第三日
ある朝、一砂が何か気がかりな夢から目を覚ますと、寝床の中で自分が巨大な違和感を感じているのを発見した。
「なぁ……千砂」
「……ちゅぱ……何かしら? ……んぷぅ」
「何してるんだ?」
「決まってるじゃない、朝の挨拶よ。自分の弟にね」
布団の下で僅かに顔を出しながら千砂は言う。
どうやら昨日の淫蕩が抜けていないようで千砂は淫乱に変身していた。
「そこは弟じゃなくて……」
言葉は続かない。下品だと判断したのだろうか。
しかし布団の中では更に下品な行為がなおも続けられている。
「またなんで朝からこんな事を。……まだ五時じゃないか」
「あら? 朝早くから弟のをしゃぶるのがイケナイとでも言うの?」
言いたいことは諸処あったが自分のモノはピクピクとそれに答えるが如く反応している。
「こっちは正直なのにね。……まったく月並みな台詞だわ」
己の言葉が気に入らないのか、彼女はムッと顔をしかめる。
だがそれも数瞬。
千砂は再び一砂のソレを口に含んだ。
「ん……ちゅるっ、んはぁ……んむ…………にゅぷ、くちゅ」
舌を絡めながら左手では玉を揉みしだく。
「ねぇ気持ちいい一砂ぁ?」
「あ、ああ。凄くいいよ、千砂の口の中。意識まで吸い取られそうだ」
初めての感触に一砂の思考は掻き消えそうになる。
昨日初めて千砂と繋がった時のと同じような快感。あれほどではなかったが、
孤高で誇り高い千砂が自分のモノを口に含んでいる、という事が一砂をとても興奮させた。
「そう、良かったわ。一砂に喜んでほしかったから」
おおよそ彼女らしくない素直な呟きに、一砂は何か裏があるのではと疑う。
「安心して一砂。なにも企んでなんていやしないわ。ただ貴方にお礼がしたいだけよ」
表情から読み取ったか自分の普段の言動を省みたか。ともあれ彼女はそういった。
そして彼女は奉仕を行う。
「はむっ……んちゅっ、ちゅうぅ…………ぺちゅ、くちゅぅ」
どう? とばかりに目だけはこちらに向けている。そして上目遣いを保ち
「むちゅ、ちゅぽ……れちゅ、ちゅぅぅう………………んはぁ」
「な、なぁ千砂。もっと奥までしてくれよ」
「私に指図? くすっ。まぁいいわ。今は素直に言うことを聞いてあげる」
すると彼女は、頬をすぼめて根元まで陰茎をくわえ込んだ。
「んぐ……じゅぽ、じゅぷじゅぷ、にゅぷっ……じゅるるるっ
……………………ちゅうぅぅぅぅ、にゅっぷ……じゅぽ、じゅるるるうぅぅぅ」
淫靡な音と共に千砂の頭が前後に動く。
奥深くへ行っては戻して亀頭を唇で扱いてくる。
「にゅぷ……ぐぽっ……にゅぷにゅっぷっ、ぴちゅくちゅ……ちゅうううぅぅぅ」
「ああぁっっ。千砂の頬の内側の肉がサオの横に当たって、それに先っぽが喉の奥に……最高だ」
「ふふ、射精すときは言ってね」
淫口がまたもや性器を行ったり来たり。
「れろれろ……んちゅぅ、ぴちゃぴちゅ…………じゅるぅ、んちゅゅぅう、ちゅるちゅるれるれろ…………んふぅぅぅぅ」
一砂は快楽という拷問の中無理して起き上がると、
お返しとばかりに揺れに揺れているその美しく長い黒髪を優しく撫でた……
──途端
「ひゃんっ!!」
一瞬何処から聞こえたのか分からなかった。
髪から千砂の顔へと視線を戻すと表情が蕩けきっていた。
「え? なに、今の千砂?」
「ち、違うわ一砂。今のはちょっと貴方のが奥に入りすぎたから苦しくて
……ほ、ほら、貴方の大きいしっ」
「どうみても苦しいって顔じゃあなかったよ今の」
今度は髪の根元から先のほうまで一気に指を滑らせる。
「んはぁぁぁああっっ!!」
物凄い声を出して千砂が喘ぐ。
一分前の淫靡ながらも凛々しい姿はもはや何処にもない。
「え、何? もしかして今ので達したのか?」
千砂は言わない。答えられない。絶頂の快感の中で泳いでいる。
その瞳はいずこも向かず、ただ開いている。いまや千砂は向こうの世界の住人で彼女の肩を触るとピクピクと痙攣していた。
一分ほど後、彼女の世界が元に戻ると、彼女の口は息も絶え絶えこう紡ぐ。
「あ、あれね。さっきの……もうやめなさい。」
「さっきの髪………………………………弱いの?」
「っ……忘れなさい!」
そういうと千砂はおもいきり性器を握った。
「い、いたいイタイ痛い。ご……ごめん千砂、もうしないから」
「そうするのが賢明ね。まったく気が萎えちゃったじゃない。……で、貴方のそれは何故そんなに元気なのかしら」
そんなのさっきの千砂を見て、と言いながら最後までは続かない。
なにせ彼女の頬がピクピク痙攣していたからだ。
まったく、さっきは全身を震わせていたくせに、と思うが口に出すことはありえない。
言えばたちまち口に出来ないような事態に陥るだろう。
「さっき私をイかせた罰よ。後ろを向いて四つんばいになりなさい」
「認めてるじゃないか」
「一砂……………………黙りなさい」
間違いない。声の温度が、空気が極低温まで下がった。
「いいから言われたとおりになさい」
渋々一砂がそのようにすると
「オシオキよ一砂……って何故いま貴方のココが反応したのかしら?」
「いや、またいつもみたいにしてくれるんだろうって……」
「へぇ……そんな甘い考えを持っているのね。いいわ、それが間違いだって事を教えてあげる」
彼女は退室し、しかしすぐに戻ってきた。手には何故か紐が五本。それに手拭。
「これで四肢を固定するわよ。まさか嫌とは言わないでしょうね」
四つんばいの体勢で一砂を固定すると手拭で視界ををふさいだ。
更に余った紐で陰茎の根元を縛った
「たった二日の経験で随分図太くなったわね一砂。胸だけじゃなくコッチも膨らましちゃってガチガチよ。わが弟ながらどうしようもない被虐趣味ね」
加虐趣味の姉は言う。
「千砂にされるから嬉しいんだよ」
「なにを馬鹿なことを。私しかオンナを知らないでしょうに」
すると彼女は後ろ向きに四つんばいになっている一砂の陰茎を手に取り、ゆっくり上下に扱き出した。
「ふふ。前にしてあげた時とは全然違うでしょ? あの時は初めてだったから手加減したけれどもう必要ないようね」
アレで手加減していたのだろうか。
彼女は手を離すと両の掌によだれをどろぉ、と垂らした。
その光景はとても猥らなものだったが、残念な事に目隠しされている一砂には見えない。
その手でまたも陰茎を掴み
「ほら、これで滑りやすくなったわ。どう、気持ちいい?」
ぬめりが加わるだけでかくも違うのか。一砂は声も出すことができない。
「何にもいえないのね。牛だって鳴くくらいはするでしょうに……」
言葉は途中で尻すぼみ。千砂は笑ってこういった。
「そうよ、いまの貴方は牛よ。ほら、この四つんばいの体勢。牛そっくりじゃない。
さしずめ今、私がやってるのはミルク搾りってところかしら」
自分の冗句を今度は気に入ったか、声を上げてころころ笑う。
その声は鈴の音のようで一砂は顔を見たいと思うが無論それは許されず。
「ほら牛さん。早く一番搾りのミルクを出しなさいな。
貴方は牛だもの、さぞや沢山出すのでしょうね。うふふふふっ」
彼女はそのまま両手で竿を扱き出す。
その刺激に堪えきれずに一砂が低く呻く
「おおおおおおおっぉっぉぉぉぉ」
「ふふっ、わざわざ牛みたいな鳴き声あげて。そんなになりきらなくてもいいのに……でもそうね……そんなになりたいなら私も……」
何かを思いついたようでまたもや彼女は退室する。
一砂はそのままの体勢で二分ほど待たされており動けない。
ようやく戻ってきた時、彼女は手に何かを持っていた。
「あら。ちゃぁんと待てたのね。
貴方のソレ、もう我慢出来なさそうだから一人で始めているかと思ったけれど。
拘束されていても床にこすり付けるくらいは出来たでしょうに。
そんなに私にされたかったのね、偉い偉い。ご褒美に撫でてあげるわね」
そういうと二、三度ペニスをゆっくり撫でる。
陰茎もそれにあわせてピクピクと二,三度蠢いた。
「ところで一砂。私が持ってきたもの何だか分かる?」
無論目隠しされている一砂に分かるはずもない。
彼女も勿論承知のようで殆ど間をあけずに続ける。
「これはね、グラスよ一砂。
これをもってきた意味は判るでしょう? さぁ、沢山出してね牛さん」
ゆっくりと、ゆっくりと、メトロノームが動き出す。
しかし数値は毎分40、満足できるはずもない。
「ち、千砂ぁ。もっと速くっ」
「牛さんの乳搾りはそんなに激しくないでしょう?」
「じゃ、じゃあせめて舐めるだけでも……」
「一砂。貴方は牛のお乳を直接舐めろと言うの? お行儀が悪すぎると思わない?
それに貴方は牛なのよ。言葉を使っちゃいけないわ」
けれど……そうね。多少の刺激は必要かしら。
「ひとつだけ方法があるわよ一砂。他のところをほぐしてミルクを出しやすくするのよ。どう? やって欲しいかしら?」
といっても一砂にはもはや手段は残されていない。
必死の面持ちで首をたてに振るだけだ。
「……そう。いいのね」
次の瞬間、彼女はいきなり一砂の菊門に指をねじ入れた。
「うわぁぁああ」
一砂は飛び上がらんばかりに動いたが勿論動けない。
「我慢なさい。滑りやすいようにしっかりと特別な液体を塗ってあるから」
しかし異物感は消えるはずもない。
それを見越したか千砂は
「今私がやってるのはマッサージよ。力を抜いて私に任せてみなさい」
無理を言うなと思ったが、五分もたつと苦しんでいた声がなんと徐々に甘いものへと変化していった。
それと共に身体の力も徐々に抜けていく。
「え?」彼女は驚いている。当然だろう。こんなに早く順応するとは思うまい。
「私は数日掛けて慣らしていこうと思っていたのだけれど……」
彼女は困惑している。しかし苦笑しながらも、右手の中指の動きは止めることはない。
「これならもう一本増やしても大丈夫でしょう」
そういうと人差し指も菊の門へと挿入し、あちこちを探るようにして掻き回す。
「く、ぅぉぉぉぅ」
「もう快感でこんなに喘いで。初めてなのに恥ずかしいとも思わないの? それもこんな……」
瞬間、コリッと言う音がした。
陰茎がビクビクと震えるが縛られているために精液は出ない。
一砂は今まで聴いたこともないような、まるで……
「本当に牛みたいな声よ一砂。そんなに気持ちいい? それとも射精せなくて苦しい?」
「ココはね、前立腺っていうの。知っているかしら?
男の人って女性よりもお尻で気持ちよくなれるのよ。女性にはコレがないからね。
ココが性感帯って言う男性も多いらしいわ。一砂。貴方もそのようね」
「さあ、さっき髪を触ったお返しよ。思う存分狂いなさいな」
前立腺へと更なる攻撃を仕掛け、しかし陰茎への刺激も忘れない。
最初の言葉は何処へやら。
いまやメトロノームは針を振り切り360。
「とどめよ一砂。」
彼女はその可憐な唇で一砂の玉を口に含んだ。
そのまま口の中で転がし続ける。
「うふふ、飴玉が二つ。いっぺんに舐めるなんて贅沢だわ」
右手、左手、そして口。容赦のない責めに一砂は気絶寸前だった。
「幸せものね一砂。好きな人に三つの性感帯を同時に責められるなんて。
判った? 一砂。コレが私の本気、どう? って聞くまでもないわね、
さっきからよだれが垂れっぱなしよ、大丈夫? ちゃんと呼吸できてるの?」
耳を澄ませば一砂は浅く速く息継ぎをしていた。
「もう、それじゃあまるで犬じゃない。貴方は牛よ。さぁ啼きなさい!!」
一砂のペニスは常に脈動している。通常なら何回射精した事だろう。
「あはっ、一砂ぁ。さっきから貴方のコレ、ビクビクしっぱなしよ。
ねぇ射精したい? 精液ブチまけたいの?」
聞くが一砂は既に呻き声しか出すことができない。
「もう限界みたいね。まぁいいわ。
それじゃあたっぷりミルクを出しなさい! 私のためにねっ!!」
ビュクッ! ビククン、ビュルルッ!!
陰茎の根の紐を解く瞬間に一砂はミルクを噴出した。
既に一砂の意識は潰えているが 一回ごとの脈動での射精量が凄まじく、まるで山の噴火のようである。
なんと二〇秒ほども射精は続き、精液は瞬く間にグラスを汚した。
脈動の最中も彼女の左手がとまる事はない。
「あはぁ、すごいわ一砂。この量! 140、150ミリリットルってところかしら」
料理の得意な千砂は調味料を測るように白濁液の量を目測する。
「射精量の世界記録があるなら間違いなく塗り替えね、よくやったわ一砂。けれど……」
射精を終えたばかりの肉棒に手を伸ばし、やおら扱き始めたのである。
失神していた一砂もコレには飛び起き、
「千砂、今は射精したばかりで敏感だから……や、やめてくれっ」
「あら、私はコレで終わりなんていってないわよ。どうやら判ってないみたいね。私はこのグラスを満タンにしろと言ったつもりだったのだけれど……」
それを聞き一砂は恐る恐る千砂に訊ねる。
「あ、あ、あと……どれくらい?」
「ああぁごめんなさい気づかなくて。そうよね、貴方は今見えないんだったわね。いけない姉ね私ったら。」
その千砂らしからぬ声色に酷く嫌な嫌な予感が
「そうね……目測だけど、あと350ミリリットルくらいかしら」
「そ、それってグラスじゃなくてジョッキじゃあないか」
「はい口答えしたから150追加ね。
……そんなに心配そうにしないで、ギリギリ入るから」
一砂の心配は勿論そんなことではなかったが千砂は気にせずこう続ける
「朝食って大事なのよ? 朝にたっぷり栄養を取っておかないと」
「さ、残り時間はあと二刻と少し。
そうそう……言っておくけどそれまでに出来なければ今日一日そのままだからね?」
何の残り時間かを問う余裕はもはやない。
「無理だよ千砂。だんだん量も減っていくし体力的にも……」
「簡単に無理といっていては駄目よ一砂。無理と思う事を頑張って達成しようと言う心にこそ意味はあるのよ」
「他の場面で聞きたかったなぁ、その台詞」
「また増やされたいの? ……ねえ理解しているかしら。これはオシオキなのよ、最初に言ったでしょ?」
深い息をつきつつも、硬いままの陰茎に手をあて彼女は無情に言い放つ。
「さ、あと500.頑張りなさい、牛さんっ」
このあと百三十分で九回にも及ぶ射精によりそれは漸く達成された。
セーラー服。スカートを翻し、今朝も通った通学路を私は辿る。
自分を危険だと言うのは自覚している。
けれどずっと家の中にいるのは精神が参ってしまいそうだった。
ただでさえ閉鎖的に暮らしてきたというのに、これ以上家に居続けると言うのは良い傾
向とはいえない。
そう思って久方ぶりに学校へ行ってみたけれど……やはり変わらないわね。
「くっ……」
日に当たりすぎたかしら。頭が……とにかく影へ。
やっとの思いで高架下に入った私は影を浴びほっと一息をつく。
改めて考えてみるとちょうどいいのかもしれない。いろいろな事を考え直すことに。
落ち着いた私は思考の海へ、ただ考えるソラリスに。
Yes朝の食事は半分残してしまったあれだけ出してくれたのにもったいないわねでもま
あれいぞうこに入れてあるし夕餉の時にでものめばいいかああしかしどうしてあんなこと
をしてしまったのだろうきょうはあのこへのお礼のはずだったのにとうさんをわすれさせ
てくれただからよかれと思いやったのになぜあんなことにアノ子のコトを愛しているのに
どうしていじわるをしてしまうのかしらねけれどイタズラしたときのあのこのかおを見る
となんだか背筋がぞくぞくして絶頂に達したみたいになってしますの私はアノ子を利用し
てまんぞくしているだけNO水無瀬さんにいわれたようにわたしはまたおなじまちがいをく
りかえそうとしているのNOわたしはもうあんなことをおこさせはしないわたしはあのひと
をふりきったもうわたしはニンギョウじゃないあのひとのことはってこんなことを考えて
ることじたいわすれられないなによりの証拠じゃないのわたしはあの子をあいしているそ
れはまちがいないけれどあのこはどうなのだろうあいしているといってくれたけれどその
場しのぎだったんじゃなかろうかそれとも憐れみいえそれはないわねあのこは優しいけれ
どそんなことをかんがえるようなこじゃでも万が一そうだとしたのならいえだめよこんな
ことをかんがえていてはそれこそ堂々巡りけれども思考はとめられないのよかつてニンギ
ョウだったわたしはすべてを憎んでいた父をどくせんする母をニクミわたしを見てくれな
いちちをにくんだとうさんわたしを守ってくれるんじゃなかったのウソツキでもなにより
エレクトラのような自分が一番憎かったのね母も父も死んで絶望していたところにあのこ
はあらわれたもうわたしも忘れていたしかしあのこは問答無用でやってきてわたしのココ
ロヲ探りまわすのいい意味でもわるいイミでもはじめは困惑したでもあのこをみているう
ちにそう愛ドクセン欲でも支配よくでもないさいしょはただの弟へのかぞくあいだと思っ
たわけれども一砂が病院にはこばれたときのあの子そうあのときおもったのわたしは一砂
を愛しているとおとうとじゃなくひとりのオトコとしてはじめは嫉妬かともおもっただけ
どちがういやそれも大いにあるのだけれどわたしのあのこへのオモイは日ごとに強くなっ
ていくばかりだからアンナことをわたしと姦淫していることをかずなは後悔しているのだ
ろうかそんなことはないといったけれど本当は悔恨のねんに彩られているのではわたしな
んかといっしょにいていいのだろうかあのこはふつうにレンアイをしてフツウニくらすべ
きなのではたとえば病室で会ったアノこあの女の子だいじょうぶかもしれない一砂のこと
をわかってくれるかもでもだめショセン病気やワタシタチノイキル辛さが理解できるはず
もないしなによりわたしの中の感情がゆるさないかずなのすべてはワタシしか理解できな
いあれでもさっき判らないなんていってなかったとんだおわらいぐさだ私だってアノこの
ことわなにも判っちゃいないわかっているのは病気のことくらいいえソレすらもよくはし
らないわねしっていたなら治っている筈あのこがわたしのところへ来たのとほぼどうじに
あのこは発病した病気がワタシの記憶を呼び覚ましたのそれともあれなぜだろうなにかが
ひっかかっている思いだせないNO思いつかないのだろうか大事な事だおもいだせおもいだ
せおもいだせおもいだせおもいだせおもいだせけれどやっぱりおもいだせないじぶんの脳
がうらめしい何か重要なことなのにあれむこうに誰かがいるあのこはさっき回想していた
病室のアノ子ええそうにちがいないでも何で泣いているんだろうかどうするどうするどう
するアレわたしはなにも考えてないはずなのにわたしの足とみぎてはカッテニ動くのなん
てうらめしいのでしょう我がシンケイたち無断で動いてるのではなくてよ事務しょに話を
とおしなさいでもふときがつくとわたしの思考とはうらはらにあしは彼女に近づきそして
その子は振り向いた
「朝食も食べずに何処へ行ってたんだ」
「朝餉ならば食べたじゃない」
「え?」
「……忘れて頂戴。ともかくこの服を見ればわかるでしょう」
「学校か。大丈夫なんだろうな、外に出て」
「ずっと篭りっきりのほうが身体に悪いわよ、あなたも外へ行ったら? 学校は今日で終
わりだけれども」
ああ、そうするよ、とあなた。
「でも朝からあれだけシテおいてよく身体が持つね」
どうやら今朝の事を根に持っているようだ。喜んで鳴いていたくせに。
わたしは席を立ち冷蔵庫へ向かって例のものを手にして、コレが何かわかるかとあなた
に訊ねた。
「これってもしかして」
「そう。貴方が今朝出したものよ晩に飲もうとおもって置いていたのよ」
それなら朝あれだけ続けて出す必要はなかったんじゃというあなたの当然の呟きを聞こ
えないフリをしてワタシはグラスにかかっているラップを外す。
「んふぅ、いい匂い。貴方も飲んでみる?」
当然あなたは嫌そうな顔。そんなあなたを尻目にわたしは一気にグラスを仰ぐの。
「ん…………ゴクッ、んぐ………………………………んむっ、っはぁ」
正直濃すぎて喉に何度も引っかかったのだけれど、
あなたの見ている手前吐き出すわけにもいかずに喉の粘液をさらにねばついた液体で流し
込んだ。
あなたに視線を戻すと
「あら、あなたのズボン、前が膨らんでいるわよ。これだけで勃っちゃったのね。ただ牛
乳を飲んでいるだけだっていうのに……………………この、変態っ!!」
御免なさい。許してね。でもあなたも悪いのよ、今の罵倒でズボンがビクって動いたの
を私は見逃さなかったわ。
モゴモゴとくちを動かすあなたに向かって
「今朝あれだけ出したのにまだしたいの?」
するとあなたはうつむきながらも首をたてに振った。
その仕草がとても愛らしくてまた抱きたくなったのだけれど私は
「そう」といって、和服を脱がず下着だけを下へおろす。そしてあなたに
「じゃあ一人で出来るわよね。私はなんだか疲れてしまったの。でもそれじゃあかわいそ
うだからこれをあげるわね」
わたしは手の中の下着をあなたの顔──主に鼻の部分ね──におしつける。
あなたの肺はズボンとの中のモノとおなじように眼に見えるくらい膨張したわ。
まったく、変態なんだから。
つい最近まで女性経験がなかったというのにもうこれじゃあ私はあなたの将来が不安で
仕方がないわ。
けれどその顔は私とできるとおもっていたのか落胆している。
立ち上がると私は足取り重く寝床へと歩き出す。
御免なさいね、今日は本当に疲れたの。また明日してあげるから許して頂戴ね。