「嵐士ー。喉乾いたからジュース持ってきてよ」  
 何故か俺の部屋のベッドの上に、超絶な美少女が一人。  
でかい胸をこれでもかと強調するようなキャミソールの部屋着姿でくつろいでゲームに興じている。  
……と言えば青少年にとって夢のような話だが、こいつは俺の従兄弟の藤原めぐみ。  
この外見で学園のアイドル張ってはいるが、こいつのわがままと凶暴さによって泣いた男は数知れず、今もこの部屋の主人である俺をまるで下僕のようにこき使っている。  
 
 なんでこんな状態になってしまったかといえば、小一時間ほど前の事。  
「正宗先輩と別れる!」  
 いきなりめぐみは泣き叫びながら部屋に突撃してきた。  
話を聞けば先輩が浮気をしたという事だが、  
「いつもの事じゃないか」  
 と俺が言ったら、今回の先輩、相手の女の子と最後までいってしまったらしい。  
めぐみは軽そうに見えるが案外こういうことには硬く、軽い浮気は死ぬほどしているが最後までするのは「本当に好きな人だけ」という考え方で、相手にもそれを望んでいた。  
 
 泣き喚くめぐみをなんとかなだめすかし、ようやく落ち着かせたところだが、そうなったらなったで、今度は我侭放題。  
精神的にきているせいかいつもの5割増な我侭っぷりだが、また泣かれたりしたらほんと勘弁なんで、俺は少しむかつきながらもめぐみの言いなりになっていた。  
 
 そういえば、昔もこういうことが良くあった。めぐみはいやな事がある必ず俺の部屋に来て泣いていた。  
だが負けず嫌いだからだろうか、みんなで夕飯を食べる頃には絶対に泣き顔を悟られない様に気丈に振舞っていた。  
その時によく泉水と喧嘩をしてたのを覚えている。  
 
 中学の時、めぐみは外見と家庭環境と性格からいじめにあったりもしたが、外で泣いているのを見たことが無い。  
いつも強く気高く、でも自分の前でだけ弱さを見せる彼女にあの時俺は少し惹かれていたのかもしれない。  
その気持ちはファーストキスの事件でもろくも崩れ去ったが……。  
 
「――ちょっと、嵐士聞いてる?」  
 気が付くと、めぐみが少し膨れっ面で俺の方を見ていた。  
「……ん? 何?」  
「もー。 さっきからここの敵の倒し方聞いてるのに上の空なんだもん!」  
 どうやら俺が考え事をしている間に何度か話しかけていたらしい。  
慌てて取り繕う。  
「ごめんごめん。どこ?」  
 
 めぐみの後ろに移動し、テレビ画面を確認する。  
見ると自分もちょっと前に手こずり何度もやり直した中ボスだったので倒し方は良く覚えていた。  
「えっとこいつに効くのは――。」  
 すぐに思い出してしまったため、画面を見る必要が無くなった俺の視線は何気なくめぐみのコントローラーに移った……のが敗因だった。  
コントローラーの前にあるめぐみの白い胸元に視線が釘付けになってしまった。  
 
「?」  
 言葉につまっている俺を不審に思ったであろうめぐみが振り返る。  
その顔を見て正気に戻った俺は慌ててベッドから降り、先ほどの場所に逃げ帰り、  
「ごめん。そいつの倒し方覚えてないや」  
 と、めぐみには悪いがバクバク鳴っている心臓の音を悟られる事を恐れ、詳しく説明するのはやめて嘘をついた。  
 
「えー! 嵐士このゲーム一週間前にといたばっかって言ってたじゃん。 思い出してよー!」  
 しかしその選択は誤りだった。  
ゲームが面白かったのか、めぐみの負けず嫌いに火をつけたのかはわわからないが、食い下がってきた。  
こうなっためぐみはしつこい。ベッドから降りて俺にまとわり付く。  
 
「ねーねー。教えてよ。ねー」  
 俺は極力めぐみを見ない様に座ったままぐるぐる回って視線を逸らすが、めぐみの豊満な胸が腕に、背中に当たる。こんなことならさっき簡潔に説明しておけば良かった。  
 
「ねー!」  
 しびれを切らしたのか、めぐみは強制的に俺の顔を両手で挟み、自分の方向に向けた。とたんめちゃめちゃ可愛いめぐみの顔が目前に現れる。  
そこで俺の中の何かがプチっと音を立てて切れた。  
 
 そこから先はスローモーションみたいな画像になる。  
雪のように白い肌に整ったスタイル。  
ふわふわな髪。薄紅色の頬。  
そして挑戦的な大きな瞳。  
 
――スベテコワシテシマイタイ。  
 
 どろどろとした欲情が俺の中で湧き上がる。  
気が付くと俺は暴れているめぐみを組み敷き、乱暴にキスをしていた。  
 
 いやがるめぐみが頭を振り、俺の唇を避けようとするので、細い手首を押さえていた両手を顔に持って行き、かわりに肘で押さえつける。  
「んーー!んーーーー!」  
 半泣きなめぐみの舌を弄る度ゾクゾクとした高揚感が体を貫く。  
これは、そう、幼い時に初めて虫を潰した時のような、あの感覚に似ている。  
むろんこっちの方が数倍「イイ」が。  
 
 もっとめぐみを泣かせたい。壊してやりたい。  
めぐみのキャミソールを一気にたくし上げ、それで頭の上に持ち上げためぐみの両手首を強引に縛り上げる。  
抑える必要が無くなり自由になった両手でブラジャーのフロントホックを外すと、  
プルンと白く大きな胸とその胸に似つかわしい小さく薄桜色の綺麗な突起が露になった。  
 
 ゴクリ、と生唾を飲み、その突起にゆっくりと舌を這わせる。  
「嵐士っ! やだっ! やめてっっ!!」  
 めぐみは泣きながら懇願するが、そんな事をされたらもっと虐めたくなってしまう。   
 
 左乳首に舌を這わせたまま、右の胸をもみしだく。  
そのあまりの柔らかさと肌の吸い付きの良さに俺の物もどんどん膨らみを増してくる。  
夢中になって胸を愛撫していると、少しずつ、だが確実にめぐみの泣き声が喘ぎ声に変わってくるのがわかった。  
 
 俺は一旦胸から離れ、めぐみの秘所のあたりをまさぐる。  
――濡れている。  
俺はニヤリと笑い、そのままショートパンツごとショーツをずり下ろした。  
 
 その行為により、少し大人しくなっていためぐみがまたじたばたと暴れだす。  
特に先輩直伝のキックを持つ足は凶器に近いので、それを防ぐため右手でふくらはぎを持ち上げ、そのまま倒して行き、めぐみの顔を挟み込むように体をくの字に折り曲げてやった。  
   
 屈辱的な体勢の上に、秘部がかなり恥ずかしい形で丸見えになり、めぐみは真っ赤になって異議申し立てをするが、  
「めぐみが暴れるのが悪いんじゃないか」  
 俺はあっさりその抗議を却下して、ぷっくりと盛り上がった秘所をまじまじと眺める。  
 
 手入れの行き届いた、髪と同じようにフワフワで柔らかそうな陰毛に包まれたそれは、俺が経験した他のどの女の子のものよりも薄く綺麗な色をしていて、先ほどの愛液のせいでキラキラと輝いているかのように見えた。  
 
「……綺麗だ」  
 純粋に心の底からそう思った。  
その言葉を聞き、先ほどから俺に暴言を吐き続けていためぐみが言葉につまり、少し顔を赤らめる。  
そのらしくない反応がなんだか可愛くて、俺はめぐみに優しくキスをした。  
 
 ゆっくりとめぐみの舌を味わいながら、人差し指と中指で花びらのすぐそばをなぞる。  
その度にめぐみが体をよじり、くちゅり、くちゅりと卑猥な音を奏でる。  
少しずつ、少しずつ指と指との間隔を狭めて行き、指が合さった時、俺はそのままその指を二本いっぺんにめぐみの中にぶち込んだ。  
 
「ひあっ」  
 優しい、ともすれば焦らす様なゆっくりとした愛撫からいきなり急激な刺激に移り、めぐみはびくんと体を震るわせた。  
しかし休ませる間も無く、俺はそのまま2本の指を狭いめぐみの中をこれでもかというぐらいに広げ、ぐりぐりとかき回すように動かす。  
 
 ――ゾクゾクする。  
 今までただ優しくするだけのSEXしか知らなかった。  
こんなにも我を忘れ、熱くなり、自分の欲望をぶつけたくなった事は無かった。  
そもそもいつもは大抵女の子の方から  
「嵐士君になら――いいよ」  
 みたいに誘われ、そのまま事に及ぶことがほとんどで、無理やりにでもしたいと思った事すらない。  
 
「ちょ……やめっ! 嵐士、こんなの嫌だよ!」  
 見るとあの気の強いめぐみが少しなみだ目になっている。  
(――可愛い)  
 今までずっとめぐみと一緒にいたけど、こんなにも愛らしいめぐみを見たことが無い。  
 
 俺が与えた刺激によって少し赤みを帯びた頬。  
涙で潤んだ瞳。  
そしてこれから何をされるか、という不安に満ちた表情。  
その顔を眺めているだけで、はちきれんばかりに膨張した俺の分身は、そのままイッてしまいそうになる。  
 
(入れたい――。中でぶちまけたい!)  
 俺は欲望のまま、まだ準備もそこそこのめぐみをいまだかつて無いほどに肥大化した人並み以上のそれで思い切り貫いた。  
 
 半狂乱で泣き叫ぶめぐみ。  
そのめぐみを見て俺はようやくわかった。  
俺はめぐみをアイシテイル。  
 
 
 翌朝俺は今までにないすがすがしい気分で登校していた。  
「よぅ嵐士」  
 ちょうどめぐみの家の前を通りかけると、またなにかしでかして、しかられ中なのか、めずらしく寺の掃除をしているレイちゃんに声をかけられた。  
 
「お、おまえ今日めっちゃいい顔してんな。なんか良いことでもあったか?」  
 その問いに一旦足を止め振り返り、にっこりと笑いながら、答える。  
「やっと本当に好きな娘ができたんだ」  
「おー、そうか! やっとめぐみ離れができたな。がんばれよ!」  
 勘違いしているレイちゃんを尻目に、一人ほくそ笑みながら再び歩き出す。  
 
 レイちゃん、俺は一生めぐみ離れなんてしないよ――。  
 
完  
 

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