深夜のまどろみに葉は虚ろな夢を見ていた。
何か軽くて柔らかいものが体に覆いかぶさっている。
それは滑々していて潤いを帯びて香気さえ漂わせている肉の感覚。耳元に濡れた吐息さえ感じる。
葉は薄目を開けて自分の目を疑う。暗闇の中に白い美しい肉体が浮かび上がってくる。
「あなたは…」
整いすぎた顔に絹のような黒髪がかかりその乳房は形良く膨らみ見た目さえ柔らかげだった。
あの一砂の姉……千砂だった。
そして同時に葉は理解した。それが床に見る夢であることを。
自分の部屋のしかも深夜、千砂が来るはずもなかった。
そして互いに一糸纏わぬ姿でベッドに組み敷かれているのだからなおさらだ。
「あ……」
葉が小さな声を上げたのは千砂が彼女の乳房を舐めたからだ。
二つの女体が絡み合い湿った吐息を漏らしていた。
千砂のまろやかな乳房は八重樫の裸の腹の上で柔らかく潰れていた。四本の足はもつれ合って
投げ打たれている。
「ぅ……」
千砂は葉のまだやや薄い胸に頭を乗せて少し色の濃い乳首を舌に苛んでいる。
熱く濡れた舌。葉は敏感なそこが次第に反応して充血していくのを感じた。
「ちょ、まって……」
擦れるような声で抗弁しても千砂は行為を辞めようとはしない。そのつややかな髪は葉の剥きだし
の肩にかかっている。その華奢な肩はかすかに震えていた。
「っ…!」
千砂の指が葉の秘部をなぞる。淵だけをなぞる。じらすように中身に手を触れず
その麗しい指先で覆いの皮を舐める。
葉は思わず千砂の頭をかき抱いた。そして控えめに仰け反らせた喉が天井を仰ぐ。
彼女はもぞもぞとしたじれったいような感覚に頬を紅潮させていた。
「も、もぅ、やめ……」
抵抗の言葉は皆まで言えずにかき消えてしまう。それほどに甘美な感覚だったのだ。
その場の香気はどこか百合を思わせた。
そのとき千砂の指は襞を掻き分けて葉の秘められた肉に触れていたのだから。
「…………」
繊細な手つきだった。葉は微かな恐怖を覚えながらもそれを受け入れてしまう。
千砂は終始無言で葉を犯し続ける。千砂の秘所は葉の小さな膝頭に押し当てられ中身を
さらけ出していた。それが微かに動いているように感じたのは葉の錯覚だろうか?
やがて葉は呟くように言った。
「そこは…ぁ……」
言いかけで息を呑んだのは千砂が彼女に残忍なことをしたからだ。
硬く勃起した淫核の皮さえめくられてしまって葉はもう青息吐息だった。
こねるように動く滑らかな指は肉粒のすぐ下の弱いところをもねっとりと愛撫する。
葉はすでに濡れていた。
二人はむせ返るような匂いを発散させながら睦みあっている。互いの四肢を絡み合わせながら。
やがて千砂の指が流れるように進入して優しく何度も葉の体内を撫でる。
「〜〜〜〜〜〜〜〜……」
葉は目を潤ませ瞼をひくひくとさせて肩に力を込めていた。
「ゅび、ぉりまげたら…らめなの、らめなの……」
その声は哀願するようだったがそれさえも沸き起こった粘性の水音に消されていってしまう。
とても、はしたない音だった。
葉の奥から流れ出したものは会淫を伝い菊座を濡らして通り過ぎていく。
千砂のそこもひどく潤って愛液は葉の膝の裏まで滴っている。布団には二つのしみが出来ていた。
「きちゃぅ、きちゃぅ、ゃ、ゃぁだ、ぁ〜、ぁあ、ぁ、ゃぁぁ……」
二人は互いの肉を押し付け合い、擦りあわせるかのように動き続けている。
葉は吸われている乳房から乳汁が滲み出してきているような気がしていた。
二人が、止まった。
熱く乱れた息をはきながら折り重なっている葉と千砂。やがて千砂の指は糸を引いて離れていった。