「空っぽのほうが失うものがなくてすむんです。だから…」
「でもそんな空っぽの人に、ナギの執事が務まるかしら?」
不意にマリアさんが僕の背中にもたれかかってきた。
「そ…それは…」
確かに。僕はお嬢さまに助けられたのだから全力で尽くしてあげなければいけない。
「だから最近失敗が多いんですかね〜ハヤテ君は」
「ナギの愛撫も挿入も…あのコンドーム、結構がんばって買ってきたんですよ?」
「……」
実際言い訳しようがない。
お嬢さまは僕の愛撫を痛がっていたし、挿入する前に僕が果てていては夜のお勤めとしては失格だ。
「す…すみません…次は…がんばって…」
「あら?でも、とても一人ではがんばれないって顔してますよ?」
背中を合わせていたマリアさんが僕を抱きかかえるように振り返り、耳元でささやいた。
確かに経験のない僕がまた挑戦しても同じ失敗を繰り返すだけだと思う。
というかマリアさん…む、胸があたっているんですけど…
「マ…マリアさん?」
「ん〜?」
あててんのよ!と言わんばかりの無邪気な笑みで流されてしまっている。
でも僕にはマリアさんを満足させるような技術や経験は持ち合わせていませんよ?
「ですから…」
「夜のお勤めは私も混ぜて3Pしましょ♪」
「!!」