あーあー…だらしないですね…  
 
座布団を枕代わりに、大の字に寝ているミーコを見て時生は溜め息をついた。  
例の如く徳田の料理をたらふく食べ、我が家に居るかのようにようにゴロリと横になり、そして眠りこんでしまったのだ。  
 
「ミーコさん!起きてください!ミーコさん!」  
時生は起こそうと試みた。  
しかし一向に目を覚ます気配はない。  
すぐに諦めた時生はテレビに視線を戻した。  
今からお気に入りのアニメが始まるのだ。  
 
しばしアニメに集中する。  
あっという間に至福の30分は過ぎ、時生ははたとミーコの存在を思い出した。  
まだ同じ格好で寝ている。  
「ミーコさん!いい加減起きてください!」  
今度は肩を揺すって声をかけた。  
「うー…ん…○☆*△#…」  
何やらむにゃむにゃ言いながらミーコは寝返りをうった。  
 
「…!」  
時生は固まった。  
寝返りをうった拍子にミーコが着ていたキャミソールの肩ひもがずれたのだ。  
華奢な肩が露になる。  
仰向けから横向きになったため胸には谷間らしきものも窺える。  
 
無意識のうちに時生は手を伸ばしていた。  
露になった肩から鎖骨、さらに胸元へ。  
初めて女性の体に触れた時生は、その柔らかさに夢中になった。  
そういえば荒九年も梔もミーコのことを美味しそうだと言っていたな…  
そんなことをぼんやりと考える。  
馬鹿げているとはわかっていながらも味わってみたくなり、ミーコの赤い唇に時生は口元を寄せた。  
 
 
まさにその時。  
「時生様!ミーコ殿!今晩の夕食は何がよろしい…」  
ハクタクが障子を開けた。  
時生は飛び退いた。  
ハクタクは一瞬で察した。  
真っ赤な顔をしている時生と、着衣の乱れているミーコ。  
 
 
やっと目を覚ましたミーコにハクタクは問い掛けた。  
「お疲れのご様子ですし今晩は泊まっていかれませぬか?明日の朝食も喜んでご準備させて頂きますが…」  
「ホンマ!?うれしー!じゃ家に電話しとこっと!」  
ただ一人何も知らないミーコは二つ返事でOKしたのであった。  
 
その晩、ハクタクは嬉々としておろしたてのシーツで床の準備をしていたという。  
 
 
【おしまい】  
 
ちなみに夕食はスッポン鍋だったそうです。  
 

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