「マリアさんが白皇に通っていた頃ってどんなだったんですか?」  
「何ですか?急に」  
白皇の敷地の一角で、朝忘れた弁当を届けに来たマリアにハヤテは会っていた。  
マリアが昔白皇に通っていたということをふと思い出し、ハヤテはそんな話題を  
振ってみたのだった。  
 
「いえ、マリアさんって17歳なのに大人っぽいじゃないですか」  
「えーと、それは私が老けていると言いたいのですか?」  
真顔でそう言うマリア。  
ハヤテは、しまった、と慌てる。不機嫌そうな顔をしないのが逆に怖い。  
「ち、違いますよ!そういうのじゃなくって。白皇に通っていた頃のマリアさんも  
大人っぽい女の子だったのかなぁって思って」  
「えーと、それは私が昔から老けていたのか、と言いたいのでしょうか?」  
さっきよりも笑った顔で言うマリア。だが、目が1ミリも笑っていない。  
「そ、そんな、違うんです!僕は別にそんなことっ」  
「ふーんだ。ハヤテ君なんてもう知りません。今は老けてるのかもしれませんけど、  
昔からそんなんじゃなかったんですから。ハヤテ君に昔の私に会わせてあげたいですわ」  
マリアは拗ねた顔をしてハヤテに背を向けると、そのままこの場を立ち去っていく。  
「マ、マリアさ〜ん…」  
弱って、マリアの後を追いかけるハヤテ。  
そのとき、マリアが白いハンカチを落とした。  
「あっ、マリアさん、ハンカチを…」  
ハヤテはそれを拾い上げて前を見る。  
「えっ、あっ、ありがとう」  
そこには、マリアではなく、制服を着た白皇の生徒の女の子が立っていた。  
「あっ、あれ?マリアさんは…?」  
確かに今自分の前をマリアが歩いていたはず。なのに、目の前の女の子以外に、マリアの  
姿はどこにもなかった。  
「えっ?マリアちゃんに用があるの?」  
目の前の女の子はハヤテに言った。ハヤテがその女の子の顔を見ると、  
「あ、あれっ?ま、牧村先生?」  
ハヤテは目を疑った。その女の子は牧村先生にそっくりだったのだ。  
当然だが、白皇に牧村先生そっくりの女子生徒がいるなんて今まで聞いたことがない。  
「え…牧村…は確かにわたしだけど、先生、って?」  
その女の子は、牧村という名前ではあるみたいだけど、牧村先生ではないようだ。  
混乱するハヤテ。  
「えと、あの、ちょっとお伺いしますけど、あなたはどなたでしょうか?」  
「はい?私のこと知っているんじゃないんですか?私は白皇生徒会副会長、牧村志織です」  
牧村という名前のその子は、ちょっと眉をしかめながら、そう言った。  
 
…なんとなく事態がつかめてきたハヤテ。  
これと似たようなことが以前起こったのをハヤテは覚えている。  
ミコノス島に行ったとき、風で飛ばされたお嬢さまの帽子を捕まえると、次の瞬間、  
目の前には小さくなったお嬢さまの姿。そう、過去へタイムワープしたのだった。  
 
今の状況も、それに似ていた。  
目の前には白皇の生徒時代の牧村先生らしき女の子。  
試しに牧村先生に尋ねてみる。  
「あの、つかぬことをお聞きしますけど、今は平成何年なのでしょうか?」  
「は、はい?今は…○○年に決まっているでしょう?何なんですか?」  
間違いなかった。タイムワープして7年前にやってきている。  
「あー、こんなことしている場合じゃなかったんです!急がないと研究会に遅れちゃう」  
牧村先生は思い出したように慌てはじめた。  
「あの、マリアちゃんに用があるんでしたら、ついでにそのハンカチをマリアちゃんに  
返しておいてもらえませんか?それ、マリアちゃんに借りていたものなの」  
牧村先生はハヤテが手に持っていたハンカチを指差して言った。  
どうやら、こちらの時間では、牧村先生がマリアに借りていたハンカチを落としたところを  
ハヤテが拾い上げた、ということになっているようだった。  
「研究会の前に、マリアちゃんに差し入れを持っていこうと思ってたから、ついでに返そうと  
思っていたんだけど、戻るのが思ったより遅くなっちゃって。お願いできないかな」  
「あ、じゃあ差し入れも渡しておきましょうか。マリアさんは今どこに?」  
「生徒会室に一人でいると思うから。それじゃ、よろしくね」  
牧村先生はハヤテに差し入れのお菓子などの入った袋を預けると、慌てて走っていった。  
「さて、マリアさんは生徒会室か」  
ハヤテは時計塔へと足を向ける。そういえば、期せずして白皇時代のマリアを見ることが  
できるということに今更ながら気が付いた。  
「どんなんだろう?昔のマリアさんか。楽しみだなー」  
ハヤテは妙に嬉しくなりながら、マリアのいる時計塔の最上階を目指すのだった。  
 
さて、一方、同時刻、時計塔の最上階には、ハヤテの目的である生徒会長のちびっこマリアが  
一人で暇を持て余していた。  
「エミュレータのアトランチスの謎も全クリしましたしヒマですねー」  
ふわぁ、と大あくびをする小さなマリア。生徒会室になぜか置かれたこたつの上に、ゲームの  
エンディング画面が表示されたPCが置かれている。  
生徒会の仕事もあっけなく終わらせて、マリアは一人でお留守番中。今日は牧村さんも研究会で  
来ないと言っていたし、ヒマなのであった。  
 
それにしても、こう一人で何もすることがなく、暇を持て余していると、なんとなく若い身体が  
ムズムズとしてくる。  
「んー…」  
マリアはしばらくムズムズとする身体を持て余しながら考えていたが、どうせ誰も来ないし、  
という結論に至ったようで、こたつに潜り込んだ。  
マリアは、いつも家でしているように、大事なところを下着の上から指で触りはじめる。  
「ん…」  
生徒会室というところでありながらも、誰も来るはずがないということで、いつも家でしている  
のと同じように、次第に、ことに集中していく。  
「んっ…んふっ…」  
徐々に気分が高まってきたのか、こたつのなかでパンツを全部脱いでしまって、本格的に大事な  
ところの愛撫を始める。両手を使って、前と後ろから大事なところを弄って、本格的に自慰行為に  
ふけっていくのだった。  
 
 
さて、そのころ、ハヤテは生徒会室の間の前まで来ていた。  
「よーし、この扉の向こうに小さい頃のマリアさんがいるんだなぁ」  
ハヤテは嬉しそうに、生徒会室の扉を勢いよく開けて、生徒会室に入った。  
「ちびっこマリアさーん!」  
なぜか喜びのあまり片手を上に差し上げながら、ハヤテは中にいるはずのマリアに挨拶する。  
すると、そこには…、  
びくっ、と身を跳ねさせて、こたつに肩まで潜り込んでいた小さな女の子が、慌てたようにハヤテの  
ほうを見た。  
ハヤテはその女の子こそが、小さい頃のマリアなのだと即座に把握する。確かに、髪型や均整の取れた  
綺麗な顔立ちから、この可愛い女の子がマリアであるということが伺い知れた。  
「あっ、あなた、だっ、誰ですかっ!?」  
小さなマリアは、こたつに潜り込んだままで、顔だけをハヤテのほうに向けたまま、やけに慌てている  
様子で、そう尋ねた。  
よく見ると、顔を真っ赤にして、涙目になっている。あわわわ、と何か隠そうとでもしている様子だ。  
 
それまでのマリアの様子から、ハヤテはなんとなくピンときて、マリアの状況を察した。  
あのマリアが、こんな小さい頃に、こんなところで、こんなことをしている…?と。  
 
「僕は約7年後の未来からタイムワープしてきたナギお嬢さまの執事です」  
「そ、そうですか…」  
ハヤテはそう答えながら、真顔でマリアのほうへと近付いていく。  
ことの真偽は確かめなくてはならない。  
「あっ、あのっ…?」  
マリアはさらに慌てながら、顔を真っ赤にしてハヤテの行動についてたずねる。  
が、ハヤテの歩みは止まらない。  
そして、そのままハヤテは、マリアが潜り込んでいるこたつをおもむろに剥ぎ取った。  
「きゃあああっ」  
そこには、  
パンツを脱いでいるマリアが、スカートのすそを涙目で必死に押さえて、大事なところを隠そうとして  
いる姿があった。  
マリアがこたつのなかで自慰行為を行っていたのは、ハヤテのにらんだとおりであった。  
もう、なんだか嬉しくてハヤテは満面の笑みを浮かべる。  
 
「わわーっ、執事さん!こっこっこここれはですねーーーっ」  
大慌てで起き上がり、この状況を弁解しようとするマリア。  
けれどハヤテは、  
「オナニーですよねっ」  
そのものずばり言い放つ。  
「えっ」  
あまりにも恥ずかしすぎることをそのまま言い当てられて、マリアはこれ以上なく真っ赤になる。  
こんなところで自慰行為をしていたのを知られるなんて、どうしていいものやら、これからどうなるの  
やら、泣きそうになるマリアであったが、次にハヤテが言った言葉は、マリアにとって、あまりにも  
意外なものであった。  
「僕と本番お願いします♪」  
そのハヤテの言葉に、まさしく言葉を失うマリア。  
「………」  
口止め料代わりに…それをさせて、…と?  
ハヤテはそんなマリアをにこにこと笑顔で見つめるばかりであった。  
 
「ずいぶんと感じやすいんですね。いつも自分でされてるんですか?」  
「う……」  
ハヤテの言葉に、かぁぁ…と顔を真っ赤にするマリア。まだ小さな子供である自分がこんな淫らな行為を  
いつもやっているんだね、なんて指摘されるのに、恥ずかしさのあまり涙目になる。  
マリアは結局ハヤテの提案を受け入れ、手始めにこたつの上で脚を開いてハヤテに大事なところを  
舐められたり弄られたりしているのだった。  
「ほ、ほんとうに、最後までしたら、誰にも言いませんよね?」  
懇願するように、約束を確認するマリア。  
「はい♪」  
 
 

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