開かない。扉が開かない。  
何度試してもガチャガチャと音がするばかり。  
ドアノブをしっかり両手で握り、壁に片足を付き、踏ん張って、引く!!  
ガッっと鈍い音が響いた。  
「やっぱり開かない?」  
後ろから山口が聞いてきた。  
肩をすくめてみせる。  
「無理」  
「あちゃ〜…」  
この日は舞台道具を確認するために倉庫にいた。  
この倉庫の扉の立て付けの悪さは予ねてより知っている。  
当然、入ってから扉は開けっぱなしにしていた。  
しかし、確認に時間がかかり過ぎたのか…部長に命じられたのだろう、山口が来た。  
それがいけなかった。閉めるなよと言いかけたときには、山口がすでに扉を閉めていたのだ。  
何で閉めるのさ……。  
そして今に至るっと。  
「どうしようか〜」  
アハハと笑い声交じりだ。  
この状況わかってるか?  
「どうもこうも……助けよぼう」  
「携帯?」  
「持ってきてない」  
「わたしは部室に置いてきた〜」  
山口はにこやかだった。危機感が無いというか、能天気というか…。  
「待つよ、待つさ……」  
半ば呆れながら呟いた。  
どうして今日に限って、携帯もってこなかったんだろうな俺…。  
「そのうち誰か来るだろう…」  
「あ〜、それなんだけど」  
山口の申し訳なさそうな顔をしている。  
嫌な予感がした。  
「どうした?」  
「あ〜…帰っちゃたかも」  
「は?」  
「いや、だから…皆」  
はい?何ていった?今……皆って?  
予感的中。  
目の前が真っ白になった。  
 
 
「せ〜っの!!」  
先程から山口が扉を一生懸命に開けようと格闘している。  
一方俺は、舞台道具の入ってる箱に腰掛けそれを眺めている。  
と言っても山口に任せっきりと言う訳ではない。  
ずっと一人がやってても疲れるから、という理由で交互に交代しながらだ。  
「やっぱ駄目だ〜」  
「…そうか」  
呟きながら俺は天井を見上げる。  
スリッパで歩くときの地面を擦る独特の足音が隣まで移動してきて止まった。  
「な〜んか変な感じだね」  
「んぁ?」  
「イヤほら二人でいるのって」  
ここ数ヶ月の間、山口と二人っきりになったことが無い。  
いつも他の部活メンバーか誰かが必ずいた。  
「こういうのベタだよね〜」  
女子と二人っきりで倉庫か何かに閉じ込められること。  
まぁ、確かにベタだ。そんでもって美味しいシチュエーション…。  
「…次俺だな」  
頭によぎった危ない考えを打ち消すかのように呟いて、扉へ向かった。  
「頑張れ〜」  
「おう」  
ドアノブをしっかり握る。  
 
いろいろと試してみるもやっぱり開かない。  
蹴破ってやろうかと思ったが、そう簡単にいかなさそうなのでやめた。  
舌打ちをして扉にもたれ掛かる。  
「叫んだほうがいいかな?」  
山口の提案に首を横に振って答えた。  
「恥ずかしいだろ」  
「…そりゃそうだけどさ」  
「一度は開いたんだから開くはず。少し休んでからまたやってみる」  
腕時計を見ると針は五時を指していた。いつの間にか時間が経っていたらしい。  
「よいしょ」  
山口が隣に移動してきた座った。  
「何だ?」  
「ん〜、何でも無い。なんとなく」  
あぁそうか、と返事をしながら自分の顔が火照っていくのがわかる。  
こうしてみると山口は結構可愛い顔をしている。  
誰にでも好かれる明るい性格。ちょっと天然なのが玉に瑕だが…いや、逆にそこがいいのか?  
「ミケ。大丈夫?」  
大丈夫じゃない。こんな近くにいるだけでかなりの破壊力だ。  
「あぁ…」  
平静を装っていても内心動揺している。  
理性の枷が少しずつ壊れ始めている。  
「体調悪い?」  
そう言いながら山口は俺の額に手を当てた。顔だけじゃない。全身が熱い。  
「熱は…ちょっとあるかな〜」  
心配そうな顔をしてこちらを覗き込む。心臓がドクンと跳ねた。  
「だ、大丈夫だ。大丈夫」  
当てられた手を払いながら、自分の手が震えていることに気が付いた。  
不味い。これ以上は本当に不味い。  
「ミケ?」  
キョトンとした様子でこちらを見ている山口。  
それを見た瞬間、どこか遠くで何か壊れたような音がした。  
 
俺は山口を押し倒した。  
顔を寄せ唇を重ねる。びくんっと山口の身体が大きく震えた。押さえつけた腕に力が入る。  
柔らかな感触。  
悲鳴なのか。くぐもった声が届いた。  
 
唇を離せば銀の糸が二人を繋ぐ。見下ろす視線の先に、引きつった顔の山口が俺を見上げていた。  
「ナニして…」  
震える声。怯えた目。スベテが停止したかのような表情で俺を見る。  
視線を目から逸らさずに右手を山口の太腿へと運ぶ。  
「ちょ、止め…」  
そう言いながら手足をバタつかせ身を捩り、俺から逃れようとするもお構いなしに撫で回す。  
山口の太腿はすべすべとしており掌に吸い付くようで、非常に心地よい。  
右手を太腿に沿って上へと滑らせ、スカートの中に侵入させた。  
「…ヤダ……」  
スカートの中は熱っぽくそれでいて湿り気が充満していた。  
熱気と湿気の源を求め、スカートの中をまさぐる。  
それはあっけなく見つかった。  
下着越しに山口の秘所を指で軽く擦ってみる。  
「ぁあっ!?」  
山口は艶っぽい声をあげ、一瞬身体を強張らせた。  
抵抗もその瞬間だけ止んだ。がすぐにまた身を捩じらせ逃れようとする。  
気のせいかさっきよりも弱々しく感じた。  
下着の中へ指を入れ、先程よりも強く擦る。  
「ッ…ぁ…」  
山口は口をパクパクとさせ何か言いたそうな顔で見つめている。  
「なに?」  
こちらにも余裕が出てきたのだろう。そうでなければ聞けない。  
「……いい。なんでもない、よ」  
消え入るような声そう言うと山口は一切の抵抗をやめた。  
何もしなくなったし、言わなくなった。  
 
ならばと彼女の秘所を覆っていた下着を脱がした。両手で膝を掴み、左右に力をこめる。  
するとそれは何の抵抗もなくあっさりと開いた。  
指先で陰唇を開き、顔を近づけていく。  
「え、そこ…」  
「いいからいいから。気持ちよくはしてやるからさ」  
指でクリトリスを中心的に攻めながら膣内に舌を差し込む。  
愛液と唾液を混じらせる。  
いやらしい音が響く。  
「あぁ!?ミケ、だめぇ…」  
それは普段の彼女からは想像も出来ないような声音だった。  
こんな声が出せるのか…。  
山口の喘ぎ声と濃密な雌の香りに興奮したのか……自分のモノも隆起し始めていく。  
 
「そろそろ良いかな…」  
愛撫を止め、ズボンの下で痛いほどに膨張していた自身のモノを取り出す。  
「それじゃいくぞ」  
「ア…う、うん」  
愛液で十分に潤った秘所へ膨張しきった自身のモノを宛がう。ゆっくりと膣内へ侵入させる。  
きつい肉壁と締め付けを感じた。あまり激しく動けそうにもない。  
これで激しく動こうものなら自分はすぐに果ててしまう。  
山口の背中へ腕を回し、しっかり支える。  
「っ…ん〜…」  
片手で口元を覆い、声を必死に押し殺そうとしている彼女はものすごく扇情的だった。  
それを見た俺は少し意地悪く  
「大声で喘いだら?」  
と耳元で囁いた。  
山口は眉間に皺を寄せ、うっすら涙の溜まった瞳でこちらを睨み付けてきた。  
怒ってる怒ってる。  
だがそれは俺の嗜虐心を駆り立てることにしかならない。  
耳たぶを甘噛みすると可愛い声を漏らした。  
「ふぁ…ッはぁ…」  
ぞくぞくする。家やラブホテルでするのとは全然違う。  
学校でするという背徳的な行為がこんなにも愉快で興奮する事だとは思わなかった。  
 
少しずつ、ゆっくりと前後に腰を動かし始める。  
突くたびに山口のくぐもった声が漏れた。  
「可愛い」  
感じたことがそのまま言葉に出た。必死に声を抑える彼女を見てそう感じたのだ。  
普段とは違う淫靡な可愛さ……とでも言うのだろうか?  
「ひゃぅ!?ミっ…」  
腰を動かす速度を次第に増していく。  
山口は俺の背に手を回し、服をしっかりと握った。  
「ミケ!…ミケぇ!!」  
彼女に対する気遣はいつの間にか薄れていった。ただ己の欲望を吐き出すことに専念した。  
「いっ…ぁん、ふわっ!ぁあ!」  
徐々に激しくなる山口の嬌声に比例してこちらの快感も増したいく。  
動きを終極に向けて更に早める。  
「もう、出そう…」  
強く、思いっきり奥に突き入れ、動きを止めた。  
身体を震わせ彼女の膣内に白濁とした粘質性の液体を注ぎ込んでいく。  
「あ、つい…ミケの、が…あぁ……」  
山口は俺の腰に脚を絡め、一段ときつく締め付けてきた。  
「山口!?そんな。されたら…」  
あまりの快感に数度意識が飛びそうになるも、なんとか必死に耐える。  
白濁とした液がとめどなく放出される。  
やがて全てを出し終えると山口の上へ倒れこんだ。  
二人で繋がったまま行為の余韻に浸った。  
 
「ごめんな…無理やり」  
「いいよもう。溜まってたんでしょう?」  
その後、疲れ果てた俺達は壁を背に並んで蹲っていた。  
「でもさ…」  
欲を抑えきれずに襲ったっていうのに、山口は優しい顔をして俺の頭を撫でてくれた。  
自分が物凄く情けなく感じた。最低だ。  
「いいのいいの。次はちゃんと言ってね。後、変なこと言わないの。」  
その言葉を聞いた瞬間目から涙が溢れ出た。  
あんな事をしたのに……山口をまともに見ることができなかった。  
「ごっめん、ごめ…っなさい」  
「あぁ泣かない泣かない」  
山口は俺を抱きしめ、子供をあやすかの様に背中を摩った。  
それから暫くの間、山口の胸に顔を埋めて泣き続けた。  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
嘘泣きだけどね。  
 
終わり  
 

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