「ねぇハヤテ君、まだつかないの?」  
 
今僕の助手席に乗っているのは、高校時代は容姿端麗・才女・泣く子もだまる白凰学院サイト会長として恐れられていた人です。  
僕は三千院家執事ヒして、ナギクさんは大学に進学しましたが、腐れ縁とでもいうべきか、いわゆる恋仲となっています。  
それからヒナギクさんは就職を機会に家をでて(ナギお嬢様の直々のスカウトで三千院グループに就職)、同棲をはじめ早2年がたちました。  
 
「もうすこしですので、我慢していただけますか?」  
 
「はぁーい♪」  
 
「ほら!見えてきましたよ!」  
 
今日向かっているのはなんと結婚式場の見学です。なぜそのようなところに行くかは数週間前にさかのぼります。  
 
 
 
「ねーハヤテ君、今日の夕飯は何?」  
 
「そうですね・・・最近は熱くなってきましたので、今日はさっぱりとしたものにしましょうか」  
 
「なら、冷シャブにしよ、お肉もあるだろうし」  
 
「なら、すぐに作りますね」  
 
「ありがとう、ハヤテ君」  
 
 
〜〜〜〜夕食終了〜〜〜〜  
 
「どうですヒナギクさん、ビールでも?」  
 
「たまにはいいかもね・・・頂くわ」  
 
結論から言うと酔った、盛大によった  
 
「きょ、きょうはぁ・・・ひさしぶrりに、ぶん殴ってやろうかとぉぉぉ、思ったわよ」  
 
「そろそろお酒は止めませんか?ヒナギクさん」  
 
「まだ、まだぁ 飲むわよ!!」  
 
どうやら仕事でだいぶストレスを貯めてたらしく  
ビール→酎ハイ→焼酎→日本酒の絶賛コンボ中です  
 
「ヒック..うぅぅ.....」  
 
「ど、どうしたんですか?」  
 
「ごめん、トイレ・・・うっ・・」  
 
「まずい!!袋、ふくろはいずこに!?」  
 
間一髪で、なんとか袋が間に合い悲劇は回避できました  
その後、だいぶ落ち着いたらしくヒナギクさんはソファーで寝てしまいました  
 
「二年も一緒に暮らしてきましたがこんな日もあるものですね・・・」  
 
一人で後処理をしているとブツブツと寝言が聞こえてきました。  
 
 
「ハヤテ君...もうヤダ?..私のこと...嫌いに...なった?....ヤだ.....ハヤテ君...すてないで...ヒック...ご..ごめ....ごめんなさい....これから..がんばるから..」  
 
「ヒナギクさん・・・」  
 
涙が止まらないヒナギクさんの涙を拭こうともせずにただ見つめていた。  
 
「大丈夫、僕がヒナギクさんから離れる事なんてありませんよ・・・」  
 
「....これから...がんばるから...だから..ハヤテ君......」  
 
僕は眠るヒナギクさんに駆け寄り、そっと涙を拭く  
 
「ずっといっしょにいるって、もう決めたんですから」  
 
ヒナギクさんは僕の腕ですすり泣きをしながらうなずいていた。  
 
「苦しい時はお互いに支えあいましょう・・・僕はその中で一生ヒナギクさんを精一杯愛して、守っていきます」  
 
ヒナギクさんはそのまま頷いてみせたので、僕もホッとして腕を体から離そうとしましたが  
グッ っと力を感じてヒナギクさんを見ると  
 
「ねぇ、ハヤテ君・・・いまのって・・・・・プロポーズ?」  
 
「おっ、起きてたんですか!?」  
 
確かにプロポーズのような発言だったと気がついたときには自分の顔面の温度がみるみる上昇していくのがわかりました。  
目の前のヒナギクさんも残ったアルコールのせいか照れのせいか茹蛸のように目と顔が真っ赤になっていました  
 
「ぁ・・・はい」  
 
「嬉しい!!」  
 
「そんなに抱きしめないでくださいよ、ヒナギクさん!!」  
 
 
〜〜〜〜後日〜〜〜〜  
 
そんなある日、仕事を終え自宅に帰るとリビングのテーブルの中央に、俺を見ろ!!と言わんばかりに某結婚情報誌ゼク○ィが置いてあり、その分厚い本のページにはピンクの付箋が数箇所挟まれていた。  
 
「ハヤテ君、おかえりー」  
 
「ただいま帰りました・・・あの、これって・・・」  
 
恐る恐るこの某雑誌のことを聞いてみると  
 
「あ、ハヤテ君、再来週ここ見学申し込んだから。あっ、ナギには連絡済みだから」  
 
なんとういう行動の早さであろうか。驚いている僕をよそにヒナギクさんは鼻歌を歌いながら某雑誌を広げていた。  
 
 
 
 
 
 
というのが現在結婚式場に向かっている理由です。  
 
「まぁさ、早めに式場決めて、ハヤテ君には責任とってもらわないとね」  
 
突然の発言にクエスチョンマークを多めに出しながら首をかしげた。ヒナギクさんをチラッとみるとなぜか顔をピンクに染めて「ェヘ・・・エヘヘ・・・・・・」と笑っている  
 
「なんですか、責任て?」  
 
まったく見えない答えにヒナギクさんは自らのおなかをさすりながら・・・  
 
「わかんない?」  
 
「はい・・・」  
 
「エヘヘ・・・よろしくねパーパ!」  
 
「!?」  
 
fin  

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