「では、買い出しに行ってきますね。しばらくの間ナギをよろしくお願いします、ハヤテ君。」
「はいっ!お任せ下さい。」
いつものようにハツラツと返事をしてマリアを見送る。
ハヤテの胸は否応なしに高鳴っていた。バカンスだから、というのでは決してないが。
「二人っきりになりましたねっ、お嬢さま。」
だだっ広いリビングルームに戻ったハヤテはナギに話しかける。
「ああ。まぁ私はネットのみんなと楽しんでいるがな。」
「・・・さすがはプロのヒッキーです。でも、その・・・もっと楽しいコトを僕としませんか?」
「んー?暑いから外はナシだッ!?」
ナギの声が上ずる。モニター前に座るナギを後ろからハヤテが抱きしめたせいだ。
「にゃ、な、な!何をッ!!」
「もちろん室内ですが・・・バカンスで男女が二人っきりなら、することはひとつですよね?」
ハヤテは慌てふためくナギの耳元で囁く。なだめるように、盛り上げるように・・・
「きゅっ、急に何を・・・!そ、それにそういうのはわたし達にはまだ早いだろぅ・・・」
出発前に見た淫夢がフラッシュバックしたせいか、ナギの言葉は尻すぼみだ。
「そんなことはありませんよ・・・お嬢さまだって、この間はずいぶん色っぽい寝言を唱えていらしたじゃありませんか。」
「ッ・・・!!わ、わたしはそんな寝言など・・・」
図星、しかも聞かれていた恥ずかしさで、ナギは湯気が出そうなほどに紅潮する。
「ほら、お嬢さまのかわいい胸がドキドキしてますよ?その気になってらっしゃるんですね。」
「そんなことッ・・・!」
言いながら、首筋の甘い芳香を堪能する。ナギは緊張から動くこともできない。
「失礼、しますっ・・・」
「ンッ!?ンゥゥゥ!!」
ナギがガチガチなのをいいことに、ハヤテはナギの頭を振り向かせ唇を奪った。突然ながらも優しく、できるだけ優しく。