「よくきたな」
”タイ”タニック号を占拠したテロリストたちはナギと咲夜の頭に銃をつきつけながら
ハヤテを迎えた。
「お嬢さまと咲夜さんを離せ!」
というハヤテの言葉は冷笑で応えられる。
「それはできねえ相談だ。他の執事どもはすでに縛って船内だ。こいつらの首につけた
爆弾を作動させられたくなければお前もおとなしくするんだな」
テロリストが二人の首が良く見えるようにすると、船内放送のとおりナギと咲夜の首に
巻きつけられた爆弾が鈍く光った。いかにハヤテや他の執事が超人的でもこの状況を打開
することは不可能だ。
「くっ、何が狙いだ!」
「フン。それを教えてやってもいいが、せっかくだから余興を見せてもらおうか」
テロリストは咲夜の背中を強く押して、ハヤテの前に転ばせる。
「咲夜さん!大丈夫ですか?」
「そいつは捕まえるときに噛み付きやがってな…罰としてお前がそいつを犯せ」
『なっ!』
ハヤテ、ナギ、咲夜は同時に驚きの声をあげた。
「お前がやらないなら俺たちが、こっちの小娘を可愛がってやってもいいんだぜ?」
どうする?という問いにハヤテはかなり逡巡しながらも咲夜に手をかけた。
「すみません。咲夜さん」
「…しゃーないな。借金執事がワシよりナギを優先するのは当然やからな…」
「……」
ハヤテは咲夜を抱き寄せるとそっと口付けた。
「ハヤテッ!サクッ!」
ナギが複雑な感情を抱えてジタバタ暴れるが、腕をひねりあげられてうめいて黙る。
「おとなしくしてろ!そっちの執事も前戯なんかいいから、さっさと入れやがれ!
俺たちが見たいのはレイプなんだからな!」
「っ!」
ハヤテは歯噛みするが、意を決して咲夜を甲板に押し倒し、着衣を引き裂いた。
「ひっ…止め…んぅっ!くぅぅ」
今度のキスは打って変わって口腔を犯すように激しく容赦がなかった。ハヤテにとって
誰を優先するかは明らかなのだ。そのせいで守るべき人から嫌われることになろうとも。
咲夜の着衣はあっという間にズタボロにされて、男の欲情をそそるに充分な年齢に比して
豊満な胸と、白く柔らかそうな大腿が布の間から露になる。
ハヤテはおもわず生唾を飲み込むと情けなくも見事に勃起した肉棒をとりだした。これは
テロリストに命令されて『しかたなく』することなのだ。肉棒をこっちは歳相応の割れ目に
押し付ける。
「いや…いややっ!やめっ、そんなん入らんて……っ――――!!!!」
破城槌が城門を打ち破るように、圧倒的な破壊をともないながらハヤテの肉棒は咲夜の
中に押し入った。咲夜はあまりの激痛に大きく喘ぎながらポロポロと涙をこぼす。ハヤテは
とりあえず間をおこうとするが――
「休むな。続けろ!」というテロリストの言葉に従って破壊を続行する。こちらに注意を
そらすことができなければ、ナギが犠牲になるだろうことをテロリストのぎらつく目は
物語っていた。
「あ、がっ…ひぃっ、ひぁっ…うぅ、ふっぐ…うぇ、」
咲夜はハヤテの動きにあわせて耳を塞ぎたくなるような悲鳴と涙をもらす。あの乱暴で
気の強い咲夜が自分の下で打ちのめされていると思うとハヤテの肉棒は怒張の度を増し、
咲夜へ与えるダメージを大きくしてしまう。
ナギを横目でみると全てに絶望したような瞳でハヤテの行為を無言でみつめていた。
それでもハヤテはやめられない。わずかな破瓜の血だけを助けとしてピストン運動を続け
咲夜の肉襞を蹂躙していく。無理な摩擦によってハヤテの肉棒もヒリヒリと痛んだが、
そんなことに構うわけにはいかなかった。咲夜の方はすでに苦痛の限界に達したのか、
痛みの悲鳴よりもショックのすすり泣きを多く漏らしていた。
「もう堪忍して…ワシ、死んでまう…」
「あと、あと少しですから、咲夜さん。我慢してください」
「…ちゃんと中に出せよ」とテロリストが命令する。
「くっ…わかりました」
蒼白になって咲夜は懇願する。
「あ、あかんて…それだけは、中に出すのだけは…危険日やのに」
ハヤテは目で咲夜に謝ると、咲夜の最奥を打ち破らんばかりに突きまくり先端を子宮口に
めりこませんばかりにして射精に達した。精液の奔流が咲夜の内部を焼く。
「ひぇっ…ひゃぁあああっ!!」
射精の衝撃に咲夜は絶叫すると力尽きて甲板に転がる。ハヤテも苦痛と自分の行為への
やりきれない思いから甲板に膝をついてゼェゼェと呼吸する。泣いてしまわなかったのは
咲夜に悪いからだ。ナギはつらそうに目をそむけ、テロリストだけが笑っていた。
「次は――」
オロオロ…
伊澄としては急いだつもりだったが咲夜が犠牲になってしまった。ハヤテが巧みに時間を
稼いでくれればよかったのだけど。ともかくここは、一秒でも早くテロリストと爆弾を始末
することだ。
「いでよ!式神コル○ット…」
伊澄が時間をかけて構築した結界の内部が輝き、ヘドロのような表面を持ち、牙のある口を
全方位に誇示する巨大な球体に貧相な手足をつけたモノが現れる。
伊澄はそいつに方位を指示すると力強く命じる。
「放て!」
「ギュオオオオッ!!」
コル○ットの口が伊澄の命じた方向――ハヤテと咲夜、ナギ、テロリストたちが一直線上
にある方向――に集中し、ひとつの巨大な開口部を形成する。高周波音と共に光がそこから
溢れだし――刹那、全てを飲み込んだ。
聖母殺人エクストリーム!
その効用は肩こり頭痛腰痛生理痛を治し、生物以外全ての物質をマ○に還すこと!
そう、爆弾も銃器も衣服も”タイ”タニックもだ。
直撃を受けたハヤテたちは呆然としていたが、何が起こるか事前に聞いていたハヤテの
立ち直りが最も早かった。全裸で格好のつかない姿ながらテロリストのうち二人を蹴り倒す。
「何なんだ!?くそっ。こうなったら、せめてこいつだけでも…」
最後のひとりがナギに襲いかかろうとする、全裸で。しかし、その懐に小さな影が
電光石火の如くもぐりこんだ、全裸で。
「あの丸っこいゲテモノは何やねーんッ!」
「し、知るかーっ!――ぎゅべれぽぺッ!!」
テロリスト、ツッコミで空へ、全裸で。
全てが片付いたあと、咲夜はハヤテをどつきまわしながら言う、全裸で。
「ずいぶん、やりたい放題やってくれたやないか?執事君」
「す、すみませんっ」
「待ってくれ、サク!」
「ナギ、事情があったとはいえ、こいつがワシを傷つけたのは事実や。ちょっと貸して
くれんか?」
「な…何をする気だ?」
「なぁに。廃人になるまでツッコミの練習台にするだけや」
『ツッコミ?』
主従はそういって咲夜の血塗れた股を思わず見つめた、全裸で。聖母殺人エクストリームの
効用で一時的に引いた痛みがぶり返してくる。
「二人そろって何考えとるんや!このマセガキどもがーっ!」
「ぐぼっぱーっ!」
全裸のハヤテを全裸で吹き飛ばした咲夜に、着物の伊澄がオロオロ声をかける。
「あの…」
「…なんや?どこにいたんや?伊澄さん」
オロオロ。
「その…お船が沈んでしまいますよ?」
伊澄が振袖からはみだす白魚のような指で示した先には聖母殺人エクストリームの直撃を
うけて船上構造物と船体の半分を失っている”タイ”タニックの姿があった。
「な、なんやって――っ!!」
何とか沈まずに漂流する”タイ”タニックは海上保安庁によって3時間後に救助された、
着物の少女をのぞいた全ての乗員が全裸で。