橘ワタルの経営するビデオレンタル店、ここには決して人が沢山来るわけではない。
ナギ「やっぱりさ、あるだろ。ゲームもお試しプレイとかできるしさ。」
ワタル「いや、ないって。」
ナギ「あの"STAFF ONLY"と書いてある部屋にあるのだろう、テレビが。」
ワタル「いや、お前勉強できるんだからあの文の意味分かるだろ…」
ナギ「おじゃましま〜す」
ワタル「おい聞けって!」
ナギはワタルの議論も聞かずに部屋へ入っていく。
勿論ワタルは止めようとするがもう面倒臭いので放っておく事に。
かれこれ1時間たったくらいか、部屋からナギの声。
ナギ「ワタル〜…お〜い、ワタルってば」
ワタル「んだよ…もう好きなだけ見ればいいじゃん。」
ワタルも既に無料でビデオを漁られてることに何も言わない。
ナギ「いや、喉がかわいてな。紅茶はあるか?温かいほうがいいぞ。」
ワタル「ここ喫茶とかじゃねーから。」
ナギ「ティーバックの1つや2つも無いのか…」
ボソッとナギが言う。
ワタル「あ〜分かったよ!買ってくるよ今から!」
ナギ「うむ、ホットで頼むぞ。」
ワタルはぶつぶつ言いながらも外へ。
ワタルの自腹に、ナギは当然という顔で見送る。
ナギ「…さて、このアニメ全話見てしまったことだし、新しいアニメ探すか…」
ナギは棚を見渡しているうちに、ある箇所へと辿り着いた。
ナギ「…む、18禁?18禁って何だ?」
カーテンで仕切られた部屋。勿論普通はもっと詳しい説明が書かれているはずだが、サキもワタルも面倒臭いからか18禁とだけ記したのだ。
ナギはパソコンもやっているしアニメも見ている。が、そっち系には特に関心が無い為躊躇なく足を踏み入れてしまう。
ナギ「…?何だろうセックスって─」
勿論の勿論でナギは18歳未満なので未成年サイト等を閲覧したことなど無いのである。
ナギ「ワタルの奴、紅茶一つでどんな道草を喰っているのだ。」
再び部屋に戻ったナギは、10分程たっても戻らないワタルに早くも愚痴を漏らしていた。
ナギ「まぁビデオでも見ていればすぐ戻ってくるだろう。セックスのイミも分かるしな。」
分かってはいけないことを知ろうとしているナギ。
もはやビデオデッキに入れ再生ボタンを押してしまっている。これでは止めようのないもの。
止めようがない為、丁度帰ってきたワタルはドアから覗いて困惑していた。
ワタル「………」
(※以下はワタルの頭の中の言葉です。ちなみに3秒くらいと考えてください。)
「まずいぞ、あのビデオはどう見てもアダルトのじゃねーか。
いや、でもあいつなら流石にそんなこと分かって…?
いや、でもあいつ出席率がずっと半端無かったし飛び級だしでなんだかんだ知らずに借りたのかも。
でももし知っていて借りたなら…まさかあいつ…いやでも…どのみち俺がここで入っていったら…」
ワタルは止めなければという思考と、ナギの反応を見たいという思考があった。
結局本編が始まってしまったので、結局ワタルは見守ることにした。
テレビには裸で甘い声を漏らし性行為する姿が映っている。
ナギは裸で何をしているのかは分からないが、裸なので何かヤバイモノだとは分かっていた。
ナギ「…」
頬を赤らめ、画面に釘付けになっているナギを見てワタルはナギが純粋なんだと改めて感じる。
そして─
もし俺がここであの画面に映っている行為をナギとしたら
どれだけの快感が得られるのか。どれだけの幸せに浸れるのか。
ナギの甘い声を聞きたい。
流石の中学生、早い気もするがいわゆる思春期である。
だが、もしそれでナギを傷つけ二度と口を聞いてもらえなくなったら?
バレてサキや周りの人から白い視線を向けられたり、逮捕されたりしたら?
そんなことを考えるより先に体が動いていた。
バンッ!と勢いよく開けられるドア。
ナギはびくっとし、リモコンを手にとろうとするが慌てたため机から落ちてしまう。
ワタル「よぉ、ナギ。何見てんだよ今度は。」
ナギ「い、いや これはその、アニメを借りようとしたら間違えて持ってきてしまったというかっ」
ワタル「へぇ、それにしては随分と熱心に見ていたみたいだけどな。」
ナギ「…!まさかずっと見て…」
ナギは赤面している。
ワタル「(可愛い…普段は五月蝿い奴なのに、こんなに慌てて…)」
ナギ「ち、違うぞ!これはその、こういう出だしのアニメかと思ってそれで─」
ワタル「可愛いよナギ…」
ナギ「─は?」
ナギは驚きを示すと同時に、ワタルはナギを押し倒す。
床に押し倒されたナギは頭を床に打ち、苦痛の声を漏らす。
ワタル「なぁナギ、お前あのビデオのあれにドキドキしたんだろ?」
ナギ「いた…お、重いからどけぇ」
ワタル「何だか熱くなって、やってみたいとか思っただろ?」
ナギ「そん なこと思っ…」
ナギが動揺しているスキに、ワタルはナギの下着に手をかける。
ナギ「あっ!?な、何をするのだ!?」
パンツをおろす。ナギは上からのしかかられ、手で押しのけようとするが力は男子のほうが大きい。
ナギ「や、やぁ!やめろ!私が悪かったから!ご、ごめんってば!」
ナギは見てはいけないビデオだったのだと思い謝る。しかしワタルはもはやナギの声など耳に入っていない。
目の前の宝に向けてひたすら手を伸ばす者のように、ナギのスカートを脱がし、靴下を脱がし、服を脱がし、そして─
ナギ「ひゃああ!」
ワタルはいきなり、ナギの秘所を舐め始めた。
ナギ「いやぁ!やめて、そんなとこ舐めないでぇ!」
ワタルは3日間飲み物にありつけなかった獣のように、ナギの秘所へと下を伸ばす。
ナギ「やめぁぁ!あっ!あああっ!」
絶頂寸前、ワタルはナギの秘所へ吸い付く。
じゅるるる!!
おぞましい音と共に、ナギの悲鳴─
ナギ「ふやああああああああああああああああ!!!」
ナギの秘所から、白い液体が飛び出す。
勢いよく飛び出したそれは、ナギの絶頂の顔を見ようがために顔を上げたワタルの鼻へびちゃっとかかる。
ワタル「…っと」
ナギはというと、初めての快感でびくんっびくんっと体を揺らし、床でぐったりとしている。
口元からは叫び声を間もなく出していたため飲み込めなかった唾が垂れている。
ワタル「…!は、はは…気持ちよかったかナギ?」
ナギ「…」
ワタルはもう追い詰められた表情でナギに問う。ナギはというと、はぁはぁと息を漏らすが返事はしない。
ワタルは、もうここまできたらいっそ─とばかりに自分のズボンへ手をかける。
ナギは一瞬、びくっとしたが、体に力が入らない為か何も言わない。
ワタルは何も言わずに、ナギの秘所へと自分のそれを突っ込んだ。
ズブッという音と共に、ナギの秘所へとワタルのそれは挿れられた。
ナギ「…っ!も、もうやめろ…い…痛いっ…」
ナギの眼には大粒の涙が溜まっており、体中汗でびっしょり。
ナギ「うっ…うぅっ…ハヤテぇ…マリアぁ…」
ナギももはや大泣き寸前状態。
─マズい。
今ならまだ必死に謝れば許してもらえるかもしれない。
だが、中に出さなければ。妊娠さえしなければ…
もはやワタルは射精寸前。
パチュ!パチュ!
ワタルのそれがナギの秘所に入る度に、音がする。
ワタル「ナ、ナギ…」
ナギ「ぅあ"っ!あぐっ!ひっぐ!ぅあ"ぁっ!」
ワタル「うっ、もう…だ、駄目だ…!」
早く抜かないと!
しかし、ナギが力を入れすぎていて抜けない。
ワタル「ま、マズイっ…ナ、ナギ…離…」
ナギ「ひぐっ!う"ぁっ!」
ワタル「も、も…マズ…うっ!!」
ナギ「ぐすっ!ぇ…───っ!!!」
ドブッ──
ナギの中へ、ワタルの白い液体がどんどんと注がれていく。
ナギはどっと力が抜けて、目も虚ろ。激しく動いていた手や足が床にがくっとおちる。
さっきまでの甘い声は消え、荒い吐息だけがナギの口から漏れている。
ワタルは、目の前のナギを見て、サーと青ざめる。
ワタルの頭の中は、どうすればこの惨事を口封じできるかという思考のみ。
追い詰められた顔でワタルは携帯を取り出し、カメラをつけ、その姿を何度も撮る。
ワタル「ナ、ナギ…言ったらこの写真…バ、バラ撒くぞ」
ワタルは自分の言っている事にすら心の中で青ざめる。
ナギ「…」
ワタル「いいか…絶対に…言うなよ」
ナギの顔元へ携帯を近づけ、何度も何度もそう伝える。
そしてナギへ服を着せると、店の横の細い道にナギをおろす。看板でナギの姿を見えないようにすると、
ワタルは慌ててドアに「休業中」のシールを貼り、入り口ドアの鍵をしめた。
間違いなく俺はおしまいだ。ワタルは果てしなく不安そうに呟いた。
もう此処にいられない。ワタルは自分が手を出した事に、今やっと後悔する─。