「…………あ……鎖縛……っ」  
呼ぶ声が聞こえる。  
呼ぶことも、呼ばれることにも興味がなかった――むしろ嫌悪すら抱いていた自分の名を、  
サティンは吐息と喘ぎの入り混じった声で切なげに繰り返す。  
鎖縛の下に組み敷かれ、一糸纏わぬ姿をその前にさらしているというのに、こんな時でも  
その声は正確に自分の本質を呼ぶ。  
「んっ…………」  
首筋に歯を立てて強めに吸い上げる。張りのある乳房を乱暴に揉みしだく。  
胸元に、脇腹に、サティンの白い肌に、鎖縛は情欲の紅を無数に散らしていく。  
自分という存在をその白い肌に刻みつけるように。  
滑らかに滑る肌の感触を愉しむように、伝わる体温を愛おしむように、鎖縛はたっぷりと  
時間をかけて、その指で、その舌で、サティンの全身をくまなく愛撫する。  
だが、征服しようとその柔らかな肢体を蹂躙すればするほど、サティンの吐息が鎖となって  
鎖縛の思考に甘く絡みついてゆく。  
そしてその声が切なげに名を呼ぶたびに、囚われていくのがどちらなのかを鎖縛は思い知る  
のだ。  
 
「サティン…………」  
思わず洩らしてしまった声に応えるように、サティンの手が漆黒の髪に触れてくる。  
その指先を捕まえて鎖縛は自らの昂りへと導いてやる。  
それでもただ触れるだけのサティンに郷を煮やし、強引に自らの掌を重ねてそれを握らせる。  
「や…………鎖縛っ」  
「もっと呼べよ」  
誰かの代わりでも、ましてや偽者でもないというなら。  
お前が。  
この俺の名を。  
「さば……やっ……」  
自らのものを握らせたまま、鎖縛はサティンの太ももを抱え上げて膝の裏からくるぶしまで  
唇を滑らせる。  
「いやっ……鎖縛…………そん……なとこ……」  
つま先を軽く口に含んでやるとサティンはくぐもる様な声を漏らして身をそらそうとするが、  
鎖縛の手は容赦なく足首を掴んでその動きを封じる。  
足指の股を舌で割るようにして一本一本丁寧に舐め上げながら、髪と同じ砂色の繁みに指を這わすと、  
すでに溢れんばかりの雫で満ちていたそこは期待と羞恥にわなないた。  
そっと秘裂にそって指を動かしてやると、サティンの喘ぎはいっそう切実なものになる。  
「あ…………いやあっ! 鎖縛……!」  
 
「……もっとだよ……」  
もっと求めて来い。  
もっと焦がれればいい。  
 
積年の渇きをサティンで満たそうとするかのごとく、鎖縛は執拗にサティンを責め、弄り、  
秘壷から愛蜜を溢れさせる。  
唇はサティンの上半身を余すところなく貪り続けながら、指を1本、2本と沈め、  
軽く上下に蠢かしてやる。  
それだけで、そんな鎖縛の願いはたやすく叶えられる。  
切なげに、搾り出すように、サティンは彼の名を呼び求めた。  
「いやあっ……! 鎖……縛っ……あたし、もう…………!」  
はじけるように、サティンの背中が弓なりにしなる。  
鎖縛の指先を包んでいた柔らかな肉壁がわななくように収縮、弛緩を繰り返すと、  
最奥からとろりとあふれ出した歓喜の雫が鎖縛の手のひらを濡らした。  
 
「……やっ……!」  
自分だけ達した後の羞恥心がこみ上げてきたのだろうか、サティンは両の腕で顔を隠しながら  
身じろいだ。  
その行為が逆に白い上半身を無防備に自分を組み敷いている男の視線の元にさらけ出すことに  
なり、形のよい乳房が荒いサティンの呼吸とともに震える様はつかの間鎖縛の目を愉しませた。  
「サティン……」  
どこか優しげに聞こえる声とは裏腹に、鎖縛はいささか乱暴とも思える力で顔を覆うサティンの  
両手首を掴みあげる。  
「つっ……あ、いや……鎖縛」  
「いや、じゃないだろう?」  
抗うサティンの両腕を一方の腕だけで封じ込め、彼女の頭上へと持ち上げて押さえつける。  
そのままかがみ込むように上半身を倒し、サティンの鼻先、額、頬、そして唇へと舌先を  
這わす。  
「ん……」  
「目を開けろよ、サティン」  
「……いや……っ…………」  
「いいから目を開けろって」  
噛み付くような口付けでサティンの気を引いてどうにか薄目を開けさせることに成功した鎖縛は、  
薄く笑いを浮かべると、ゆっくりと彼女の眼前で己の掌を舐め上げた。  
先ほどのサティンの昂りでてらてらと濡れた指先が、鎖縛の薄い唇へと吸い込まれてゆく。  
 
「いや、やめて頂戴ったら……もう、馬鹿――!」  
演技ではなく心底羞恥きわまる様子でサティンが噛み付くように叫んだ。再び閉じられた  
サティンの両瞼に口付けを落としながら鎖縛は囁く。  
「自分だけイッたらそれでおしまいか? ずいぶんとわがままな奴だな」  
言いながら、鎖縛の舌はサティンの首筋を通って、鎖骨、肩、そして乳房へと透明な軌跡を  
残しながら移動していく。  
「そんなんじゃ……! わたしはただ……わたしばっかりっていうのがっ…………はず…  
…あっ……だから嫌だって言ってる……ああっ」  
鎖縛は片方の乳首を口に含み、わざと舌先が敏感な部分に触れないようにしながら、  
唇だけでその弾力を味わう。  
「なんだ? 聞こえないな……」  
しっとりと汗ばんだ肌の感触を楽しみながら、鎖縛はもう片方の乳房をそっと撫で上げた。  
何かを期待するように硬く立ち上がった先端には触れないギリギリのラインのあたりまでを  
ゆっくりと揉み上げる。  
サティンの喉が何かを言いたげに切なく喘いだが、意志の力で抑えたのかごくりと飲み込  
んで唇を引き結んだ。  
サティンのそんな姿が面白くもありまた物足りなくも思えて、鎖縛はあえて焦らすような  
愛撫を続けた。わき腹から腰をたどって太もも、そしてその内側へと指を這わせる。  
先ほど鎖縛によって達せられたばかりのそこは、いまだにあふれ出る蜜を滴らせながら狂  
おしいほどの収縮を繰り返して自分を満たすものの到来を待ち続けている。  
 
「さ……ばく」  
昂りっぱなしの鎖縛自身のモノが、サティンの喘ぎに呼応する。濡れた先端が、獲物を前にして  
歓喜に震える肉食獣のように涎を迸らせる。  
――だが、まだだ。 
ともすれば暴走しそうになる下半身をなだめながら、鎖縛はサティンへの愛撫に神経を集中させる。  
焦がれるように腰をくねらすサティンの動きを巧みにそらしながら、あえて敏感な花芯には  
刺激を与えてやらずに、柔らかな双丘の茂みをかき乱す。  
もっと。もっと呼べばいい。焦がれればいい。  
俺の名を。俺の存在を。  
その声で。その瞳で。  
「いや……鎖縛、お願いっ……」  
サティンの喘ぎはいつしか懇願に変わる。しかし鎖縛の愛撫は止むことがない。  
執拗な、それでいて一番敏感な部分には触れてくれない、ともすれば苦痛にも  
なりかねないほどの快感と焦燥がサティンを狂おしいほどの高みへと追い詰めていく。  
「お願いよ、お願いだからっ……ああっ! 鎖縛っ……」  
サティンの両腕が鎖縛へと伸ばされ、その首に絡みつく。声を殺すことも忘れて振り絞るように  
嘆願するサティンの頬は薔薇色に染まり、そこから蒸散される色香が辺りの空気まで  
染め上げているように見えた。  
美しい。だが、気に入らないところがひとつ――。  
「目を開けろよ。サティン」  
 
眉間にしわがよるほどきつく閉じられたサティンの両瞼に視線を落としながら、鎖縛は  
まっすぐに立てた二本の指をおもむろにサティンの奥に差し入れた。  
「つっ……」  
いきなり押し入れられたまま動かないそれは快感というよりは異物感に近く、サティンは  
顔を歪ませたまま薄目を開けて物問い気な視線を鎖縛に向け――そのまま、囚われる。  
焦がれたような眼差しは、どちらのものか。  
欲するものの真剣な表情で、鎖縛が囁く。  
「俺を見ろ、サティン。……お前が欲しいのはなんだ? 言ってみろよ……」  
「鎖縛……」  
根元まで埋もれた指に絡みつくサティンの肉襞が言葉よりも雄弁に締め上げる。それでも  
鎖縛は動かさない。極限まで焦らされたサティンよりもさらに焦れたような掠れる声で  
問い重ねるそれは懇願にも似ていた。  
「サティン、何が欲しいんだ? お前は……何を望んでいる……」  
望んでいるのはどちらなのか。  
「鎖縛が……鎖縛の全部が、欲しいのっ……! お願いよ…………!」  
指が引き抜かれるのと、熱く猛々しいものがサティンの真奥までを一気に貫いたのが同時だった。  
 

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル