―――深夜の九洲、狗根国より奪還して久しい耶牟原城。
その一室では、今夜も甘い嬌声と、肌と肌がぶつかり合うことで飛び散る
愛液の音が、淫らに響きわたっていた。
「んんっ、くんっ、あっ、ふあぁっ、九峪さまっ、九峪さまぁっ・・・!!」
「くぅっ、香蘭っ、いくぞっ!どこに出して欲しいっ!?」
「こっ、香蘭のっ、香蘭の中に・・・お○○○に、ドピュッ、ドピュッて出してほしいよっ!!」
部屋の中央にある白い寝具の上には、まだあどけなさの残るかつての女王候補香蘭と、彼女の腰を
掴み、後背位で激しく攻め立てる九峪がいた。その顔は、教え込んだ淫語を使いながら自ら腰を振り、
悩ましげに自分を見つめてくる少女の艶姿に緩みきっている。
耶麻台国の人々にとって神の遣いであり、また同時に救国の英雄でもある九峪。その実年齢からは
想像し難い知略を持って、九洲を占拠していた狗根国を一年足らずで打倒した彼は、耶麻台の復興後、
この国のシンボルとして崇められていた。
「よぉぉし、出してやるっ!しっかり孕めよっ、そらぁっ!!」
しかし、表向きには大人物である九峪も、一皮向けば単なる女好きの好色男。
九洲奪還戦争の間、彼は出合った女王候補やその関係者、また自主的に入軍した
数多くの女性達を、高い計算と甘い言葉で虜にした後、十人以上と肉体関係を結び、
今でもなお彼女達と、毎夜の如く交わっていた。
「あっ、いくっ、いくぅっ!!香蘭、九峪さまの精子でっ、んはああぁぁぁっ!!!」
膣内に大量のザーメンを放出された香蘭は、その背をぴんと反らし、絶頂へと登りつめた。
「ふぅっ、ふぅっ・・・香蘭、愛してるぞ・・・」
「んあ・・・九峪さまぁ・・・香蘭も、香蘭も、九峪さまのこと愛してるよ・・・」
惚けた表情の香蘭を仰向けにすると、その豊かな胸を両手で揉みしだきながら、優しく唇を
重ねる九峪。香蘭もそれに応えるように、九峪の背へと手を回し、その身体をしっかりと
抱きしめた。
「・・・ぷぅ・・・じゃあ、次は香蘭が上だ」
「九峪さま、まだ香蘭としてくれるのか!?香蘭、とてもうれしいよ・・・!」
「そっか・・・可愛いな、香蘭は」
九峪は、嬉しさと期待に目を輝かせる彼女の頭を優しく撫でる。しかし、その行為
とは裏腹に、彼の心にはどす黒い思考だけが浮かんでいた。
―――ったく、この世界の女ってのはチョロいよな。変にスレてねぇから、ちょっと
優しくしてやりゃ、簡単に落ちやがる―――
自分に跨り、腰を使い始めた香蘭を見ながら、九峪はほくそえんだ。
「九峪さまっ、んっ、気持ちいいかっ?香蘭の身体、気持ちいいかっ・・・!?」
九峪の心情も知らず、ただ愛する男に喜んでもらおうと、香蘭はその身体を激しく揺らし、
よじり、少しでも多くの快楽を与えようとする。
―――九峪さまっ、香蘭の大切な人・・・香蘭に、とてもとても優しくしてくれる人・・・
ずっとずっと傍にいてくれるって、言ってくれた人・・・香蘭、九峪さまのこと、大好き―――!!
香蘭は倉庫の中で、彼に処女を捧げた時の事を思い出していた。
狗根国との戦いも佳境を迎えた頃、部下とのコミュニケーションが上手くいかずに
落ち込んでいた自分を、優しく励ましてくれた九峪。それが九峪の計算だとも知らず、
香蘭はそれ以来、彼を喜ばせたい一心で戦い、他の女王候補同様、凄まじい戦果をあげた。
「ああっ、いいぞ香蘭っ!!」
「うあぁっ!!!」
ボルテージの上がってきた九峪は、自らも腰を突き上げ、貪欲に香蘭の膣内を貪る。
「九峪さまっ・・・九峪さまっ・・・」
愛する九峪に抱かれているという喜び、そしてあまりの快楽に、香蘭は泣き出していた。
「香蘭っ・・・いくぞっ!!」
「あっ、はぅっ、九峪さまぁっ、うああぁぁぁっ―――!!!」
手をしっかりと握り合った二人は、再び同時に果てた。
「・・・はぁ・・・次は・・・はぁ・・・こっちだ・・・」
「ひゃっ・・・!」
自分の上で荒い息を吐き、ひくひくと震える香蘭の菊座に指を這わせながら、
九峪はこれ以上ない邪な笑みを浮かべた。
―――香蘭もかなりこなれてきたな・・・そろそろ紅玉も混ぜて、親子どんぶり
でもやってみるか?くくく・・・―――
そして二人のまぐわいは、日が昇るまで延々と続けられ、その行為は
警護のため屋根裏に潜んでいる清瑞の嫉妬心を、毎度の如く激しく
燃え上がらせるのだった―――。