今日も、とってもいいお天気です。  
マイクルも、おばあちゃんも朝ご飯を食べ終わりました。  
みんな食べ終わって、それぞれ出かけて行ったのにハウルだけがまだ降りてきません。  
「ハウル〜、ハウル〜?まだ起きないのー?」  
階段の下から声をかけても全く反応がありません。  
振り返ってカルシファーに聞いてみます。  
「ねぇ、今日ハウルって」  
「まだ出かけてないはずだぜー、部屋が開いた気配しないしさー。寝坊してんじゃないかな〜」  
「ふーん」  
それだけ言うと、ソフィーはお皿を洗い始めました。  
 
ぽかぽかと、外はのどかに雲が流れて行きます。  
お皿を洗い終わって、片付けて、1人でゆっくりと食後のお茶を飲んでいたソフィーはまたハウルが気になりました。  
「やっぱり心配だわ、もしかすると風邪ひいて熱出てるのかも!」  
「ハウルが風邪ひいたらもっと何かやらかすから大丈夫だと思うけどなぁ〜オイラ〜」  
カルシファーの声を背に、階段を駆け上がります。  
自分が言った事とは言え、もし本当に熱を出して動けないでいたらどうしよう!  
もしかすると、熱じゃなくても何か急病になってたら、こんな時間まで来なかったせいで、死んじゃったりしたら!  
不安ばかりが先に立って走ってるのか歩いてるのか、足がもつれてわかりません。  
 
どうにか部屋の前までついて、ドアをノックします。  
 
コンコン  
 
「ハウル・・・?」  
全く部屋からは何の物音もしないので、予感が当たったのだろうかと心の中が真っ暗になりました。  
そっ、とドアを開いて中をうかがうと、ベッドの上の布団は人の形にふくらんでいます。  
その人型の山は規則正しく上下に動いていて、中にいる存在が無事なのを示していました。  
ホッとしつつ、近くによると、そこにはいつものようにハウルが幸せそうに寝ています。  
口元に涎が垂れている辺り、何か食べ物の夢でも見たのでしょうか?  
「もう、ハウルってば」  
呟いて、額にキスを落とします。  
「ハウル、ハウル、起きてちょうだい。もう朝よ?いつまで寝てるの、お寝坊さん」  
「うーん、あれー?そふぃー?」  
ソフィーの声が近くで聞こえて、やっと目を開けたハウルがボーっとした声で答えます。  
「あれー?じゃないわよ!もうお昼近くよ!?具合悪いのかと心配したでしょっ!」  
言うと同時に、ハウルが抱き込んでいた上掛けをめくって、一緒にハウルをベッドから落っことしました。  
「うわっ!ソフィー、ひどいよ!何て事するんだ!」  
落ちたまま、口を尖らせて抗議するハウルに、ソフィーは腰に手を当てて応えます。  
「いつまでも幸せそうに涎たらして寝ている方に言われたくありません!」  
う、と口篭もるハウルを尻目に、ソフィーは洗濯物をしに部屋を出て行きました。  
 
後に残されたハウルが階下に降りて行くと、カルシファーがニヤニヤ見ていて更にバツの悪い思いをしたそうです。  
 
 

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