「ここがチビメガネの部屋か〜」
「あまりじろじろ見ないでくださいよ」
「はいはいっと」
夏休み。僕たち二人は一緒に宿題をすることになった。
まさか神奈さんに「宿題に協力して!」なんて、
頼まれるとは思ってもいなかったけど。
で、何故僕の家なのかというと、麻井さんと甲斐さんは今日
用事があるとか。
川崎さんには頼みにくいそうで。
まぁこの日都合がいいのは僕だけらしい。
「クーラーいれますね。寒かったら言って下さい」
「うん」
エアコンのリモコンを手に取り、操作しながら机の前に座る。
向かいには神奈さんが座った。
「宿題宿題っと…」
神奈さんはバックの中から教科書、
宿題のプリント、ノート類を取り出した。
「飲み物取ってきますね」
「ほい」
部屋を見渡すと…結構広い。
窓際にベット。
その隣に勉強机。パソコンがおいてあり、綺麗に整理されている。
さらに隣の棚には本類が、これまた綺麗に並べられている。
……特にインテリアに凝ってるようでもない。
部屋にある物はきちんと、それぞれ相応しい場所に納まっている。
「さ〜て」
部屋を物色する。
勉強をする気なんてさらさら無い。
目的はアレ。
健全な男子なら誰もが持ってるであろうアレだ。
チビメガネはどういうものを見てるだろう?
まずはベタな隠し場所。ベットの下へ手を入れる。
すると、何かに触れた。
え?まさか一発で?
手に触れたそれを取り出してみると……。
「…あった」
エロ本。
「爆乳って……」
うわ、チビメガネ何見てるんだよ…。
少し呆れながらページを適当にめくってみる。
そこには大きな胸を、強調するポーズをとってる女性が写っていた。
「うは〜…」
半分くらい見終わったそのとき。後ろの方でガチャリと音がした。
「麦茶でい…」
振り向くと、丁度扉を開くチビメガネがいた。
「ちょ、それは!?」
「こんなの見るんだ〜」
ニヤつきながら、本を片手にひらひらと見せ付ける。
「い、いいでしょう別に!というより何かってに…」
「ブッ…」
あまりの慌てっぷりに吹き出してしまった。
そこまで慌てる必要はないと思うのに。
「か、返してくださいい!」
「はいはい」
本を差し出すと乱暴に取り上げられた。
「まぁ、健全な証拠じゃん」
「っ!!」
顔を真っ赤にさせこちらを睨みつけてくる。
「胸大きいの好きなんだね〜」
「いや、別にこれは…」
いちいち反応がおもしろい。
もっと苛めたくなるじゃないの。
「ひょとして他にも〜」
再びベットの下へ手を伸ばす。
するとチビメガネは「あぁ、ちょ、ちょっと」と情けない声を
上げながら必死に止めようとする。
「やめてほしい?」
聞くと力なく「はい…」と答えた。