月下の光が辺り一面を照らす頃、
満点の夜空の中にはっきりと浮かぶ大三角形。
私はその三角形を不敵な微笑を浮かべ、詰るように指でなぞってみる。
アルタイル、ベガ…
星々を辿るにつれ、甲斐君は次第に呼吸が荒くなって行く。
甲斐君の苦しむ姿を見ていると森羅万象、全てから開放されるようだった。
― 快感が止まらない…
呼吸も鼓動も全て私の物になる。
「麦…もうやめっ…」
私は涙を浮かべる甲斐君に刹那の笑顔を浮かべる。
―――――やめない…