返します。  
「ソフィー……ごめんよ。僕が居ながら怖い思いをさせて」  
すると彼女は首を横に振ります。  
「ううん…。確かに怖かったけど、あなたはちゃんと助けてくれたじゃない」  
(そう…まるで出会ったあの時みたいに)  
 
「せっかく楽しんでたのに僕の不注意で……」  
その時にハウルを見上げたソフィーの瞳は潤んでいて、しかも化粧をしているためにその表情は  
いつもと違う雰囲気で…。朝からずっと踏みとどまっていたハウルの理性は、  
不謹慎にもこんな場面で崩れてしまったのでした。  
 
「あのねソフィー…。今日の君は魅力的過ぎるよ…。ごめん、僕はもう我慢が出来ない」  
ソフィーを抱き締めたまま耳元で熱っぽく囁くと、彼女を抱き上げて何やら呪文を唱えます。  
「ちょっとハウル!」  
こんな街中でお姫様抱っこをされてしまったソフィーはうろたえました。しかし次の瞬間、猛烈な強風が  
吹いて目をつぶり、次に目を開けた時には二人は城へ続く魔法の扉の前にいました。  
「!?いつの間に??」  
「高速移動の魔法だよ。距離が短ければ使えるんだ」  
などとしれっと答えつつ、ハウルはソフィーを抱えたまま城へと戻って行きます。  
 
扉を開けると、居間にはカルシファーもマルクルもおばあちゃんもいました。  
「ハウルさん、早かったですね。あれ?ソフィーどうしたの?」  
抱き上げられたソフィーを見てマルクルが首をかしげます。  
「久しぶりのデートでのぼせたのか?」  
カルシファーもからかいます。  
当のソフィーも何が何だか分からない状態なので、ハウルの腕の中で真っ赤になっているばかりでした。  
荒地の魔女のおばあちゃんはと言うと、ニヤニヤとそれを眺めています。  
するとハウルは  
「ソフィーの体調が悪くなってしまってね。これから部屋に連れ帰って僕が看病するから」  
と言いつつ階段を上がって行きました。取り残された3人(?)のうち、カルシファーは明らかに  
分かるくらいやれやれと呆れた顔をし、おばあちゃんはまるで予想通りだと言わんばかりにニヤつき、  
「ソフィー…大丈夫なのかなぁ?」  
何も知らない子供マルクルは真剣にソフィーを心配しているのでした。  
 
ハウルは寝室に入ると抱きかかえていたソフィーをゆっくりとベッドに下ろします。  
「ちょっとハウル!どういうつもり!?」  
彼は怒り出すソフィーを抱き締め、耳元で囁きました。  
「今日化粧をした君がたまらなく綺麗で可愛くて…朝からずっと我慢してたんだ。さっきあんな怖い事が  
 あったのに…ごめんよ。僕もう我慢できそうに無い…」  
そう言うと、ハウルはソフィーの唇に熱く口付けます。最初は触れるだけで、だんだんと深く。  
 
そして名残惜しそうに唇を離すと、  
「……ソフィー…ごめんね。嫌だったら言ってもいいんだよ」  
ちょっと性急過ぎたと反省して彼女に言います。  
するとハウルの正直な物言いにソフィーの怒りは収まったらしく、  
「別にいいの……お化粧してハウルに気に入ってもらえたなら嬉しいもの」  
そう言ってソフィーは微笑み、それを見たハウルは心臓の鼓動が激しくなるのを感じました。  
(ほんとに化粧をした君は反則だよソフィー…)  
 
ハウルは焦る気持ちを抑えつつ、ソフィーの紅く彩られた唇に口付けて舌を絡めていくと、  
やがてソフィーもぎこちなくそれにこたえ始めます。彼とのキスはとろけそうなほど心地いいものでした。  
ちゅっ…ちゅっ…  
ハウルは口付けを続けたままソフィーの白いワンピースを脱がせていきます。その手つきはスムーズで、  
まるで魔法を使っているかのようです。ソフィーの白い肌を露にすると、そのまま手を滑らせて  
ゆっくりと愛撫をしていきました。ソフィーは段々と体をぴくっと震わせ反応し始めます。  
彼女の首筋にキスの雨を降らせ、胸を揉みほぐすと強い快感に高い声を上げました。  
「んっ…あっ…はぁっ!」  
その快感でとろんとした表情は、化粧をしている事によっていつもと違った色気を見せていました。  
そんなソフィーの様子にハウルはたまらないくらい掻きたてられます。  
「君を食べてしまいたい…それくらい可愛くて仕方がないよ、僕のソフィー」  
急くように彼女の胸の頂きを口に含んで、吸い上げたり舐め上げたりを繰り返します。  
 
片手をゆっくりと滑らせて内腿を撫で、秘部に触れた彼の指にはソフィーの蜜が絡みました。  
くちゅ…  
もうそこは滴るほどに濡れていて、それを拭おうとハウルは顔をゆっくりと下ろしていきます。  
「ハウルっ!?いや…あ…あっ!」  
ちゅく…ぴちゃ…ちゅうっ  
ソフィーが焦って止めようとした時には既に時遅く、彼の舌はそこに触れていました。  
後から後から溢れてくる蜜を舐めとりつつ、上部にある敏感な蕾も舐め上げます。  
 
恥ずかしさと快感でソフィーが顔を真っ赤にしながら悶えていると、やがてハウルが顔を上げて  
覆いかぶさりました。  
「もうだめだ…一つになろう…」  
その直後、彼の硬いものがソフィーの中に挿入され、腰が動き始めます。  
 
「んんっ!!ハ…ウル…あっあっ…ふぁっ!」  
自分の体内で存在を主張する彼。ソフィーは快感の波に飲まれながらもその感覚に愛おしさを感じ、  
知らずきゅっと締め付けていました。  
ソフィーの無意識のうちの反撃に、ずっと我慢をしていたハウルはほどなく限界を迎え、  
「ソフィーっ!!もう……くぅっ!!」  
ハウルは彼女の中で弾けてどくどくと精を放ちました。  
 
 
数分後、ハウルがソフィーの中から引き抜かれ、二人はベットで抱き合う形に落ち着いていました。  
「ごめんソフィー…僕とした事がこんな強引に…」  
「もういいのよ、そんなに謝らないで。……ねえ、お化粧した私ってそんなにいつもと違ってた?」  
「いつものソフィーも可愛いし綺麗だよ。けど化粧をしたらそれに大人っぽさと言うか色気と言うか…  
 色々な要素が合わさって、さらに美人になってた。僕の理性は飛んでしまったよ…」  
「ハウルは普段の私とお化粧をした私どっちが好き?」  
「普段の自然なソフィーも大好きだし、化粧をした大人っぽいソフィーもたまらないよ。  
 でもやっぱり普段の方がいいかな?ソフィーがいつも化粧をしてたら、僕も君も体が持たないと  
 思うよ。色んな意味でね」  
瞳に悪戯っ子の光を宿して彼は言います。  
「もうっ!ハウルのえっち!」  
ソフィーはまた顔を真っ赤にして彼の胸に顔を埋めました。  
この日を境に、ソフィーは時々お化粧をするようになったそうな。  
 
おばあちゃんがソフィーにお化粧をしてあげた時に、実は細工をし………と言うのは、また別の話。  
 
 
 
 
 
END  

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