「ひぁ・・・っ、きゃあっ!」
どさっ、と。
マリアは自分のベッドの前で崩れ落ちるように膝を落とし、上半身をベッドに預けるようにして倒れこむ。
尻穴に責め具を突きつけられたまま自室の扉をくぐり、部屋の中央にあるベッドまで歩かされたところで、
突きつけられていた責め具に更に力が加えられ、ベッドに向けて押し倒された格好だ。
だが格好はともかく、やっとマリアは尻穴を無理やり弄られる責め苦から開放され、
僅かだが乱れていた心に落ち着きを取り戻す。
普段、夜はナギの部屋で眠ることがほとんどの為、あまり使うことのないベッドではあれど、
自分のものには変わりない。
自分の部屋、自分のベッドで心身ともに疲労しきった身体を横たえるのは、気が安らぐものである。
が・・・
「はぁ・・・は・・・ぁ・・・ぁひっ!?」
忘れた、というよりは、乱されきった心に突然与えられた安息に、何も考えられずに沈んでしまっていた、と言うべきか。
背後から腰を捕まれるまで、マリアは自身をこんな目に遭わせ、そしてこの場所へ連れて来た者の存在を失念してしまっていた。
そして“彼”の存在を改めて認識すると同時に現在の状況もまたイヤでも認識させられ、
反射的に身を硬くしようとしたその時には・・・
「・・・きゃっ?」
捕まれた腰は抱え上げられて、体勢は変わらないままに下半身もベッドの上に乗せられていた。
上半身はうつ伏せになったまま、曲げた両膝をシーツの上について・・・
背後にいる13号に向けて、ちょうど尻を突き出すような格好を取らされる。
「――――――っ!」
自分がどんな体勢をとらされているのかを認識して、マリアの背筋に怖気が走る。
先程まで執拗に弄られていたその場所を、更に弄りやすい・・・陵辱しやすい格好で、
陵辱者の目の前に突き出しているのだ。
“逃げなきゃ―――”
危機感に押されるように慌てて上体を起こそうとするが、いや、起こしかけたが―――
すぐに危機感は絶望感へと取って代わる。
下半身が・・・腰が、足が、上半身の動きに全くついてこないのだ。
立ちっぱなしのままで延々と尻を責められ続け、必死になって爪先立ちをして、歩かされていたマリアの足腰は、
ベッドに倒れこんだ時点で完全に緊張の糸が切れてしまったのだろう。
新たな、そして本格的な危機に瀕した今・・・マリアの足腰は既に力尽きてしまっていたのだ。
そんなマリアの状況を本人よりよほど把握できていたのだろう。
彼女が上半身を起こしても13号は何も慌てた素振りなど見せず、彼女のスカートの端を軽くつまんでめくり上げ・・・
「きゃ、や・・・やめ、いやあ!」
ショーツに包まれたマリアの尻を露わにする。
「や、やだ・・・いや! イヤですわっ! お願い、こんなこと、もう・・・!」
これから何をされるかわかっていながら何の抵抗もできないマリアには、ただ泣きそうな声で懇願することしか出来ない。
それも、この様な行為に及ぶ者にとっては火に油を注ぐだけ、陵辱者の獣欲を逆撫でするだけなのだが、
今のマリアには当然ながら、そんなことに気づける余裕などありはしない。
もっとも、メカである13号に果たしてそんなモノがあるのかどうかは定かではないのだが・・・いずれにせよ、
彼がどんな意図でこの行為に及んでいようとも、マリアにとっては陵辱行為以外の何者でもありはしない。
例え、彼女の肉体が心を裏切って悦びに打ち震えようとも・・・
「ですがマリアさま、マリアさまのここは、ほら、こんなに・・・」
「・・・っひはぁっ!?」
13号の手にしたアナルパールが、ショーツの上から“後ろ”・・・ではなく、“前”の穴に触れ、
予想外の刺激にマリアの背中がびくんっ、と大きく跳ねる。
「ほら、お分かりですよね? マリアさまのここ、こんなになっているのですよ?」
「ひぁ、ひぅう! や、そこっ! そこはぁあ、ひぁあ!」
ショーツ越しに、責め具の先端に秘唇を突付かれる度に、“くちっ”“くちゅっ”と、
僅かに湿った音が漏れ出してくるのがマリア自身の耳にも入ってくる。
そこ自体を責められた訳でもないのに、そこが濡れてきているというコト・・・それはつまり・・・
「僕が今まで触れてもいなかったマリアさまの膣内から、愛液が分泌されています。
これは、マリアさまは先ほどまでのお尻の穴への刺激によって、性的な快楽を得ていた、ということを表していますね」
「――――――っ」
あまりにも露骨な台詞を、しかも13号の無機質な声で言われると・・・
まるで装置で得られた分析結果のように、否定する余地のない客観的事実であるかのように、
彼の言葉がマリアの心に突き刺さる。
尻穴を犯されて、感じてしまっていたという、事実。
過去の経験で、わかってはいた。
そしてその過去に関わった者の手による存在である彼もまた、そのことを知っているのは理解していた。
だが、それでも・・・言葉にして突きつけられると、それは余りにも恥ずかしく、重い。
「つまり、マリアさまは排泄器官を刺激されて性的快感を得てしまう、俗に言う変態、ということになりますね」
「い・・・イヤぁ! 言わないでっ! 言わないでくださいそんなことっ!」
無機質で残酷な声が、揺らいだマリアの心を穿つ。
自分の肉体がそんな恥ずべき性質を内包していることは知っていても、必死に忘れようと、否定しようとしてきたのだ。
それを他者から言葉で指摘されるのは、耐え難い苦痛だった。
だが・・・いや、だから・・・
「でも安心して下さい」
「・・・?」
「そんな性癖、他人にはとても告白できないでしょうし、ましてや慰めてもらうことなど望むべくもないでしょう。
ですが・・・」
「な、何を・・・」
無機質な声質はそのままに、やや柔らかな口調に変わった13号の言葉が、
傷だらけになったマリアの心にはいとも簡単に染み入ってしまう。
もはや彼が何を意図しているかなど全くわからず、ただ口調が変化しただけで緩んでしまうほど、彼女の心は乱れ、疲弊しているのだ。
そんなマリアの心は・・・
「僕はメカですからね、要するに機械です。 なので恥ずかしがられるコトなんて全くありません」
「え・・・?」
「要は、自慰と同じです、僕という装置を使って、マリアさまはご自身の特殊な性癖を満足させる、そう思えばよろしいのですよ」
「な、な・・・・・・!」
普段のような賢明さも鋭さも失ってしまった今のマリアにも、13号が言っていることはワンテンポ遅れながら理解はできる。
つまり、彼は―――
「では、早速始めましょうか、“僕”という道具を使った、マリアさまの尻穴オナニーを♪」
「ひ、い、嫌! イヤです! いやぁああ!」
結局、この行為を中止する意図など全く無いのだ。
ただマリアの心を乱し、削り、剥き出しにさせただけ。
そして無防備になったマリアの心に、言葉に続いて肉体からの刺激が追い討ちをかける。
「・・・ぃひぃ!?」
するり、とショーツを太股まで下ろされたかと思うと、すかさず、つぷ、と・・・
「イヤぁ・・・・だめ・・・・ダメぇえ! 入れない・・・でえぇ!」
アナルパールの先端の一粒目が、何の溜めもなく、あっさりとマリアの尻穴に挿入される。
スカートとショーツを巻き込んで挿入された先ほどに比べれば、与えられる圧迫感はさほどではない。
だが、今はその防壁が無い、という事実もまた同時に突きつけられるし、それ以上に・・・
かつて幼い身体を蹂躙し、狂わせた“あの”責め具そのものの感触を今、直に尻穴で感じさせられて・・・
「イヤぁ! イヤですっ! 抜いてっ! 抜いてください、抜いてぇ!」
あのときの感触が、完全に甦る。
本来は排泄する為にあるはずの器官に、ひとつ、ふたつ、と連なった粒上の異物が挿入され、
そして・・・一気に引き抜かれる、あの感触―――
「いひぃっ! イヤっ! イヤです・・・もぉ、イヤぁあ!」
たった先端の一粒を挿入されただけで、その責め具による陵辱の感触が一気に思い出され、
押し寄せてきて、マリアは恥も外聞もなく泣き叫び許しを請う。
すると・・・
「そうですか」
意外にも呆気なく、ぬぽっ、と尻穴に埋め込まれた樹脂製の粒が引き抜かれる。
「ひん・・・っ」
責め具の先端ひと粒分だけ引き抜かれる刺激にもマリアの身体はしっかりと反応を示してしまうが、それだけ。
引き抜かれた後には、間髪入れず挿入される―――
そんな責めを過去に体験していたマリアの後ろの穴は次にすぐ与えられるはずの刺激欲しさにひくひくと浅ましく震えてしまうが、
決して“それ”はやってこない。
尻穴を犯される恐怖に一度は錯乱状態に陥りかけていたマリアも、異物が取り除かれたことで徐々に平静を取り戻すが・・・
今度はもう、安心など出来はしない。
自分が気を緩めたところを見計らって、一気に奥まで貫かれるのでは・・・
それとも、身体が快楽を求めて疼いてしまっていることを知っているからこそ、焦らしに焦らして、自分から求めるようにと仕向けているのではないのか・・・
これまで散々に乱された頭の中で、それでも必死に考えを巡らせて警戒しようと試みるマリアだったが・・・
やはり彼女はどこまでも、13号の手のひらの上だった。
今のマリアなりに精一杯の心構えをあざ笑うかのように、13号は手にした責め具を再び彼女にあてがう。
だが、その場所は―――
「ひ・・・!? い、嫌! そこはっ!?」
責め具の先端が触れると“くちゅ”と濡れた音を立てる、蜜の滴るところ―――マリアの、秘唇。
「ま、待って、13号君! そこは、そこは・・・!」
不意を突かれようが焦らされようが、狙われるのは絶対に後ろの穴だと思い込んでいた。
アナルパールの名が示すとおり、その責め具はあくまでも“そこ”を弄るためのモノであり、
それ以外の選択肢など、塵ほども考えてはいなかった。
「どうやらマリアさまはお尻の穴を弄られるのがあまり嬉しくないご様子でしたので・・・」
「あ、あたりまえじゃないですかっ!」
「ですから、それならばこのような行為をするにあたり、本来用いるべきところでして差し上げようかと・・・」
「や・・・! やですっ! いや、イヤですっ! そこは・・・そこは・・・っひ! イヤっ、やめてぇ!」
ぐり、と。
先ほど後ろの穴に埋め込まれた責め具の先端、パールのひと粒分が、今度はマリアの秘所へと埋め込まれる。
蜜にまみれた秘唇は、指先一関節分程度のそれを容易に飲み込んでしまう。
だが・・・マリアにとってそれは、これまでとは比べ物にならないほどの危機であり、恐怖であった。
「いや! イヤぁ! やめてっ! お願いです、13号くんっ! そこは・・・お願いっ! お願いですからぁ・・・イヤぁあ!」
涙を浮かべ、全身を震わせながら、マリアは必死になって懇願する。
かつて、牧村に後ろの穴を汚された時にも、彼女はマリアの初めてを奪いはしなかった。
常軌を逸した経験と、そして快楽を知ってしまったマリアだが、それでもまだ彼女は処女であり・・・
あんな経験をさせられたにも関わらず未だに初心なところのある少女にとって、
“初めて”はいつか誰か、好きなヒトが出来たとき、その誰かに捧げるべきものである、と・・・そう考えていた。
少なくとも、自分の意思などお構いなしに陵辱を行うメカに、しかも尻穴をほじるための責め具等に奪われることなど、
絶対に有り得ない・・・あってはならないことだった。
「そうですか、仕方ありませんね」
錯乱したように泣き叫ぶマリアに対して、13号はあくまで淡々と、呆気なく了承と受け取れる言葉を放つ。
だが、責め具で肉体を弄られるだけでなく既に何度も、言葉で心を散々に乱されてきたマリアには、
13号がそれだけで終わらせる筈が無いことなど、嫌でも思い知らされている。
今度は一体、何をしてくるのか・・・何を言い出すのか・・・それは決して想像に難くない筈だったが、
彼女の精神はその想像すら困難なほどに疲弊していたのか、それとも考えたくない結論を無意識に拒んだのか・・・
「では、マリアさまが選んでください」
マリアが考えをまとめるより先に、13号の言葉が突きつけられる。
「このまま本来使うべきここ、膣内を使うか、それともマリアさまの大好きなお尻を使うか、どちらかを選んでください」
「――――――っ!」
どこまでも淡々と、13号は残酷な選択を迫る。
どちらともが耐え難く、出来るならばこの選択そのものを拒絶したい二者択一だが・・・
それが認められないことは、今更考えるまでもない。
どちらにせよ凌辱されることには変わりない。
少なくとも後ろの方をあの責め具で、奥の奥まで貫かれ、抜き差しされてしまったならば、
自分がどうなってしまうかはもはや目に見えている。
あの時のように乱れ、悶え、よがり泣き、望まぬ筈の悦楽に身体は燃え上がり・・・
強烈すぎる快楽の前に、身も心も、堕とされてしまうだろう。
それはマリアにとって、絶対に避けたいことであった。
だが、それでも・・・
「あ、もちろん、両方とも、という選択もアリですよ?」
「い・・・いりませんっ!」
それでも、まだ捧げるべき相手はいなくとも・・・自分の“初めて”は、絶対に守りたかった。
前も後ろも、すべてあのような責め具に、こんなメカに奪われてしまうくらいなら、
既に汚されてしまったそこを差し出す方がマシに思えた。
そこまでは、すぐに決断できた。
決断はできたが・・・
「ま、前は・・・」
「うん? なんですか?」
「前の方は・・・イヤです・・・っ」
「前の方? ふむ、ちょっとわかりにくいですね。 誤解が元でマリアさまの望まぬことをしてしまっては申し訳ありません。
どちらでして欲しいか、をはっきりとお答え頂けますか?」
「そ、それは・・・っ」
望まぬことと言うならば、そもそもこんな行為自体全く望んでなどいやしない。
どちらでもして欲しくなんかない。
だが・・・そんなこと、聞き入れてもらえる筈もない。
マリアは、選んで・・・口にしなければいけないのだ。
どちらで、“して欲しい”のかを。
「お、お・・・」
口にしたくない。
まるでこの行為を了承している、それどころか、自らねだっているかのような、そんな錯覚に囚われてしまいそうになる。
そんなマリアの躊躇いを見抜いているかのように、突きつけられた凶器が彼女の秘所を脅かす。
「ひ・・・っ! や、イヤっ! 待って、言います、言いますからっ!」
ぐり、ぐりっ、と、秘唇にあてがわれた責め具を動かされだけで、躊躇いは恐怖によって上書きされる。
羞恥も何もかなぐり捨てて、マリアはただ大切にしたいものを奪われたくないという一心で、
「お尻でっ! お尻でしてくださいっ!」
本来なら言葉にするのも恥ずべきことを、叫ぶような大声で口にする。
口にして数瞬の間をおいてから、自分が言ってしまったことの恥ずかしさに顔から火が出そうな程に赤面するマリアに、
「そうですか、お尻の穴を犯してほしいだなんて、やっぱりマリアさまは変態なご趣味をお持ちですねぇ」
「――――――っ!」
13号の無機質な声が、追い討ちをかける。
「そ・・・それは・・・ぁひっ!?」
「でも、ご安心ください」
あまりにも恥ずかしすぎて、無駄と分かっていながらも何か弁解しなくてはと口を開くマリアだが、
突きつけられていた責め具がつぷっ、と抜かれた刺激に、言葉を止められてしまう。
「僕が全力でマリアさまのお尻の穴を弄くり回して、大好きなお尻でいくらでも絶頂に導いて差し上げますから♪」
「い、イヤっ、そん、なぁあぁあ!?」
こちらの言葉を止めておいて恥ずかしい言葉を次々と浴びせかける13号になんとか抗議しようと試みたマリアに、
一度は解放されたはずの秘所への刺激が再度襲いかかる。
アナルパールで秘唇を撫で上げられ、マリアは甲高い声を上げながらがくがくと身体を震わせる。
連なった樹脂の粒が次々と秘裂を浅く抉りゆく感触に、わずかに収まりつつあった女としての身体の疼きが一瞬で蘇る。
「ひは・・・っ、そ、そこは・・・そこはぁっ!」
だが、一気に火照りをぶり返した身体とは裏腹に、“そこ”でないところをおねだりさせられたハズのマリアの心は不安で凍りつきそうになる。
「じゅ、13号くんっ! そっちは、ちが、ぁ、あひぃっ! ひぁああぁあん!」
ずるるるるっ、と、二度、三度とパールの凸凹で秘唇を愛撫され、マリアの心は快楽と不安で掻き回される。
「はは、すみませんマリアさま、不安にさせてしまいましたか」
「は・・・っ、はぁ・・・っ」
不安そうな目で背後を振り返るマリアに13号は無機質ながらどこかおどけたような声で答え、
今まさに彼女の秘所を撫で上げた責め具を見せる。
「・・・っ」
それが、これから自分を凌辱するものだと思うと、思わず目を背けたくなるが・・・
「ほら、見てください。 2、3回こすっただけで、マリアさまの愛液が、もうこんなに」
「や・・・!」
13号の言葉に思わずそれを凝視して、実際にそこには透明な液体が滴り落ちそうなくらいに絡み付いているのを見て取って、
マリアは頬をかぁっと赤くして、慌てて目を背ける。
「これだけ濡らしておけば、久々に使うお尻でも問題なく一気に最後まで挿れてしまえそうですねぇ」
「え・・・や、ちょ・・・!」
13号の不吉な発言に、恥ずかしさのあまりに一度は逸らせた顔を再び振り返ろうとするが・・・
つん、と。
再び、今度は間違いなく先程彼女が己の口で言わされた“そこ”―――不浄の穴―――に責め具の先端をあてがわれ、
その感触でマリアの全身は硬直し、それ以上振り返ることが出来ない。
身体はこれから訪れる快楽の予感により一層、疼きだし、
それでいて同時に、不安でたまらないマリアの精神を反映してかうっすらと冷や汗すら滲んでくる。
熱と寒気とを同時に感じながら、ぞくぞくと震えるマリアの様子が手に取るようにわかるのか、
13号は文字通りの鉄面皮に不似合いな笑みを微かに浮かべ―――
ずぷぷぷぷぷぷぷっ!
宣言した通りに、マリアの尻穴にアナルパールを一気に根元まで、埋め込む。
「ぃ・・・ひぁぁあぁぁぁあぁぁぁあっ!?」
例え予告されていたとしても、それでどんな対応が取れるわけでもない。
心構えなど、何の役にも立ちはしない。
挿入されるとわかっていても、わかっている通りに挿入されたとしても、責め具で貫かれて悦んでしまう身体をどうする事も出来はしないし、
その悦楽で痺れてしまう脳髄を、心を、抑えることなど出来はしない。
「ひ・・・っ、ぁ・・・はぁ、あぁ・・・・・・あぁ・・・っ」
数年のブランクを挟んだにも関わらず、自身の愛液を緩衝液としただけで、
マリアの尻穴は13号の手にした凶器を呆れる程に呆気なく、受け入れてしまった。
異物感こそあるものの、痛みはなく・・・あとは、快楽だけ。
パールの一粒一粒が尻穴の中を抉りながら突き進んでくる感触は・・・まさに快感そのものであった。
かつて初めてそれを受け入れたときは、排泄器官を逆進する異物感に肌が粟立つような感覚を覚えたはずだった。
だが、今は・・・そんな異物感を遥かに上回る快感で、マリアははしたなく嬌声を上げさせられてしまう。
埋め込むだけ埋め込まれて、尻穴の奥まで入り込んだままになっている責め具の存在感には流石に違和感が強く、嫌な汗が滲み出てくる。
だがそれでも・・・微かに身を捩る度に尻穴の内側がパールと擦れ合い、その感触が甘い痺れとなってマリアの心を溶かそうとするのだ。
「これ・・・ひん・・・っ、ダメ・・・こんな・・・ぁ・・・」
異物感と微かな甘い痺れとに苛まれながら、マリアは上擦ってかすれた声をあげる。
「はは、マリアさま・・・腰をくねらせながらそんな声を出すなんて、誘っているようにしか見えませんね。
さすがお尻が大好きなマリアさまです、こうして挿れて差し上げれば、すぐに素直になってくれるのですね」
「ぇ・・・や、ち、ちがっ! そんなワケなぁああっ! あひ、いひゃああぁぁぁあぁああぁあっ!?」
ずるるるるるるるっ!
と・・・一番奥まで挿し込まれていたアナルパールを、今度は挿入した時と同様に今度は一気に引き抜かれ、
マリアはまたしても甲高い声で啼かされる。
「ひは・・・っ、は・・・ぁ・・・っ、ぁは・・・・・・ぁ・・・」
達することこそなかったが、マリアの全身はがくがくと震え、既に息も絶え絶えとなる。
突き込んで、引き抜いただけ。
たった一往復の抽送で、それまで散々に悩まされ、乱され、それでも必死に抵抗しようとしていたのが嘘であるかのように、
マリアの身心は13号の手にした責め具によって支配されようとしていた。
確かに、これまでに焦らされてはいた。
だが、それにしても・・・
「は・・・ぁ、は・・・っ、なん、で・・・ぇ・・・っ、こん、な・・・あひっ!? や、やめ、ひぁあぁあぁぁあ!」
いくらなんでも脆すぎる・・・
快楽に対してあまりにも抵抗できない自分に疑惑の思いが生じるが、
そんな思考も再び挿入された責め具によってかき消されてしまう。
「ひぁ・・・あぁあああっ! んぁ、や、いひぃいいぃっ! そんなっ! やめっ、連続で、されたら、あぁぁぁぁああ!」
責め具が尻穴を抉りながら逆進し、挿入される感触、
そして本来この器官内でモノが移動する方向に沿って引き抜かれる感触。
その両者をしっかりと味あわせられてから、本格的な抽送が開始される。
「ひぁあっ! なんでぇ・・・こんなっ、うぁあ! ひぁ! こんな・・・っ、んぁあああ!」
ずぷぷ、ずるるっ、ぬぷぷ・・・
アナルパールが尻穴を出入りする度に、ぐりぐり、ごりごりと不浄の穴を内側から愛撫される感触が彼女の身体を淫らな悦びで満たしてゆく。
排泄のためにあるはずの器官は、まるでこの行為を受け入れる為にあるのではないかと錯覚させられる程に敏感になり、
樹脂の塊のひと粒ひと粒が腸壁を擦り、抉ってゆく感触を余すことなく感じとっては、それを無上の悦楽としてマリアの脳髄に伝達する。
「なぁっ! なんでっ! ふぁ、ぃああぁっ! ひぎ、ぃああ! なんでぇ! こんなっ! ひぁあぁぁっ!」
絶え間なく刻み込まれる背徳的な快感の連続に、マリアはあられもなく声をあげ、涙を浮かべ髪を振り乱してよがり泣く。
入り口近くを弄られただけであれだけ身体を火照らせられたのだ・・・この責め具で奥の奥まで突き込まれ、抜き挿しされれば、
まともに耐えることなど出来ず、13号の為すがままにさせられることは、不本意ながら・・・予想できた。
だが、それにしても―――
「こんなっ! はげし・・・っ、ひはぁ! なんでっ! こんな、んぁあっ! ひぁ、んぅう! これっ、感じすぎっ! ひぁ・・・ぁあああん!」
いくらなんでも、敏感になりすぎていると思わずにはいられない。
かつて牧村に同じことをされたときも、最後には絶頂を繰り返し失神してしまう程の快楽を与えられたことは覚えている。
だが、そこに至るまでには執拗な愛撫や言葉攻めを交えながらじっくりと、時間をかけて開発され、上り詰めさせられたはずだった。
記憶の底に残っていた当時の感覚と、今、実際に犯されて感じさせられている感覚にズレが生じている可能性があるのはわかるが、
それでもやはり―――
「んぁああっ! ひぐ・・・ぅあぁあ! やぁあ! なんでっ・・・こんな、こんなぁああぁぁ! ひぁあ! どぉしてっ! こんなにぃ!」
すぐにでも達してしまいそうな異様なまでの快感に、マリアは訳もわからず翻弄され、為す術もなくよがり泣く。
「ははは、マリアさまはお尻の穴を弄られるのが思った以上に気持ちよくてお喜び頂けているようですね」
「ひっ、ひは・・・あぁ! ちがっ、ちがぁ! なんで、なんでこんなに、いひぃっ! きもちっ!
い・・・っ、感じ、ちゃうのか、あはっ! わから、なぁ・・・ぁあっ!」
相変わらず淡々と話す13号に対し、マリアはもはや抑えようもない上擦った喘ぎ声で、それでも必死に答えを返す。
自分の身体がどうなってしまったのか、もしくは何をされたのか・・・そしてこの先、どうなってしまうのか。
こんな状況においても、いや、こんな状況だからこそ、気にせずにはいられないのだ。
「ですが別に、やっていることは以前博士がマリアさまにされたことと大して違いはないのですよ」
「ひぐ・・・ぅっ、じゃあ、あひ・・・ぃぁあっ! どおして・・・っ、こんな・・・ぁあ!」
「簡単なことです、それはマリアさまが成長されたからですよ」
「ひぅ・・・んぅうっ! せいちょ・・・って、どおして、そんな・・・ぁあっ! ひぁあ!」
13号はマリアの尻穴を弄る手を全く緩めることなく、淡々と語る。
「マリアさまが以前博士にここを開発された時は、まだマリアさまは幼かったですからね。
本来、このような行為をする年齢ではありませんし、身体の方もまだ、性行為を行う為の準備など整っているハズがありません。
まぁ、そんな年齢でこちらの穴で気持ちよくなれてしまったというのは・・・ひとえに素質があった、ということなのだと思います」
「―――っ! そんなっ、素質なんて、ひぁ、あぅう! いらな、あぅ、んぁああ!」
「はは・・・でも、例え素質があったにせよ、まだ幼い身体です。
このような行為を行う準備がその時点で完全に整っていたとは思えません」
「ひぁあ・・・うぁあっ! あんっ! いひ・・・ぃいっ! それは・・・ぁあっ! あぐ・・・ぅ、うぁあ・・・ぁあっ! それでは・・・ぁ、あひぃっ!」
淡々と語る13号の声を度々自らの発する嬌声で掻き消しながらも、快楽で蕩けかけた意識をなんとか集中して聞き取って、
そして・・・皆まで言われる前に、理解する。
「ひぐ・・・ぅあ、ひぁあっ! それでは・・・それじゃぁ・・・っ、私・・・今の、わたしはぁっ!」
「こんなにお尻の穴を弄られてよがり狂っているというのに、どうやらご理解されたようで・・・流石はマリアさまです。
そう、今のマリアさまは当時よりも成長されて、より女性らしい身体になりました。
第二次性徴を迎えられて外見はもちろん、身体の中もまた女性としての機能が整っているはずです。
当然、初潮も迎えられていますよね?
それはつまり子供を作ることができるようになった、ということ・・・即ち」
そこで言葉を切って、13号はマリアの背に覆いかぶさるようにして、彼女の耳元に顔を寄せて・・・
「性交が出来る身体になった、ということです」
相変わらず無機質な声でいながら、その語り口にいきなり情念が込められたように感じられ、
マリアは快楽責めの最中にいながら、一瞬だけ背筋に怖気が走るのを感じる。
「初潮も迎えていない頃ですらお尻の穴で性的な絶頂を何度も繰り返し迎えてしまう、俗に言う変態で淫乱なマリアさまですからね・・・
今の、すっかり年頃となられたその身体では、敏感さも貪欲さも、当時の比ではないんでしょうね」
「い・・・ひぁ、あぁあっ! 言わないでっ! そんな、あひ・・・っ、そんなことっ! 言わないでぇ!」
「今のその身体でこの快感を覚えてしまったら、もうこれから先、何もしないでは眠ることだって出来なくなるんじゃないでしょうか?」
「そんな、あひ・・・ぃあ、ひぁああっ! そんなことっ! ありまっ! あひぃっ! ありませっ・・・ひぁああぁあ!」
そんなこと、考える余裕などなかった。
今、これから先、どんなことをされるのか・・・それについてはわからないながらも不安でこそあったが、
今日、この悪夢のような、それでいて甘美な陵辱の時が過ぎたその後・・・
明日の晩、明後日の晩、その先の晩・・・自分の身体は、どうなってしまうのか。
13号の言葉を否定しようとはしたが、それは口先だけのこと。
こんなにも鮮烈で強烈な快楽を、あの時のように振り切ることなど・・・出来るはずがないと、マリア自身が痛いくらいにわかっていた。
だが・・・
「ですが安心してください、マリアさまさえ望んで下されば・・・
僕がこうして、毎日でもマリアさまのアブノーマルな性癖に見合った快楽を、心行くまでご奉仕して差し上げますよ?」
耳元で、情を含んだ言葉で囁かれて、マリアの身体がぞくりと震える。
少なくとも既に今与えられている快楽に屈してしまっている彼女の“身体”は、この提案を受け入れないはずがない。
だが・・・
「今いる執事君よりも僕の方が有能なのは、マリアさまだってご理解なされているはずです。
彼の代わりに僕を三千院家の新しい執事として迎えて下されば、お嬢さまを守りつつ、正しい方向に導きつつ・・・
そして、マリアさまのお身体も慰めて差し上げることが出来るのです。
如何ですか? 今のあの執事君を雇い続けるよりも、よっぽどメリットがあるかと思いますが?」
メカ執事の言葉に、彼女の心がぴくりと震え・・・そして、奮い立つ。
「ひぎ・・・ぃいぃっ! いやっ! イヤですっ! あひ・・・ぃああぁ・・・っく!
お・・・お断りしますっ! 」
一方的に陵辱されて、思い出したくもなかった快感を無理やりに思い出させられて・・・
そんな相手の言うことなど、どんな条件であろうとも絶対に了承できるものではない。
その上、彼は今の執事であるハヤテと取って代わろうというのだ。
確かに13号の執事としての有能さは先ほどのナギと彼とのやり取りからだけでも十分に伺える。
だが・・・彼がハヤテを追い落とそうとしていること、そして・・・そのためにこのような手段を選んだことに、
マリアは純粋な怒りを覚えたのだ。
「はは・・・強情ですね、マリアさまは」
「は・・・ぁあっ! あひ・・・ぃひぃっ! あっ、あたりまえですっ!
こんな、こんなぁあっ! こんなことっ! 最初から、あ・・・はぁっ、納得、できるハズ・・・ありませんっ!」
「そうですか。 ですが、お身体の方は如何なさいますか? この快感をしってしまったマリアさまのお身体は、
毎晩のように火照って、疼いて・・・たまらないと思いますが?」
「ひぐ・・・ぅうぅ! な、なんとかっ! あひ! ぃ・・・っ、なんとかしますっ!」
尻穴にアナルパールを抜き差しされながら、全身をびくびくと震わせながら、
マリアは必死になって13号と渡り合う。
全身は既に快楽によって支配されたようなもので、自分の意思では動くこともままならない有様だったが、
それでも・・・少なくとも意識を保っている限りは、絶対に彼の言うことには従わないと、そう決心していた。
「ふむ、そうですか・・・なんとかと言いますと・・・彼にお願いするとか、ですか?」
彼・・・と言われて、快楽で蕩けつつある思考はワンテンポおいてから誰を指しているかを理解する。
「ひぅ・・・んぁあ! はひ・・・ぃ! なんで・・・っ、なんで、ハヤテ君なんですかっ!
あの子は・・・っ、こんな、コト・・・っ、しな・・・ぁああっ! ひぅう!」
いくら年齢が近い異性だからといって、それだけの理由でこんなこと、頼める訳がない。
一体、何を言っているのだと思うマリアだったが・・・
「いえ、なかなか興味深そうにしているものですから・・・」
「ひぁ・・・あひぃっ! な、なんのっ! 何のことですかぁ!」
「ほら、あちらを・・・」
「ひぅ、んぁ、あひぃ!? や、何をっ! 何を・・・・・・するん・・・で・・・す・・・・・・」
それまで延々とベッドの上で四つん這いにさせられていた身体を不意に起こされて、
何もわからぬままに身体の向きを変えられて・・・
ベッドのシーツだけが移っていた視界に、彼女の部屋の様子が映し出される。
いつも見慣れた壁に調度品に―――扉。
そこにだけ、いつもと違う影があった。
扉のところにいる、人影。
よく知っているけれど、ここにいるハズがない・・・決していてはならない・・・
「・・・・・・ハヤテ・・・くん・・・?」
「・・・マリア、さん・・・」
思考が完全に止まる。
辛うじて、その人影の名前を声にすると、その人影が答えてくる。
見間違いでも幻でもない。
そこにいる彼は、間違いなく――――――
「い・・・・・・イヤぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあ!」
停滞した思考が堰を切ったように流れ出し、状況が飲み込めたと同時に・・・
その、あまりにも受け入れがたい状況に、マリアは両手で顔を覆い、絶叫した。
(続く)