第四日  
 
 思い出す、思い出す、昨日の邂逅を。言うべきか言わざるべきか、それが問題だ。  
 
 
「誰ですか? いえ、貴女は……」  
「また会ったわね」  
 少女が二人、橋の下。眼を潤ませ八重樫 葉は予想だにしない人物の登場により戸惑っ  
ている。  
ほぉ、と開けている口が何よりの証拠である。  
 かたや千砂は表情もなくハンカチを突き出し、涙を拭きなさいとだけ言った。  
八重樫はその申し出を丁重に断り、手で眼を拭うと、まず何を言うべきかと頭を働かせる  
もこれが一向に出ない。あれほど聞きたいことが山かというほどあったものを人間とは予  
想外の事態に直面するとかくも何も出来ないものか。  
自分の無力さにほとほと呆れ果てていると千砂のほうから助け舟。  
「あなた……名前は?」  
その質問に安堵を覚え、心中で拝謝しながら己が姓名を告げ、それを聞くと彼女は直截言  
った。  
「失礼だけれどひとつ聞かせて頂戴。一砂が倒れたのはあなたが原因かしら?」  
「わ、かりません。……ただとても苦しそうだったので救急車を呼びました。……ごめん  
なさい」  
「失礼したわね八重樫さん、御免なさい。病院での一砂の件、改めてお礼を言わせてもら  
うわ。本当に有難う」  
 頭を下げる千砂を見て逆に申し訳なくなってしまう。  
「けれども……」  
 申し訳なさそうな眼が一転して豹変する。それはまるでカウンセラーが患者を見るがご  
とき視線である  
 いい様のない不安に包まれ気持ちと共に顔も下へと。  
「あなた、まさか知っているの。一砂の病気を」  
 八重樫は心臓が大きく脈動するのを聞いた。無論千砂を誤魔化せるはずもない。信用す  
るとだけ言い、今日までの経緯を語りだした。  
一砂に会わないで欲しいということも。  
 
八重樫は問う。千砂は答える。  
 
 未来はあるのですか  
 ないわね  
   
 何かできることは  
 なにもないわね  
 
 にべもない返答の後、めげずに今度は質問でなく意志を伝える。  
   
 高城くんの力になりたいんです  
 
 彼女は三度同じ抑揚で先程と同一の言葉を紡ぐ……と思いきや彼女はこちらを振り返り、怜悧な眼差しで八重樫を見据えるときっぱりと言い放つ。  
それは否定ではなくはっきりと判る、拒絶であった。  
「一砂を癒せるのは同じ苦しみを持った私だけよ。そしてあの子を護れるのも……ね」  
 言い捨てると千砂は知らぬ者が一見しても病院とはわからない足取りで去っていった。  
 八重樫は堪えていたものを堰き止めきれない。しかし泣いている時間は無い。これは好機だ。そうおもい、彼女は一歩踏み出した。  
 
 そうして二人の家を知る。家の前でそわそわとしている、躊躇っているのだろうか。  
しかしそれも長くは続かない。しばらくすれば、彼女の姿はかなたへ消えていた。  
 
 
もう真昼だった。  
眼を開けた一砂は太陽の高さでそれを知る。学校に行かなくなったせいか生活の拍子が狂  
ってきているようだ。  
 一砂は起き上がると寝ぼけ眼を擦りながら居間へと向かった。  
   
 机の上には筆者の性情がよくわかるはっきりとした字で  
 
 
  買い物に行ってきます。すぐに戻るわ。  
                         千砂  
 
 
 と、書かれていた。この家住むのは勿論二人。  
自然と誰だかわかるだろうに名前まで書くとはまっこと几帳面である。  
 一砂が苦笑していると玄関で音がした。  
 今日はまことに風が強い、けれどそれが因ではなさそうだ。噂をすれば影。  
「今かえったわよ」  
 
「やっと起きたわね、この寝ぼすけ。昨夜そんなに一人で励んでいたのかしら」  
 一砂は慌ててかぶりを振って  
「違うよ……少し疲れているみたいだ。近頃──といってもごく最近のことだが──よく  
寝過ごしてしまうんだ」  
 にたにたと心中で笑っていたに違いない千砂も途端心配そうな顔つきだ。  
「この家に来て数日。そろそろ疲れも身体に出始めるころでしょうし、そうね、今日も早  
く寝なさいな」  
 
「わかったよ。とりあえず家の中に入ろう、何時までもここにいる訳にはいかない。それ  
こそ風邪をひいてしまいそうだ」  
   
   
   
 居間へと向かうと、彼女はお茶を持ってきてくれた。  
 この暑さの中熱いものをである。これが身体にいいのよ、と彼女は眼を閉じ諭す。  
そんなの迷信だ。反論すれども彼女はまた眼を閉じて湯のみをその麗しい口もとへと運ぶ  
だけである。  
 仕方が無いと一砂は茶を啜りつつ茶請を食む。  
 やがて、どちらともなく湯呑みを置くと互いの顔を見つめあう。しかしどういうことか  
千砂は顔を背けてしまった。いよいよ不審に思った一砂は如何したのかと訊ねてみると、  
彼女は逡巡しながらも意を決したか遂にその口を開き、昨日の邂逅についての一切合切を  
話した。  
 その話を聞いて一砂にひとつ疑問が生まれる。  
「なあ千砂、何でその話を言わずにいたんだ?」  
 雉も鳴かずば撃たれまいに。  
強風で障子がガタガタと震える音のみがこの場を支配した。  
 千砂は数秒黙り込んでいたが突如として一砂を押し倒し、  
「もう、鈍感ね」  
 紡ぐ言葉の暖かさとは裏腹に一砂を見下す眼差しは冷たい。一砂は薄氷を踏む思いで何  
か悪いことを言ったのかと問うが最早手遅れ、寧ろその言葉が更に千砂の機嫌を損ねたよ  
うである。  
「千砂、ゆ、ゆるして?」  
 半疑問で訊ねてみるけどその眼は一向、細くなるばかり。  
「その取り敢えず謝ろうという態度が気に入らないわね」  
 もう何を言っても揚げ足を取られそうなので一砂は反抗することをやめた。  
「でも…………そうね。今から言うことができたら許してあげる」  
 既視感ならぬ既聴感に一砂は酷く嫌な予感がした。  
 
全裸で仰向けになる男とその横に坐る女。いま鏡を見たら死にたくなるだろうな、と一  
砂は思った。右耳から彼女の声が入ってくる。  
「今から私があなたを射精させるまでに何故私が怒ったのかを考えて見なさい」  
 ただ条件があるとのこと。曰く、  
   
 壱  一砂は自発的に行為に手出ししてはならない  
 弐  千砂は手と口しか使わない  
 
 「だって足なんか使おうものなら一砂はすぐ射精してしまうものね」  
そういってクスリと笑い、それを見た一砂は本当は怒ってなんかいないんじゃ、と思う。  
さっきの感情は嘘には見えなかったなとも。  
「じゃあ始めるわね」  
 そういうと千砂は彼の陰茎を右手でゆっくりと扱き始める。  
もう慣れたがやはり自分でする時とは比べ物にならない快感に一砂はたまらず息を漏らす。  
「このくらいで甘い声をあげるようじゃ先が思いやられるわよ。さあ早く考えなさい」  
 早くしなければと思うもののすぐに悟ればこんな状況にはなっていない。  
必死になっているうち、千砂の舌は一砂の乳首へと。  
「男の人ってココは感じるの?」  
「ううむ。そうでもないかな、なんかむずむずとはするけど」  
「へえ…………それじゃあこんなのはどう?」  
千砂はそういうと乳首の周りを舌で円を描くように舐め始めた。  
「ああ、それ、なんかむず痒くて変な感じが……」  
 脈ありとみるやいなや千砂はたちまち右手と舌、両方のぺースを緩める。焦らせる作戦  
のようだ。  
 「ち、千砂。下のほうだけでももっと速くしてくれ」  
一砂が息を荒くする。  
「一砂。目的を忘れたの? 精液撒き散らしたら駄目だっていってるのに」あきれたよう  
に千砂。  
「だ、大丈夫。我慢するから、ださないから」  
「そう、分かったわ」  
千砂は右手のペースを元へと戻し舌で亀頭をチロチロと舐める。それと同時に一砂の嬌声  
が部屋中に響き渡った。  
「あらはしたない、そんな大声を上げて」  
そういうと更に速度をあげて一砂を責める。  
くちゅ……にゅぷ、にちゅ、くちぃ、ぬぷんぷぅ、くちゅぐっちゅ  
 二分ほど責め続けているもののなかなかもって渋とい一砂。  
しかしもう考えるどころではなくなっているので、このままでは一砂の負けは明白である。  
「頑張るじゃない一砂。仕方がないわ。切り札を使うわね」  
そういうと彼女は股下に移動し舌を菊門へとねじ入れた。  
「ぉぉぉおおおおっっ!!」  
ものすごい声で喘ぐ一砂。  
「あはっ、跳ねてる跳ねてる。ああ、素敵。ビクンビクンいってるわ。お尻の穴を舌でほ  
じられるのが良いなんてやっぱり一砂は変態ね………ま、今さら言うことでもないわね」  
 舌をいったん出して言葉でなじる。舌もさっきよりも動きを激しくし、縦横無尽に尻穴  
を駆け巡る。  
れろれろ……んちゅぅ、にちゃにゅちゃ…………じゅるぅ、んちゅゅぅう、ちゅるちゅる  
れるれろ…………んふぅぅぅぅ。  
「うふふ。ブリッジしちゃって……もう射精そうなのね一砂、駄目だといったのに。いい  
わ射精を許可してあげる。イっていいわよ」  
 
一砂の視界が真っ白に変わる。  
右手でカリを擦り、舌で尻穴をほじくると一砂はあっけなく精液をぶちまけた。  
ビュクッ! ビクン、ビュルルッ、ビュビュクッ、ドクン、ドビュルル、ビュクゥゥ!!  
 二十秒ほどたつとようやく射精が収まる。しかし陰茎だけはまだビクビクと蠢いていた。  
「また、こんなに射精しちゃって、あらあら自分の顔にまで飛ばしちゃたのね」  
彼女は顔についた精液を舌で拭い取った。一砂の身体に付着した大量の液も舐め取ってい  
く。  
「ん、じゅる、ぴちゃ……んぐ、んむ…………っはぁ。『量』『濃さ』『香ばしさ』『美  
味しさ』どれをとっても極上品よ。今度料理にも入れてみようかしら」  
 本気でやりそうだから恐ろしい。一砂がげんなりしていると流石に冗談よ、と千砂。  
「ほら、あなたにもお裾分け」  
 指で精液を掬うと一砂の口の中に強引に押し込む。一砂は堪らず咽こんだ。  
「大丈夫? ふふ、でもこのプリプリした食感がたまらないのよね。噛むときの感触なん  
てもう最高だわ」  
 全てを食べ尽すと彼女は思い出したように  
「さて、と。射精しちゃったんだもの、罰が必要よね」  
 まってなさいというと自分の部屋へと向かい何かを手に持ち戻ってきた。  
 一砂は驚愕した。良くみるとそれは男のペニスそのものだったからである。  
千砂は開いた口が塞がらない一砂をみて  
「ふふ、ビックリした? 父さんの部屋で見つけたの。まったくこんなものを作っちゃっ  
て、自分の娘に掘られたかったのかしらね。まったく親子そろってマゾなんだから」  
 一砂はその台詞を聞いて心底ゾッとした。何をされるか悟ったからである。  
「凄いのよコレ。体に着けると神経が同調して本物のように感じるのよ。擬似精液もでる  
し……人に使うのは初めてだけど大丈夫よね」  
「ち、千砂、やめ。ほ、ほ、本気でそれは……」  
「大丈夫。お尻でもうあんなに感じられるなら、きっとね。」  
 そういう問題じゃない。その呟きは声とはならない。四肢が紐で縛られていたからであ  
る。  
「いつのまに!?」  
「細かいことは気にしないの。拒否権は勿論ないわ……大丈夫すぐに良くなるわ」  
 両性具有となった千砂が間近に迫る。その愛らしい口が恐怖にゆがむ一砂の耳元へ。  
「愛してるわよ」  
 
「か、な……ず、…………ずな」  
 気を起こすと彼女の声が、心配そうな声色で、優しく耳に入ってく。  
「あれ、千砂?」膝枕をされていたようで瞳を開ければ傍に顔。  
「一砂っ、良かったわ。御免なさい。疲れているというのに無理をさせすぎたわ」  
 尋ねてみればどうやら絶頂の瞬間気を失ったようでほんの二、三分だったそうだがそれ  
が彼女をひどく心配させたようだった。  
「夢を見たよ」  
滝のような汗を拭ってもらいながら一砂が語る。  
「どんな? ……いやらしい夢でも見たんじゃないでしょうね」  
 一砂は途端に黙りこくった。  
「あら、図星? 必死に看病したというのに酷い話だわ」  
「そ、そうなんだけど、でも恐い夢だったんだ」  
「そう、きっと蛇にでもそそのかされたのよ」  
しばしの間頭を撫でられ恍惚としていたが、  
「御免なさい」急転直下。  
「ここへ来て毎日。少し無理をさせすぎたわね。今日はゆっくりね…………一砂!?」  
 一砂は起きたばかりというのにまるで発情した狗のように千砂の股座を嘗め回していた。  
何も言わせない。  
「やめなさい! まだあなたの身体は……っく」  
 あれよという間に 帯をはずして 千砂の肢体にもぐりこむ  
 一砂は乳首を口に含む。  
「ぁ……んんぅ、ぁん…………あああぅぁ」  
 すると途端に千砂の淫靡な嬌声が響き渡った。  
「千砂、気持ちいい?」  
「や、め、なさぃ……一砂」  
「やめていいの? 千砂のココはもうこんなに濡れてるけど」  
 千砂の秘所に左の手を伸ばすと二本の指で掻き回した。  
「くはぁっ! ……んああぁぁあぁあ……うんぅああぁ、んぁ、ん、うぅっ」  
 琴でも弾いているように秘所をこねくり回す度に甘い声をあげている。  
「はは、なんだか楽器みたいだよ。他の音も鳴らしてみたいなあ」  
 今度はギターのように爪弾く。大きく勃起した淫豆を。  
「今まで見る余裕がなかったけど千砂のクリトリスって大きいよね。普段はまったく見え  
ないのに今みたいに興奮したら、ほら、出てきた出てきた」  
 包皮を飛び出し完全に勃起した千砂の淫核は太さこそないものの細長い。  
「ああ、凄いよ、5cmはあるんじゃない?」  
 千砂は紅葉のような両の手で顔を覆った。  
「いやぁ、言わないでよ、気にしてるのに」  
「ごめんよ。でも驚いた、女性の淫核ってもともと見えないだけで10cmはあるそうだ  
けど、流石にこんなのは初めて見たよ」  
 ひたすら喘いでいた千砂はそこだけは聞き逃せないとばかりに  
「初めてって、あなたこの間まで女性経験が無かったんじゃないの?」  
 一砂は一瞬きょとん、とすると、しかし動きを再開しながら  
「ちがうちがう、雑誌とか……他にも色々あるんだよ。」  
 ホッと胸をなでおろす千砂を見て千砂は何をそんなに安堵しているのかといぶかしむ。  
「いえ、ただ一砂の初めては私だったんだな、と改めて認めることが出来たから……」  
「嬉しいよ千砂。でも……」  
 突如として一砂の顔に暗い影が落とされる。どうしたの、と千砂は尋ねると。  
「初めてを取られるばかりで千砂のは貰っていない、親父とのことは分かってる、分かっ  
てるけど……それにさっき思ったよ。俺は千砂を満足させることが出来ていないんじゃな  
いかって。クリトリスが勃起したのだって初めてだし……」  
 千砂はしばらく黙っていたが身体を起こすと一砂を抱きしめた。  
「ごめんなさいね、一砂。あなたをそんなに不安にさせていたなんて」  
 千砂が立ち上がると一砂は狼狽しながらどこへ行くのかと尋ねた。  
「そんな捨てられた仔犬のようなめをしないで、布団を出すだけだから」  
少し眼を閉じていて、という千砂の願いをそのまま一砂は実行した。  
 
2分ほどたっただろうか。一砂は律儀に眼を閉じたままそわそわしながら合図を待った。  
正直不安もある。いや、最早一砂の心の大部分を恐怖が占領していた。  
何故あんなことを言ってしまったのか。勢いだったとはいえあんな愚痴のような、それも  
昔の……親父の話までも。  
 叱責で済むならそれでいい。殴られるくらいなら万々歳だ。  
しかし一砂が最も畏怖しているのは千砂の愛想をつくされることであった。  
俺は馬鹿だ、と改めて一砂は自責した。  
 布団を出す音などとうの昔に終わっている。今はただ風と時計の針が動く音が聞こえる  
だけ。  
チクタクという無慈悲な音が刻々と一砂の心を苛む。  
──ああ、フック船長はこんな気持ちだったのかなあ。  
 ついに現実から離れ始めた一砂の心を呼び戻したのは、もういいわよ、というまさに今  
街を蹂躙している強風にも負けそうな声だった。  
 今の言葉を反芻しながらどういう意味かを考えた。  
「もういい」一砂はいよいよ兢兢とし、地震のような揺れを感じた。  
いや違う。ゆれているのは部屋ではなく自身だ。自分は今、捨てられるという懸念に慄然  
とし震えているのだ。  
 自覚をすればするほど震度は上がっていく。過去最高のマグニチュードを記録しそうな  
中、早く眼を開けなさいという、千砂の声が響いた。どこか焦るような声色だがそれを感  
じ取る余裕などあるはずも無い一砂は、戦々恐々としながらも、カタツムリが進むようにゆっくりと眼を開けた。  
 
 一砂はただただ呆然とし姉の痴態を眺めていた。  
「わ、私の初めてをあげ、る」  
 そう言った姉は布団にうつ伏せとなり、尻だけがこちらに突き出ている。  
それだけでも目の前がくらくらするが、千砂はさらに両手で自らの菊穴を押し広げていた。  
一砂はこの光景だけで達してしまうような錯覚に陥った。  
「黙ってないで何か言いなさいよ」  
 顔中が林檎のように真っ赤に染まっており、一砂と視線すら合わせられないようだ。  
その可愛らしい仕草が更に一砂の逸物を起立させた。  
目の前の果実は罠ではないか。食べればこの病に苦しみながらも素晴らしい生活から追放  
されるのではという危惧を抱いた。  
 しかし、自分たちはもう最大の禁忌を犯している。聖書の二人のように無垢ではないの  
だ。今更果実を口にしたところで何の罪が与えられようか。エデンは既にここにあるのだ。  
 かくして、一砂は姉のもとへと行き、押し広げられた菊門に舌をねじ込むのだった。  
   
「ぴちゃ、にゅぷ……ぐぽっ、れろ、美味しい、千砂のお尻」  
「んぁああ、んくぅうぅぅああ、あんぅん……んひいぃいい、イイわ一砂ぁ、も、っと奥  
までえ、んはぁっああ」  
 注文に応じるために、一砂は更に顔を押し付け、舌を限界まで入りこませた。  
「ああっぁああ、それっ、それイイわぁ、んはぁああああ、ひぃぅぅっ」  
 貪欲に、更に貪欲に千砂は弟を求める。  
布団のシーツを強く掴んで、千砂は更に甘い声をあげる。  
「ああ、千砂。これ以上舐めたらお尻の穴ふやけちゃうよ?」  
「そんなことあるわけ無いわ。ねえ来て一砂。あなたのも舐めたげる」  
 二人は横を向いて寝ると互いに菊門を舐めあった。  
「にゅぷ、……んぐ、んぷぅ。うふふ、お互いのお尻の穴を舐め合う姉弟なんて私たちく  
らいでしょうね。どう気持ちいい?」  
「聞くまでもないよ。そっちは?」  
「んぁぁぁ、んふっ、今の声を聞けば分かるでしょ。それにしても一砂もすっかりお尻で  
感じるのが当たり前になって。男として恥ずかしくないの?」  
 千砂は舌を抜くとすかさず右の中指を肛門へとねじ入れる。  
……いやその表現は正しくない。なぜならすっかり濡れきった穴がすんなりと千砂のしな  
やかな指を受け入れたからである。  
「うはっ、そんなことを言っても気持ちいいんだからしょうがないじゃないか。初めての  
ときも千砂が無理にしたんだし俺が悪いんじゃない」  
「あら、責任転嫁とはいい度胸ね」  
「事実だろう。千砂だって……ほら、こんなに悦んでる。尻は女はあまり気持ちよくない  
って聞いたけど嘘だね。こんなにグチョグチョでそっちこそ恥ずかしくないのかよ。初め  
てとかいって、本当は自分で慰めていたんだろ」  
「んんんぅ、そ、そうよ。ん……でも、あぁん……肉棒を入れるのは初めてよ。あの人、  
私の体をむさぼることしか考えていなかったから」  
 一砂はそれを聞くと千砂の身体を跳ね除けて起き上がった。  
「あら、嫉妬しちゃたの。でもいいわ、ねえ、そろそろ……」  
 今度は初めの時とは違い、立ち上がって尻を突き出し自ら穴を拡げた。  
「それじゃあ駄目だ」  
 すぐにがっついて来るだろうと予期していた千砂は「え?」と聞き返した。  
 一砂は自分の陰茎を千砂の尻に当てながらも  
「それじゃ駄目だといったんだ。ちゃんとお願いしなきゃ」と、言った。  
「クスッ、いいわそんなに卑猥な言葉を言わせたいのね」  
 もう、今日だけよ、と一人ごちながら。  
 穴を拡げている両指を中にいれ中から拡げた。  
 
「さぁ早くぅ一砂のおちんちんを私のいやらしい……お尻の穴に挿入してちょうだい!」  
 
拡げられた千砂の穴はとても綺麗な桃色で、その色が麻薬のように一砂の脳を幻惑させた。  
ペニスを入り口に当てるとゆっくりとゆっくりと挿入ていく。  
「うぅぅ、ちょっとずつ入ってきてるぅぅぁああああああ」  
 千砂の指が入ったままなのでそれに陰茎の側面が擦れて気持ちよかった。しかし  
「千砂、手を離してっ、破れちまいそうだぁっ」  
「大丈夫よぉ、おおおぉぉおおお、あんんゎわぁあ、こんなに気持ちいいんだもの壊れる  
わけないわ、あぁああああああんんぅう」  
 30秒ほどもかけてじっくり感触を楽しみながら、ようやく根元まで挿入された。  
「うふぅ……ん。お姉ちゃんのアナルの処女奪われちゃった。あ、今ビクンってなったわ。  
今の言葉に興奮したの?」  
 それには答えず黙って腰を動かし始めた。  
 ぐっぽぐっぽっ──ぐぴゅぶぴゅう、ぬぷっぬっぷ──ぐびゅう──ぬっちょにっちょ  
「硬いぃいい、あんっ、硬いのが出たり入ったりぃ……ひもちひいぃぃいい」  
 その言葉を聴いて一砂は更に腰の動きを速めた。  
「ああぁんはぁっ、は、速くなってきたぁん。ねえ、もっとぉ、もっとおぉう」  
「千砂ぁあっ。射精るっ、射精るううううっ」  
「は、早いわ、それは腰だけにしておきなさいよ。でもいいわ、まだ一回も出してないも  
のね、そのまま動かしながらぁあああ、わたしの中にぶちまけなさいっ!!」  
「ああああああ、イクぅっうう、射精るうぅぅぅうううううっっ!!!」  
ビュクッ! ビュルルッ! ビクンビュククン!!!! ビュルンルルビュクゥ!!  
「あああああんん、なにこれぇえ膣内で射精されるのとは違った感じで……んん、イイわ、  
叩きつけられてるううっ!! 甲乙つけがたいわね……ああぁぁ、またきたぁああ、んあ  
あぁあ!!」  
 数十秒に及ぶ射精のあとペニスはまだ入ったままで坐って休憩する。  
「あんなに出したのにまだ硬いまま……相変わらずの絶倫ね。ねえ、もう次いける?」  
 出した後の余韻と腸内の動きに浸り、呆としていた一砂が我にかえる。  
「あ、ああ。勿論だ」  
 そういって立ち上がる。繋がったままなので、当然腸壁にペニスがこすれる。  
 結果短い喘ぎ声と、グチュ、という効果音がついてきた。  
「ふふ、今抜いたら凄い量の精子が溢れてきそうね。でもさっきより気持ちいいんじゃな  
いかしら。あなたの精液が潤滑油代わりになってね」  
 ためしにペニスを動かしてみると、なるほど確かにさっきよりイイ。  
「そうだわ、さっき言ってたアレ。ねえ、クリトリスを弄ってみて」  
 言われるがままに弄っていると1分ほどしてさっきの巨大な淫核が姿を見せた。  
といっても一砂には角度的に見えない位置にいたのだが手の感触がそれを伝えた。  
「私のここは念入りに弄らないと勃たないのよ。あなたが下手なわけじゃないわ。ね、分  
かった?」  
 一砂はただ微笑むと円を描くように腰を動かした。  
「あん、いやぁ……お腹の中の精液掻き混ぜないでぇ」  
「それがいいんだろう、千砂。じゃあいくよ」  
「ああ、来て一砂ぁ」  
 
このあと二人は二時間をかけてじっくりと愛しあった。  
 
 
 
「はあ、はあはあ」  
 息が荒い。それはそうだ一度も抜かないまま七連発もすれば誰でもそうなる。  
「ねえ一砂。私の初めて、どうだった?」  
「聞かなくても分かるだろうさ」  
「それでもあなたの口から聞きたいわ」  
「凄くよかった」  
 それを聞いた千砂はまるで童女のように笑った。  
「それにしても風が強いね。庭の茂みもガサガサいってるし」  
「そうね。……それとも仔猫でもいるのかもしれないわね」  
「こんな風の日に?」  
「ええ」  
 二人はしばらく眼を閉じて静かな時間を楽しんだ。  
長い沈黙のあとながら、それが自然であるかのように千砂はこちらを見る。  
「ねえ、もうひとつあげようか、私の初めて」  
「え?」  
 
 いきなりキスをした。初めて同士の覚束ないものではない。  
舌を絡めあい、長く、味わうようにして互いの口内を舐めまわす。  
その接吻はまるで誰かにみせつける様であった。  
そう、例えば仔猫なんかに──  
 
 
 
 
 
 
 庭の茂みから飛びだして仔猫は全力でその場を離れた。  
仔猫は少女だった。  
 少女は走りながら何かが頬を伝うのを感じた。  
 涙だ。  
仔猫のような素早さで八重樫 葉は家に向かってただ走った。  
 

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