「わしを捕えて何をする・・・・」
両手を後ろに縛られ、あぐらをかいた状態で、
太公望は言った。捕えられ、自らの生死を握られている
絶体絶命の状況だというのに、その瞳は光を失ってはいなかった。
「あら、そんなこと・・決まってるじゃないンv」
そう言って、弧の化身は、玉座から腰を浮かせ、ゆっくりと歩を進めた。
だだっ広い室内に、ヒールのカツンという音が響き渡る。
沈みかけた日の光が、歩み寄ってくる悪魔を照らし出し、
賢王を狂わせた、その妖艶なボディラインを浮き立たせる。
その完璧なまでの身体に、見とれてしまいそうになりながら、
何とか逃げ出す方法を頭の中で必死で考えていた。
目の前まで立ち止まると、腰をおり、自らを睨み続けている軍師を見つめ、
その顎を持ち上げると、強引に唇を重ねた。
「ぅむっ!!んーーっ!!」
抵抗を試みるが、両手を縛られた状態で、何かできるわけも無く、
唇を割り、口腔に舌が侵入してきた時には、抵抗を諦め
なされるがままになっていた。
「プハッ・・・・思ったとおり、若い男の子の唇はいいわねン」
唇を離すと、クスリと笑いながら、呟いたのだった・・・。