「恒例のエロ本探しタイム〜」
「……だめに決まってるだろう」
武田の突然出されたの訳のわからん提案に呆れ口調で返した。
「え〜いいじゃないですか〜」
「よくねぇよ!」
今俺の部屋にはこいつと二人っきり、ほんの数分前に来たばかりだ。
なぜ来たのか、それを聞いたら『暇だから』の一言で済まされた。
まぁ、今日は部活も麦とのデートも何の予定もねぇし俺も暇だったからいいけどさ。
それはさておき。
「お前ッ、勝手にひとん家のベット漁るな!!」
きょーちゃんこと武田がベットの下に腕を入れ、何やら探っていた。
急いでベットから引き離すが、遅かった。
「見つけました〜」
にこやかにいいながら、片手にはエロ本が数冊しっかりと握られている。
「あぁっ!? 返せ!カエセッ!!」
取り返そうと声を張り上げながら腕を伸ばすも、ヒョイっと簡単に避けられてしまう。
「え〜何々。ぉお!?人妻、巨乳ものに…秘書もあるんですか〜、マニアック〜♪」
「ダァァァァッ!?お前いい加減にしろ〜!」
いいじゃないですか〜と笑いながら部屋を飛び回り、器用にエロのページを捲っていくきょーちゃんこと武田。
それを追う俺。傍から見たら面白いかもしれないが、俺からしてみれば面白くない。断じて。
「さぁ、追い詰めたぞ」
やっとのおもいという訳でもなく、あっさり部屋の隅に追い詰めることができた。