「いやぁ〜〜〜〜さっぱりした〜〜〜〜!」
シャワーを浴び終えて、腰にバスタオルを巻いたままの姿で出てきたハヤトを見て、アザミがクルリと背を向けた。男の身体を生で見るのは本当に久しぶりだった。それも、この前見たときもハヤトだったんではないだろうか?
「おまちどー、もういいぞ〜」
タオルで髪の毛を拭きかきながらアザミに告げる。
「しっかし、お湯が使えるってのは不幸中の幸いだな〜」
「そ、そうね、じゃぁ…、あ、着替え そこに出しておいたから〜」
アザミは自分の着替とタオルを抱えていそいそと浴室に向かう。
「おお、サンキュー〜」
ハヤトは、髪の毛を後ろで纏めているアザミの後ろ姿を見て
(なんだよ〜男のくせに、気持悪いな〜)そう思い、ちらりと洗面台の鏡を介して脱衣場のアザミを覗き込んだ。
そこには背を向けてちょうどブラジャーを外そうとしているアザミの姿が見て取れた、形のよいヒップが白地にブルーの横縞模様のショーツに包まれている。それが、か細くくびれた美しい腰の下で振れている…。
「え?、えぇぇぇ?」
アザミがショーツを脱ごうと上半身をかがめたとき、大きくはないが確かに女のものとしか思えない胸の膨らみが、引力に逆らわず美しく湾曲したラインを見せながら揺れているのを目にした…。
「あ、あいつ…女じゃん・・・・」
そう呟いて後ろを振り向いた…。
アザミは髷を解きセミロングの髪をなびかせると、そのまま頭から湯を浴びた…。
シャワーの心地よい感触を全身に受けながら暫くそのままの姿勢で考える…。
(このまま、ここでハヤトとずっと2人きりになるかも・・・)
ハヤトが彼女を女だと一旦意識しだしたら、成り行きで男女の関係になるのは絶対的に明らかだった…。いや、それ以前からアザミ自身がそう感じていた。そもそも、ハヤトのことは彼が赴任してきたときから気にはなっていた彼女だったのである。
そう、ひまわりの気持を知るまでは…。
彼に迫られたら拒めないな…、アザミ自身、口では『借金男』だの『ダメンズの権化』だのバカにしていても、それはひまわりの手前の虚勢に過ぎず、ハヤトが自分の好きなタイプの男なのは否定できなかった。
(ま、いいか・・・)
アザミはどうにでもなれ…そんな決心に似た思いで考えに区切りをつけるとシャンプーを手にして髪になでつけた…。
ロンドンのMI-6本部。情報分析セクションのオフイスに、Mが少し大股で歩きながら現われた、上級分析官のロビンソンのところに歩み寄る。
「マァム…こんな家畜小屋に…珍しいですね?」
少々皮肉っぽい挨拶に微動だにせず、右手に掴んだ紙片を彼に突きつける。
「ミスター・ロビンソン…、この座標について、この時間帯の衛星画像を動画にして私に送って頂戴・・・」
「はい?」
訝しげに紙片を受け取るとそのGPSコードを端末のキーボードに打ち込んだ。
数秒も待たずにディスプレイにはヨーロッパを中心にメルカトル式に書かれた世界地図が表示され、最も右端のグリッドが赤く光り、クローズアップされる。
「日本・・・ですね。こりゃまた何で…」
「いいから可及的速やかに処理して頂戴!」
「し、しかし、この時刻だと…あいにくうちの衛星では無理です…。CIAの協力が必要ですよ…」
「なら、そうしなさい!」
すでに後ろ向きで出口に向かいながら、Mは吐き捨てるように言って部屋を出た。
ハヤトはベッドに横になって壁を睨んでいた…。
アザミが女かもしれない…そういう事実と、これからどうやって『元居た世界』に戻ればいいかの思いが頭の中で交錯して目眩がしそうだった。
「なぁ〜に よぉ〜? 先に寝ちゃったの?」
振り向くと、頭をタオルで包み、大きめのTシャツ一枚だけを羽織ったアザミが笑って立っていた。レーシングスーツの時より明らかに胸の膨らみは目立っていた。裾からは僅かに上気しているが白くて細長い脚が露わになっていた。ハヤトは生唾を飲み込む。
慌ててまた壁のほうに振り向くとハヤトは堅い口調で言った・・・。
「お、おまえ、何だよその格好は…」
「え?何だよって?・・・何が?」
アザミは頭に巻いたタオルを解き、それで髪の水分を拭いながら横目でハヤトを見る。
Tシャツの襟がずれて露出している少し日焼けした肩が色っぽかった。
「お、男なんだろ?だったらもっとそれらしい格好をしろよ!、き、気持ち悪いじゃないかよ・・・」
アザミは何も応えず、そのままベッドに滑り込んでハヤトの左手を掴むと、自分の胸に当てた・・・。ブラジャーをしていない女の胸の感触だった。
「ぅあぁぁぁ、だぁっ、な、何の真似だ〜〜〜」
慌てて飛び起きるハヤト。
「あたし…男じゃない・・・って」
「ええ?」
アザミは毛布をはだけ膝立ちになって、ハヤトの目の前でTシャツを捲って見せた。
ライトグレイのチェッカー模様が入った木綿のビキニショーツに包まれた女の下半身が現れた。
暫く眼を釘付けにされたハヤトは慌てて目線を天井に向けると言葉に詰まった。
「ね?、オチンチンついてないでしょ?」
「わ、わかったから、ちゃんと着ろ…」
「何?ドキドキしちゃった?」
アザミは悪戯っぽい表情でハヤトの顔を覗き込むようにして上半身を回り込ませた。
湯上りで上気した顔が色っぽかった。仄かに香る石鹸の匂いがハヤトの劣情を煽った…。
その時、アザミは左手でハヤトの股間を軽くなでた。ハヤトの部分は正直に欲情の意思をその硬度で示している。
「お、ぉ〜〜い! ふ、ふざけんなっって!」
ハヤトは体を丸めて防御に出た。
「きゃッはぁ〜、カワイイ〜照れてんの〜?」
「バカ野郎!大人をからかうんじゃない〜」
「そっちこそ何よぉ〜本当にあたしを男だって思ってたの?失礼しちゃうわね〜」
「だ、だって…しきみがそう言ってたし、お、お前だって『アタシは男子校の生徒でもある!』とかなんとか言っちゃってたくせして…(ブツブツ)」
そりゃ、もう二年も前の話だ…。
「常識的に考えて、第二次性徴過ぎた男の子がこんな美少女に変装できると本当に思ってんの?」
「18歳の男子が、ヒゲも生えないし声変わりもせず…そんなことあるわけないじゃんかさぁ」
「見てよこの綺麗な脚〜、脛毛の一本だって生えてないでしょ?」
アザミは片方の脚をつま先立ちさせて手で撫でて見せた。
「そ、そりゃ忍者だったらそのくらいの変装は…、それにお前だってそれらしく振舞ってたじゃないかぁ…」
「だから〜『敵を騙すにはまず味方から』って言うじゃない?・・・二重スパイのイロハでしょうよそんなの…」
「わ、分かったよ…だから、その、少し離れろって・・・」
「どう?私に女を感じた?」
そんなことは先ほどの股間の硬度で承知の上だった。
ハヤトの言うことは無視して身体を寄せ付けるアザミ…。根っからの『S』体質の彼女がこのハヤトの反応に刺激されない筈がなかった。徐々にエスカレートしていく。
「あ、ぁぁぁ、か、感じた、感じた、だ、だから離れろって」
「ひまわりと比べたらどっちが好み?」
「ば、バカなこと聞くな」
「ハヤトせんせ〜…せっかく2人きりになれたんだよ?・・・もっと仲良くしようよ…」
そう彼女は独特のハスキーボイスをさらに掠らせる様な口調でそう言うと、ハヤトの頸筋に頬を擦り寄せる。
「こんなことになっちゃったの・・・アタシの所為だもんね・・・だから、お詫びしてあげる・・・」
ハヤトはとうに理性の箍が外れかかっていて抵抗する気がどこかに行くのを悟った。
アザミの左手はいつのまにかハヤトのブリーフの中に潜り込んでいて、巨大に膨れ上がった『欲棒』を掴んでいた。
先走り汁を親指の腹で掬うようにして亀頭全体をグルグルと弄んでいる。
(お、おっきい〜)
アザミはハヤトのそれが想像を超えた逸品であることに気づくと、好奇心と旺盛なスケベ心が、はやる気持ちを抑えきれずに行動へと押しやるのに抗えなかった。
しかも、久しぶりの『男』の感触だった。
「あ、うぅぅ」
ハヤトは曇るような小声で唸ると股間に感じる快感を素直に受け入れた。
アザミは暫く彼の項や耳を舐めるようにキスしながら『手コキ』を続けるとハヤトが声を荒げて反応を示し始めたことで意を決し、スウエットのズボンを脱がせ、上半身をクルリと翻すとハヤトのペニスに舌を這わせる。
「センセ・・・おっきい〜」
「あ、アザミぃ〜〜〜〜」
アザミの鋭く尖った舌先がハヤトのペニスの先を這いまわり、言い知れぬ快感に声を上げるハヤト・・・。やがてそれは茎の腹から子袋の裏側にまで及び、ついには肛門まで辿り着いた。
アザミほどの美少女にこんな風にされて抵抗できないのは仕方がねぇよな!いいよな!俺が悪いんじゃないよな!などと自分に言い訳をする・・・。
アザミは存分に舌技で攻めた後、今度はその柔らかな唇で亀頭をパクリととらえ、これまた抜群の吸引力を駆使したフェラチオを始めた。
(ハヤトったら〜すっごい〜すっごいよ〜コレ〜)
脳内で感嘆の声を上げながら彼女も興奮が高まってくるのを感じた、舌や唇や口蓋の奥でこの逞しい肉茎の味を堪能した。
ハヤトも膝立ちで高くそりあがったアザミの下半身を見ながら、左手で太ももの内側の柔らかい感触を楽しんだ後、ショーツ越しに彼女のプクリと膨らんだ敏感な部分を指でなぞって刺激する。
薄らとした湿り気を確認すると、ショーツの腰ひもに指をかけ丁寧に下げ陰部を露出させた。
アザミのそこは小陰唇が隠れ閉じていたもののテラテラと光るものが満ちていた。
ハヤトは優しく撫でるようにして上下させると、ゆっくりと指でそれを割った。
「ムムンっ!」
ハヤトのペニスを口に含みながらアザミが腰をゆすって悶えた。アザミは右足を器用に上げるとハヤトの上半身を跨ぐように姿勢を変え、彼の顔の正面に股間が来るようにした。
ハヤトも長い舌を伸ばし、クンニリングスで応じる。
(あぁぁぁぁ、)股間に痺れるような衝撃を感じる、(オシッコ漏れそう〜)そんな感触で暫くフェラチオを中断するアザミ。
(こ、こんな・・・久しぶりっ)頭の中で快感を噛みしめる。もうひまわりに遠慮なんかできない…。
ハヤトは可能な限り接触面を小さくとりながら舌先で転がすようにアザミの『突起』を刺激した。そうかと思えばグイグイと押し込むように強く舐める。それを交互に繰り返しつつ、指で『もうひとつの穴』を攻めた。
アザミはペニスを頬張りながら、背筋に感じる涼しい電撃で何度も逝きかける…。フェラチオもハヤトの腰の突きあげを受動的に合わせるだけの半ばイラマチオ状態だった。
たまらなくなったアザミはペニスを吐きだすとハヤトに振り向いて懇願した・・・。
「せんせ、これちょうだ〜い・・・
アザミは仰向けになったハヤトの腰の上にまたがり、薄目がちに開いた眼で彼を見つめながら、左手を添えてペニスを股間に当てがい、2、3度前後に揺すると雁首までをヌルリと咥えこませる。
「あぁ・・・はぁっ」
美しい顔を歪ませ、掠れた声を漏らしながら腰をゆっくり沈めると、ジュクジュクと淫らな粘液を溢れさせながら胎内にペニスを飲み込ませていった。
ハヤトは両手を伸ばして小ぶりだが形のいい乳房を揉みしだきながら、亀頭が柔らかな肉壁を押し広げていく感触を楽しんだ。
「あ、す、すごい〜〜〜〜届く〜〜〜〜っ」
「こ、こんなのは じ め て ぇ〜〜〜」
すっかり腰を落としこんだところで、アザミは腰を前後に揺する。
彼女の恥骨のあたりを支点にして、テコの要領でハヤトの『先端』が大きくアザミの膣内で振れる。
先端が子宮口を弾く様な動きで刺激する。単なるピストン運動では得られない快感で互いに気が狂いそうなくらいに感じ合う。
極度にクリトリスが感じ易いアザミはハヤトの根元で擦りあげられて一足先達すると、その快感は大きな波になって何度も何度も押し寄せてきた。
「せ、ん、せ!、・・・せ、ん、せ!」
「あざみぃ〜〜〜、あざみぃ〜〜〜」
必死に互いを呼び合う二人・・・。
一度『逝った』アザミの膣は、まるで吸盤のようにハヤトのペニスに吸いつき、心地よい圧迫感を与え続けている。
また、時折亀頭の敏感な部分で感じるザラザラとした感触が筆舌に尽くしがたい刺激で追い打ちをかける…
(こ、これってカズノコ天井じゃん?)
そうこうしてるうちにハヤトの高まりも限界に達しつつあった。
「で、出そうだ〜〜〜〜」
アザミは何も言わなかった、その代わりに上体をハヤトに被せ、キスをせがんだ・・・二人の腰の回転がさらに激しくなる・・・
ハヤトは、彼女の柔らかく細い舌を吸いながら、それが『中出しの了解』だと受け止め、
身体を起こすと彼女を抱き絞め体面座位の姿勢でさらにグラインドを激しくして突きあげる。唇は離さなかった。
もう、だめだよ〜とばかり、彼女に激しく舌を吸われたとき、ハヤトは手でアザミの尻を思い切り自分の股間に押しつけるようにして腰を突きあげ、熱い迸りを一気にぶちまけた。彼の頸に回してるアザミの細い腕が強張り震える。
自分の送った体液が、まるでアザミの口を介して戻ってくるような不思議な絶頂感で二人は同時に果てたことを知った…。
その晩、ハヤトはアザミの体内に『生命の絆』をあと二度程送り込むことになった・・・。