その日、ハウルが癇癪を起こしたのはマルクルとヒンのせいでした。  
マルクルがまた性懲りもなく怪我をしてソフィーと一緒にお風呂に入り、  
マルクルを追って来たヒンまでが、一緒にお風呂に入って体を洗ってもらったからです。  
 
「マルクル、あなたココにいると余計ハウルが機嫌悪くなるわ、後はあたしに任せて部屋に戻ってて」  
「アタシも何か手伝うかね?」  
「おばあちゃんも部屋戻ってていいわ、大丈夫よ、ありがとう。ヒンはとっととマルクルのところへ行く!」  
テキパキと緑のアレを出すハウルの椅子を引きずりながらソフィーはみんなを部屋に戻します。  
最近、癇癪を起こしていないだけに余波が広がるのが不安だったからです。  
 
とりあえず暖炉から離して、空ろな目をするハウルを背負います。  
「おいおい〜、大丈夫かよソフィー?オイラが魔法で持って行こうか〜?」  
「大丈夫よ、カルシファー。おばあちゃんだった頃も持ち上げられたんだから、大丈夫ッ」  
言ってる傍から緑のアレに足を取られてよろめきます。  
背中のハウルからは緑のねばねばが垂れてきて、服がすっかりベトベトです。  
「カルシファー、お風呂に熱いお湯お願いね、ついでにもう蛇口ひねっておいてくれたり出来る?」  
「おう、任せとけー!オイラは蝶一流の悪魔、カルシファー様だぞ!」  
元気な悪魔の声を背中に、ソフィーは階段を上がりました。  
 
お風呂場まで上がるのに、結構時間がかかります。  
やっとの思いでドアを開き、カルシファーが本当にひねっておいてくれたお陰でお湯が張られた湯船にハウルを投げ込もうとして・・・  
「きゃぁっ!」  
足まで垂れていた緑のねばねばに滑って転びました。  
「もうっ、ハウルってばこんな状態になっても目を覚まさないなんて!スカートの中までヌルヌルじゃないのっ!洗わなきゃだわっ」  
プンプンしながらとりあえずワンピースを脱ぎます。  
滑らないように今度は注意しながらハウルを抱え、湯船に入れます。  
ですが、湯船のお湯も一瞬で緑のネバネバに変わってしまいました。  
「あらやだ!もう、今日は何でそこまで怒るのかしらハウルってば!」  
いいながらシャワーを頭から浴びせると、ネバネバが飛び散って下着につきました。  
「やだわ、コレまで洗わなきゃ・・・・・・・・・まぁいっか、どうせこんなんじゃシャワー浴びないとなんだし・・・脱いじゃおう」  
チラ、とハウルに目をやってもハウルは相変わらず目が空ろです。  
着てる物を脱いで籠に入れると、お湯だったネバネバの中に漬かっているハウルの服を脱がせにかかりました。  
ですが、水の中で服を脱ごうとしても脱ぐのが大変なように、このネバネバの中では更に大変です。  
「ああ、お湯止めて栓抜けばいいんだわ、お馬鹿さんね、ソフィー」  
1人ごちながら栓を抜こうと手を伸ばし、栓を探ります。おかげで胸にまで緑のネバネバがまとわりつきました。  
「やだわ、何かヌルヌルして気持ち悪い!」  
気持ち悪いので落とそうとして手でこすり落とそうとして胸に触ると、ヌルッとした触感が胸と手の両方に走りました。  
「ン」  
思わず口から零れる可愛い声。  
 
ハッ、として口をもう片方の手で抑え、ハウルを見てしまいますが、彼は相変わらず空ろな目です。  
でも、今の感覚は何なのでしょう。まるで、夜、彼にされている時のような不思議な感覚でした。  
(自分で触ってるはずなのに、何か変な感覚だわ、止めておきましょう)  
ネバネバが排水されていくと、ハウルの服を脱がせ、それも籠に放り込みます。  
「あの籠も一緒に洗った方がいいかしら?」  
ぼやきながらシャワーを勢いよく出してハウルの頭に浴びせました。  
浴室の中には熱い湯気がもうもうと立ち込めて行きます。  
どうにか、やっと髪の毛からはすっかりネバネバが取れた頃、ハウルの手がピクりと動きました。  
「あれ?ソフィー、何で服着てないんだい?」  
今まで癇癪を起こして闇の精霊やらまた忌々しいネバネバを出していた事など忘れたかのように、ハウルが問います。  
「あなたのせいよ、おバカさん!」  
多少ネバネバのついたままの手で、ハウルの鼻をつまんでやると、ハウルがソフィーの体に目をやります。  
「僕、またやっちゃったんだね、ソフィーの体にこんなについちゃってる」  
確かに、ハウルの方を先にと考えていたせいでソフィーの体はまだネバネバがまとわりついていました。むしろ、全身まみれてます。  
「あなたを1人で運んで洗ってたからよ、どんだけ苦労したか!」  
頬を膨らませて怒るソフィー。それを、浴槽から手を伸ばして抱きしめると、ヌルッとした感覚がハウルの手を滑らせます。  
「あ、あれ?」  
もう一度、抱きしめようとして手を回すものの、ネバネバがあるせいでしっかり抱きしめられません。  
「ハウル、何してるの?」  
どうやら、服がある分には布がある程度吸ってくれるので滑らないようです。  
「うん、結構滑るんだね、コレ。ソフィー、一緒に湯船で洗おうよ」  
一緒に洗うのなら、多少狭いですが確かに楽かもしれません。  
少し迷ってから、ハウルに背中を向けるように湯船に入り、栓がされないように注意しながら座ります。  
 
シャワーに手を伸ばして、取ろうとしたらハウルに手を掴まれました。  
「ソフィー、でもちょっとだけ・・・少しだけ遊んでみたいんだけど・・・僕・・・」  
言いながら、もう片方の手はソフィーの胸を走ります。  
いつものように、ハウルの体温高めの手+ヌルヌルした感覚に、ソフィーの体からはすぐに力が抜けました。  
「ふぁ・・んっ・・・」  
ハウルが手を動かすたびに、ソフィーの口からは可愛い声が漏れてきます。  
下の繁みに手を伸ばすと、ネバネバとはまた違うヌルヌル感を感じました。  
「やっ・・・ぁ・・・だめぇ・・」  
「何がダメなんだい、ソフィー」  
わざと息を吹きかけるように、耳元で囁くとソフィーの体がビクビクと震えます。  
秘所をそっとなぞるだけなのに、体の震えが止まりません。  
指を入れると、ソフィー自身の蜜と、ハウルの緑のネバネバが手伝っていつも以上にすんなりと入りました。  
「んぁ、や・・んっ、だ・・ァ・・・んン・・」  
指を2本に増やしても、まだ余裕な位にそこは潤い、滑ります。  
軽く出し入れをしながら、2本の指を交互に動かすと、それに合わせてソフィーの甘い声が浴室に響き渡っていきます。  
「あ、おねがい、お・・んっ・・ハウルぅ・・」  
首だけ動かして、涙目のソフィーが呟くと、ハウルは微笑んでソフィーを持ち上げ、自分自身を滑り込ませました。  
「あぁっ!」  
「くっ」  
ソフィーの中は、いつも以上に潤っているせいか、まるで海の中に包まれたかのような感覚。  
(万物は海から生まれた、だっけ)などと、ふと思い出しながらも  
背中を向けたままのソフィーの首に、キスを落とす。  
首だけではなく、肩にも。何度もキスを落とすと紅い跡がついた。  
「はう・る・・」  
こらえきれない、というような声のソフィーに我に返り、湯船の床にもついているネバネバを利用して腰を動かし始める。  
くちゅ、くちゅ、と2人が繋がる場所から音が響き、それに合わせてソフィーの口から甘い声が漏れ。  
湯気の中に淫らな音と、淫らな香りが混じっていきます。  
 
「ふぁ、あっ、や・・・ン、は・・ふ・・・」  
動かすたびに顔の見えないソフィーが奏でる声はまだ余裕を感じるのに、自分の限界は近付いてきている。  
悔しくて、腰を支える手を片方前に回すと、ソフィーの声が一瞬途切れた。  
「んぁっ!」  
前に回した手は、ソフィーの一番敏感な所を摘み上げていて。その瞬間、ソフィーの中がキツく締まり。  
「あ、ダメだ!」  
情けない声をあげて、ハウルはソフィーの中に自分の精を吐き出した。  
 
それからしばらくして。  
2人は黙ったまま一緒に体を流し、浴室を後にして。  
ソフィーは階下の自分の部屋へ行こうとして、ふと立ち止まる。  
「ソフィー?」  
しょんぼりした顔のハウルを見つめるソフィー。  
「ハウル、今日は一緒に寝ましょうか」  
言った途端、ハウルの顔がパァッと明るくなるのを見て、ソフィーは密かに苦笑した。  
 
 
その晩、彼女がやっと寝たのは夜が明け始める頃だったと言う。  
そして、ハウルは彼女に彼しかつけることの出来ないアクセサリーをつけまくり、ソフィーの顰蹙を買いまくり。  
「だって、ハウルってば服で隠せない所にまでつけるんですもの、やってらんないわ!」  
「まぁまぁ、愛されてる証拠じゃないかぇ?ホッホッホッ」  
「おばあちゃんってば、笑ってる場合じゃないわよ!」  
今度はソフィーの癇癪の番だったようだ・・・  
 
 

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