ハウルに心が戻って数日、戦火は収束しかけていて、動く城の家族達はのんびりとした日々を楽しんでいます。
その日も夕食が終わるとハウルはいつものように風呂へ行き、ソフィーは部屋で繕い物を始めました。
突然
「うわーーーーーーー!」
ハウルの叫び声。ごいんごいんという何かにぶつかる音も聞こえます。
「またかんしゃくかしら。」
バスルームの棚は今日はいじっていないはずだしおかしいわ?とソフィーは本日の行動を思い返しました。
トイレカバーを新しくしたのがいけなかったのかしら。
それともハウルのベットの牛のぬいぐるみがあんまり汚いから洗って干したのが…
はうわっ!天井からぶら下がってた二股のマンドラゴラ、ついでにその辺の得体の知れない植物、
白カビ生えてたから捨てちゃったわ!アレよアレに違いない!!
何かにぶつかっている音はなおも続いています。しかもだんだん近づいてくるようです。
「ば、バレてる!!」
ソフィーは辺りをぐるぐる見回して逃げる所を探しました。
…ベットの下ぐらいしか見当たらない。さすがにここは狭いわねぇでも背に腹は替えられ…
ダァーーンッツ
「ねぇ!ソフィーーーー!!!」
間に合わなかった!あわあわしてソフィーは言い訳を超高速で思い巡らします。
ハウルは半裸でなおも壁にぶつかりよろよろしながら。
「ねえソフィー!どうしよう!!僕、君が好きすぎてどうにかなっちゃいそうだよ!!」
なんともいえない間が開きました。
「はぁ?」
「お風呂で君のこと考えてたら止まらなくなっちゃったよ!ソフィー君のせいだよ!」
マンドラゴラじゃなかったんだ〜。ソフィーはほっとして余裕が出てきます。
「こっち、来る?」
「もちろんさ!」
ハウルは激しくソフィーに抱きつくと耳や唇や頬に何度と無くキスの雨を降らせます。
「僕が君を好きで君も僕を好きでこれから末永く一緒なんて、なんて素敵なんだろう!!
ねえソフィー僕どうしたらいいの。」
ソフィーは顔中真っ赤にして
「も、もういいでしょ!」
「ね!!ベット行こう!」
「ええー!」
ハウルはソフィーを軽々と抱き上げるとそのまま自分が下になってベッドにダイブ!
柔らかなソフィーの髪を梳き上げてそれにキスしながら囁きました。
「ソフィーありがとう。僕に心臓を取り戻してくれて。」
「あなたがいるから私なんでも出来るわ。私あなたがどんな姿だって…」
その言葉はキスでふさがれました。
「君は蜂蜜みたいだ。」
激しい熱やあえぎの中からハウルの声が囁きます。
「ねえ、ソフィー。僕たちずっとこうして繋がっていられればいいのに。」
ソフィーは黙ったままさっきやたらぶつかった為に出来たハウルの肩の痣にキスしました。