―――なんで、どうしてハヤテ君がここに・・・!  
 
決して誰にも見せられないようなあられもない姿を、よりにもよって数少ない身近な異性に目の当たりにされ、  
マリアは顔を覆ったままベッドにうずくまる。  
いつから見られていたのかはわからない。  
だが、はしたなくあげ続けていた喘ぎ声も、だらしなく泣き濡れた顔も、  
何より・・・滅茶苦茶に犯されていた尻も、見られてしまったのは間違いない。  
だからこそ、彼はあんな顔―――見てはいけないものを見てしまった、それが私であると信じられなかった―――  
といった表情で自分を見ていたのだ、と―――理解できてしまう。  
 
13号の責め手が止まったせいで思考が先ほどよりクリアになった分、  
残酷な現状が把握できてしまい・・・際限なく膨れ上がる羞恥心と絶望感がマリアの心を覆い尽くす。  
 
「ここはマリアさまのお部屋ですが、執事君、あなたは何故ここに?」  
「そ、それは・・・ま、マリアさんの悲鳴みたいな声が微かに聞こえて、  
 それで、部屋の前まで来てみたら、扉が、その・・・開いていて・・・」  
 
この部屋に連れられてきた時、マリアは13号に押されるようにして入ってきたので、当然13号の方が後から入った事になる。  
故に、扉の閉め忘れがあるとすれば、それはマリアではなく―――  
 
「あぁ、そういえば扉を閉めていませんでしたっけ」  
「―――っ!」  
 
わざとだ、と。  
一瞬でマリアはそう確信する。  
あれだけ優秀で、感情を持ち合わせない彼が、そんな些細なミスを犯すはずがない。  
このメカ執事は、何らかの意図をもって扉を開け放ったままにして・・・ハヤテをここに誘い込んだのだと理解する。  
つまり、ハヤテがここにいることは13号のシナリオ通りであり、恐らく彼がこれから起こす行動もまた―――  
 
「―――ってぇ! そんなことより!」  
 
マリアの思考を遮るように、ハヤテの声が室内に響く。  
先ほどまで完全に狼狽えた風だった声は、気合と、怒気を孕んだものに変わり、  
 
「ロボ執事さん・・・マリアさんになんて事を!」  
 
普段穏やかなヤツが怒ると―――の言葉そのままに、滅多に見せない怒りの感情を露わにしたハヤテの声には、  
部屋の空気を震わせるかのような迫力があった。  
 
「見てわかりませんか? マリアさまの性的な欲求不満を解消して差し上げているところですよ?」  
「―――っ! ち、違っ!」  
 
好き勝手に言われてたまらなくなり、思わず顔を上げて否定するマリアだが、  
視界の隅にハヤテの姿を捉えると、慌てて再び顔を伏せようとする。  
が、そんなマリアの身体は13号の手によって、強引に引き起こされる。  
 
「きゃあっ! やめ、止めてくださいっ!」  
「お・・・お前っ!」  
 
嫌がるマリアと、そんな彼女を力づくで慰み物にしたメカ執事。  
13号が何を言おうともハヤテの目にはそんな構図にしか映らない。  
同僚で先輩で、そして年上で美人の、憧れの存在。  
そんな彼女を辱めた存在に、ハヤテの怒りを抑えることを放棄していた。  
 
「今すぐ・・・マリアさんから離れろっ!」  
 
叫ぶと共に、まっすぐに13号目掛けて突進する。  
 
“一撃で叩き壊す!”  
 
そう決め込んで拳を振り上げるハヤテだったが―――  
 
「っ!? やっ、きゃあぁあ!?」  
「――――――っ!?」  
 
いきなり目の前にマリアの姿が飛び込んできて、ハヤテは慌てて足を止める。  
13号がマリアの身体を抱え上げ、ハヤテの前に差し出したのだ。  
怒りに任せて突っ込んだハヤテは何とギリギリで踏みとどまると、そんな手段を選んだ13号に更に怒りを覚え、声を荒げる、が・・・  
 
「お、お前っ! マリアさんを盾に、する・・・なん・・・て・・・・・・」  
 
ハヤテの目の前に抱えられたマリアは、スカートを捲り上げられて背後から両膝を開くように抱えられて、  
俗に言うM字開脚の体勢をとらされていた。  
当然、先ほどまで四つん這いにされていた時と同じく、ショーツも履いていない。  
つまり、ハヤテの目の前には、マリアの・・・  
 
「ひ・・・っ! いや、イヤっ! イヤイヤイヤぁあ! 見ないでっ! 見ないでください! お願いですからぁ!」  
 
秘所から尻穴までが、余すところなく露わにされていた。  
 
「わ、わ・・・す、スミマセン、マリアさん・・・っ」  
 
泣き叫ぶマリアにそう懇願されて目を背けようとはするのだが・・・  
あまりの光景に、ハヤテは目を離すことが出来ない。  
じっとりと湿り、匂いたつような花弁も、そして・・・ひくひくと震え、物欲しげに見える、菊門も、  
そのあまりの卑猥な様相がハヤテの男としての本能を惹きつけてしまうのだ。  
 
「ハヤテさん、でしたっけ。 ご覧になればわかるでしょう?  
 口ではああ言っていても、マリアさまの身体はちゃんと悦んでいたということが」  
「な、何を・・・!」  
「う、嘘! 嘘ですっ! 悦んでなんかいませんからっ! だから、ハヤテくんっ! お願い、見ないでっ!」  
「あ、は、はいっ! わかりま―――」  
「はは、マリアさまも強情ですね。ですが・・・」  
 
流石にこれ以上見ている訳にもいかないと、目を背けようとするハヤテの先手を打つように、  
彼の目の前に何かが差し出される。  
 
「これが何かお分かりになりますか?」  
「え・・・、そ、それは・・・?」  
 
それは、ハヤテは初めてみる代物だった。  
その独特の形と、そして今のこの場面からして、何となく想像できないこともなかったが、  
それを想像しようとすると、自然とその用途の対象となるのは―――  
 
「なっ!? 何でもありませんっ! 何でもありませんから、あの、とにかく、その―――っひ?!」  
 
マリアからは目を離さなくてはと思いつつ、だがその器具については気になってしまうハヤテの視線を巧みに誘導しながら、  
13号は手にしたそれを徐々に動かして、それを使用する際に対象となる場所へと、  
その器具の先端をあてがって見せる。  
 
「あ、あの・・・そ、そこは・・・」  
「イヤぁっ! 違うのっ! 違うんです、そこは、その、違うからっ! お願いっ、今は、今はやめて下さいっ!」  
 
そこはもちろん―――  
 
「ふふ、よく見ていて下さいね? マリアさまがこれを、本当に嫌がっているかどうか・・・目の前で」  
「イヤっ! イヤイヤイヤぁ! お願いだからっ! しないでっ、見ないでぇ!  
 お願・・・っひ、ひ・・・ぁ・・・ぁああぁあっ! イヤぁあぁあぁ!」  
 
マリアの不浄の穴。  
今、ハヤテの目の前で、その不浄の穴に再び責め具が挿入される。  
いくつも連なった黒光りするビー玉大の塊が次々とマリアの尻穴に飲み込まれ、  
根元まで入ったかと思うと即座に引き抜かれ、そしてまた挿し込まれる。  
 
「ひぁあぁあ! イヤっ! イヤぁあぁあ! 見ないでっ! 見ないでぇ!  
 ハヤテくんっ、お願いですから、ぁ、ひぁああぁっ! イヤぁ、もぉやぁあぁ! あひ、いひぃいいっ!」  
 
“そこ”を、“そんな風”に使うなんて・・・  
マリアが気づかれる前にも13号がマリアの尻穴を責め立てているのは遠目に見てはいた。  
だが、こうして目の前で、あまりにも露骨に、責め具が尻穴を抜き差ししているのを目の当たりにして、  
ハヤテはその光景に目を奪われてしまう。  
泣き叫ぶマリアの声は耳に入りはすれども、目を離すことが出来ない。  
そして、どんなに拒絶の言葉を口にしていようとも、熱を帯びて蕩けたような彼女の声、  
そして目の前で蜜を滴らせる秘所が・・・  
 
「如何ですか? マリアさまはご覧のとおり、お尻の穴を弄くり回されて性的に興奮してしまう性癖の持ち主なのですよ」  
「いやぁあっ! ひあぁっ、あひ・・・ぃあぁあ! 言わないでっ! 言わないでぇえ!  
 ちがっ、違うからぁ! そんな、あひ・・・ぃ! いひぃっ、やぁ・・・あはぁあ!」  
「・・・・・・っ」  
 
ハヤテには性体験はなく、女性が性的に興奮したらどうなるかについては、年相応の伝聞での知識程度しかもっていない。  
だが、目の前で尻穴を道具で弄り回されて泣き叫ぶマリアの姿が、  
性的な快感に翻弄される女の姿に他ならないということは、理解できてしまった。  
彼女を助ける為にここに来たはずなのに、彼女はこの行為を拒むどころか快楽を得ていたという事実が、ハヤテの心を重くする。  
密かに憧れを抱いていた相手が、こんな―――人間ですらない相手に嬲られて喘ぎ悶えている姿も、歯痒くて堪らない。  
 
「どうです、わかったでしょう?  
 マリアさまは特殊な性癖の持ち主で、そして普段のストレスなどもあるのでしょう、大変に溜まっているのです。  
 でも僕でしたら、そんなマリアさまの欲求不満を解消して差し上げることが出来るのです」  
「く・・・・・・」  
「ちがっ! ちがうの、あ、ひぃっ! ひぅう! ちが、違うんですっ!  
 ハヤ・・・くんっ! そんな、ことぉ・・・! 聞いちゃダメですっ!」  
 
喘ぎ声交じりのマリアの声は、彼女がどんなに弁明を試みようとも隠しきれない甘い響きで覆われていて、  
彼女自身が13号の言うことを正しいと証明してしまっているようなもの。  
ハヤテにも、マリアがそれを決して望んでいる訳ではないことは、伝わってはいる。  
だが、彼女の心が望んでいなくとも、彼女の女としての身体はこの行為を望んでやまず、  
受け入れて悦びに打ち震えていることもまた、事実として捉えるほか無いのだ。  
 
「執事たるもの、主に尽くし、よい方向へと導くのは当然のことですが、その奉仕の精神を持って同僚を気遣うのもまた重要です」  
「ふぁ、あひ・・・! これっ、ちがぁ! こんなの、気遣って、なんか・・・ぁあ! あぅ・・・んぁ、あぁあ!」  
 
蕩けそうな声で必死に否定するマリアだが・・・  
口ではそうは言いながらも、ハヤテの眼前に突き出されたままの秘所からは、  
触られてもいないのに透明な蜜が溢れ出ては滴り落ちてゆく。  
何よりもそれが、ハヤテの内心を乱し・・・苛立たせていた。  
自分が憧れていた相手を好き自由に弄ぶメカ執事に、ハヤテは無意識のうちに嫉妬していたのだ。  
だが、弄ばれているマリアがこうも快楽に震えていては有無を言わさず破壊する訳にも行かず、  
そしてまた、乱れ悶えながらもなお美しく、淫らな艶に満ちた彼女の姿を見ていたいという男としての浅ましい欲求も加わって、  
ハヤテはその苛立ちをどこにもぶつけることも出来ず・・・ただただ、眼前の光景を眺めることしか出来ないでいた。  
それが故に―――  
 
「どうです? お尻の穴でこんなに浅ましく感じてしまうような変態で淫乱なマリアさまの欲求不満を解消して差し上げること・・・あなたには出来ますか?」  
「・・・・・・っ」  
「―――っ!? きゃ、イヤぁ! やめ、やめてぇえ! そんな、ダメ、見ないでっ! ハヤっ、あひ、いひぃいいっ!」  
 
ただでさえ目の前にあったマリアの秘所が、不意にさらにそばまで迫ってくる。  
マリアの身体をM字開脚の状態で維持したまま、メカならではの不思議な間接構造で尻穴責めを続けていた13号が、  
マリアの秘所をハヤテの目の前に突き出したのだ。  
恥じらい泣き叫ぶマリアの声は聞こえているのだが、それ以上に・・・  
ひくひくと震えながら愛液を滴らせる秘裂や、ぷっくりと膨れた秘芽が、視界と意識を支配する。  
それらは触れられてもいないのにこのような有様を呈していて、  
如何にマリアが尻穴責めによって感じさせられてしまっているかをよく表している、と―――  
ハヤテは最初、そう思わされていた。  
だが、今こうして、マリアの雌の匂いがはっきりとわかるくらいに近づいて見て、  
彼はもう一つの可能性について思いつく。  
それは、単に憧れの女性の痴態を眼前に突きつけられた年頃の少年の欲求に、  
都合のよい理屈をこじつけただけなのかもしれない。  
だが・・・  
 
「あなたには、僕以上にマリアさまのこと・・・気持ちよくして差し上げること、出来ますか?」  
「ふぁ、おねがっ! 見ないで・・・あぅ・・・んくっ、ひぁあっ! ハヤテくんっ! お願い・・・だか・・・・・・」  
 
無理やり開かされた両足の間で、自分の秘所を凝視するハヤテにマリアは泣きながら懇願を続けていたが、  
やっとそこから顔を上げて目の前にいる少年と目が合ったとき・・・  
彼女は火照りきった身体に、ぞくりと震えが走るのを確かに感じる。  
 
「わかりました・・・」  
「ひぅ・・・っ、ハヤ・・・・・・くん・・・?」  
 
その“わかりました”が、誰の発言に対してなのか・・・というのも気にならない訳ではないのだが、  
マリアにはそれ以上に、ハヤテの目から意識が離せない。  
いつも見ているはずの彼の目に、見たことの無い光が宿っているように見えるのだ。  
 
「メカ執事さん、証明して見せますよ・・・  
 機械のあなたでは、どれだけマリアさんを感じさせようとも、決して満足させてあげることは出来ないということを・・・」  
 
「は・・・っ、はひ・・・ぃ! ひぁ、は、ハヤテくん・・・? あ、ひぁっ、いひぃ・・・っ! な、何、を・・・っ」  
 
見たことはないのだが・・・今のマリアには、ハヤテの目に宿るものが何なのか、直感できてしまう。  
雌としての本能を剥き出しにさせられてしまった彼女には、わかってしまうのだ―――  
ハヤテの目に浮かぶそれが、雄としての彼の、劣情の光であるということを。  
 
「マリアさん、すみません・・・ですが、僕だって執事の端くれ・・・  
 こんな、今日やってきたばかりのロボにマリアさんのことを好き勝手されるなんて・・・許すわけにはいきません・・・」  
「はひっ、は、ぁあっ! ハヤ、テ、くん・・・っ、何を・・・っ」  
 
だからこそ・・・マリアには、ハヤテが何をしようとしているのか、本能で理解していた。  
 
「だから・・・マリアさん・・・失礼しますっ!」  
「へ・・・? あ、あのっ、ハヤ・・・っ!? あひっ!? いひぃ! や、ひぁ、や・・・あひぃいいいぃぃいっ!?」  
 
言葉ではあくまで何も気づかないふりをしながらも・・・マリアはハヤテの予想通りの行動に、  
そして予想を超えた新たな刺激に、一際甲高い声で悦楽に咽び啼く。  
 
「ひぁあぁあぁ! はひっ! いひぃいいっ! ハヤっ! ハヤテくんっ! そこは・・・っ、そこ、はぁ・・・ぁあ!  
 あひ、いひぃっ! ダメっ、ふぁ・・・ひぁあっ! 舐めちゃだめぇ!  
 そんな、ぁあっ! 吸っちゃ・・・ぁああぁあ!」  
 
ハヤテは眼前に迫ったマリアの秘所に、自ら更に顔を寄せて、蜜を垂れ流す秘裂に舌を這わせる。  
経験の無いハヤテは、はじめはごく舌先だけを触れさせて愛撫するつもりでいた。  
だが、更に濃密に漂うマリアの雌の匂いと、加えて舌に感じる愛液の味とが、ハヤテの雄の本能を嫌がおうにも駆り立てて、  
その本能の赴くがままに秘裂に唇をあてがうと、溢れる蜜を音を立てて啜りはじめる。  
 
「ひぅう! やぁっ! あひ、ひぁあ・・・ぁあぁあぁ! だめっ、そんなぁああぁ!  
 ハヤテくんっ、ひ・・・ぃああぁあ! 吸わないでぇえっ! そんな、そこっ、汚っ・・・ぁふ・・・ひぅ、んぅうう!」  
 
マリアは先ほどまでと同じように拒絶の言葉と嬌声の入り混じった喘ぎ声で泣き叫んではいるが、  
その声質が尻穴だけを責められていたときよりも明らかに甘く蕩けていることに、ハヤテはすぐに気づく。  
いや、最初からその確信があったからこそ、この行動に出たのだ。  
あれだけひくひくと震え、蜜を垂れ流す秘所・・・それは確かに性的に感じていることを示してもいたのだろうが、  
それ以上にハヤテには・・・そっちにも刺激が欲しくて堪らないと、物欲しげに涎を垂れ流しているようにしか見えなかったのだ。  
 
もちろん、それはハヤテの雄としての願望がそう見せたという面も多々あるのだが・・・  
結果として、それは正しかった。  
マリア自身も尻だけを責められていた時には気づいていなかったが、  
ハヤテの舌が秘唇を撫でたその瞬間、予想を遥かに超えた快感に全身が痺れ・・・  
そして、理解した。  
13号が先に言ったように、女として成長した身体は、これを求めていたのだ、と。  
処女を失うことを恐れるあまりに13号が責め具で触れた際には、快楽を上回る恐怖で身体を引き攣らせてしまったが、  
今は・・・柔らかく生暖かい唇と舌の感触に、彼女の肉体だけでなく、頑なだったその心までもが蕩けだそうとしていた。  
 
「ん・・・っ、ぷ・・・っ、すごい、マリアさんのここ・・・さっきよりももっと溢れてきて・・・吸っても吸っても間に合いませんよ・・・」  
「いひ・・・ぃっ! いやぁ・・・ダメぇ・・・ひぁ、ふぁあっ! 言わないで・・・吸わないでぇえ! 汚い、からぁ・・・あひ・・・ひぅう・・・っ」  
 
喘ぎ声の合間に混じる拒絶の言葉にも、必死なトーンは薄れ、露骨に甘ったるい響きが滲んでくる。  
先ほどまでは、望まぬ快楽に必死に抗おうとする切羽詰った拒絶そのものの言葉だったが、  
今のマリアの口から紡がれる言葉は・・・感じてしまっていることを隠そうとする恥じらいの現われに過ぎない。  
 
「マリアさんの身体に、汚いところなんてありませんよ・・・今の感じまくってるお顔も、ココも・・・すごく綺麗で、それに・・・おいしいです・・・」  
「ば・・・っ! バカなこと、言わないでっ! そんな、あひ・・・ひぅぅ! んぅ、ふぁ・・・ぁああぁっ! あん・・・んんんっ」  
 
尻穴を責め具で嬲られ、心を言葉で乱され、疲弊しきっていたマリアの心には、  
ハヤテのストレートすぎる言葉は媚薬のように染み込んで・・・彼女の心を、ひたすらに溶かしてゆく。  
マリアはもはや、ただの同僚に過ぎないはずのハヤテの愛撫をまるで愛し合う恋人同士の行為のように甘美なものとして感じていた。  
メカ執事による心無い陵辱との落差が、そんな錯覚をさせてしまったのだ。  
だが・・・  
 
「はは。流石は三千院の執事さん、なかなかやるようですね。ですが・・・こうしたら如何です?」  
 
蕩けつつあったマリアの耳に、あの無機質な声が響く。  
その声で、いつの間にか尻穴への責めが止まっていたことに気づき、気づいたと同時に―――  
 
「っひ、いひぁっ! あひ・・・っひぁああぁあぁ! な、なぁ、や・・・何これっ! なぁあっ、なにこれぇええぇえぇっ!?」  
「ま、マリアさん!?」  
 
蕩けそうだったマリアの嬌声が、再び緊迫したものに変わる。  
快楽を受け入れるようにふるふると震えていた彼女の身体も一気に強張り、  
強烈な快楽に強制的に震えさせられているかのように、びくびくと身体が跳ねる。  
 
「ひぁ、あひぃいいっ! や、やだぁああ! これ・・・っ、お尻・・・っ、なかぁ・・・っ、震え・・・てぇええっ!」  
「な、マリアさんに、何をっ!?」  
「ふふ、この器具の本来の機能を使用しただけですよ?  
 これはもともとお尻の穴で性的な快感を得るためのものです。なので、形状だけでなく振動や、他にも・・・ほら」  
「―――っ!? あひぃい!? いや、やぁあぁあっ! なかぁああ!  
 動いてっ! うごいてる・・・っ! いひぃっ! いや、いやぁあぁあ!」  
 
甲高く切羽詰ったマリアの泣き声の裏で、ハヤテの耳は機械の立てる微かな音を捉える。  
ヴ・・・ン、という鈍い振動音と、うぃん、うぃん、とうねるような駆動音を。  
 
「ひぁ、やぁあぁあっ! 中がっ! お尻の・・・っ、なかがぁあ! いやぁ、動かさないでぇ!  
 なかがっ、奥がぁあっ! あひ・・・っ、いやっ! イヤぁああぁ!」  
「く・・・・・・!」  
 
ハヤテは状況を理解して、それを上回る快楽をマリアに与えようと舌と唇を駆使するが・・・  
 
「いやぁあぁ・・・っ、なかぁ・・・っ、動かないでぇ! おくっ、おくにぃ!  
 ひびいて・・・ぇ・・・っ、あひ・・・ひぁあ! んぁあぁあ! なかがぁっ! おくがぁあ!」  
 
尻穴の中で振動しながら自在に動き回る責め具によってマリアの身体が再び支配されてしまったのは、  
ハヤテの目にも明らかだった。  
 
唇を寄せる秘所からも、溢れ出る愛液の量は更に増え、舌に感じる彼女の膣圧も明らかに強まり、  
彼女が尻穴責めでどれだけ感じさせられているのかを如実に物語っている。  
 
「如何ですか、あなたの愛撫もそれなりに有効ではあったことは認めましょう。  
 ですが残念ながら、マリアさまは身体のもっと奥まで届くような刺激を望まれているのですよ。  
 あなたの舌程度では届かない、もっと身体の芯を揺さぶるような刺激を、です」  
「く・・・っ!」  
 
性という肉体と精神の両方に関わるヒトとしての根源的なところ。  
そこをメカである13号に指摘されたことも、  
そして一度は自分の愛撫で蕩けさせたはずのマリアを再び奪われてしまったことも、ハヤテの悔しさを煽る。  
 
「こぼれてくる蜜を啜るだけで、こぼれ出す元には何も出来ない・・・  
 そんな掃除の基本すらままならない三流の執事には、マリアさまを慰めるのはやはり荷が重いようですね。  
あなたはそこで、犬のようにただ蜜を舐めていればいいんですよ、ははは」  
「ひぅ・・・んぁあ! イヤぁっ! イヤなのにぃ! お尻が・・・なかがぁ・・・おくがぁあっ!  
 おくっ! 痺れてぇ・・・やだぁ・・・ひぅっ、んぁあ・・・っ! イヤぁあ!」  
 
メカ執事に遅れをとる悔しさと、マリアを奪われた嫉妬と、そして・・・  
メカではない彼には当然備わっている、男としての劣情が・・・  
 
「さぁマリアさま、もっと激しくしますよ? 感じてくださいね」  
「い、イヤぁあ! 待って、そんな、ひぁ、ぁ、あぁあぁぁあぁ!? あひぃっ、ひぎ・・・ぃい!  
 ダメ、だめぇええっ! 中でっ、おくで・・・っ! 動いて、ふるえて・・・ぇえ! いやぁ・・・っ! やぁあぁあ!」  
「ふふ、どうですか? マリアさまはこのように、お尻の奥が一番感じる、そんな性癖の持ち主なのです。  
 性器を舐めるだけしか能が無いあなたには、マリアさまを満足させることなど・・・」  
「違う」  
 
男として、雄としての様々な感情が入り混じり、膨れ上がり、ついにハヤテは覚悟を決める。  
 
「僕だって・・・いや、僕の方が、あなたなんかよりマリアさんを感じさせることが出来る・・・  
 執事として僕はまだ三流でしかないかもしれませんが、それでも・・・!  
 メカであるあなたには、決して引けはとらないことを、示して見せます!」  
「ひは・・・ぁ! あ・・・っく、は、ハヤ・・・っ!? え、ぇ・・・は、ハヤテくん・・・!?」  
 
そう言ってハヤテはマリアの秘所から顔を離すと・・・おもむろにベルトを外し、  
服の上からでも明らかに盛り上がっていたソレを開放し・・・露わにする。  
 
「は、は、ハヤテくんっ!? あひ、ひぐ・・・んぅあ、あひぃっ! な、何を・・・は、はひっ!  
 ハヤテくんっ!?」  
 
尻穴で暴れる責め具にほとんど意識を持っていかれていたマリアも、  
眼前でのハヤテの行動に目を奪われずにはいられなかった。  
彼がソレ―――男性器を露出したということは、それを使用するということであり・・・  
そして、この場面でそれを使用するということは即ち―――  
 
「は、ハヤテくんっ!? ちょ、あひ、ひぐ・・・っ、んんっ! 待って、それは、それは、あの、その・・・!」  
 
自分の中にそれを埋め込む・・・つまり、自分と交わるということだと、流石に理解できない訳がない。  
先程まで彼の舌と唇とであれだけ愛撫を受けていた身だが、それでも、そこから先は話が違う。  
何より、マリアが頑なに拒んでいた処女を・・・  
 
「マリアさん・・・すみませんっ!」  
「ひん・・・っ、んぁあ、あの、ハヤテくんっ! 私、その、まだ・・・あひぃ!  
 んく、お・・・お尻で、わたしぃっ! こんなに・・・こんなに、なってしまってますが・・・でも、んぅう!  
 そのっ、わたし、まだ・・・あぐ・・・んぅうう!」  
 
“初めて”を捧げる。  
唯一の、同年代の身近な異性として意識したことはあっても、そんな相手として意識したことなど無かった。  
そもそも、そんなことを考える対象とするならば前提となる、恋心だって抱いてはいないのだ。  
 
「僕は・・・その、マリアさんの相手としては、ふさわしくないかもしれません・・・  
 いや、ふさわしくないと思います、でも・・・ですがっ!」  
 
なのに、ハヤテの言葉、声・・・そして目が、そこに宿る何かが、拒否の言葉を留まらせる。  
 
「マリアさんを、その・・・お尻でしか感じられないだとか、そんなこと・・・言わせたままにはしておけません・・・」  
「ひぁ・・・っ、んぅう! あぐ・・・ぅ・・・は、ハヤテ・・・くんっ・・・!」  
 
じっとマリアの目を見ていたハヤテの表情は思いつめたようで、  
 
「いえ・・・その、そんなの建前ですね、あの・・・その・・・やっぱり、マリアさんはすごく綺麗で、魅力的で、  
 こんなときでも声はいやらしくて、でも全然下品じゃなくて、その、あの・・・ええと!」  
「・・・っ、あ、あの・・・? っく、ひぅ・・・んんんっ!」  
 
その表情が徐々に困惑したようになり、そして最後には照れたように、  
でもまっすぐな目だけはそのままに・・・  
 
「す・・・すみません、その・・・僕、そんなマリアさんを前にして・・・もう、我慢できなくて・・・」  
「・・・っ、もぉ・・・っ」  
 
あまりにも直球な彼の物言いに、マリアは構えていた心の壁が崩れていくかのような音を聞く。  
口説き文句としては酷いものだったが・・・気持ちだけはしっかりと伝わった。  
無機質な声と血の通わない責め具で嬲られ続けた彼女には、それだけでもう・・・降参だった。  
 
「あ、あのっ! その・・・後で、罰は受けます! どんな報いも受けます! ですから・・・今は・・・!」  
「・・・本当、ですね・・・?  
 自分の、ひぅっ! あひ・・・ぃいっ、その、発言と、行動には・・・んく、ひぅうっ、ちゃんと、責任を持ってください、ね・・・?」  
「―――っ、は、はいっ!」  
 
別に、どんな責任を負わせるつもりもない。  
ただ、最後にハヤテの、こんな場面だというのに嬉しそうな返事を聞いて、  
ちょっとだけ呆れつつ・・・だが、そんな彼の素直なところに心が解されるのを感じて・・・  
マリアもまた心を決めた。  
 
マリアはもうそれ以上、何も言わない。  
尻穴を穿つ責め具の動きに身悶えしながらも、目の前のハヤテと、彼の股間でいきり立ったモノに意識を集中する。  
ハヤテもまたこれから行う行為に意識を集中し・・・愛撫の最中から痛いくらいに膨れ上がったソレを、  
とろとろに潤った秘裂にあてがい、場所を何度も確かめてから、マリアの表情を伺う。  
 
「ふぁ、あぅうっ! んぅ・・・ぅうう! ・・・な、なんですかぁっ!」  
「い、いや、その!」  
 
マリア自身もまた自分の秘所と、そこにあてがわれたハヤテのもの―――  
初めて間近で見るモノの大きさや形に見入ってしまっていたが、  
そんな自分の表情を見られていると気づくと慌ててハヤテを睨み付ける。  
・・・もちろん、恥ずかしくてたまらないのだ。  
 
「では、その・・・行きますね・・・」  
「ひぐ・・・んぅうっ、はひ・・・は、はい・・・ぃ・・・っ」  
 
尻穴を責め立てられたまま、身体の奥底まで届きそうな快楽の振動に喘ぎ悶えながら、  
マリアは己の女の部分と、そこに触れているハヤテの男の象徴とに、懸命に神経を集中させる。  
ハヤテの肉茎が“ちゅく”、と秘裂に潜り込み、ゆっくりとその先端をマリアの膣内に埋め込んで、  
そして程なくして抵抗に行き当たる。  
 
「・・・・・・」  
「っ、は・・・ひ・・・ぃいっ! あひ・・・ぅ、んく・・・っ・・・・・・」  
 
ハヤテは最後に、マリアの表情を確かめる。  
マリアは、尻穴に仕込まれた責め具に喘がされながら、  
それでもハヤテの意図を汲み取って―――“こく”と、小さくうなずく。  
 
彼女の気持ちを確かめて、ハヤテもまた覚悟を決めて、  
そして・・・ゆっくりと・・・  
 
「っひ、ぐ・・・んっ・・・・・・は、ぅ・・・んんん!」  
 
ゆっくりと、だが、決して止まることなく・・・  
 
「ん、んんっ! ん・・・ぐ・・・ぅうぅっ! ぁ、あひ・・・!?」  
 
マリアの膣内へと肉茎を埋め込んで、そして、最後にハヤテの先端がマリアの一番奥に“こつん”と触れた、その時―――  
 
「ひ、ぁ・・・ぁあ・・・・・・っ、ひぁあぁああああっ!」  
 
それまで破瓜の痛みに耐えるように全身を震わせていたマリアは、  
不意に今までで最も高い声で泣き叫び―――  
そして、くたりと脱力するように、目の前のハヤテの身体にぐったりと寄りかかり、身体を預けた。  
 
 
 
 
 
(続く)  
 

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