さて、どうしようかしら?  
街で偶然ハヤテ君を見かけたのは良いんだけど――  
 
「はぁ……どうして僕はドジばっかりしちゃうんだろう……  
ナギお嬢さまだけでなく、咲夜さんまで怒らせて追い出されちゃうなんて……」  
 
明らかに何か問題を抱えてるみたいだし……  
とは言え放っておくわけにもいかないわよね。  
まったくもう、世話がやけるんだから……  
 
「ちょっと、ハヤテくん?そんなところで何してるの?」  
「あっ、ヒナギクさん……実はかくかくしかじかで――――」  
 
「……つまり、名前を呼ばれてノックもせずに部屋に入ったら、二人とも恥ずかしい姿だったってわけね?」  
「はい」  
「あのねぇ、女の子の部屋に入る前はノックするのが常識なの。そんな事も分からないの?」  
「……うぅ、すみません。名前を呼ばれたのでつい……本当にごめんなさい」  
「ちょ、ちょっと、私に謝られても困るわよ!それに……」  
 
そんな顔されたらますます放って置けないじゃない……  
あー、もう! 本当の本当に世話がやけるんだからっ!!  
 
「とにかく、うちにいらっしゃい。どうせ行く宛てなんて無いんでしょ?」  
「そんなっ、僕なら公園で寝泊まりとか慣れてるんで気にしないで下さい」  
「私に困ってる同級生を見捨てろって言うの?いいからついて来なさい!」  
「は、はい……!」  
まったくもう、本当の本当の本当〜……に世話がやけるんだから!  
 
『ヒナちゃんへ☆突然だけどお友達とお出かけで今日は帰りが遅〜くなります♪お留守番お願いね☆』  
 
なんてお決まりのパターンなの?  
って言う事は、今日は私とハヤテくんの二人きり?  
 
「あの……やっぱり僕は公園で――」  
「な、なによそれ!私と二人きりだと不満って言いたいの?!」  
「いえ、そんな事は決して! えっと……じゃあお言葉に甘えてお世話になります、ヒナギクお嬢さま」  
「えぇっ!? べ、別にいつも通りでいいわよ!」  
 
こうして二人っきりの長い一日は始まったのでした  
 

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