ジワジワと蝉の声が響く森の中、そこを徘徊する二つの影。
一つは、長く美しい淡黄色の髪を高い位置で左右に分けて縛っている、褐色の肌の少女、ヒメジのもの。
そしてもう一つは、栗色の髪を左側頭部の高い位置で縛っている、つり目の少女、のように見える少年、あざみのものである。
二人は、揃いも揃って水着姿で森の中を彷徨っている。
まぁ、どんな水着なのかはOPを参照してもらうとして、なぜこのような格好なのか……。
二人は探し物をしている。
元々二人は、ひまわり、しきみ、ゆすら、ハヤト、米澤君、ついでにモモ太というお馴染の面子と連れ立って、湖で避暑と洒落込んでいた。
到着直後はテンションも高く、はしゃいで泳ぎまくっていたのだが、そんなものは長続きするわけもなく、
やがて泳ぎ飽きた頃にビーチボールでバレーもどきと興じようという話になり、
二人の世界に入っているゆすらと米澤君(とモモ太)に、パラソルの下で休憩するしきみを除いた、四人で開始した。
まではいい、まではいいのだが、サーバーをヒメジに任せてしまったのが良くなかった。
いまいち加減と言うものを理解していないヒメジは、ほとんど空気の塊と言っていいビーチボールを、
こともあろうに、持ち前の馬鹿力で思いっ切り打ち上げてしまったのだ。
当然打球は見事な場外ホームラン、もとい、不名誉な特大オービーとなってしまい、
その後、打った張本人がその相方を勤めていたあざみと二人で探しに行くと言い出して、現在に至るというわけである。
ちなみにひまわりも同行しようと名乗りを上げたが、それはあざみが断った。すぐに見つかると思ったからだ。
「お、あったあった。こんなところまでぶっ飛ばすなんて、いったいどこにこんな力があるのよ、まったく」
案の定、ボールはあっさりと見つかった。
森の木々の天辺を軽く越えて飛んでいたこともあって、背の高い広葉樹のやや飛び出した枝葉に引っかかっている。
「それじゃ、さっさと取って、皆のところに戻ろうか」
そう言って、あざみが木の枝へ飛び移ろうと身を屈めた瞬間だった。
「え? ちょ、ヒ、ヒメジっ?」
視界の端、肩口付近からすっと細長い腕が伸び、あざみの襟元へと巻きついていく。そして、二つの柔軟な弾力が背中に当たる。
「ヒメジ? い、いったいどうしたの? ほら、ボール取りにいかないと……。だからさ、放してよ、ね?」
なんの前触れも無く訪れたこの状況。困惑しつつもあざみは、冷静に対処しようとする。
しかしあざみの言葉とは逆に、ヒメジはより身体を密着させ、あざみの背中により強い反発を与えた。
「ヒ、ヒメジ……? わたしをからかってるつもり? はやく……!」
「……」
あざみの言葉を遮るように、ヒメジは右腕を下ろし局部を弄り始めた。
「ん……ダメ……やめてよ……こんなとこで……」
「ふふ……なかなか色っぽい声でありんすよ……んふふ、うぇーっひぇっひぇっひぇ!」
「な、なにセクハラオヤヂみたいなこと言ってんのよっ。ていうかっ、ふざけてないでホントにやめてよ……」
「そうはいかないでありんす。あざみには、このままわらわに付き合ってもらうでありんすよ」
「つ、付き合うって、何を……?」
「しらばっくれてもダメでありんす。 今から枕事に付き合ってもらうでありんすよ」
「は、はぁッ? 唐突に、なにバカなこと言ってるのよっ!」
「イヤでありんすか? なら、やっぱりハヤトを……」
突然ヒメジの発した無茶苦茶な要求。
それにあざみが難色を示すと、ヒメジは呟きながら腕を解き、身体を放そうとする。
すると、あざみは慌てた様子でヒメジの腕を掴み、
「ちょちょ、ちょっと待って! わ、分かった! わたしが相手する! 相手するから! だから……その……ハ、ハヤトは……ごにょごにょ」
一転、逆に相手を買って出た。
その言葉に対し、ヒメジがほくそ笑んでいたのは言うまでもない。
「……でも、いくらなんでもこんな場所でするのは良くないよ」
ここは森の中。あざみの言う通り、いくら人気がないとは言え、肉体を重ね合い情事に耽るには、相応しい場所とは言えない。
「何を言うでありんすか! 外でするからこそ燃えるでありんすよ!」
しかしヒメジは拳を握り締め、瞳を輝かせながら力説する。
「んー、でもさぁ……」
そこまで言うと、あざみは掴んでいた腕を放し、後ろへと振り向いた。
そして、自分より背の高いヒメジを上目遣いで見ながら、
「やっぱそういうのって、雰囲気とかって大事じゃない?」
と続けた。
「そんなものどーでもいいでありんすっ! わらわは今したいからする! それだけでありんすっ!」
「はぁ……」
またも力説するヒメジに、あざみは軽く眩暈を覚えた。相変わらず、なんと欲望に忠実なことかと……。
実はこの二人、以前から既に、関係を持っていた。
その成り行きと内容はまぁ想像にお任せするとして、一度関係を持って以来ヒメジは性に目覚めてしまい、度々あざみの部屋へと出張している。
ちなみにその折の落とし文句が、件のハヤト云々だったりする。
「まぁ相手をすると言ったからには、ちゃんと相手するけど、寮に帰るまでは我慢してよ。誰かに見られないとも限らないんだし」
一応男であることを隠している身のあざみとしては、
ひまわり達ならばいざ知らず、他の学園関係者に正体がバレる可能性があることなどしたくはない。
だからこの場は何とか説得しようとした。しかし、その言葉に対しヒメジは微笑を浮かべ、逆光の中、その目を怪しく輝かせた。
「ヒ、ヒメジ? 目が怖いんだけど……。ちょ! 待っ……!」
両肩を掴まれ、あざみは大地へと押し倒される。どさりと大きな音が立ち、気がつくと、ヒメジが腹の上に跨っている。
「うぇーっひぇっひぇっひぇ! 何を言おうと、もう今ここですることに決めたでありんすよ!」
「そ、そんな、たまにはわたしの意見を聞いてくれたっていいじゃないっ!」
「問答無用でありんすっ!」
「えっ……ん!」
強引に押し当てられた、唇に伝わる甘く柔らかな温もり。
ふっくらとしたヒメジの唇は、あざみの頭の中を不思議と穏やかにしていく。
いつも強引に押しかけられて迷惑を被っているのだが、結局すぐにこれで許してしまう。
直前まで感じていた蟠りが、まるで無かったことかのように洗い流されていく。
「さぁ! わらわの唇を奪ったからには、責任をとって貰うでありんすよ!」
「また滅茶苦茶なことを……。てか、奪われたのはわたしの方だってば……」
「そんなのはどっちでもいいでありんすっ!」
そう言うと、よほど我慢ができないのか、ヒメジは自らの下の水着を固定する紐を掴み、解き始めた。
両サイドの紐が解かれ、純白の水着があざみの腹へとはらりと舞うと、ヒメジは立ち上がり、今度はあざみの顔の上を跨ぎ膝を突いた。
「うぇっひぇっひぇ。それじゃあまずは、わらわを舐めるでありんす」
「ホント強引なんだから……」
あざみは愚痴を零すが、こんなことはもう慣れている。
こうなったらヒメジを悦ばすほか無く、目の前にあるヒメジの陰部へと口を運ぶ。
甘く芳醇な香りが鼻腔を擽り、下半身へと血液が注がれていくのを感じる。
「ん……」
舌を器用に操り、まだ開いてはいない花びらを押し分け、膣口を舐める。
自分から迫っただけあって、ヒメジはそれなりにそこを熱くしてはいるが、さすがにまだ濡れてはいない。
だが、あざみはどうすればヒメジが悦ぶかを知っている。
舌を膣口から上へと向けて、つつっと滑らせる。
「あふ……いいでありんす……」
そして辿り着いた先にある小さな突起物を、舌先でちろちろと転がす。
「あ、あ、あ……!」
急所を刺激され、ヒメジが舌の動きに合わせて声を上げる。
突起が充血し、ぷっくりと盛り上がっていく。
「か、身体が、火照って……あ、熱いで、ありんす……」
陰核が十分に勃起すると、あざみは再び舌を滑らせ、膣口へと戻った。
そこは先ほど以上の熱を帯びており、舌を動かすと、あざみの唾液とはまた違ったぬめりが感じられる。
無論、そのぬめりの正体はヒメジの身体から溢れ出た蜜であり、侵入者を受け入れる準備が整いつつあることを示している。
「ね、ねぇヒメジ……。良かったら、その、わたしのも舐めてよ」
何だかんだ言っても、この状況ではあざみも自分の欲求を抑えきれず、ヒメジに希望を伝えた。
「ん……分かったでありんす……」
これもまたいつものことなので、ヒメジは戸惑うことなく立ち上がると後ろを向き、顔を跨いだまま膝を突いて身体を前に倒した。
そして眼前にあるあざみのトランクスの帯紐を解いて、大きく膨れ上がったあざみの雄の部分を開放させる。
「おやぁ? もう先っぽがこんなに濡れているでありんすよ?」
「し、仕方ないじゃないっ……。いったい誰のせいだと……」
からかうヒメジにいじけるあざみ。これもいつもの光景。
「いいから、早く舐めてよ……」
普段見られ慣れている相手とは言え、ただ見られているだけと言うのは妙に気恥ずかしいもので、あざみが顔を赤く染めながら急かした。
ヒメジ自身銜えるのが好きなのか、素直に従い、あざみの分身を口に含む。
「……はむっ……んっ……」
「あふっ……」
舌の冷たい感触が纏わり付き、あざみは思わず声を漏らしてびくりと震えた。
ヒメジが舌を動かすと、それに合わせて更に体を震わす。
そんなあざみの反応を楽しむように、裏筋付近を丁寧に舐めたかと思うと、カリ首をなぞる様に舌をぐるりと回し、添えた手で竿をしごく。
「あっ……あ、はぁ、き、気持ちいいよ、ヒメジ……!」
ヒメジもまた、あざみのツボを心得ている。どこをどう舐めれば悦ぶか、しっかりと把握していた。
「ん……ぷはぁ。……あざみも休んでいないで、わらわを舐めるでありんす」
「はーい」
軽く返事をすると、あざみは再びヒメジの陰部へと舌を伸ばす。今度は指も添えて。
「ひぁっ……」
あざみが指先で、興奮し既に開いているヒメジの花びらをぱっくりと開いた。
先ほどとは体制が違うため、陰唇や陰核はおろか、膣口や尿道口、菊門や会陰部まで、はっきりと目にすることが出来る。
その中でも、引っ切り無しに蜜が溢れぬらぬらと光る穴へと、舌を押し当てゆっくりと押し込んでいく。
「あっ、あっ! はっ、入ってくるでありんすっ……!」
あざみの舌。その小さな侵入者の存在に対して敏感に反応し、まるで舌を押し出さんばかりに、ヒメジの身体から更なる蜜が沸き溢れ出してくる。
それに負けじと、あざみは舌でヒメジの中をかき回す。
唾液と愛液が混じりあい、辺りにぴちゃぴちゃと雫の滴るような音が響かせる。
「あぁ……はぅう……はぁ、はぁ……あ、あむ……」
そんなあざみに応えるべく、ヒメジも再び、あざみの雄を銜えた。
今度は舐めるだけではなく、唇をきつく絞り、首を使った上下運動と共に啜る。
すると次第にヒメジの口内に唾液が溜まり、じゅるじゅると音が立ち始めた。
あざみの発する音と、ヒメジの発する音。
二つの湿った音が合わさり合い、実にその場に不釣合いな、決して美しいとはいえないハモーニーを奏でる。
このまま同じ攻めを続けていてもそれなりの快楽を与えることは出来る。しかしそれではヒメジは満足しない。
あざみはヒメジにもっと大きな快感を与えるため、一旦舌を離して指を突起へと移動させた。
そして突起を右手の人差し指と中指で摘み、包皮を捲り小さな中身を露にした。更にそこを左手の人差し指で軽く擦る。
「んっ! んんーっっ!」
突然の大きな刺激に、ヒメジは口に含んだまま身体をびくつかせながら悶絶する。
間髪を入れず、舌先で小さな突起を愛でながら、人差し指を不規則に収縮し始めている膣口の内部へと突入させた。
うねうねと蠢く柔肉ととろりとした蜜が指に絡み付き、じゅぷじゅぷと音を立てる。
そして指が根元付近まで沈むと、指の先から中腹にかけてを押し当て、膣内の腹側の肉を優しく撫でるようにして掻く。
「あふぅ! あっ、あっ、あっ……! そ、それは……ダメ、で……ありんすっ……!」
呼吸が乱れ、ヒメジはあざみから口を離して善がりだした。
二点を同時に攻略され、最早ヒメジが陥落するのは時間の問題と言える。
その前兆として、紅潮し美しく色づき開ききった花びらが、ヒクヒクと震えている。
あざみがとどめと言わんばかりに掻く動きを速める。
それに合わせて、ヒメジの腰が無意識に動く。
「あっ、ああっ! わ、わらわはっ、も、もうっ……! あ、ああぁぁぁぁぁっっ……!」
そしてヒメジは絶頂へと達した。嬌声を上げ、身体を大きく痙攣させている。
「うぅ……はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
ヒメジは息も絶え絶えに、あざみの腹にぐったりと頬をつけて伏せ、余韻に浸る。
「ふぅ……」
あざみはあざみで、一仕事を終えた、そんな気分に浸っている。
しかしまだこれで終わりではない。
これだけではまだヒメジが満足してはいないことを、あざみは理解していた。
何より、あざみの下半身はまだ不完全燃焼のままだ。
あざみはヒメジの背中へ手を伸ばし、ブラの紐に手を掛けた。
「ねぇヒメジ。今度は胸でしてよ」
「……分かったでありんす」
あざみが注文すると、ヒメジは静かにそう返し、立ち上がった。
紐の解かれたブラが、はらりと舞う。
しかしヒメジは別段気にする様子もなく、あざみの正面へと膝を突いた。
「ほほーう。相変わらずおっきくて綺麗なおっぱいだねぇー」
「オ、オヤヂ臭いこと言わないで、ほしいでありんす……」
「ふーんだっ。さっきのお返しよっ」
上体を起こしたあざみが、わざとらしくねちっこい口調でからかうと、ヒメジは恥ずかしそうに照れながら身体をもじもじと捩る。
絶頂の余韻が残っているからか、普段よりも遥かにしおらしい。
「それじゃあ、お願い」
あざみがそう促すと、ヒメジはこくりと頷き、前屈みになって自らの乳房を掴み、あざみの雄を挟み込んだ。
ふよふよと形を変えて包み込んでくる心地よい感触に、やや萎みかけていたあざみの雄は、血液を再集結させていく。
「あぁ……。どんどん……硬く、大きくなっていくでありんす……」
胸の谷間にあるそれが、まるであざみとは別の生物かのように急成長していく。
それを受け、ヒメジは驚嘆の声を漏らした。
勿論その光景を見るのは初めてのことではないのだが、自分には無いものであるため、何度見ても驚いてしまう。
「う、動くでありんすよ……」
そこが十分に硬くなったのを見届けると、ヒメジは上体を上下に揺すり、しごき始めた。
「あはぁ……いいよぉ……ヒメジ」
汗が潤滑油の役目を果たしつつも互いの肌をぴったりと密着させ、それによる程よい抵抗があざみに快感を与えている。
その快感から声を上げると、ヒメジは気を良くしたのか速度を上げだした。
「あっ、あ、あ……! ヒ、ヒメジっ? そ、そんな速くされたら、わたし……すぐに……!」
ヒメジが動きを速めると、あざみの身体も限界へと急加速し、思わず声にして訴えた。
だが、そんな声にもお構いなしに、ヒメジは運動を続ける。
「……はっ、はっ、はっ……さ、先が、擦れて……と、止められないで、ありんすっ……!」
ヒメジもまた、胸の先端をあざみの腹に擦りつけることに快感を覚えており、こうなるともう本人にも止める事は出来ない。
「ん、ん……! ああっ! もうっ、で、出ちゃうっ! 出ちゃうよ……! あっ、あっ……ッッ!」
狭間にあるそれが大きく脈打ち、ひょっこりとはみ出た頭から、白濁した液体が飛び跳ねる。
そのまま、勢いよく発射された液体はヒメジの顔へとかかり、乳房の上にも数滴零れる。
「はぁ、はぁ、はぁ……。ふふふ……いっぱい出たでありんす……」
ヒメジはそれを指ですくうと、うっとりとした表情で眺め、舌で絡め取った。
そして、先端に精液を滴らせている肉の塊を口に含むと、思い切り吸い上げて残った精液を搾り出す。
「はぅっ! や、優しくしてって、いつも……!」
「……ん……ん……。ぷはぁっ! ご馳走様でありんすっ」
残っていた汁をあらかた吸い終わると、ヒメジは喉を鳴らして飲み込み、満足げに微笑んだ。
「さて、と。これで二人とも一回ずつ終わったし、川で身体洗って皆の所に戻ろうか?」
自分自身は満足したあざみが、探りを入れるようにして尋ねる。
「まだでありんす! まだこれを入れてないでありんすよ!」
だがヒメジはそう言って、あざみの雄を握った。
「はぁ……。やっぱり……」
分かってはいたが、溜息を吐いてしまうあざみであった。
次の行為へと至る準備として、ヒメジがあざみの雄を奮い立たせようと手を縦に往復させる。
「あっ……! ん……」
「うぇっひぇっひぇ……。硬くなってきたでありんすよ……?」
「ん、バ、バカ……。いちいちそんなこと言わないでよっ……」
すっかり回復し、ヒメジの調子は完全に元に戻っている。
となると、当然……
「もういい頃でありんすねっ」
我慢しきれずに、ヒメジはあざみを押し倒して腰の辺りへと跨り、あざみの雄を掴んで膣口へと添えた。
「はぁ、はぁ……い、入れるでありんす……」
それだけでもう興奮したのか、ヒメジは息を荒げている。
そしてゆっくりと腰を下ろし、あざみの雄をずぶずぶと進入させていく。
「あっ! はぁ、はぁ、くっ……お、おっきいで、あ、ありんす……ん……!」
あざみのものを弄っている内に濡れていたようで、大きな抵抗も無く入っていく。
やがて、あざみのすべてが膣内へと収まった。
「ヒメジの中……凄く温かくて……ん……きつい……」
体格の割りに小振りなのか、膣圧が強いだけなのか。
どちらにせよ、ヒメジと言う器の中に押し込められ、柔肉に圧迫されることによって、あざみの雄は更に膨張していく。
「……はぁ、はぁ……、動くで、ありんすよ……」
そう言って、ヒメジは腰をグラインドさせて動かし始めた。
その動きに追従するかの如く、豊満な乳房が揺れている。
「あぁ……はぁ、はぁ、はぁ……中が、擦れて……気持ち、いいで、ありんす……っ」
ヒメジがあざみの雄で腹の中を抉るようにして腰を振り、その快楽を貪る。
身体の奥から絶え間なく蜜が溢れ、ぐちょぐちょと今まで以上に淫猥な音が立つ。
この音が、ヒメジに更なる高揚感を与える。
「あっ、あっ……! ヒメジっ、わたし、また出ちゃいそうっ……!」
ぎちぎちと締め上げられ、休み無く腰を動かされ続けたことによって、あざみは早くも本日二回目の絶頂を迎えようとしている。
「まっ、待って、ほしいで、ありんすっ! わ、わらわもっ……もうすぐっ……!」
ヒメジが絶頂へ向けて、腰の動きを速める。
あざみも耐え切れず、自ら腰を動かし、ヒメジを突き上げる。辺りに乾いた音と湿った音が同時に響く。
「あっ、ああぁっ! そ、そんな、激しくっ……! お、奥までっ……! あ、あたっ……! ふぁ……! もうっ……!」
「わ、わたしもっ! もう限界っ! は、速くっ……抜いてぇ!」
「イ、イヤでありんすっ! こ、このままっ! 一緒にぃっ……!」
「そ、そんなっ……! あっ! ダ、ダメっ! 出るっ!」
「あ、あ……わ、わらわもぉ……! く、来るっ、来ちゃうぅぅぅぅ……!」
二人同時に絶頂へと達し、びくびくと小刻みに痙攣する。
「あ、あぁ……。な、中に……あざみのが……」
あざみの胸にふらりとへたり込み、恍惚とし表情で、ヒメジはそう呟いた。
あざみ達は今、湖から流れ出る清流へと来ている。
身体についた砂や土、体液を洗い流すためだ。
「あぁぁぁぁぁっ! 何て事してしまったんだろ! よりにもよって、中にだなんて……」
今までに関係を持った時には、いつも外に出していた。
しかし今回は中に出してしまった。あざみはその事を猛烈に後悔している。
「出しちゃったもんはしょーがないでありんす。諦めるでありんすよ」
対照的に、ぱちゃぱちゃと水を身体に浴びせながら、淡々とヒメジが言う。
「あんたねぇ……。事の重大さがわかってないんじゃない?」
「ん? どういうことでありんすか?」
あざみの言葉に対し、ヒメジはきょとんとした表情で聞き返した。
「いーい? わたし達はくノ一よ? くノ一、というか忍びに恋愛ご法度。となれば当然、結婚や出産も許されない。
だから仮にあんたが妊娠するようなことがあれば、さすがに隠しようもないし、確実に学園を追放されてしまうのよ?」
そう真剣な表情で語るあざみ。だがヒメジは表情を緩ませて、
「その時はあざみに責任取ってもらうから、問題ないでありんすっ」
「あ、あの、し、しきみさん。わ、わたし達、いい、いったい、どうすればいいんでしょうか……?」
所変わって再び森の中、いつまで経っても帰って来ないあざみとヒメジを心配し、ひまわりとしきみが迎えに来ていた。
「知らないわ。あの子達が好きでやっていることなら、やらせておけばいいじゃない」
「で、でもぉ……」
なんとひまわり達は、先ほどのあざみとヒメジの情事を目撃していた。
「どうやら特に問題も無かったようだし、私達は先に戻るわよ」
そう言い残し、しきみはさっと姿を消した。
「あぁっ! し、しきみさぁん! 待ってくださぁい!」
ひまわりが慌てて追いかける。
「……それにしてもしきみさん……何だかちょっと、様子が変だったなぁ……」
「……ふふふ……。あざみ……待ってなさい……たっぷりとお仕置きしてあげるわ……ふふ……」
おしまい