「はぁ……どうしてワタルには私の漫画の良さがわからんのか……」  
屋敷の廊下をとぼとぼと歩きながら、ナギは呟いた。  
つい今しがた電話で、ワタルに彼女の自信作を散々にけなされたばかりなのだ。  
年中無休・二十四時間営業で傍若無人に見えるナギだが、これでも漫画に対する姿勢は本人なりに真剣だ。  
ワタルの批評眼については信頼しているだけに、その批判が胸に突き刺さる。  
自然と足も重くなろうというものだ。  
しかしやっかいなことに……ナギにはなぜ、ワタルが自分の作品を酷評するのかわからない。  
なぜならワタルの批評の9割くらいは、「わけわかんねーよ」と「意味わかんねーよ」と「とにかくわかんねーよ」の三つに集約されるからだ。(実際その批判は客観的に見て適切なのだが)  
ワタルのレベルが低すぎるのだと言ってしまうこともできるが、ナギはそうはしない。  
「読者に理解されないのを読者のせいにしてはいけない。やはり私のネタの噛み砕き方が足りないのか……」  
実力はともかく、やはり漫画に対しては真面目なのだ。  
本当に誰にも理解されないのなら、いくらナギといえど、自分の才能の無さを知っただろう。  
しかし幸か不幸か、ナギには伊澄という理解者がいる。  
素人にはありがちなことだが、たった一人でも理解者がいると、その賞賛の言葉ばかりを受け取り、回りの批判が頭に入らなくなってしまう。  
今のナギは、まさにそんな状態だった。  
そんなわけで、彼女はいつも通り、間違った結論にたどり着いた。  
「とりあえず、私の漫画は女子にはウケることに成功している。しかし男子には理解されない、ということか……」  
そこでナギは首を振った。  
「しかし私の漫画の素晴らしさを男子が知らないままでいいはずが無い。私の野望を達成するのも難しくなるし」  
彼女の野望とは、もちろん自分の単行本を1兆部売ることだ。  
この夢を聞かせると誰もが微妙な笑顔を浮かべつつコメントを避けるのだが、ナギ自身はさほど大きな夢とは思っていない。  
地球には60億人もの人間がいるし、かつて手塚治虫は単行本にして400冊もの作品を書いた。  
50億人に200冊ずつ買わせれば1兆部になるのだから、可愛げのないくらい現実的な夢だと、ナギは思っている。  
 
それにしても、やはり男性読者を切り捨てて達成できる数字でないことはナギにもわかる。  
「ふーむ、男にアピールする要素を入れる必要があるのか……となると、やはりお色気か。安易なお色気は女性読者に嫌われるリスクもあるが、最近は少女漫画の方がむしろ過激だというしな……」  
うんうんと一人頷くナギ。  
「やはりクリエイターといえど、多少読者に媚びることも必要だな。よし、そうと決まれば早速資料を調達して……」  
実践だ、と言いかけて、ふと止まる。  
「しかし私の漫画であるからには、お色気描写も私オリジナルのものでなければいけないな」  
なにごとにつけ、この考えが間違いの元なのだが、本人は気づいていない。  
「となれば、資料といってもデッサン集とか、他人が手を加えたものはすでに他人の手垢に塗れているわけだ……」  
顎に手をあて、その場をぐるぐるぐるぐる歩き回りながら、ナギは一人言をつぶやきながら思案にふける。  
「うむむむ、駄目だ、銅像だとか会ったこともないモデルの裸をデッサンしても、生きたキャラとして漫画に描写できないだろう。ここはやはり、私のよく知る人をモデルにする必要がある!」  
カッと、ナギの背景に雷光がほとばしった。屋敷に備え付けられた全自動特殊効果発生機は今日も大活躍である。  
「となると、やはりこんなことを頼めるのはマリアとハヤテしかいない……ううううしかし!」  
考えに没頭するナギの歩みは、どんどん速くなる。周囲の空気が竜巻のように回転し、床に敷いてある絨毯に、円形の足跡ができる。ナギゾーンだ。  
その様子を遠くからタマが見つけ、見なかったふりをしてどこかに歩み去った。  
「お色気シーンの参考にするんだから裸で抱き合ったりとかしてもらうわけで……あああああ私『を』愛するハヤテにそんなことさせられんっ!」  
ナギは頭を抱え、その場にうずくまった。  
彼女はしばらくの間そうしていたが、やがて立ち上がる。その目には、奇妙な光が宿っていた。  
「ふ、ふふふふふ……やはり私は、こういう女だったのだ……」  
今や、ナギの表情に迷いはなかった。その顔にあるのは、あらゆるものを犠牲にして高みを目指す求道者のそれである。  
「かつて、どうしても納得のいく地獄の絵が描けずに悩んでいた絵師は、自分の最愛の娘を炎の中に投じ、その苦しみながら焼け死ぬ姿を参考に大傑作を仕上げたという……」  
ナギは、迷いを振り払うようにぐっと拳を握った。その拳が、ぶるぶると細かく震えている。  
「ハヤテ……お前には悪いが、私の野望の礎になってもらう……」  
ナギは歩み出した。心臓から血の涙を流しつつも、彼女の決意は変わらない。  
「正気にては大業成らず。漫画道(まんがみち)は死狂いなり……藤子不二雄A先生もそう言っている」  
言ってません。  
 
 
間もなく、ナギの寝室に呼び出されたハヤテとマリアが到着する。  
ナギはさっそく、二人に何をしてもらいたいか伝えた。  
「というわけだ。よろしく頼む」  
そう言われて、マリアとハヤテは思わず顔を見合わせた。  
ナギのわがままや無茶な要求には慣れているはずの二人だが、さすがに顔の半分くらいが口になるまであんぐりと大口を開けている。  
「あの、お嬢様……」  
「言うなハヤテ!!」  
ナギは片手をハヤテに向かって突き出し、辛そうに顔を背ける。  
「お前が辛いのはよくわかる。いや、私だって辛いんだ。しかし……私の野望のためには必要なことなんだっ!!」  
拳を固めて一人盛り上がるナギをよそに、マリアとハヤテは素早くアイコンタクトを行う。  
『なんか、説得しても無駄な感じですね』  
『そうですね。ナギがこのモードになっちゃうと、テコでも動滑車でも動きません』  
『でも僕、以前お嬢様に、マリアさんに手を出したら超人プロレスリングの奥義大全集を味あわすって言われたのになあ』  
『ナギが覚えてるわけないじゃないですか』  
『でも僕はその……いいんですけど、マリアさんはお嫌でしょう?』  
『うーん……実は私、こう見えて場数は踏んでるんですよ。あ、しつこいようですが、場数は踏んでいると言っても私は17歳ですからね』  
『なにも言ってないじゃないですか……」  
『ともかく、どうぞこちらの心配はなさらずに』  
『ほ、ほんとですか。うわあ、まいったな。うん、でもそれなら……』  
あんたらはテレパスですか? と思わずツッコミたくなるような、高密度情報のやりとりを視線だけで行うマリアとハヤテ。  
はたから見れば、単に見詰め合っているだけなのだが、それを見てナギはズキンと胸の奥が痛んだ。  
それでも、後退のネジがナチュラルに外れているナギであるから、決して自分の間違いを認めない。  
彼女は大きな画板のクリップに白紙を挟んで構えた。  
「それじゃ、初めてくれ」  
「いやあの、初めてくれと言われましても、どんなポーズをとるのか指示していただかないと……」  
ハヤテの言葉に、ナギはちっちっちっと鉛筆を振った。これだから素人さんは困る、とでも言いたげだ。  
「私は演技など求めていないんだ。それなら専門のモデルをやとえばいいことだろ。漫画に重要なのはリアルだと露伴先生も言っている。だから二人とも、好き勝手に動いてくれ」  
「でもそれじゃ、お嬢様がデッサンしにくいのでは?」  
「フフ……一流の絵描きは、動いている物体の一瞬を切り取ってそれを活写することができるのさ」  
お前がいつ一流の絵描きになった。  
しかしそこは素直なハヤテと諦めているマリアのこと、ナギの言う通りやることにする。  
二人はナギの食い入るような視線に多少緊張を感じつつも、いつもナギとマリアが寝ているベッドに、並んで座った。  
 
ハヤテはマリアの両肩に手をかけると、少々ぎこちなく言った。  
「えーと、それじゃ、失礼します」  
ハヤテの言葉が妙におかしくて、マリアは思わずくすっと笑う。  
しかしすぐに真顔になると、ハヤテにリードさせるべく、目を閉じて軽くあごを突き出す。  
ハヤテは自分も細目になってゆっくりと顔を近づけ、マリアの唇に自らのそれを押し当てた。  
「あ……」  
と声をあげたのは、ハヤテでもマリアでもなく、ナギである。  
鉛筆を持つ手は痙攣するみたいに細かく震えていて、画板に挟まれた白紙にこんがらがった毛糸みたいな模様を書いていた。  
何度か唇と唇をすりあわせ、マリアの滑らかな唇の感触を味わっていたハヤテだが、やがて舌を軽くつきだす。  
その舌がマリアの唇を話って、白い歯にちょんっと触れると、マリアの方も待っていたらしく、すぐさま前歯を軽く開いた。  
ぬるりと、開門したマリアの口の中に、ハヤテの舌が侵入する。  
すぐ近くで待っていたマリアの舌に、挨拶するように軽く舌先同士を触れ合わせると、そこから一気に深くまで舌を送り込む。  
基本的にはハヤテにリードさせているマリアだが、臆することなくハヤテの舌に自らの舌を絡み合わせてきた。  
舌と舌の絡み合いは次第に大胆になり、その場をマリアの口の中から二人の唇の間へと移す。  
ディープキスの応酬に二人もだんだんと興奮してきて、呼吸が荒くなり、頬が薄っすらと染まっていった。  
ちゅうっと音を立てて、ハヤテがマリアの舌に吸い付き、彼女の唾液を飲む。するとマリアの方も、ハヤテが飲みやすいように首と背筋を伸ばし、唾液をとろとろと舌を伝われせていく。  
そうやってハヤテがマリアの唾液をじっくり味わうと、今度は逆に、マリアがハヤテの唾液を求める。  
もともと座高はハヤテの方が上なので、こっちの方がやりやすい。こくこくと小さく喉を鳴らして、マリアはハヤテが流し込んでくる唾液を飲んだ。  
ひとしきり唾液の交換が終わった頃には、二人のあごは自分のと、相手のと、二種類の唾液が混ざった液体で塗れてしまっていた。  
そこまでやってようやく、ハヤテたちは唇を離す。お互いすぐにハンカチを取り出して口元を拭う仕草が、良家のメイドと執事といった趣だ。  
「はぁ……ハヤテ君、すごくキスが上手ですね」  
白い頬を朱に染めてながらマリアが褒めると、ハヤテは手を頭にやって照れくさそうにする。  
「いやあ、昔やってたバイトのおかげですよ」  
どんなバイトだろうとは、話が暗くなってしまいそうで訊けないマリアだった。  
 
「じゃ、続きを……」  
「はい」  
実は二人のすぐそばで、ナギが生まれて初めて目の当たりにしたディープキスの迫力に圧倒されてコチコチに固まっているのだが、もはや二人の目にはお互いしか映っていない。  
再びキスを交わす、ハヤテたち。今度はいきなり、深く舌を絡めあう。  
さきほどハヤテが主導したお返しとばかりに、今度はマリアが積極的になった。  
キスを続けながら、片手をハヤテの股間にもっていき、そのままタッチした。  
「んっ……」  
キスの間は目を閉じていたせいでマリアの動きが見えず、突然股間に走った甘い刺激に、思わずハヤテは声をあげてしまう。  
それがこの歳の少年らしからぬ、妙に可愛い声で、マリアは少し微笑んだ。  
さらに大胆に、マリアはハヤテの股間をゆっくりとマッサージするように刺激する。  
「うぁ……んんっ……」  
顔に似合わず娼婦のような手つきのマリアに、ハヤテは声を抑えきれない。しかしやられっぱなしではいられないと、ハヤテも反撃に出た。  
マリアの太ももを、スカートの上から撫でる。  
胸への愛撫に行かなかったのは、マリアの貧乳をメイド服の上からさすってもつまらんとかそういうことではない。と思う。  
そして指を使って、ゆっくりとマリアのロングスカートをたぐり寄せ始めた。  
ゆっくりと、しかし確実にスカートがたくしあがっていき、足が外気にさらされていく感触。  
直接性感帯に触れられているわけではないのに、マリアの胸が大きく脈打ち、かっと体が熱くなる。  
ロングスカートが膝までたくしあげられるまでに、自分の体温は1度は上昇していると、マリアは思った。  
太ももの位置までマリアの足をむき出しにすると、ハヤテはスカートの奥に手を差し入れた。  
「んんんっ……」  
下着に包まれた秘部にハヤテの指先が衝突して、マリアの体が大きく震える。焦らされていた分、溜まっていた電流が一気に流れたみたいに、痺れるような快感が全身を走ったのだ。  
薄っすらと下着が濡れているのを、撫で回す指の感覚で知ったハヤテは、いよいよその中に直接手を入れる。  
マリアも自分の股間にハヤテの手が触れていくのを感じると、負けてなるものかというように、ハヤテのズボンのチャックをおろした。  
ハヤテがマリアの割れ目に触れるのと、マリアがハヤテのペニスを外に引っ張りだすのが、ほぼ同時だった。  
「うあっ……」  
「ん、あ……」  
性器に直接触れられる感覚に、ハヤテもマリアも、思わずキスを中断して、甘い声をあげてしまう。  
その少し離れたところでは、完全に勃起したハヤテのペニスをうっかり直視してしまい、目がグルグルになって今にぶったおれそうなナギがいるが、そんなのは放っておく。  
 
二三度、硬さと大きさを確かめるように何度かペニスをしごいてから、マリアはごくりと唾を飲んで言った。  
「ハヤテ君、すごく立派ですね」  
「いやあ、それほどでも」  
謙遜するハヤテだが、マリアが感心し、ナギが卒倒しかけるだけあって、ハヤテのイチモツは実に雄々しい。  
とても、この貧相な少年の付属物とは思えないくらいで、まるで他の部分は畑健二郎が描いているが、股間の部分だけ原哲夫が作画しているような違和感すら覚えるほどの豪のモノである。  
「マリアさんのここも、なんというか、上品な感じです」  
割れ目の周辺を指先でなぞりながら言ハヤテ。  
そんな場所をそんな風に褒められるのは妙な心地だったが、もちろん悪い気はしないマリアは、お礼とばかりにペニスをしごく。  
それをきっかけに、お互いに愛撫が始まった。  
すでに臨戦態勢になっているのがわかるハヤテはもちろん、マリアの方も、軽く中に指を入れられたり、クリトリスを指の腹で転がされたりしていくうち、愛液の量が増えていく。  
ハヤテの手つきが優しいが不慣れではなく、マリアは心地よくも刺激的な快楽に安心して浸りきることができた。  
一方マリアの手つきも実に的確で、わずかな時間、手コキを行ったハヤテの弱点を探りだし、そこを重点的に責めてくる。  
間もなく、マリアの秘部は溢れ出た愛液のため、ハヤテが指を動かすたびにピチャピチャと卑猥な音を奏でるようになる。  
ハヤテの方はというと、亀頭が先走り液ですっかりテラテラに濡れ光り、カリ首のあたりまで垂れてきてしまっている。  
「ん……ハヤテ君、あっ、どうします……んんっ……このまま、一度出します?」  
普段の清楚な様子からは大きくかけ離れた、色っぽい喘ぎ声を混じらせながら、マリアが尋ねる。  
「う……え、で、でも、服とか、うあっ、、絨毯とか、う……く……汚れて、しまいますし……」  
見事な手つきに射精をこらえるのが必死の様子で、ハヤテは言った。もちろん彼もマリアの秘部を責めているのだが、少々劣勢である。  
「はぁっ、あっ……ハヤテ君……うんっ……私は、なんですか?」  
「え、え?」  
「んんっ……私は……メイド、ですよ。あんっ……せ、洗濯も、掃除も……ん……専門です」  
言い終わると同時に、きゅっと手を強めに握る。その衝撃に、あっけなくハヤテは破れさった。  
「うあああっ」  
勢いよく、先端から白濁液が飛び出す。きれいなまでの放物線を描いて、精液は床にしかれた高級絨毯の上に飛び散った。  
ペニスの威容に相応しい量と勢いで、一番遠い着弾点はナギの足元。そしてそこに至るまで、白い粘液で不ぞろいな点線ができている。  
「まあすごい……溜まってらしたんですか?」  
遠慮の無いマリアの問いに、今更ながらハヤテは赤くなる。  
「え……は、はい。あ、掃除は僕が、僕がしますんで」  
「じゃあ二人でするってことで。でも、それは私が満足した後、で構いませんか?」  
ハヤテに先にイかれてしまったマリアは、顔に欲情をあらわにして言う。ハヤテは少々申し訳ない気持ちになり、激しく首を縦に振った。  
「それはもちろん! その、僕でマリアさんが満足していただければ、の話ですけど」  
「大丈夫ですよ。それに、ハヤテ君だって、実はまだ満足しきれていないんでしょう?」  
そう言ったマリアの視線の先には、あれほど激しい射精をしたにも関わらず、隆々として萎える気配もないハヤテのペニスがあった。  
え、ナギ? いいじゃんそんなの。  
 
緊張とか羞恥とか嫉妬とか驚愕とかとにかくいろんな感情が交じり合ってちょっと気持ち悪くなっちゃったナギをよそに、ハヤテとマリアは互いに相手の服を脱がし合う。  
床に脱ぎ散らしたりせず、きちんと畳んで置いておくのがいかにも二人らしい。  
ただしマリアの方は頭につけるフリルのついたカチューシャみたいなアレ(ヘッドドレスっていうらしいよ?)と、あと靴下をつけたままですけどね!  
全裸になった(ヘッドドレスと靴下以外)マリアは、ベッドの上に寝そべった。  
もともと小さい胸が仰向けになったせいでさらに目立たなくなってしまっているが、その頂点では桜色の乳頭がピンと立っている。  
顔を赤く染め、吐息は普段より熱く甘く、瞳ははやくこの中途半端な状態をなんとかしてと、誘惑の視線をハヤテに送っている。  
一回程度の射精ではまるで萎えることのないハヤテの剛直は、そんな瞳で見つめられたせいかさらに角度を増し、ハヤテの腹にぴったりとくっつくほどだ。  
マリアに覆いかぶさりながら、ハヤテは言う。  
「あの……避妊とか、大丈夫ですか? 用意が無いなら素股か外出しで……」  
「ああ、いい経口避妊薬がありますから、どうぞ好きなだけ出してくれて大丈夫ですよ」  
「そうですか、まあ職人がみんながみんな孕ませばっかりというのもなんですしね」  
余計なことは言わんでよろしい。  
ハヤテはマリアの脇腹に手を伸ばし、軽くさすりあげる。  
「ん……あんっ……」  
くすぐったそうに、マリアが身をくねらせた。ハヤテはその手をだんだんと上に持っていき、マリアのささやかな乳房に触れる。  
「あ……んん……あぁ……」  
少し固めのゴムに似た、しかしそれよりずっと魅惑的な弾力を手のひらで楽しむ。と、マリアは気持ち良さそうに、ハヤテの愛撫に身を任せる。  
 
マリアは少し目をそらせて、申し訳ないといったふうに言う。  
「あんっ……あ、ご、ごめんなさいね、私、胸が無くて……触っても面白くないでしょう?」  
ハヤテは、にっこりと笑って答えた。  
「そんなことないですよ。マリアさんの胸にも魅力は充分ありますから。たとえば、すごく感じやすいところとか」  
言うと同時に、指先で軽くマリアの乳首をつまむ。  
「ひゃあああっ!」  
ハヤテの言葉通り、マリアは敏感に反応して、ブリッジするみたいに背中をそらせた。  
間髪入れず、ハヤテはマリアの胸を責める。  
片方の乳首を親指と人差し指でつまんで転がすと共に、もう片方の乳首に唇を寄せて吸い上げる。  
「はあっ……あっ……ああんっ、あ……やぁ……そ、そんなぁ……あああんっ!!」  
はじめはソフトな刺激を与えるハヤテだったが、マリアの反応を窺いつつ、だんだんと激しい愛撫に切り替えていく。  
勃起した乳首を左右にひねったり、前歯で軽く挟んで甘噛みしたり、特には痛みを感じてしまうのではないかというほど強い愛撫。  
しかし、充分に快楽の水位が上がった状態のマリアには、それも荒々しい快感の大波として感じてしまう。  
「ひああっ、ああっ、だ、だめえ、も、もう許してくださいハヤテ君! うあああっ」  
あまりの快楽にシーツをくしゃくしゃにして身悶えるマリアが思わず許しを乞うてしまうほど、ハヤテの指と口はマリアの乳首を嬲った。  
このまま一度イカせてもいいかと思っていたハヤテだったが、マリアの言葉に愛撫を中断する。  
見下ろせば、マリアの胸は激しい愛撫に、歯型やキスマークが点々とついていて、乳首などは真っ赤に充血してしまっている。  
「ハ、ハヤテ君……そろそろ……」  
少し恥ずかしそうにしながら、マリアはもじもじと股間をすり合わせた。すでに彼女の腰の下は、大量の愛液ですっかりびしょびしょになってしまっている。  
「はい、では、失礼します……」  
ハヤテはマリアの美しい両脚を抱え込むと、大きく開かせた。  
ナギがデッサンのために普段より少々明るめにしてある照明が、マリアの秘部をしっかりと照らし出す。  
薄めの陰毛は愛液に濡れてぴったりと肌に張り付き、さっきハヤテが言ったように上品な形の性器は、待ちきれないというように、あるいは男を誘うように、ヒクヒクと動いている。  
そのいやらしい光景に思わずゴクリと生唾を飲んで、ハヤテは自分のペニスに手をかけた。  
怒張という言葉がぴったりくるほどの威容を持つペニスは手で押さえないと前を向いてくれないのだ。  
マリアの方も自ら腰を少し浮かして、ハヤテの挿入を助ける。  
「ん……」  
「あっ……」  
亀頭が入り口に触れて、その感触だけで二人は声を上げてしまう。  
ハヤテはこのまま一気に貫きたいという欲求を抑えつつ、ゆっくりとマリアの中に侵入していった。  
 
「く……あっ……んんっ……」  
亀頭が潜り込んでいき、カリ首に差し掛かったあたりでマリアの声のトーンが少し変わる。  
ハヤテのイチモツがあまりにも立派なので、少し苦しそうだ。  
「大丈夫ですか……」  
腰を止めて、ハヤテが訊く。  
「だ、大丈夫です……んっ……ハヤテ君のが、ほんとに……おっきく……でも、ちょっと無理目なくらいが……ああっ……す、好きですから……」  
確かにマリアのあえぎ声には苦しさを上回る艶っぽさがある。  
頷いて、ハヤテは再び腰を前に出し始める。  
カリ首が入り、太さに見合うだけの長さを持つ幹がずぶずぶと入り込んでいく。  
「あああっ……す、すごい……こんなに……太くて、あああんっ、な、長いなんて……うあっ……まだ入ってくる……!」  
じっくりと時間をかけて、ようやくハヤテは根元近くまでペニスを挿入した。  
それだけで呼吸を乱しながら、マリアはうっとりとした表情でハヤテに言う。  
「はぁ……はぁ……こうしていると……見た目よりずっと大きくて……うんっ……まるで丸太で貫かれてるみたい……素敵です……」  
一方ハヤテの方も、まだ入れているだけで動いてすらいないのに、今にも射精しそうな快感を味わっていた。  
「マリアさんも……く……ぬるぬるして……からみついてくるみたいで……あっ……すごいです……」  
おそらく、さっき一度手で出してもらってなかったら、入れただけで射精したのではないかと思うくらいだ。  
二人は、ほぼ同時に思う。  
『入れだだけでこれなら、動いたらどうなってしまうんだろう』  
その考えを、ハヤテたちは実行に移した。  
予想される快感に少し怯えて、最初はやや控えめな腰の動き。  
きつきつの状態だが、マリアの分泌する潤滑液が豊富なのでスムーズに動く。  
それだけでも全身に炸裂するような快感が走りぬけた。  
「ああっ……あ、あ、あっ、ああっ……ハ、ハヤテ君、もっと、もっと動いていいですっ」  
「はい、わ、わかりました」  
快楽の水位が上昇するのに比例して、ハヤテは腰を振る速度と振幅をどんどん大きくしていく。  
それを受け止めるマリアの方も、くねくねと腰を動かし、ピストン運動に回転運動を付け加える。  
「ああああっ、ああんっ、あああんっ! お、奥まで届いて………ふあああっ!!」  
ハヤテの突きこみが激しくなるにつれ、その長大なペニスが根元まで打ち込まれるようになる。  
奥にコツンと亀頭が当たると、その度にマリアの頭が真っ白になる。  
膣だけでなく、頭の中まで犯されているような激しい快感に、マリアは恥も外聞もないといった様子でよがり声をあげる。  
普段、大声など出すことのないマリアの乱れように、ハヤテの興奮も最高潮に達した。  
 
一際強く、遠慮の無い一撃が加えられる。  
それはマリアの最奥をえぐり、爆発するような快感で彼女の意識を押し流した。  
「あああああああああっ、ハヤテくうぅぅぅぅんっ!!」  
部屋中に響き渡るような、絶頂の声。それと同時に、マリアの膣が強くハヤテの肉棒を抱きしめる。  
「くぅぅぅっ、マ、マリアさんんっ!!」  
ぐっと歯を食いしばってこらえようとするが、それを簡単に打ち破って精液がほとぼしった。  
「あっ、ああっ、す、すごい、こんなに一杯出てる……っ!」  
子宮に流し込まれる精液の奔流を感じて、絶頂直後のマリアはまた軽くイった。  
先ほど手コキで出した時を、量でも勢いでも上回るほどの射精だった。  
「あ……ああ……」  
「う……ふう……」  
あまりに激しい絶頂に至ったため、魂が抜けたようにぼんやりと虚空を見つめるマリア。  
同じくハヤテも、素晴らしい射精の快感に力が抜けてしまっている。  
さすがに萎え始めたハヤテのペニスがずるりと抜けると、ぽっかりと開いたままのマリアの膣から、こぽこぽと白濁液がこぼれていく。  
ハヤテは脱力してマリアに覆いかぶさると、その唇にキスした。  
マリアもまた、力の入らない腕をなんとか持ち上げ、ハヤテの背中にまわす。  
「ん……んん……ちゅ……ん……」  
絶頂の余韻に二人で浸りつつ、穏やかなキスがしばらく続いた。  
 
 
後戯も一段落し、ハヤテたちは体を起こす。  
汗と愛液と精液でそれはもう大変なことになったベッドを見て、マリアは「今夜は客間で寝る必要がありますね……」などと言っている。  
と、ハヤテがナギの異常に気がついた。  
「あの……お嬢様?」  
見れば、ナギはちょっと涙目になって赤い顔で二人を睨んでいる。  
「あの……いい絵は描けましたか?」  
「か……描けるわけないだろぉぉっ!」  
ナギの投げた画板が、ハヤテの額を直撃する。  
避けようと思えば避けられるのだが、そうするとますますナギが怒るので、敢えて当たってあげるハヤテの優しさであった。  
いい人って早死にするよな。  
それはともかく、ナギは耳まで真っ赤にして怒鳴り散らす。  
「お、お前たちあんなっ……! まるでケモノみたいにっ……しかも私を無視して……う、羨ましくなんかないぞ! だいたいお前たちは……っ!」  
もう支離滅裂になってわめくナギをよそに、額をさすりながらハヤテはマリアに尋ねる。  
「お嬢様、何を怒っているんでしょう……?」  
マリアは、ナギのハヤテに対する想いや、なんだかんだ言って箱入り娘が頭だけの知識しか持っていない状態でいきなり生々しいセックスを見てしまった動揺や、姉や母親のように思っているマリアの意外な一面を知ったショックや、そういうものをハヤテに説明しようとし……。  
彼にわかるわけないか。と方針を変更した。  
「まあ一言で言えば……仲間外れにされたのが寂しかったんですよ」  
マリアはそう言ってベッドを立ち、ナギの元に歩み寄る。そしてまだわめいていたナギの肩を掴んだ。  
「な、なんだ!」  
「文句を言うなら、ナギも体験してみたら?」  
途端にナギは静かになり、次いで素っ頓狂な声をあげる。  
「え、えええええええええ!?」  
「だって……ほら、なんだっけ、そうそう露伴先生も、リアリティが大事だって、実体験が大事だって言ってるんでしょ?」  
ナギは口を開けたまま目をきょろきょろさせてしばらく黙っていたが、やがてゆっくりと頷いた。  
「ま、まあ、確かに露伴先生はそう言っている」  
 
「さ、ナギ、脱ぎましょうか」  
「え、ええ?」  
ハヤテの目の前で脱ぐと言うのは、いずれ裸になるにしても恥ずかしい。  
慌てて拒否しようとするが、マリアはナギの返事など待たずに、おそるべき手際のよさであっという間にナギを裸にしてしまった。  
「う、うあ……」  
顔中を真っ赤にしたナギは、片手で胸を隠す。両手を使うほどのボリュームがないのはいいのか悪いのか。  
内股になり、もう片方の手で股間を隠す。ろくに毛も生えていないナギの秘部は、内股になるといっそうぴったりと割れ目が閉じてしまう。  
「ほらほら」  
「わ、押すな、押すなっ!」  
背中をどんどん押してくるマリアに、ナギは足を踏ん張って抵抗しようとした。  
しかし所詮はヒッキーに過ぎないナギが、家事全般をこなすマリアに力で対抗できるわけがない。  
無理に踏みとどまろうとしてバランスを崩し、前に倒れて四つんばいになった。  
「あうっ。ま、まだ心の準備が……」  
文句を言いながら顔をあげる。ナギの眼前に、ベッドに座ったハヤテの股間が待ち構えていた。  
「qあwせdrftgyふじこlp!!!」  
QWERTY配列でわめくナギ。  
二連続で射精したため萎えていたハヤテのペニスは、ナギの全裸を目の当たりにして再び勃起しつつあったこのロリコン野郎。  
「ほ、ほんとにこんなの入れるのか?」  
まだ完全に勃起していないが、間近で見るハヤテの肉棒は人体に凶暴な異生物が寄生しているようにしか見えない。  
こんなものを突きこまれたら、死んでしまうのではないかと、ナギの顔から血の気が引いていく。  
「さすがに、初めてでこのサイズはちょっと無理があるかもね。ナギのアソコも成長しきってないし……。今日は手とお口だけにしておいた方がいいかもしれないわね」  
背後から聞こえてきたマリアの言葉に、ナギはふっと安堵のため息をつく。しかし、すぐに台詞の後半部分に気づいた。  
「ててててて手と口ぃっ?」  
ぐりっと後ろを振り向くと、悪夢のような笑顔でマリアはうなずく。  
「そうそう。やっぱり見た目だけじゃなくて、質感とか温度とか、触ってみないと参考にならないんじゃない?」  
「う……うん……」  
「味もみておいた方がいいと思うし……」  
「リ、リアリティって大変だな……」  
冷汗を浮かべつつも、ナギはこくっとうなずいた。  
どうやら、覚悟を決めたらしい。  
「本当にするんですかお嬢様……。やめるなら今のうちかと」  
心配そうに見下ろしつつ、ハヤテがそう言った。するとナギは口をへの字に曲げて、挑むように答える。  
「やると言ったらやるんだ! ハヤテは大人しく座ってろ!」  
ナギからは見えない角度で、マリアがGJ! と親指を立てていた。  
天邪鬼で負けず嫌いなナギのことだ、ハヤテにそんなことを言われたら、絶対に後には引かないのである。ハヤテとしては純粋に親切心から出た言葉なのだが……。  
 
「よし、それじゃ、い、いくぞ」  
ごくりと唾を飲んで、ナギは手を差し出す。  
眼前のペニスは、自らが吐き出した白濁液とマリアの愛液に塗れ、エイリアンのぬらぬらとした器官のようだ。  
恐る恐る、竿の部分を握った。  
「う……」  
握力はごくわずかだったが、主である少女に自分の汚いモノを握らせているというシチュエーションのせいか、ハヤテは敏感に反応する。  
「うわ、だ、大丈夫か!?」  
そんなうめき声にも、ビビっているナギは慌てて手を離してしまう。  
「大丈夫よ、さっき私があんなに激しくしごいても気持ち良さそうだったでしょ?」  
このまま任せているといつまで経っても終わらないと思ったマリアが、ナギの手をとった。  
再びペニスを握らせ、さらにナギの手の上からマリアもペニスを握る。  
「こうやって、少しくらい強めに握ってもいいから……」  
母親が子どもに教えるように、マリアはナギにペニスのしごき方を教える。普通、母親はそんなこと子どもに教えないが。  
「わ、わ、どんどん大きく……!」  
適度な刺激を与えられて、ナギの手の中でハヤテのペニスは本格的に膨張しはじめた。  
その変化の急激さは、とても人間の体とは思えない。やっぱりコレ寄生獣じゃないのか? とか思うナギ。  
間もなくハヤテのペニスは三たびその凶暴な姿を取り戻した。  
「……っ!」  
そのあまりの偉容にナギは声も出ない。  
外側はぐにぐにと柔らかく、しかし中には鋼のような芯があるという不思議な感触を、彼女の手のひらは味わっている。  
赤銅色の亀頭からは透明な雫があふれ出し始めていた。  
「それじゃ、そろそろお口で、ね」  
「え、口って言われても……」  
手コキはさっきマリアがやっていたのでわかるが、口でするといわれもどういう風にしたらいいのかわからない。  
すると、ナギの肩越しにマリアが顔を差し出してきた。  
「じゃあ見本。こうするの」  
すっと舌を伸ばし、亀頭の割れ目をぺろりと舐め上げる。  
「あうっ」  
その瞬間、ハヤテの腰がビクリと震え、甲高い声を出した。  
マリアは亀頭をペロペロと嘗め回してハヤテの体を痙攣させたあと、ぱくりと加える。  
「あっ、ああっ、あうっ」  
口の中でも舌を使って刺激しているらしく、ハヤテは女の子のようにあえいだ。  
ペニスを口から抜いて、マリアはナギに微笑みかける。  
「さ、ナギもやってみて。歯を立てないようにね。見た目と違ってすごくデリケートな部分だから」  
「……」  
目の前で繰り広げられたあまりにいやらしい光景にもはや返事することもできず、ナギは安っぽい人形のようにコクコクコクと頷いた。  
 
あかんべをするみたいに舌を出し、そっとペニスに近づけていく。  
白濁はマリアが舐めとってしまったが、もちろん抵抗が無いわけではない。  
舌先がふるふると震えていた。  
ちょんっと先端が触れて、すぐに離す。  
意を決して再び舌を出し、今度はぺろっと一舐めすることができた。  
一度やってしまうと後は踏ん切りがつくもので、連続して嘗め回す。  
精臭が少し気になったが、我慢できないほどではなかった。  
「んっ、う……んんっ……う、あ……」  
上から降ってくるハヤテの気持ち良さそうな声のせいで、ナギの舌使いにますます熱が入る。  
自分が舐めることでハヤテが感じているのが、なんだかひどく嬉しく感じられた。  
その一方で、ハヤテの声がマリアに舐められていた時に比べて大人しいのが、妙に悔しい。  
やはり舐めているだけではダメだ、と思い、ナギは大きく口を開け、くわえる。  
「う……う……」  
うめき声をあげたのは、ハヤテでなくナギの方だ。  
想像以上に大きい、とても全部は口の中に入らない。半分まで収めたところで、喉の奥につきそうになった。  
「あら、よくできました。舌を使いながら、顔を前後に振ってあげると、ハヤテくん喜ぶわよ」  
後ろからマリアのアドバイスが聞こえてきたので、その通りにしてみる。  
「んんっ、あっ、ああっ、お嬢様っ……! き、気持ちいいですよっ……」  
その言葉に、ナギの体がかっと熱くなる。  
吐き気はするしあごが痛くなりはじめているが、ナギは一生懸命に奉仕を行う。  
とその時、マリアがナギの股間に触れた。  
「……っ! ! !」  
ナギは口にペニスを頬張ったまま、マリアを横目で睨む。笑顔でマリアはその視線に答えた。  
「私も暇だし……それに、口でするだけなら服を脱いだ意味がないでしょ?」  
言いながら、割れ目をこする。さらにクリトリスにまで触れてきた。  
ハヤテにフェラチオをして興奮していたところにそんな刺激を与えられたものだから、ナギはひどく敏感に反応してしまう。  
マリアに懇願するような視線を送りつつ、顔をふるふると左右に振ったが、マリアはニコニコしたまま秘部をいじるのを休まない。  
「ああっ、それっ、は……っ!」  
代わりに、首を振ったのがハヤテに不意打ち的に快感を与えたらしく、ナギの口の中のペニスが嬉しそうに踊る。  
とうとうナギは観念し、マリアの愛撫を受け入れつつ奉仕を続けることにした。  
「んんっ、ん、んん、んっ」  
「あっ、ああっ、あんっ、あううっ」  
慣れてきたせいか、だんだんとナギの頭を振る動きが速くなり、それと同調してハヤテの声も切羽詰ってくる。  
ナギの秘部はマリアの指使いのせいですっかり濡れそぼり、彼女の令嬢らしい白い肌はピンクに染まっていた。  
 
「ああっ、お嬢様、もう、出ますっ」  
「!?」  
出ると言われて、フェラチオに没頭していたナギには一体何が出るのかわからなかった。  
しかしすぐに精液のことだとわかり、肉棒を口から引き抜こうとする。  
その瞬間、彼女の頭は後ろからガッチリホールドされていた。  
「!!!」  
「ちゃんと口に出してもらわなきゃ、味がわからないでしょ?」  
逃げようにも逃げられなかった。その上、マリアはクリトリスをつまみ、くいっとひねる。  
「あ、出る、ご、ごめんなさいっっっ!!」  
「んんんんんんんんっ!!」  
ハヤテとナギは、同時に絶頂を迎える。  
意識が真っ白になる中、口に大量の精液が流し込まれる感触が、強くナギの意識に刻まれた。  
 
 
 
数日後。  
ナギは経験を生かしてお色気シーンを盛り込んだ最新作を完成させ、友人たちにFAXや電子メールで送信した。  
それぞれの反応はというと……  
 
咲夜の場合  
「もしもし、漫画読んだわ」  
「で、どうだった?」  
「相変わらずわけわからんモン描いとるなー。せやけど、あの裸が出てくるシーンはまあ、そこそこ」  
「うんうん」  
「でもな、裸出せば笑いが取れるっちゅー考えは安易やで。裸芸も立派なお笑いのうちや。もっと江頭2:50とか参考にしてやな……」  
「誰が笑いなんかいるかっ!」  
「????」  
 
ワタルの場合。  
「もしもし、お前の漫画読んだけど」  
「で、どうだった?」  
「相変わらず意味わかんなかったけどな、あの、なんか裸が出てくるシーンはまあ、そこそこ……」  
「うんうん」  
「でもな、裸で笑いをとろうと思ったらもっと名作を研究した方がいいぞ。徳弘正也とかあの辺をしっかり……」  
「お前もかっ!」  
「????」  
 
伊澄の場合  
「……」  
「もしもし? もしもし? 伊澄だよな?」  
「…………」  
「おい、私の漫画は読んだのか? なんで黙ってるんだ? っていうかそこにいるのか?」  
「………………エッチ」  
プッ、ツー、ツー、ツー  
「よくわからんけど、伊澄には通じたようだな……」  
 
 
おしまい  
 
 

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