私が琉耶君に「鳥かご」と呼ばれる部屋に監禁されてからどれくらいの時が過ぎたのだろう?
今、私はベッドの中でぼんやりと目を開く。
隣には琉耶君が静かな寝息を立てながら眠っている。
(今なら出れるかな…?)
そう思った…けど、すぐにそれは無理だという事を思い知る。
眠ってもなお、琉耶君が私のことを離さないからだ。
まるでお気に入りの人形を片時も離さない子供の様に私を離さない。
彼の寝顔をそっと覗き込む。
(穏やかな寝顔、私を監禁して抱いた人には見えない……)
彼の唇に目をやると、あの時始めてキスをされたことを思い出す。
琉耶君の言う通りまだ彼を好きということと、彼のボロボロの心に止めを刺したのが私だとわかってしまったあの瞬間…。
悲しい表情をするしかなかった……もう私の知ってる彼や私の知らない彼には戻らないのだから。
琉耶君の涙を見たとき私は抵抗する事をやめて彼を受け入れた…いや、受け入れざるおえなかった…。
壊れかけてた彼の心を壊したのは本当の事を伝えなかった私だから…。
「………琉耶君、ごめんなさい。」
そう彼に小さく囁くと私は彼の胸の中でまた深い眠りに付く…。
忌まわしい男子校の中に来た綺麗な渡り鳥…。
だけどもう何処にも渡る事は無い、俺がその美しい鳥を捕まえて鳥かごに入れたから。
彼女、菜々美を鳥かごに閉じ込めて随分経つ。
夢うつつの中、菜々美がなにか俺に言ったような気がした、だけど彼女は俺の胸の中で静かな寝息を立てて眠っている。
そんな彼女の寝顔をそっと覗き込む。
(すごく綺麗で愛しい…。)
そっと唇に触れると俺が彼女を初めて汚したあの時を思い出す。
「君を愛で続けるよ……」
その後また彼女の唇を奪った最初キスとは比べものにならないくらい深く深く堪能した。
彼女の服を脱がした俺は首筋、白い胸やその先にあるピンク色の蕾…様々な場所にキスや愛撫しては紅く恥じらう彼女の反応を楽しむ。
「あっ…琉耶君、恥ずかしい…。」
「恥ずかしがることはないさ、此処には君と俺しかいないんだから。」
耳元で囁くと俺は彼女の下にあるふっくらとした茂み手を伸ばしその割れ目に指を這わせる。
「………あっ!」
ビクッと菜々美の身体が強く反応する。
「ふふっ、やっぱりここが一番感じるんだね…。」
「違い…ます…。」
「違うって?そう否定する割には君の身体は俺の指を受け入れているみたいだよ?」
俺は菜々美の耳元でまた言葉攻めをする。
「それは…リ…琉耶…くんが指でわ、私の大事な所を掻き回してるからッ」
彼女が感じる事を否定をすればするほどいやらしい水音が部屋中に響き渡る。
「じゃあ、指はやめるよ。」
俺は潤いを帯びてきた彼女の秘部から指を引き抜くと、未知の快楽から解放されてホッとした菜々美にこう囁く。
「今度は俺自身で君を掻き回してあげる……。」
「えっ…!?」
その直後、彼女の潤った秘部に自身を宛がった安堵の表情が苦痛に歪む。
「ッ………」
「ああ…やっと、一つになったね菜々美、苦痛に歪む顔も可愛いよ」
可虐心を駆り立てられた俺はさらに彼女の中に自身を進める
「琉…耶くん、や…あぁん」
「大丈夫、痛いのは最初だけだよ…それに君の乱れた表情をもっとみたい…」
痛みと快楽に揺れ動く彼女の瞳と唇が潤いを帯びる度に理性が少しずつ溶かされてくるのを感じる。
「や…くん、ンッ」
堪らずキスで彼女の言葉を遮る。
ひたすら菜々美の最奥を突く、それに答える様に響く水音と俺と一緒に快楽を求める彼女の腕…。
「菜々美、もっと俺だけを求めて…求め続けて…。」彼女の唇から離れる度にこの言葉が出る。
「はぃ、リュ…ウヤ…くん」もうお互いになにを語ってるのかわからない、ただ名前を呼ぶことはやめられない。
「菜々美、俺と…一緒に墜ちてくれるね…」
コクんと首を振った瞬間彼女の中が更に俺自身を絞り出す様に引き締める。
彼女の最奥で自身が放たれる…お互い同時に頂点に達した瞬間だった。
行為を終えた後、初めて汚した証として菜々美に返したハンカチで精液と愛液に塗れた血を拭った。
(あの時、君の世界は俺だけになって俺の世界は君だけになった…)
俺はそっと眠り込んでる彼女の髪を撫で下ろす。
(俺が本当の俺でいられるのは君の傍に居るときだけ…。)
愛しさのあまりにまた抱きしめたくなる。
(菜々美、汚しても汚し足りない愛しい人…この俺を愛し続けてくれる大切な人…。)
彼女の寝顔に甘いキスをしながらそっと囁く。
「俺はこれからもずっと鳥かごの中で君を愛で続けるよ…だから、君も俺だけを求め続けて欲しい…本当に愛してるから菜々美…。」