戦争が収束に向かい始め、ハウルが心臓を取り戻してから数週間がたった頃、  
ハウルは空飛ぶ城のテラスでソフィーに  
「僕は君を待っていた、あの星降る夜からずっと。僕はやっと君を見つけたんだ。  
 だから…これからもずっと傍に居てほしい」  
と嘘偽りの無い気持ちを伝え、プロポーズした。  
「はい…私もずっとあなたの傍に居たい…」  
ソフィーは涙を浮かべながら、その申し出を受けたのだった。  
 
その後、郊外の小さな教会で城の家族だけで式を執り行い、結婚の誓いをたてた二人は  
晴れて夫婦となった。  
 
そしてその夜から二人は同じ寝室で眠る事になっていたのだが、ソフィーは入浴を済ませた後  
先に入浴したハウルが待つ寝室の前で行き立ち往生してしまった。  
とにかく頭の中が混乱していたのだ。  
この城に来るまで、ソフィーは帽子屋の仕事をしつつ地味な生活を送っていた事もあり、  
今まで色恋沙汰とは縁が無かったのだ。しかしそこに忽然と恋が訪れ、それは瞬く間に  
愛へと変わっていった。  
 
今までがその調子であるから、ハウルとしたキスがもちろん初めてだし、  
その先にどんな事をするかというのは多少知ってはいても、未知の領域である。  
そんな事をぐるぐると頭の中で考えつつドアの前で立ち尽くしていると、  
その気配を読んだかのようにドアが開き、微笑んだハウルが現れた。  
「やあ、遅かったねソフィー」  
「…あ…あの…」  
「うん?どうしたの?」  
「……わ、私…」  
うまく言葉に出来なくて泣きそうになっているソフィーをハウルはそっと抱き締めた。  
そして体を屈め耳元でそっと囁く。  
「どうしたの?混乱しちゃってる?」  
ソフィーはコクリとうなずき  
「私…こういう事あまり分からなくて…」  
「大丈夫だよ。僕に任せて」  
そう言うとソフィーを横抱きにそっと抱き上げ寝室に招き入れた。  
 
部屋の灯りは落され、照らすのは月の光のみ。  
ハウルは広いベットの上に優しくソフィーを降ろすと、その上からそっと覆い被さり  
唇に軽いキスを落とした。  
「…怖い?」  
「……少しだけ」  
「出来るだけ負担が少ないようにするから…怖がらないで」  
ハウルはソフィーの服を少しずつ脱がし、自分も脱ぐと唇に軽いキスをした。  
それを何回も繰り返し、頬や額にもキスの雨を降らせる。  
 
徐々に首すじや耳にキスを落すころにはソフィーは微かに声を漏らし始めた。  
それを合図に今度は唇へのキスを段々と深くしていく。ソフィーの少し開いた  
唇に舌を忍び込ませ、それをびっくりしたように縮こまった彼女の舌に絡ませる。  
やがて力が抜けると彼女もぎこちなく舌を絡めはじめた。  
ソフィーは頭がぼうっとして、自分の心臓の激しい鼓動を感じていたが、  
絡み合うハウルとのキスにとろけてしまっていた。  
 
深いキスとあわせて、ハウルはソフィーの肌に手を滑らせた。背中・脇腹・腰を  
撫でた後、胸に手を滑らせて優しく揉み始めると、ソフィーは敏感に反応する。  
「…あっ…んっ…ハウル…」  
「うん?…気持ちいい?」  
彼は微笑みながらも、少し意地悪っぽく聞く。  
「や…あっ…。私、あんまりっ…胸大きくないし…」  
「そんな事ない、十分だよ。それに…肌も綺麗で柔らかくて…気持ちいい」  
だんだんと強く揉みほぐし、乳首にも触れてやると一層声が高くなった。  
「あっ!ん…はぁっ!…やぁっ…ハウルっ…!」  
「声、我慢しなくていいんだよ。ソフィーの声が聞きたい」  
ハウルは乳房や鎖骨にキスを繰り返し、紅い印をつけていった。そのうちに触るだけでは  
物足りなくなったのか、乳房と乳首を舐め強く吸い上げる。  
ソフィーは初めての快感を一気に送り込まれ、涙目になりながら喘いだ。  
 
そのうちに内腿の辺りを撫でていたハウルの片手はゆっくりと上がっていき、  
その部分に到達した。そこは充分濡れはじめていて、中には一本目の指がすんなりと入ったが  
ソフィーが少し顔を歪めた。  
「痛い?」  
「んっ…少しだけ…。平気よ」  
「辛かったら言うんだよ…」  
ハウルは中でゆっくり指を動かし出し入れを繰り返すと、ソフィーから痛みが消え、  
これまでよりさらに強い快感を味わう事となる。その上、彼は秘部の上側にある  
蕾を指で転がした。  
「…んっ!やっ…ダメ!そんなっ…あ…はぁんっ!」  
 
目の前で最愛の少女が快感に声をあげ、もだえているのを見ていたハウルは  
そろそろ限界に近づいていた。  
 
ひとしきり愛撫をうけてぐったりとしているソフィーの足を広げさせ、  
覆い被さる。次を予想し、ソフィーは身をかたくしたが  
「ソフィー……いい?」  
「うん……」  
「あんまり辛いようだったらちゃんとそう言って。無理はさせないから」  
「大丈夫よ…。ハウル…愛してる」  
「僕もさ…愛してる」  
ハウルは自分の硬くなったモノをそっとあてがう  
「力を抜いて。息をゆっくり吐き出すように…。そう…上手だ」  
ソフィーの力が抜けるのに合わせて挿入していく。  
「うっ…い…たい…」  
それでも痛みは抑えきれず、ソフィーは苦痛を訴える。  
「もうすこし……。もう大丈夫、いい子だ…全部入ったよ」  
ハウルは痛みに涙を浮かべるソフィーにそっとキスをして流星色の髪を撫でた。  
彼女が落ち着くまで抱き締めあったりキスをしたりを繰り返す。  
 
やがてハウルはゆっくりと腰を動かし始めた。初めてのソフィーの中は  
きつく温かく締め付けてくる。そんな状態でハウルの理性は段々と削られて行き  
腰の動きも激しくなってしまう。  
「くっ!…ごめんソフィー…もう自制がきかないっ…!」  
ソフィーは彼の漆黒の髪に指を絡めた。  
「あっ…ふ…私は平気よ…。だから気持ちよく…なって…ハウル」  
ソフィーの言葉をきっかけにハウルは更に激しくせめたてた。  
 
最初は痛みが先行していたソフィーにも段々と快感が表れはじめ、苦痛は薄れていった。  
段々と快感が強くなっていき、声を上げて喘ぐ。  
ソフィーは中を突き上げられ、ハウルは柔らかく濡れた感触に締め付けられ絶頂を迎えた。  
「ハ…ウルっ!あっ…あああっ!!」  
「…うっ!ソフィーっ!」  
ソフィーはどくどくと胎内に注がれるハウルの精を感じとりながら意識を手放した。  
その熱さに命を感じながら。  
数分後、気が付くとソフィーはハウルの腕の中に収まっていた。  
彼はソフィーを心配そうに見つめる。  
「大丈夫?ごめん…もっと優しくしてあげようと思ってたんだけど」  
「ううん」  
ソフィーは横に首をふった  
「あなたは充分優しかった。私をずいぶん気にかけてくれたじゃない。  
 確かに少し痛かったけど……」  
「けど?」  
「痛いばかりじゃなかったし……」  
顔を真っ赤にして彼女は応える。そんなソフィーをハウルは強く抱き締めた。  
「ありがとうソフィー。僕も…すごく良かったよ」  
ソフィーの顔がさらに赤くなったのは言うまでもない。  
 
その後、ハウルはしっかりとソフィーを抱き締めて眠りについた。  
ソフィーはその夜、二人が出会った五月祭の夢を見た。あの運命の日の夢を。  
 
夫婦になって最初の夜、二人はまた新しい一歩を踏み出した。  
 
 
END  
 

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