アタシはヒノ・アケミ。惑星開発コンサルタント社の社員で、まだ1年めを過ぎたばかり。  
なのに人手不足のおり、二人でコンビを組まされて出張・出張の毎日。出張たって、宇宙の果て、  
未開の惑星。いいオトコも、美味しい食事も、快適なベッドも無い暮らし。でも、仕方ない。  
好きで選んだ仕事だから。  
 
コンビの社員は、シオダ・エリ。私とはまったく違う性格。理知的で、大人しめで、言葉使いにも  
気品が漂う。だけど、探求心は旺盛。時折かける眼鏡の奥は、惑星の未知の生物への病的とも  
言える探求心を覗かせる。その眼鏡は、今はどこかにすっとんでしまって、いずことも分からないのだけど。  
 
「ほんとに嫌ですわ。探査ヘリが墜落するなんて。ヒノさん、課長が聞いたらなんて言うでしょうね」  
「うるさいわよ、仕方ないじゃない。事故は事故なんだから、シオダさん」  
小言を言うシオダを遮るとアタシは、高い壁をロープですべり降り道路に立った。  
「とにかく道路にの近くに降りただけでも、めっけもんよ。これを伝って宇宙船に帰れるし」  
 
そう、このジャングルに包まれた未開とも言える惑星には、なんと道路がある。それも、幅3キロは  
ある広大なハイウェイが惑星全体を取り巻いているのだ。三千万年前に栄えたとされる種族が  
残したとされる惑星の緯度と経度に添った直行するハイウェイ郡。今は、無人となった、  
この惑星の調査がアタシ達の仕事だった。だけど、探査ヘリが墜落し、調査器材も食料も  
みんな燃えてしまった。その計画はしょっぱなから頓挫してしまったのだ。まったく信じられない。  
 
とにかく道路伝いに行けば宇宙船に戻れる。一度、戻って調査は出直しだ。  
道路を歩き始めたアタシに、シオダは不思議そうに言った。  
「この道路の弾力。どうもただの材料でできた道路とは思えませんわ」  
「そんなの、どうでもいいから。食料も無いんだしグズグズしてる暇は無いわよ」  
アタシは、先に立って歩きだす。  
「誰も居ないのに、このきれいな路面。おかしいとは思いません?なにかで洗ったかのような」  
「アタシも、少し嫌な気がしてきた」  
シオダが私の向こうを指差した。  
「もう遅いようですわね」  
道路の中央から噴き出した水の柱がアタシ達を飲み込んだ。  
「アーーーレーーーー!」  
アタシ達は道路脇のシダ植物にしがみついて震えていた。  
「これで合点がいきましたわ。道路のゴミは自動で排除する仕組みになっていましたのね」  
「ちょっと、アタシ達ってゴミ!何よ、もう!」  
アタシはシオダに向かって毒付いた。  
……………………………  
しばらくした後。  
シオダは腰のポシェットから、びしょ濡れの調査用ノートを取り出して書きつけながら言った。  
「道路は妨害物除去機能とともに自己修復機能も有し、三千万年もの間持ちこたえてきましたのね。  
 ハァハァハァ。そして、その上では一定以上の速度で疾走し続けない限り、妨害物とみなされ  
 除去されてしまいます。ハァハァ。防護壁の上もダメ。抜かりはありませんわ。ハァハァハァ」  
「ゼイゼイ、ハァハァ、ちょっと、どうすんのよ。このままじゃアタシ達飢え死によ、ハァハァハァ」  
さっきから、何回も実験して、嫌という程、この道路の機能を味わったアタシ達は息を切らせて、  
道路脇のシダ植物に、再々度しがみ付いていた。  
 
「もう課長のドケチ。調査ったって、たった二人だし、器材は中古ばかりだし」  
ボヤいていたアタシは、視線の端に不思議なものが移るのに気づいた。道路の向こうから、  
颯爽と疾走して来るもの。自動車?いや、アレは?嘘、信じられない。  
トカゲの親玉みたいなものの足に車輪がついて、まるで自動車のように道路を走って来るのだ。  
気がつくと、二台三台と車生物は現れ、目の前を通り過ぎていった。  
「シオダさん、あれなによ」  
「ヒノさん、この惑星の生物ですわね。車輪を持った生物。でも驚くにはあたりませんわ。  
 それは、なぜ私達のような地球の生物が車輪を持っていないのかを考えれば分かることですわ」  
「最初に道路が無かったからってこと?」アタシは大声で答えた。  
「その通りですわ。まず道路があり、そこに適応して進化した結果、あの姿になったのですわ。  
 でも、まだ腑に落ちない点がありますの」  
シオダは首を傾げる。  
「進化論における第二のダーウィンとされるドクター・タナベの万有定向法則。それでは、  
 こんな車輪みたいな無限回転機構の発生に関しては説明できませんの」  
学究肌のシオダ・エリはこんな時でも探求心を曇らせない。とにかく、未知の世界に飛び込んで  
行動あるのみのアタシとは大違いだ。だけど、なにか惹きつけられるものがある。それで、  
シオダのコンビで数々の惑星調査を達成してきた。でも、今は事態が違う。  
「そんな講義は後からでいいから。アレに乗れば帰れるんでしょ。行きましょ」  
シダ植物をよじ登り始めたアタシに向かって、シオダは指差した。  
「分かりましたわ。ヒノさん、アレを見てください」  
指差す方向を見た私は、さらに驚いた。トカゲの足から車輪が外れたのだ。そして車輪だけが  
走っていく。置いて行かれたトカゲはノロノロと足で歩き、形そのものは地球のものと変わらない。  
「車輪自体が独立した生物。車輪生物だったのよ。転がることによる高速移動で、  
 このハイウェイに適応した生物。これならタナベイズムの説明には充分だわ」  
シオダは目を輝かせ誇らしげに言った。  
 
「とにかく、シオダさん。アタシ達が乗っても大丈夫なような、もっと大きい車輪と  
 大きい爬虫類の組み合わせを待てば、アタシ達は宇宙船まで帰れるってことよね」  
「そうよ、ヒノさん。私達助かるのよ」  
二人は目を見合わせ、期待を込めて、それを待った。そして、それはやがて姿を現した。  
巨大なウミガメのような動物に、これも巨大なトラックのタイヤのような車輪生物がはまったもの。  
アタシ達は、ロープで道路に降り立つと夢中で、その甲羅にしがみ付いた。滑りそうな甲羅を  
しっかり掴みながら、手を伸ばしシオダの手を握る。  
「ヤッタァ」  
「大丈夫そうですわね」  
二人顔を見あわせて、風に髪をなびかせながら、ライトブルーの澄み渡った空の下、どこまでも  
続く大平原が流れて行く様を見とれていた。  
道路を走っていくうちに、いくつもの車輪生物がすれ違い、あるいは追い越して行くのに気がついた。  
「あのふにゃふにゃしたのは原形に近い種からしら」  
シオダは興味深そうにポシェットから取り出したノートに書きつけている。  
「あれ、あの車輪二つに分かれちゃったよ」アタシは叫ぶ。  
「分裂増殖しましたのね。やはり、原始的な種なのですね」  
次に現れた巨大な車輪の集団。  
「ヒーーーッ。デカーーイ。つぶされたら一巻の終わりよ」  
「大丈夫、互いに自然と交通ルールを守るようになっているようですわ。それにあれは卵生ですわね」  
見ると、巨大車輪の内側から白く平べったいものが飛び出し、併走して転がったかと思うと、  
殻が割れるように飛び散り、中から同様に茶色っぽい車輪生物が現れた。それはヨチヨチと  
可愛らしく巨大車輪の周りを走っている。  
「卵が孵ったのか」アタシは声を上げた。  
 
シオダは、卵から孵ったばかりの小さい車輪生物が、走り去って行く様子を見ながら言った。  
「なんか可愛いですわね。それにアレもそうですわね」  
「え?アレ、空飛ぶ円盤?」  
ウミガメの車は巨大な緯度と経度の立体交差に差しかかっていた。そこの上空に、ヒラヒラと  
確かに空飛ぶ円盤のようなものが舞っていた。  
「違いますわ。よく見てください、ヒノさん」シオダが笑顔で答える。  
それはよく見ると道路を走っている車輪生物が、体を横に寝かしたような形状であり、  
体を薄べったく伸ばし、中心に孔の開いたパイナップルのような形をしていた。  
そして、こちらは、青とか黄色とか、鮮やかな色とりどりで、大きさもまるで小鳥のような感じ、  
または、大きめの蝶のようにも見えた。  
「空飛ぶ車輪だ!」  
アタシは大声を張り上げた。やがて次々と現れた『空飛ぶ車輪』がウミガメ車に乗るアタシ達の  
近くを珍しいものを見るかのように近くを舞っては、すれ違って行く  
「可愛い……」  
アタシは感動したように呟いた。  
立体交差を登るに従って、ますますはっきり見えてくる巨大な交差のハイウェイと、  
巨大なジャングル、それが水平線の果てまで、続いて行く。それを背景に、色とりどりの  
無数の『空飛ぶ車輪』が飛び交っている様に、言葉を失い、見とれていった。  
「立体交差の傾斜とカーブの連続。この遠心力で体が浮き上がるうちに、空まで飛ぶように進化しましたのね。  
 万有定向法則の重要な捕捉事項できましたわ」  
シオダは強く吹き抜ける風に、豊かな黒髪をなびかせながら、ニッコリと微笑んでいた。  
 
ウミガメの車は巨大な立体交差を越えた。ここまで来れば宇宙船までの距離は半分。もうすぐ帰れる。  
やっと落ち着いてきたアタシ。シオダも余裕が出てきたのか、ウミガメを観察しだしていた。  
「スゴイですわね、この車輪生物の中央の孔。よく見ると触手やヒダヒダが一杯ですわ。  
 これで取りついた生物の腕をひねるように動かして回転していますのね」  
「なんか、そこんとこは、あまり気持ちのいいものじゃないな」  
アタシは素直に感想を述べる。それには取り合わず、シオダは能天気な表情で小首を傾げながら言った。  
「そう言えば、この車輪、どれがオスでどれがメスなんでしょうね」  
「え? オス?メス?」  
アタシは面食らって聞き返す。  
「当然ですわ。前に通った原始車輪は分裂増殖。さっきの巨大車輪は卵生。だとしますと、  
 それより高速走行でき、洗練された、この車輪は胎生ということも考えられますわ」  
「胎生?ということはお腹で育てて子供を産むの」  
「はい、万有定向法則によりますと、分裂−卵生−胎生と進化する確率がもっとも高いのですわ」  
アタシはしげしげと回転する車輪生物を見つめた。  
「これが、ほ乳類ねえ。進化の頂点ってことはサルとか人間に相当するんだよね」  
「まだ、そこまでは知性があるとは思えませんわ」  
アタシはシオダを見つめて、少し顔を赤らめて話す。  
「シオダさん、ねぇ、でもこれってオス・メスで子供産むってことは……セックスするんだよね」  
「ヒノさん、嫌ですわ。そこまで擬人化しなくても。卵生でも交尾はありますし、生物の自然の営みですわ」  
マイペースで話し続けるシオダの顔に、アタシはさらに顔を赤らめる。  
「だってさ、アタシ、その……」  
そんなシオダは、不思議そうな顔をしていた。そしてしばらくして、急に思い付いたように言った。  
「ひょっとして、ヒノさんってバージ……」  
「や、や、やめてよ。そんなこと」  
アタシは大声でシオダの台詞を遮る。アタシは顔が熱くなって、シオダから顔を背けていた。  
 
その後、シオダは気まずい雰囲気を察してか、黙ってウミガメの方の観察をしている。  
チラと横目で見た表情は、あまり変わらない。ひょっとして経験済みなんだろうか。  
おしとやかで、お嬢さん風のシオダには、オトコがいるとか、そういう雰囲気は全然見えないんだけど。  
でも、ひょっとして意外と…… アタシは、ますます顔を熱くした。  
 
しばらくして、シオダは素っ頓狂な声を上げた。  
「ヒノさん!よく見ると、このウミガメ。四つの車輪の他にもう一つ別の生物が取りついていますわ」  
「え、なんだって?シオダさん」  
「それに、さっきから気になっていたんですけど、このウミガメ。ジッと同じ体勢で動かない割りには  
 息が荒くて、目が虚ろに見えますの」  
「何、シオダさん。それってどういうこと?」  
シオダの表情が、段々、不安に染まって行くのを見て、アタシの心にも黒雲が立ちこめていた。  
アタシがシオダに質問した時、事態が急変した。ウミガメから車輪が外れたのだ。アタシ達は道路に  
投げ出された。弾力性のある路面でなんとか無事だったけど、腰を思い切り打ちつけられた。  
「イタタ! 大丈夫? シオダさん」アタシは呻きながらシオダに声をかける  
「ウッッツ…… 大丈夫とは言えませんですわヒノさん、足をくじいたらしくて」  
シオダも苦しそうに声を上げている。  
「しばらくすると水の柱が来るわ。せめて離れ離れにならないように手を繋いで」  
アタシはヨロヨロとシオダに近づく。だけど、シオダは絶望したかのように声を上げた。  
「それよりも、もっと最悪の事態になるようですわ」  
 
アタシ達に向かって五匹の車輪生物が二組。走り込んできた。エ?五匹?  
車輪はアタシ達の手足に触手のようなもので絡みついてきた。そして中央の穴に手足を通していく。  
衣服が邪魔らしく、それを穴の周りに生えた歯のようなもので食いちぎりながら素肌の手足に  
深くはまっていった。そして、想像もしていなかった強い力で肩をこじあげ、股を大きく引き裂いた。  
「アアアッーーーー!」  
二人悲鳴を上げてもがいたが、どうにもできず、アタシ達は股裂きの恥ずかしい格好のまま、  
自身が車となってハイウェイを走り始めていた。  
「アアーー、ヒノさん見ないで、見ないで」  
「ウクッ!シ、シオダさんこそ」  
アタシは羞恥心に震えながらもシオダと声をかけあった。  
体は車輪生物の強い力で動かすこともできず、それでも動かそうとする電気ショックでも走ったかのように  
痺れが走る。アタシは車輪生物のはまり込んだ、自分の腕を見た。その部分が赤く充血してきている。  
「私達の血を吸っているのよ」シオダの声が聞こえた。  
「私達の血と体液をエネルギーにして、自身の活力に変えているのよ。だから、こんなに力強く走れるの」  
「イヤーッ!そんなの、アタシ達どうなるのーー」アタシはシオダに悲痛な声をあげる。  
「分からない。でも、これだけじゃ済まない。もう一匹。それが……」シオダの声が震えていた。  
もう一匹、それはアタシの腰の上に乗っかっていた。今は回転を止めている。その体はぐっしょりと  
体液に濡れていた。シオダの腰に乗るそれに目を向けると、それは今は細長い筒のように伸び、  
蠢いていた。シオダの震えの意味が分かった。アタシも恐怖に震えた。  
シオダの悲痛な声が響いた。  
「これは…… エンジン…… ターボなのぉ!」  
 
四匹の車輪生物に手足を拘束され車となったアタシとシオダは、互いに追いつ抜かれつしながら、  
この惑星のハイウェイを疾走していく。シオダの後ろに付けたアタシの目に、シオダの腰の  
上に乗る五匹目の車輪生物が見えた。シオダがターボエンジンと呼んだそれは、今は車輪の  
姿の中央から器官を伸ばし、細長い筒状の形態になっている。そして、その先端をシオダの  
調査服ズボンの、お尻に盛んに突きたてている。ズボンが邪魔らしく、それはイライラするように  
何度も突きたてをしていた。それはアタシのも同じ。盛んに股のところを打ちつけている。  
このまま過ぎてくれれば。でも、そんな期待は虚しく裏切られた。  
筒の先端の歯のようなものが、アタシの調査服のズボンを引き裂いて行くのが分かった。  
パンツも食いちぎられていく。でも、磔のような体のアタシには成す術が無い。  
高速でハイウェイを疾走し吹き抜けて行く風に、露となったアタシのアンダーヘアがそよいだ。  
そして、足の車輪生物に股を引き裂かれ、大きく広げられた股間のむき出しのソコに、  
ターボエンジンと呼ぶ役割の車輪生物の濡れた肉の筒の先が激しく打ちつけられた。  
先に大声を上げたのはシオダの方だった。  
「イヤアーーーッ!」  
「シオダさん!」  
アタシを追い越して行った、シオダの車の後ろ姿を捉えたアタシの目に、ターボエンジン生物の  
先端が食い込んだシオダの秘肉が大写しになった。そして、次はアタシの番だった。  
「ウウウーーーッ!イタイ、イタイ、イターーイ!」  
体液に濡れた筒の先端は、疾走する風にさらされて乾いたアタシのソコをぶち抜き、圧倒的な  
量感で体内を引き裂いていき、占有した。  
「アーーーッ」  
車輪生物はキツイ、アタシの初めての体を、何度も打ちつけて押し開くように深く納まって行った。  
 

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