世界が終わってしまった日、藤美学園から脱出したその生徒達は初めての夜を迎えていた。  
 共に脱出した藤美学園の保険医である鞠川静香の提案で、一時的に立て篭もった先は彼女の友人である  
南リカの自宅だった。メゾネットのマンション、自家用車に軍用車両のハンヴィー、何人もの人間が同時  
に入浴できる大きなバスタブ、そして部屋に隠し持っている実銃や実弾から、南リカという人間が一体ど  
んな人間なのか、容易に予想できるようで予想できない。  
 兎にも角にも、リカ宅は立て篭もるにしろ銃器を調達するにしろ、最適な場所だと言える。  
 色々な騒動が数時間で一気に押し寄せ、彼らの多く――特に女性陣は心身ともに疲れ果てていた。  
 宮本麗は冷蔵庫に置いてあった酒を口にし、性質の悪い酔っ払いと化し、二階の階段で虚ろな目をしな  
がら何かぶつぶつと呟いている。  
 鞠川静香は麗と同様に酒を呑み、さほど強くないのかあっという間に酔い潰れ、ベッドで寝息を立てて  
いる。  
 高城沙耶は風呂から上がった後、部屋のソファーで抜群のプロポーションを露出度の高いシャツとホッ  
トパンツで晒しながら無防備に眠っている。  
 平野コータは一人二階の部屋から外の様子を警戒している。  
 
 そして、小室孝と毒島冴子。  
 
 孝は酔い潰れた静香をベッドへと運ぶと、麗の色仕掛けや沙耶のあられもない寝姿に必死に理性を抑  
えながら台所へと足を運んだ。自らが依頼した夜食と明日の弁当を作ってもらっている冴子の様子が気  
になったのだ。台所へ近付けば近付く程に美味しそうな良い香りが彼の鼻腔を擽るとともに、昼からろ  
くなものを食べていない腹の虫を刺激する。  
 ゴクン、と漂う香りに口の中に染み出た生唾を呑み込みながら台所へと入った孝は何気なく調理をし  
ている冴子を直視せず、初めて入る台所の様子を見ながら口を開いた。  
「すみません毒島先輩、面倒を押し付けちゃって……って、えぇぇっ!!?」  
 だから、彼女の姿を見てしまった孝は思わず悲鳴に近い声を上げてしまう。  
「……? どうかしたのか?」  
 調理小道具のおたま片手に、鍋で何かを煮込んでいる冴子が首を傾げながら視線だけ彼の方に向ける  
。つまり今彼女は孝に向かって背を向けている訳だが、彼女の格好はあまりにも突飛だった。  
 服を着ていない――という訳ではないが、冴子は上下含めて二つしか衣服を身に着けていなかった。  
部屋にあったものを拝借したのだろう、調理には欠かせないエプロンと、そして彼女が元々身に着けて  
いた黒いパンティー……それだけだ。孝の目を釘付けにしたのはそのTバック状のパンティーから食み  
出た引き締まった彼女のお尻だ。  
「ああ……この格好か? 制服を洗濯している間、着ているものがなくてな。少々はしたなさ過ぎた  
かな、すまない」  
 冴子は孝に向き直ると、自分の格好を自ら示すようにエプロンの両肩の紐を少し持ち上げた。当然  
だが、よくよく見れば彼女はブラジャーを着けておらず、白く薄地のエプロンから丸いピンク色の何か  
が二つ薄っすらと透けて見える。  
「いっ! いや! そんな事ないです、けど……っ!」  
 いつ“奴ら”が襲って来るか分からないこの状況で、武器である木刀も携帯せずにそんな格好で調理  
する冴子。二階で警戒するコータや自分の事を信頼してくれているという表れであると気付いた孝は嬉  
しくなるとともに、より一層彼女の姿を舐め上げるように眺めていた。  
 さすがに堂々と眺めていると冴子もその視線に気付く。だがその格好が男を誘惑している事も、そし  
て自ら恥ずかしがってもいない事も、彼の抑えていた理性を壊している原因であると気付かなかった。  
 だから、冴子は孝の壊れかけた理性にとどめをさすかのように、両手でエプロンの上から乳房を隠す  
ようにすると、口からちろっと舌を出して、悪戯っぽく笑った。  
「……小室君のえっち」  
 敢えて甘えるような色気のある声を出した冴子。彼女らしくないその可愛らしい声と台詞に、孝はも  
う理性を抑える事はできなかった。  
 
 鍋に向き直り、冴子は鼻歌まじりで手に持ったおたまを動かしていく。作っているのは筑前煮だ。  
鍋の中にはところ狭しとれんこん、にんじん、ごぼう、こんにゃく、鶏肉などがたっぷりと煮込まれている。  
一人分や二人分ならまだしも、六人分の量を作らなければならないのだ。もしかしたら育ち盛りの彼らに  
とってはこれでも足りなくなるかもしれない。  
 小皿におたまで掬った筑前煮のだしを注ぎ、それを口元に運んで香りと味を楽しむ冴子。彼女の表情  
から味付けは満足にできあがった事が窺える。  
 冴子の手料理も楽しみだったが、孝はそんなものよりももっと楽しみたいものがあった。  
 彼女を襲う事。彼女の引き締まった身体を自分の物にする事。  
 彼女を――……犯す事。  
「ぅわっ!? こ、小室君……っ!?」  
 孝は冴子の背後に忍び寄ると、何も言わずにその細い身体を両手で抱き締めた。普段から剣道で身体を  
鍛えている彼女の身体は他の女性と比べるとしっかりしているが、それでも柔らかな肌を抱き締める感覚  
は心地良いものがあった。彼女の髪から漂うシャンプーの良い香りは、筑前煮のそれよりも孝の胸を高鳴らせる。  
 彼女の身体を抱き締めたまま、孝は暫く動く事もしなければ言葉を発する事をしなかった。彼は既に我  
慢ができなくなっていた。だがそれでも、そうする事によって今までの関係が崩れてしまうのではないか  
という不安が彼を躊躇させる。かろうじて残っている理性と欲望の狭間で揺れているのが今の彼だ。  
 躊躇するも、冴子の身体を抱き締めている今、もう後には引けない。  
「先輩……ごめんなさい、我慢できません!」  
 孝はそれだけ発すると、冴子の抱き締めている手を移動させて、薄地のエプロンの上から彼女の豊かに  
膨らんだ二つの乳房を鷲掴みにした。途端、冴子の口から嬌声が漏れ始める。  
「んっ、くふぅぅぁっ、んっ、んふぅっ! だ、ダメだ小室君……やめて、くれ……あふんっ!」  
 エプロンの上からとは言え、まるで直に乳房に触れているかのような感覚。孝の手が握られる度に乳房  
がいやらしく変形して彼の指と指の間から食み出る。  
 初めて触れる女性の乳房。柔らかくて、暖かくて、弾力がある。冴子の甘い吐息が大きくなっていくの  
と比例するように、エプロンの中の乳頭が硬くなっていくのが手の平に伝わると、孝の興奮は冷め遣らぬ  
ものと化す。自分が胸を揉んでいる事で冴子が興奮してくれている事の表れだからだ。  
「小室君……ん、くっ、落ち着きたまえ……んはぁっ、君はこんな事をするような男子では……それに君  
には宮本君が――……ひゃぁあっ!?」  
 ふっ、と冴子の耳に軽く息を吹き掛けると彼女はビクッと大きく身体を震わせる。孝の位置からでは見  
えないが、彼女の頬は既に紅潮している。彼の身体を振り払う事はせずに、冷静を装って引き続き鍋の中  
へと視線を落としていた。だが、先程からおたまを持つ右手は時折震えを見せるだけで動いてはいなかった。  
 自らの弱点を僅かとは言え曝け出してしまった冴子は孝に気付かれまいと、ようやくおたまを持つその  
手を離すと、両手で孝の手を掴んで身体から引き離そうと力を入れる。だが、そうするには遅かった。  
「麗は関係ありませんよ……先輩――いや、冴子」  
 耳に息を吹き掛けた瞬間の冴子の反応を見逃す孝ではない。彼はもう一度短く耳に息を吹き掛けて反応  
を確かめた後で、かぷっとその耳たぶに齧り付いた。  
「ふああっ!! やっ、やめ――……ああん!」  
 耳は弱いんだ、耳は――冴子のその心の叫びは決して孝に届く事はない。仮に届いていたとしても、彼  
は聞く耳を持たず更に執拗に耳を責めるだろう。どちらにしろ状況は変わらないという事だ。  
 性感帯である耳を刺激されると得体の知れない快楽が冴子を襲い、彼女の手はおろか、身体全体の力が  
抜けていく。もう抵抗を諦めたかのように、彼女の手は孝の手から離れ、ただぶらんと肩からぶら下がっ  
ている状態になる。足にも力が入らなくなり、背後の孝に体重を預けてしまう。  
 こうなってしまっては冴子はもう、堕ちてしまっているのと同じだった。  
 
 孝の口の中の冴子の耳たぶ。生暖かい空間に包まれたそれは孝の熱い舌に舐め上げられ、そして歯で優  
しく噛まれて刺激を与えられる。孝はそうしながらも胸を揉む手の動くを休める事はなく、ついにエプロ  
ンの中に手を入れて生の感触を愉しみ始めた。両の手の平で乳房全体を押し上げたり、寄せたり、離した  
り、持ち上げたり、ぷるぷると震わせたり――……やがて最終的には乳頭を責める事に落ち着く。勃起し  
たピンク色の二つの突起は二本の指で簡単に挟む事ができた。今度はそれを転がしたり、引っ張ったりし  
て冴子の反応を愉しむ。  
「はぅあっ、んんっ、んっ、んはっ、あぁっ、あんっ!」  
 耳と乳頭を同時に責められると冴子の嬌声がどんどん大きくなっていく。台所に響き渡るのはもちろん  
のこと、隣の部屋で寝ている沙耶や廊下の階段にいる麗にも聞こえてしまう恐れがある程だ。  
 冴子も当然それを心配し、声を押し殺そうとしているのだが、孝の責めによって込み上がる快楽はそれを決して許す事はない。  
「あっ、ああっ、こ、声が……んっ、声が出てしまう……っ! 小室君……私の恥ずかしい声が、誰かに……っ、聞こえて、しまう……んくぁ、あっ、んぁっ!」  
 嬌声と嬌声の間にやっとの事で言葉を発する事ができた冴子だったが、孝はそんな彼女の心配を足蹴に  
するようにさらりと受け流した。  
「聞かせてあげればいい、冴子……僕の事も“孝”と、名前で呼んでくれ」  
「……っ、たっ、孝……孝ぃ……あぁっ!」  
 孝の名前を口に出しただけで、ドクン、と冴子の心臓が大きく脈打ったのが彼女自身分かった。孝が麗  
に好意を抱いている事を知っていながら、もしかしたらいつかこんな風に自分の事を彼に愛してもらいた  
かったのかもしれない。  
 それはいつしか、冴子がそんな孝に好意を抱いてしまっていた事実。恐らく、こんな事でもなければ彼  
に思いを告げる事はおろか、自分の気持ちに気付けないままだっただろう。  
 好きな異性に自分の身体を玩ばれて、冴子は嬉しいような哀しいような複雑な感情が入り混じり、更に  
それに快楽がブレンドされて頭の中が真っ白になり掛けていた。思考回路がショートしてしまったかのよ  
うに上手く物事を考える事ができない。  
 そんな中、ただ一つ自信を持って言える事があった。冴子の身体は、もっと快楽を求めている、と。  
 だからこそ、孝の手がそっと彼女の股間に触れた時も、彼女はただ嬌声を漏らすだけで彼を止めようと  
もしなかった。それどころか、  
「あはぁっ、気持ち良い……っ! もっと、もっと触ってくれ……!」  
 と、勝手に口が動いていた。冴子自身が言おうとした台詞ではない。  
 何てはしたない事を言っているのだ、私は――良くこういったシチュエーションで言われる台詞に『身  
体は正直だ』という台詞があるのだが、まさにその通りだった。彼女の意図とは関係なく、彼女の身体は  
言葉通りに快楽を求めていた。それは孝も気付いていた。  
 ぬちゅ、と湿った音がする。小さい音だったが、それは二人の耳に届いていた。孝が冴子の秘部に触れ  
た瞬間に発せられた音。秘裂から溢れる粘着性のある液体が彼女の黒色のパンティーを濡らし、内側どこ  
ろか外側にまでも浸透していたのだ。秘裂をパンティーの上から何度か上下に擦るだけで、孝の指が濡れ  
て光沢を放つようになる。  
 その指を孝は一旦自分の目の前に持って来た。まるで直に秘部に触っていたかのように、指に付着した  
透明の液体が一筋の水滴となって指を滴っている。その指を孝は冴子の口元へ持って行った。  
「ほら、冴子……お前のいやらしい汁だ」  
 冴子は何も言わなかった。何も言わなかったが、その小さな口を開いて、孝の指を口に銜えた。  
「ずちゅ、じゅるる、んっ、ちゅっ、ちゅちゅっ、んふぅっ、ずちゅる」  
 自らの淫液が付着した孝の指を、冴子は躊躇う事なく吸い上げてながら舌を絡める。非常に官能的な光  
景だった。孝も本当に冴子が指を舐めてくれるとは思っておらず、指に伝わる暖かい感触に興奮のあまり  
身震いする。  
 暫くして孝が冴子の口から指を抜き取ると、彼女はとろんとした目で振り返り、彼の目を見た。  
 それが何を求めているのか察した孝は、手を再び冴子の股間へと持っていきながら、その濡れた唇に自  
分の唇を重ねた。  
 
 冴子にとって初めての口付けは大胆かつねっとりとしたいやらしいものだった。以前に読んだ事のある  
小説や漫画で見た事をそのまま試すかのように、重なった二つの唇の間に舌を割り込ませていく。  
 こんな事、孝は嫌がるのではないだろうか――と冴子が不安になる必要もなく、彼女の舌が孝の唇に触  
れた瞬間、彼は口を開いてその舌を受け入れ、じゅるると下品な音を立てながら吸い上げる。そうしなが  
ら自らの舌も絡ませ、互いの舌先が相手の舌の表面をなぞるかのように丁寧に動かす。溢れ出す二人の唾  
液が混ざり合い、何度も唇と舌を動かしている内に口内から飛び出したそれは、糸を引きながらやがてぽ  
たりと床へと落ちて弾けた。  
「んふぅ……んっ、んん……んっ……」  
 冴子の小さな鼻から漏れる吐息が孝の鼻の下を擽る。彼の手も我慢できずに指先を彼女のパンティーの  
中へと侵入させ、直に秘裂に刺激を加えていく。ぬるぬるとしたその感触がまた心地良く、硬くなった小  
さな突起に指先が触れると、冴子は全身に電流を駆け巡ったような衝撃を受け、思わず口内の孝の舌を噛  
みそうになった。  
 ずっと口付けを交わしていたい冴子だったが、もう手だけでは身体が我慢ができなくなっていた。  
 もっと、もっと気持ち良くして欲しい――冴子は初めて孝の動きに抗い、触れていた唇を離すと同時に  
自らの股間へと伸ばされている彼の手を優しく退かせた。  
 孝が戸惑っていると、冴子は少しだけ焦げたような臭いを発する筑前煮の火を止め、鍋の中身を心配す  
る事もせずにコンロの前に両手を着いた。体重の半分を両手で支えるようにして、ぷりん、とその白く美  
しいお尻を孝に向かって突き出す。少々汗ばんだ尻肉と、太腿を伝う股間から溢れる淫液に孝はごくりと  
喉を鳴らした。  
「た、孝……お願いだ、もう我慢できないのだ……っ!」  
 冴子が何をどうして欲しいのか、状況から察する事ができる。既に孝の逸物はいきり立っており、ズボ  
ンに大きな膨らみを作っている。今すぐにでもチャックを下ろして狭い空間から解放してやりたいのだ  
が、彼はその衝動を抑えて身体を動かさずに口だけを動かした。  
 口元に妖しげな笑みを浮かべる孝は、自分に逆らう事ができそうにない冴子に更なる羞恥を与える事を  
考えていた。  
「僕にどうして欲しいって?」  
「……っ、私のアソコに君の、その……逞しい、モノを……挿れて欲しい……!」  
 案の定、冴子は耳まで真っ赤にしながら、躊躇いながらも彼女の願望を伝える。  
 当然、その中途半端な単語の羅列では孝は満足しない。彼が冴子の口から聞きたいのはもっと卑猥な単  
語だ。彼女の口からは決して想像もできない単語――……俗に言う淫語だ。  
「具体的に言ってくれないと分からないよ」  
「……私の、おま……こに、君の逞しいち……ぽを、挿れて欲しい……っ!」  
「もっとはっきり言ってくれ」  
 分かっているのに分かっていないフリをする孝は熱い眼差しで自分を見つめる冴子に悪戯っぽく笑う。  
 冴子の高いプライドは投げ棄てざるを得なかった。この身体の疼きを止めるために、自らの欲求を満た  
すために仕方がない事ならば――……。  
 だから冴子は叫ぶように大きな声ではっきりと、自ら言われてもいない卑猥な言葉を付け足して言った。  
「私の濡れてヒクヒクしているおまんこに、君の硬くて太い、逞しいちんぽを挿れてくれぇっ!!」  
 
「……良く言えました。ほら、自分でパンツ脱いで」  
 冴子は体重を両足へと戻すと、空いた両手で黒色のパンティーを下ろしていく。ゆっくり、ゆっくり  
と。お尻の割れ目が見えたかと思うと、すぐに小さな菊座と光沢を放つ秘裂が露になる。股下までパンツ  
を下ろしても淫液が一本の釣り糸のように秘裂とパンティーを繋いでいた。膝の上まで降ろした後は重力  
に引かれるまま、音も立てる事なく床へと落ちる。黒色の布地は汚れていても濡れていても目立つ事はな  
いのだが、彼女の脱ぎ立てのパンティーの股間に密着していた部分は孝の少し高い視点からでもはっきり  
と見て取れた。彼女の大量の淫液で濡れた、その箇所を。  
 冴子がパンティーを脱ぎ終わる頃には孝も準備万端だった。ズボンとパンツを下ろし、勃起した逸物を  
露出させる。前戯などもう必要のない、冴子の秘裂も逸物を受け入れる準備万端の状態だったのが、孝は  
冴子の身体をもっと堪能したかった。逸物を出しておきながら孝は屈み込むと、両手で彼女のたわわな尻  
肉を揉みながら口を秘裂へと近付けた。  
 初めて嗅ぐ女の秘裂の臭い。シャワーを浴びたばかりのせいか、淫液塗れのそれは何処か甘酸っぱいよ  
うな香りを漂わせていた。孝はそれを鼻から思いっきり吸い込んで肺を一杯に満たした後、口を大きく開  
いて6、7センチほどの大きさの秘裂を咥え込むように密着させた。  
「あはんっ! はぁっ、んくっ、んんっ、あっ、ああっ!」  
 指とはまた違った刺激が冴子を襲う。冴子は前に倒れそうになって、再び両手を着いて身体を支えた。  
目を閉じて眉間に皺を寄せるその表情は快楽に溺れてしまうのを我慢しているようにも見える。  
 ――ずじゅるるる、じゅる、ちゅっ、ちゅちゅっ。  
 あぁ、私のおまんこ、舐められてるぅ……えっちなお汁が吸われてるぅ! 気持ち良い……っ、何か、  
もっと興奮してしまう――。  
「ん……っ、た、孝ぃ、そこ……汚いよ……ぉっ!」  
「……っぷは。冴子のココは汚くなんかないよ……美味しいよ、冴子」  
「お、美味しいよって……っ!? はぅあっ、あっ、あふっ!」  
 一度離した口をもう一度秘裂へ押し付ける孝。先程は口の中のそれを舌で舐め上げたり吸ったりしてい  
たのだが、今度は膣口を集中攻撃する。舌に伝わる感覚だけでは分かりにくいのだが、舌を尖らせるよう  
にして入口を探していた彼は、さほど広くない範囲だったのもあってすぐにそれを見つける事ができた。  
 膣口に尖らせた舌を押し付けると、柔らかな肉を抉るかのように膣内へと侵入を果たす。それと同時に  
膣口の隙間からは淫液がぴゅっと吹き出し、孝の口内に飛び散った。舌を動かす事に神経を集中させる孝  
だったが、手を動かす事も忘れてはいない。尻肉は乳房とはまた違った柔らかさがあり、それでいて乳房  
と同様に鷲掴みにするその手の指と指の間は変形した尻肉が食み出ている。  
 舌の出し入れを繰り返すと、我慢の限界をとっくに超えていた冴子が懇願するように声を上げる。  
「んはぁぁっ! 孝、早く……早くっ、私の中をそのちんぽで掻き回してくれぇっ!! 焦らさないでく  
れぇ……っ、はぁっ、あんっ、んんんっ!!」  
 言われる間でもなかった。孝が舌をゆっくりと引き抜き、顔を離すと膣口からはまるで中に出された精  
子を搾り出すかのようにドプッと小さな音を立てて大量の淫液を吹き出した。粘着質のあるどろりとした  
それはゆっくりと彼女の秘裂を伝って淫核を包み込んだところでゆっくりと床へと垂れていく。  
 孝は立ち上がると右手で自分の逸物を掴んで、冴子の秘裂に押し付けようとする。だが、その角度はあ  
まりにも挿れ難い事に気付き、彼女に優しく声を掛けた。  
「冴子……もっと腰を上げて」  
「ん……」  
 言われるがまま冴子は背筋を伸ばし、上半身を屈めてお尻を突き上げる。先程は見え難かった二つの穴  
がくっきりと見えるようになると、孝はスムーズに挿入させるようにするためか、逸物の先で指で触って  
いた時と同様に秘裂に擦り付けて逸物にも淫液という潤滑油を付着させていく。  
 興奮した冴子の荒い吐息が聞こえる中、孝はようやく両手で彼女の尻肉を持ち上げるようにして菊座と  
秘裂を広げた後、膣口に向かって腰を突き入れた。  
 
 ――ずぶっ、ずぶぶ……っ。  
「くっ、はあああぁぁぁっ!!!」  
 一際大きな冴子の声の余韻が終わる頃、孝の逸物の先は子宮へと到達し、これ以上奥へは侵入できない  
位置にまで達していた。彼のそれは大きく、彼女の奥にまで到達してもまだ数センチ余している。  
 初めてだというのに不思議と痛みもなければ血が出る事もなく、冴子を襲うのは言葉にできない程の快  
楽のみだった。まだ挿れられたばかりだというのに頭の中が何も考えられない真っ白になってしまいそう  
になる。否、一瞬だけだが入れられた瞬間に頭の中が真っ白になってしまっていた。小さくだが、彼女は  
絶頂を迎えていたのだ。  
「〜〜っ、冴子、締め付け過ぎだ……もっと力を抜いてくれ」  
 孝の逸物をぎゅっと包み込む冴子の膣壁。柔らかく、暖かく、ぬるぬるとした膣壁にきつく締め付けら  
れるその感覚も彼にとって快楽以外の何者でもない。男は連続して絶頂を迎える事が難しいため、愉しむ  
ためには襲い来る絶頂感を必死に我慢しなくてはならないのだ。  
「そんな事言われても……んふぅっ、きっ、気持ち良過ぎるのだ……っ!」  
「僕も気持ち良い……冴子の中、最高だよ……っ!」  
「そうか……嬉しい、嬉しいよ、孝ぃ――……あぁっ!!」  
 孝は思い切って腰を引いた後でもう一度一気に膣内へと逸物を突き入れた。パンッ、と腰と腰がぶつか  
って乾いた音を立てる。衝撃に冴子の尻肉が波打ち、二つの乳房がぷるるんと大きく揺れる。同時に二人  
を激しい快楽が襲う。孝は早くも絶頂を迎えそうになって、逸物を突き入れた状態のまま一息吐こうとし  
ていた。無論、そうしているだけでも冴子の締め付けによって絶頂感が込み上げてくるのだが、腰を動か  
すよりは遥かにマシだった。  
 一度落ち着いた後で腰を激しく動かすつもりだった孝。だが、それを許さなかったのは冴子だった。  
 ――パン、パン、パン、パン。  
 先程の音が比較すると小さいのだが、その音は確実に響いている。孝は動いていない。動いているのは  
冴子だった。  
「あっ、んあっ、はぁっ、あっ、あぁぁっ! ダメ、ダメだっ! 腰が勝手にぃ……んふぁっ!」  
「さっ、冴子! それマズイって……くぅっ!?」  
 あっという間だった。突如として湧き上がる制御できない射精感に、孝は冴子の秘裂から腰を引かせる  
事もできなかった。彼の逸物の先から放射される熱い欲望が彼女の膣内を満たしていく。  
 自分が早漏だという自覚は孝にはなかったが、決して彼が早漏だという訳ではない。初めて体験するセ  
ックスの快楽は彼の想像以上のものだったのだ。相手が極上の美女であることも相俟って、彼は挿入して  
から一分も経たない早さで果ててしまう――……それも膣内に。  
「熱い……っ、熱いのがおまんこの中に溢れてるぅ……っ!!」  
 膣内に出されたというのに、冴子はただ悦ぶだけだった。妊娠など、後先の事など彼女の頭にはなかっ  
た。あるのはただ、快楽に溺れておかしくなってしまいたい、という欲望だけだ。当然まだ絶頂を迎えて  
いない冴子は満足ではなく、物欲しそうな目で振り返り、孝の顔を見つめた。  
 孝はと言えば膣内で射精の余韻を愉しんだ後、徐々に小さくなっていく逸物が今も尚きつく締め付ける  
膣壁に押し出されるような形で冴子のお尻から腰を引かせた。まだ広がりを見せている膣口からは予想外  
にも彼の精液が溢れ出す事はなかった。それどころかヒクヒクと痙攣している膣口は「もっと精液が欲し  
い」と言っているようにも見える。  
「……どうした孝、もっと、もっと突いてくれ……私をもっと犯してくれ……っ!」  
 冴子が一旦逸物を引き抜いた孝に向かって、挑発するようにお尻を上下左右に振っている。  
 そうしたいのは山々だった孝だが、しなびれていく逸物に視線を下ろした後で首を横に振った。  
「むっ、無理だって! 男は一回イったら時間を置かないと……」  
「そうなのか……男子は面倒なのだな……では、こうするか」  
「こう、って――……あひぁっ!?」  
 孝の口から奇声が上がる。冴子が突然彼の身体を優しく押し倒すとそのまま彼の上に乗っかるようにし  
て、口を開いた。開かれた口はそのまま彼の股間へと運ばれ、まだかろうじて勃起状態である彼の逸物を  
美味しそうに頬張ったのだ。膣内とはまた違った温かさと気持ち良さが孝を刺激していく。  
 
 

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