「そうですよね!!泉に好きな人なんてまだ早いですよね!!」  
「え? あ… うん…」  
 
アウターストーリーin第173話  
「*はこのなかにいる*」  
 
「ふぅっ……」  
 ハヤテを見送って自分の部屋に戻った泉は、安堵の息をついた。  
「いやほんと死人が出なくてよかったよ……。」  
 五週も続いたかのようなこの土曜の午前の大騒動を思い、しみじみと呟く。  
「来週からは学校行けるし……もうメイド服とかも着なくていいし……」  
 そう言ってベッドの上を見た。朝に泉の着ていたメイド服が、部屋着に着替えて  
脱いだあと、片付ける暇のないままそこに放置されている。  
「あ……」  
 その横に、決闘場から戻りまた部屋着に着替えた時に脱いだ、スカートの焼けた  
ウェディングドレスが、同じく放り出されているのが目にとまった。泉はベッドに  
歩み寄って、ウェディングドレスを手に取る。  
「……ウェイディングドレスも……しばらくは、着ないよね……」  
 泉はドレスを持ったまま、クローゼットの前へと移動した。クローゼットを開き、  
扉の裏側にある鏡の前に立つ。そして、ウェディングドレスを体の前で広げて持ち、  
鏡を覗き込んでにっこりと微笑んだ。  
「にはは。」  
「ふふふっ。」  
「には……」  
「ふっふっふっ……」  
「…………ふえ?」  
 泉は背後の声に振り返る。そこには、どこかで見たような生徒会長が立っていた。  
 
「ニャアアアァ!?」  
 泉は顔を真っ赤にして、ウェディングドレスを胸元に抱き隠す。その泉の体に、  
ヒナギクはぎゅーっと抱き付いた。  
「あああ照れる仕草も可愛いわっ。」すりすり  
 さらに頬ずり。  
「ヒ、ヒナちゃんなんでウチにっ!?」  
「ふふふ、私としたことがうかつだったわ……泉の不登校が……」  
 ヒナギクは混乱する泉の耳元で囁き掛ける。  
「恋の病のせいだと今まで気付けなかったなんて……!!」  
「えええーー!?」  
 泉はヒナギクの誤解に驚きの声を上げた。ヒナギクは気に留めず話し続ける。  
「でも大丈夫。恋する可愛い乙女の狩人……もとい、味方。この桂ヒナギクが  
来たからには、その恋、全力で応援させてもらうわ。 だから元気を出して。  
これから私と、えっちなことができるくらいに。ね?」すりすりすり  
「ニャアアア!!」  
「どうかしたのかい泉?」  
 泉・父が部屋の扉から顔を覗かせた。  
「にゃ!!お、お父さん!!あのこれは――」  
「おや、桂君も泉に会いに来てくれたのですね。いらっしゃい。」  
「お久しぶりです、泉のお父さま。お邪魔しています。」すりすり  
 娘を抱き締めている娘の親友と、抱き締められている親友の父親は、ごく普通に  
挨拶を交わした。  
「ふにゃ、あの、これはね、」  
「泉はいつも可愛いですけど、しばらくぶりに会った今日は、またひときわ  
可愛く見えるんですよ。」すりすり  
「そうでしょうそうでしょう。泉はホント可愛いですよね。」  
 目尻を下げて、はっはっはと泉・父は笑う。  
「可愛いから危ない目に遭わないか心配でしてな。いつもケータイを持って歩く  
ように言っていたのですが、先日道で子猫に取られて無くしてしまったのですよ。」  
「聞きました、可愛いですよね、泉。」すりすり  
「可愛いでしょう、泉は?」  
 丸きり親バカな口調で泉・父は応じた。  
「それで学校のハイキングではぐれた時、連絡をつけられなかったと聞きましてな。  
やはりケータイをきちんと持ち歩くのもままならぬようでは、可愛い泉を外に  
出すのは心配になったのです。そこでもうこんなことのないよう、しばらく一日中  
修行させることにしたのです……メイド服で。」  
 泉・父はベッドの上のメイド服を見る。  
「……メイド服ですか。」すり……  
 ヒナギクもベッドの上のメイド服に目をやった。  
「ええ。メイド服です。」  
 泉・父は頷く。  
「それは可愛かったでしょうね、泉。」  
「ええもう、とても可愛かったですよ、泉は。」  
 至福の表情で、泉・父はそう答えた。  
 
「泉はなぜか恥ずかしがって、学校に行きませんでしてな。あんなに可愛かった  
のに……」  
「可愛くてもダメに決まってるでしょーー!!」  
 泉は父に対してつっこむ。  
「そうだったんですか。私てっきりこ……コホン、心の病かなにかを患って、  
引きこもってしまったのかと……高野山の件のショックとかで。」  
 ヒナギクは泉を抱き締めたまま、泉・父に話し掛けた。  
「みなさんにご心配をかけてしまったようですね。今日、親切な方が泉の無くした  
ケータイを届けてくださいましてね。さきほどメイド服の修行は終わりにしました。  
来週には泉も登校すると言っていますから、ご安心ください。」  
「それはいいことをお聞きしました。泉がいると教室が明るくなりますもの。」  
「はっはっはっ、桂君にそう言ってもらえるとは嬉しいですな。さて、できれば  
もっと泉の学校での可愛さについて聞いていたいのですが、ちょっと野暮用が  
ありましてな……」  
「御用事ですか。」  
「ほら、お前も挨拶せんか。」  
「いてて、耳を引っ張るな親父!!」  
 廊下から泉・父が虎鉄を引っ張り出してきた。  
「あ、虎鉄君。」  
「……イラッシャイマセ。」  
 虎鉄は手を後ろに組み、むすっとした表情でヒナギクに挨拶した。  
「ちょっとこの愚息が怪我をしましてね。念のためこれから病院に連れて行って、  
ついでにいろいろと説教をしてやらねばならんのですよ。」  
「私は何も間違っちゃいない!!」  
「間違いだらけではないかこの馬鹿者が!!」ガツン!!  
「いて!!」  
 父親に叩かれた頭をさする虎鉄の手に、包帯が巻かれているのをヒナギクは見た。  
「虎鉄君……お大事にね。」  
「これくらいどうってことないさ。病院など行かなくてもいいくらいだからな。」  
 ヒナギクの見舞いの言葉に、虎鉄は軽傷を主張した。  
「もぉそんなこと言って、ちゃんと病院行かなくちゃダメだよ虎鉄君。」  
 泉がそれをたしなめる。虎鉄は泉を見て溜息をついた。  
「はいはい。お嬢からお暇を頂いてしまっては執事としてはしょうがありませんな。  
私のいない間、お友達と楽しくやっててください。」  
「そうそう、私にかまわ……ず……?」  
 泉はそろりと首を回す。振り返り見たヒナギクの瞳が、キラリと光るのが見えた。  
「にゃー!!!!」  
 泉はぞくりと身の危険を感じる。  
「え、えと、虎鉄君、すぐ戻るよね……?」  
「? さあ……?それは親父に聞いてくれ。」  
「お父さんー!!」  
「はっはっは、泉は寂しがり屋さんだなぁ。私もすぐ戻りたいのはやまやまだが、  
虎鉄だけでなく、瀬川四天王以下の瀬川家全警備部も、某霊山に連れていって半日  
叩き直してやらねばならんのだよ。これも泉をしっかり守れるようにするため……  
家の中の者がみな出かけて寂しいだろうが、いい子で待ってるんだぞ、泉よ……」  
「いや、私は一応怪我してるんだが……」  
 虎鉄は呆れたように呟いた。泉は背後からさらに強く危険を感じて叫ぶ。  
「今日の安全はどうなるのーー!?」  
「ふふっ、それは……」  
「私たちに任せるのよ!!」  
 部屋の入口に二人の少女が姿を現した。  
 
「リサちん……ミキちゃん……」  
 二人の親友の登場なのに、泉は状況が悪化する予感しかしない。  
「ヒ……もとい、泉の父上から、留守中の警備管制を任されたのだよ、我々は。」  
 理沙が意味なくクックックッと笑った。  
「安心しなさい泉。私たちは邸内を隈なく警戒し……侵入者がいれば……すぐ警察と  
警備会社に連絡する!!」  
 美希はコードレスホンをビシッと突き出す。  
「……警備部があるのに、警備会社と契約してるの?」  
「瀬川四天王も警備部も、場合によっては全員この家を留守にして、外での護衛任務  
に当たる場合がありますからねえ。」  
 ヒナギクの疑問に、泉・父が答えた。  
「そういうわけだから、警備会社も警備システムも十分警戒を敷いている。  
動画研究会のお友達も、このように協力してくれるそうだ。安心しなさい、泉。」  
 そう言って泉・父は美希の肩をポンと叩いた。  
「何を企んでるのミキちゃんたち!?」  
「嫌だな泉。私たちは友達じゃないか。何を後ろめたいことがあろうか?」  
「そうよ泉。例え泉が休んでいる間、クラス委員長の仕事が副委員長の私に回って  
きてたとしても……私たちの友情に変わりはないわ、レッド!!」  
「そうとも。美希がそのクラス委員長の仕事をスルーして風紀委員の私に丸投げ  
したとしても……泉との友情とは何も関係ない話なのさ、レッド!!」  
「ブルー〜!!ブラック〜!!」  
 泉は涙声で叫んだ。  
「……ていうかその辺の仕事は結局全部私やハル子に押し付けてたじゃない。」  
「うん。だから友情とは何の関係もない話だと言ったんだ。」  
「実害なかったもの。」  
 ヒナギクが指摘し、二人はケロリとした口調で答える。泉は疲れた声で抗議した。  
「にゃー、関係ないならそんなこと言わないでよ……」  
「泉の父上、このように私たちのフォローをしてくれる頼もしい生徒会長もいます。  
どうぞ安心してお出かけください。」  
 ヒナギクを指さしながら、美希が泉・父に話し掛ける。  
「そうですな。文武両道に秀でた才女と評判の桂君がいてくれるのですから、  
これはさらに安心ですよね。」  
「いえ私などまだまだですよ。」  
「いやいや御謙遜を。」  
「いや、お父さんむしろヒナちゃんがね、ああ、なんて言えばいいんだろぉ〜〜」  
 品行方正そうに微笑むヒナギクと、はっはっはと笑う父に挟まれ、泉は必死に  
穏当な言葉を探すが見つからず困り果てた。  
「でも私、今日は夕飯の時間には家に帰らないといけないんです。」  
「ん?ああそれはもちろんかまいませんよ。花菱君と朝風君は……」  
 ヒナギクが申し訳なさそうに告げたのを、泉・父は軽く了承して、娘の友人達の  
あとの二人にも尋ね掛ける。  
「御心配なく。終電ギリギリまで皆さんの帰りをお待ちしますよ。」  
「まあ実際の帰りは家の車を呼ぶんですけど。」  
 理沙と美希は任務の完遂を誓った。  
「泊まっていってもらってもいいのですよ?まあそれはともかく、夕飯前には虎鉄を  
戻すことにしましょうか。一応怪我もしていることですしね。」  
「夕飯までなにをさせられるんだか……」  
「それなら、虎鉄君の帰りまではお任せください。でも、なるべく早く泉の執事君を  
帰してあげてくださいね、お父さま。」  
 ヒナギクは胸を張って請け負った。  
「はっはっは、頼もしいですな。分かりました。では、早速出発するとしましょう。  
泉、お土産持って帰るから、いい子で待っていなさい。」  
「ちょっ、お父さんーーー!!」  
 ヒナギクに抱きすくめられている泉を後に、四人は部屋を立ち去る。ドアがぱたん  
と閉ざされ、泉はがっくりと肩を落とした。  
「とりあえず、泉……」  
「にゃ?」  
 ヒナギクは泉の抱えているウェディングドレスを指で摘まむ。  
「これに着替えましょうか?」  
「にゃああああ!!」  
 
「ふう、出来上がりっと……」  
 ヒナギクは、泉から剥いだ部屋着を折り畳みながら一息ついた。  
「ふええ……ヒナちゃんのスケベ〜……」  
 スカートが燃えて丈の短くなったウエディングドレスを着せられた泉は、裾から  
下着が覗いて見えてしまうのをなんとか隠そうと、スカートの燃え残った部分を  
必死に引き伸ばす。  
「これくらいで恥ずかしがっていては新婚生活を送れないわよ?」  
「だからそれは誤解だって!! そんな予定はないんだってば〜!!」  
 畳んだ服を置き、新婦の心得を諭すヒナギクに、泉は強く否定した。  
「うん、学校に来れなかったのは恋の病じゃなくて、コスプレ好きなお父さんの  
せいだったのはよく分かったわ。ちょっと早とちりしちゃってごめんなさいね。  
泉があまりにも可愛く見えるから、これは恋する乙女に違いないと思ったんだけど。  
私の嗅覚が鈍ってるのかしらね、最近。この前も勘違いしちゃったみたいだし……」  
 ヒナギクは額に指を当てながら内省する。  
「ね、だから元気にしてもらう必要とかないから、特に恋の応援とかは必要ないって  
いうか、なんだかかえってややこしい話になりそうな予感がビンビンしてるから、  
もぉ止めにしない?」  
 泉はなんとかヒナギクを説得しようと近寄って話し掛けた。ヒナギクは顔を上げ、  
泉に向かって優しく微笑む。  
「そうね、止めにしましょう……」  
「うんうん。」  
「じゃ、えっちだけするってことで。」  
 ぽむ。  
 ヒナギクの手が泉の肩に乗った。  
「……ふえぇっっっ?!」  
 泉は一瞬の間を置いて叫んだ。ヒナギクはしっかりと泉を確保して語り続ける。  
「久しぶりに見た泉はやっぱり可愛いし。スカートの焼けた、ぱんつの見えちゃう  
ウェディングドレスを着て恥じらってる泉は、もうヤバいくらいキュートだし。  
こんな可愛い女の子と今は二人きりなんだから、これはもうえっちするしか――」  
「ちょ、ちょっとヒナちゃん、お父さんにヨロシクされたヒナちゃんが私にそんな  
ことしていいのっ?!」  
 じりじり後退しながら泉は抗弁した。  
「もちろん、泉のお父さんから泉の身も心も任せられたからには、全力で優しくかつ  
気持ち良く」  
「そ、そんなことは任せてないと思うよ!?」  
「そう?でもまあいいわ。これは誰かに頼まれたとかじゃなくて、自分の意思で  
誘っていることだから――」  
「私の意思はどうなるのーーっ?!」  
「もちろん……好きな人とじゃなきゃしたくないなら、止めにするけど……?」  
 泉の抗議に、ヒナギクは当然のようにそう返す。そしてヒナギクは泉の目を見て、  
穏やかに尋ねた。  
「私とは、したくない……?」  
 真剣そうなヒナギクに、泉は立ち止って真剣に返事をする。  
「あ、あのね、むしろヒナちゃんは好きでね、ヒナちゃんが好きじゃないって  
わけじゃなくてね、特に誰かそういうことしたいってまで好きな人がいるからって  
わけでもなくてね、」  
「じゃあ、えっちするってことで。」  
「……ちょっとヒナちゃん、ちゃんと聞いてよ〜〜!!」  
 返事をし終える前に、拙速に都合良すぎる結論を出すヒナギクに、泉は怒った。  
「聞いたわよ。問題ないみたいじゃない?」  
 ヒナギクは何を怒っているのだろう、という顔をする。  
「いやだからヒナちゃんは好きだけどえっちは恥ずかしいし、このカッコでえっちは  
もっと恥ずかしいし、ヒナちゃんのえっちは激し過ぎるし、」  
「大丈夫よ、泉……」  
「にゃぁっ……!!」  
 ヒナギクは不意に泉をぎゅっと抱き締めた。  
「そんな他の心配は全部忘れるくらい、気持ち良く、してあげるから……」  
「や、ヒナちゃんっ、あっ、んっ……!!」  
「んんっ……」  
 そして慌てる泉の声を、ヒナギクは唇で優しく塞いだ。  
 
「はう、ん、んんっ……」  
「む、んん……ん……」  
 ヒナギクの唇と舌が、泉の健康な口唇をむさぼっていく。絡み合った赤と赤の  
合間から、混じり合った唾液がつるりと零れ落ちた。  
「あっ、ふ、んふんんっ……」  
「んんっ……はっ、んっんんっ……」  
「あ、んんっ!!んっ……んんんっ……」  
 泉は顔を火照らせ、恥じらいに身が捩れる。口付けを避けるように逃げていく泉の  
唇を、ヒナギクは何度も追いかけて熱い接吻で捕らえた。  
「んん……うんっ……ぁん……んんん……」  
「ん……ふ……んく……んん……んー……」  
 優勢を確立したヒナギクは、情熱的で濃厚な接触を通じて泉の心身を籠絡する。  
唇が押し合い、舌が絡み合ううちに、泉の肌は汗ばみ、瞳は潤んでいった。自分を  
抱き締めているヒナギクの腕に、泉の手は無意識に伸び、きゅっ、とそれを握る。  
「んは……あんっ……あふぅっ……」  
「あ……あぁあっ……ぅんっ……」  
 飽きなくキスを続けるヒナギクも、泉の心地良い感触に興奮と体温を高め、時折  
零れる声にその昂りが示されるようになった。腕に抱く泉が示し始めた性的興奮の  
徴候によって、さらにヒナギクの気持ちは高まっていく。  
「ぅんっ、ふぅ……!!」  
「んん……んんーーっ……!! ああっ、泉っ……!!」  
「んんっ……はぁっ、ヒナ、ちゃんっ、にゃっ!? やぁっ!!」  
「泉ぃ……!!」  
 ヒナギクの情欲に満ちた手が、泉の背から下って丸みを帯びた腰を滑った。泉の  
身じろぐ暇もなく、ドレスのスカートの焼失部位からヒナギクの手は差し込まれ、  
尻を覆う白いショーツの上をいやらしく愛撫する。  
「ふぁっ、んんんんんっ……!!」  
 泉の背にぞくっとする快感が走った。ヒナギクの口付けによって火の付きかかって  
いた泉の体は、この侵犯行為が生み出す感触を、理性を超えて受け入れてしまう。  
「ん……泉……んん……素敵……柔らかい……」  
「あんっ!!はっ、やあ、んんっ、にゃっ、ああぁぅんん!!」  
 汗に湿っていくショーツの上から、ヒナギクは泉の柔らかく瑞々しい桃を存分に  
揉みしだいた。若く弾力のある果肉の手応えを楽しみ、時折愛でるように手のひらで  
撫で触って、泉の反応の違いを観賞する。泉は恥じらいながらも、ヒナギクの巧みな  
手付きがもたらす快楽に翻弄されて、甘く悩ましい声を出してしまっていた。  
「はぅ、はぁんっ……!! んんん……!!んうう……んっ!!」  
「泉、気持ちいい?」  
「や、だめだよぅ……ぁんん……」  
「いいのよ、恥ずかしいことなんてないわ。気持ち良かったら、気持ちいいって  
認めていいのよ。その方が、私も嬉しいわ……」  
「でもぉ……」  
「泉は、恥ずかしがり屋さんね……」  
 躊躇する泉に、ヒナギクは優しく微笑み掛けた。そして、愛撫する手を休めて、  
その手で泉の体を保持する。そのかわりに、今まで泉を抱いていた手でそっと泉の  
唇を撫でてやった。  
「ん……ヒナちゃん……」  
「そんなところも、可愛いわ……」  
「あっ……」  
 唇を撫でていた指が止まり、ゆっくりと泉の顔から外れていく。それと同時に、  
ヒナギクの顔が泉の前に迫って来た。除けられた手は泉の肩に優しく置かれる。  
「ん……」  
「あ、んっ……」  
 泉の唇にヒナギクの唇が重なった。泉の抵抗は前よりも弱い。ヒナギクの舌は  
すんなりと泉の唇を割り、艶かしく蠢いた。  
 
 泉のウェディングドレスの胸元が緩められ、そこから小さな乳首が顔を見せる。  
「あ……」  
「む、んんっ……ふっ、んっ……」  
「んあっ!!あんんっ……うんんんっ!!」  
 ヒナギクは自分の服を脱ぎショーツだけの格好でベッドの脇に腰掛け、泉を  
目の前に立たせた。そして覗き出させた泉の胸の突端を舌と指で責め始める。  
その刺激を受けた泉が、喉の奥から快楽の声を飛ばした。  
「ん、む……」  
「あっ、あんんっ!!あ!!」  
 強い愛撫に、泉の乳首はたちまち硬く張り詰める。二つの突起から発する快感が、  
泉の頭の中を駆け巡った。泉は片手でヒナギクの頭を掻き抱きつつ、もう片方の手で  
ヒナギクの胸を探る。控えめな膨らみを見つけ、だどたどしい手つきで撫でる。  
「んぁ!!ヒナ、ちゃぁんっ……!!」  
「んんっ、んんん……!!」  
「あんっ、ふうんんっ!!んんんぁぁっ!!あうんっ!!」  
 ヒナギクは泉の乳首への愛撫を続けた。指で押し、舌で弾く。捏ね回したり軽く  
噛んでみたりと、この可愛い器官を様々に弄り倒した。泉はさらに高い声を部屋に  
響かせる。  
「んんあ!!あんっ、あ!!ひぃんっ!!」  
「んんっ……はっ、ん……」  
「あ……!!んぅ、はぁっ、んんっ……!!」  
 そしてヒナギクは、泉を十分興奮させたと判断すると、その先へと踏み出した。  
「ん、泉っ……!!」  
「え?……あ、やぁっ!!」  
 ヒナギクの手が、泉の太股の辺りからウェディングドレスのスカートの中へと  
差し入れられる。足の間に差し込まれた指が、泉の大事な場所をショーツの上から  
押さえた。  
「んぁっ!!あんんっ!!」  
「んっ、泉、ここもう、びっしょり……」  
「やぁんっ!!んぅ!!」  
 ヒナギクの指が、愛液で濡れたショーツの上を前後し、広がった染みから垂れ出す  
ぬめりが、細い指に絡む。  
「あぅ、あああ!!」  
 泉は刺激に腰が震えた。ヒナギクの頭を両腕で抱き抱え、身をくねらせる。  
「あ、ヒナちゃんっ、ああんっ!!」  
「泉、ここに、手をついて……」  
 ヒナギクは一旦愛撫を止め、体を横にずらした。泉の片腕を手に取り、ベッドの  
上に降ろしてやる。そして泉がもう片腕をベッドに突けるよう、頭を低くして泉の  
腕の移動経路を確保する。ヒナギクの誘導に合わせ、泉はベッドの上に手を突き、  
はっきりとした呼吸を繰り返した。  
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」  
 ベッドに腰を下ろしたまま泉の横にいるヒナギクは、泉の内股にそっと手を  
這わせる。  
「ふぅんっ!!んんっ……!!」  
 泉は鼻にかかった息を漏らす。ヒナギクは手で内股を撫でる位置をじりじりと  
脚の付け根に向かわせながら、泉の耳元に近寄って囁いた。  
「ぱんつ、脱がして、続きしてもいい?」  
「はぁっ、んっ……」  
「どう?」  
 ヒナギクは指で泉のショーツを引っ掛け、軽くずらしたり弾いたりしてみる。  
「ふっ、んんん……!!にゃああ……!!」  
「い・ず・み……」  
「……うんっ、うんっっ、してっ……!!」  
 泉は何度も頷き、承諾を与えた。  
 
「じゃあ、もう少し頑張って、お尻をしっかり持ち上げててね。」  
 ヒナギクは泉の耳にキスをして立ち上がり、ベッドに手を突いて立っている泉の  
背後に回る。燃え残りのスカートからショーツがちらりと覗いていた。  
「ん、可愛いお尻……」  
「ん、ぁっ……」  
 ドレスのスカートをめくり上げ、ヒナギクはショーツの斜め後ろくらいから横側に  
かけて両手を滑らせて泉の丸みを改めて楽しむ。泉は小さな声を漏らした。  
ヒナギクはショーツの横を指で摘み、ゆっくりと引き下げる。  
「ん……」  
「あ、糸引いてるわ……」  
「んんっ、やぁっ……」  
 泉の恥じらいの声が聞こえる。ヒナギクがさらにショーツを引き下げると、  
ショーツの染みに伝っていた愛液の糸はぷつんと切れた。膝上辺りまで引き下げ、  
ヒナギクは覆いのなくなった泉の秘所を覗き込む。幼さの残る秘裂が、自身の  
吐き出した愛液にぬめり光っていた。  
「ん、綺麗よ、泉……」  
「ふ、ぅっ……」  
「十分、濡れてるけど、一応、指でする前に……」  
「にゃ……?」  
「んーー……」  
「はぁうっ!!」  
 ヒナギクは舌を伸ばして泉の花弁を舐める。愛液と唾液を舌に乗せ、秘所全体に  
潤滑液を塗り込んでいく。特に一番奥手にある敏感な突起は、十分注意を払って  
優しく扱った。  
「は、うんんっ!!あっああ!!ああ!!ぁあんんっ!!」  
 ヒナギクの舌による愛撫で、泉の秘裂はますます潤い、陰核は敏感さを増した。  
泉の息も再び荒くなり、脈拍と鼓動が高鳴る。  
「む、ん、あふ、んん、ん……」  
 泉の下半身に舌を這わす一方、ヒナギクは自分の下半身にも自慰の手を伸ばした。  
かなり気分が高まっていた為か、ショーツの下の秘唇は布地の上からの愛撫にすぐに  
愛液を分泌し始め、早々に下着をずらしての直接の接触へと進んだ。  
「んんっ……!!んふ、む、ふぅ、うっ……」  
「うんっ、あふ、あ!!あぅ!!んんん!!あぁん!!」」  
 泉とヒナギクは着実に性感を高めていく。泉はひっきりなしに発する声に、口の  
塞がっているヒナギクは息の荒れ具合に高まりが現れる。  
「あふ……ふうっ……」  
「ああ……」  
 ヒナギクが舌を離して立ち上がった。快楽の余韻に酔う泉の腰を、背後から  
抱きとめる。泉は首を回してヒナギクを探した。  
「ん、ちゅ……」  
「あ、ヒナ、ちゃんっ……」  
 指を口に含んで濡らすヒナギクを、泉は期待に満ちた目で見つめる。  
「泉……」  
「……あぁっああんっ!!あんんっ……!!」  
 ヒナギクはその目を見つめ返しながら、泉の腹の下へ手を差し込んだ。濡れた指が  
襞の上に触れ、泉は望んだ刺激に歓喜の声を上げた。  
 
「ん……泉……ああっ……!!」  
「ああ!!あんっ、あああ!!ヒナちゃぁん!!」  
「ふ……はん!!……ああ!!」  
 ウェディングドレスを着た泉の露わにされた尻を自分の腰に引きつけ、その秘所を  
まさぐりつつ、ヒナギクは自身のものにも指で刺激を与え続けた。  
「ん、はっ、あ!!」  
「あぁんんっ!!ふあ!!はぁ!!あんん!!」  
 泉の気持ち良い所、自分の気持ち良い所を的確に責め、ヒナギクは二人共に快感を  
享受しようとする。ヒナギクの指は泉にいくらでも快楽をもたらす。秘裂を擦られ、  
突起を弄られ、その度に泉の魂は心地よさに震えた。  
「はぁあっ!!ヒナ、あ!!ヒナちゃんんん!!あんん!!」  
「ああ、泉っ!!あっ……ん!!」  
 泉の愛液が内股を濡らし、ヒナギクの手に零れる。口を開けば悦びの声が溢れる。  
愛撫に対する泉の反応が、さらにヒナギクの喜びとなって、指遊びで興奮させた  
ヒナギクの中枢を一層高揚させる。  
「あぁんんっ!!ふあ!!はぁ!!あんん!!」  
 泉の体を支える腕と脚は、体を浮き上がらせるような快感の波に、段々と力が  
籠らなくなっていった。ヒナギクの前にウェディングドレスから覗く尻を差し出す  
体勢は恥ずかしいものだったが、望まれてしているのだからと、泉は精一杯姿勢の  
維持に努力する。  
「あっ、泉っ、泉っ!!あんんっ!!」  
 ヒナギクの興奮が段階を上げ、それと共に指使いも激しさを増す。ヒナギクと泉の  
秘所では溢れる体液と指とが襞や突起の上を駆け巡った。  
「はぅ、ああ!!、あああ!!」  
「んっ、あああ!!」  
 衝撃の増大に泉の体が揺れる。ヒナギクは増していく興奮の嵐の中の拠り所として  
泉の体との接触を求め、二人の体の動きが大きくなった。そしてそのまま二人は  
頂点へと駆け出す。  
「んんぅ、へん、なの、あああ、へんに、なっちゃうぅ!!」  
「あああ、いずみっ、あ!!いいっ!!」  
「あんっ!!ヒナちゃん!!あああ、ああ、ああ、だめ、ああ!!」  
「いくっ、んあああ!!いくっ!!」  
「だめ、だめ、うんっ、ああ!!あ あ あ あ……!!」  
「あああ、あっ、いく、いくっ、いくぅっ……!!」  
 そしてヒナギクと泉は続けざまに絶頂に達し、部屋に声を響かせた。  
「にゃあぁあああぁああああああ…………………!!」  
「んあああぁあっっっっっっっ…………………!!」  
 
 ヴ〜〜〜〜ン…………  
 瀬川邸のオペレーティングルームで、美希と理沙は多くのモニタを眺めていた。  
「しかし……『瀬川泉のハイスクールライフフォト&ビデオ(全年齢対象・非売品)』  
を進呈しただけで、ヒゲがここを使わせてくれるとはね……」  
 美希は改めて泉・父に対する娘カードの有効性を実感している。  
「そうだな……まさに溺愛だな。」  
 理沙も頷き同意した。  
「けど、ここを使いたかったのは、泉のちょっとはずかしいシーンを集めるため  
だったのだけど……ヒナが来たから、しばらく待たないと無理ね。」  
「ウルトラはずかしいシーンになってるだろうからな、今。録画できても使いようが  
ないさ。われわれは泉をあくまでも温かーく見守っているのだから……まあでも、  
それはそれとして、今のあの部屋の中をここから見れないのはちょっと残念だな。  
さすがに年頃の娘の部屋の中にはカメラをしかけてないようだ……」  
 理沙はそう言ってカメラ切り替えスイッチ群を見渡す。  
「ねえ、理沙。」  
「ん?なんだ?」  
 美希は少し憂いを帯びた表情で呟いた。  
「これは、ヒナが私達から泉を守っているってことに、なるのかしらね……」  
 
 
 
 
 
「じゃあ!! 次はこのメイド服で――」  
「もぉ勘弁してよヒナちゃんーーー!!」  
 
 
 
 
 
 
「考え過ぎだろう、それは。」  
「そうね……」  
 
〜Fin〜  
 

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